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【中学地理】アフリカ州を図解で総まとめ—自然と歴史・モノカルチャー経済|武蔵野個別指導塾

サハラ砂漠と赤道付近の気候の違いから、植民地支配と輸出の関係をたどります。輸出構成の図と価格下落の計算例で、モノカルチャー経済の課題を説明できるようにしましょう。
よくあるのは、塾の面談の席で「アフリカには資源があるのに、どうして経済の課題が出てくるのですか」と聞かれ、ノートの「金」「石油」「カカオ」を見ても説明がつながらないという場面です。産物の名前を覚えることと、その産物が暮らしにどう結びつくかを考えることには、少し距離があります。
アフリカ州を学ぶときは、自然、歴史、産業の順に理由をつないでみましょう。雨の降り方によって育つ作物が違い、植民地支配のもとで輸出向けの生産が進み、その影響が独立後の経済にも残りました。ただし、すべての国に同じ説明が当てはまるわけではありません。乾燥した地域も森林の広がる地域もあり、都市や工業の発達にも違いがあります。「アフリカだから」と一括りにせず、場所と条件を添えて説明することが、この単元の出発点です。
この単元で身につけること
- 自然の位置関係をつかみます。北部のサハラ砂漠、赤道付近の熱帯、北東部を流れるナイル川を結びつけ、暑さと乾燥を区別します。
- 植民地支配の影響を説明します。国境線や言語、輸出向けの産業に歴史が残っていることを、現在の地図や暮らしと関連づけます。
- モノカルチャー経済を資料から読み取ります。特定の農産物や鉱産資源への依存を、輸出額の内訳に注目して判断します。
- 資源と収入の関係を考えます。資源があっても、価格の変動や加工の進み方によって得られる収入が違うことを確かめます。
- 人口増加と都市の課題、アフリカ連合の役割を理解します。働く場や生活施設の整備と、国どうしの協力を分けて整理します。
前のヨーロッパ州で学ぶ国境をこえた結びつきは、アフリカ州では植民地支配の歴史と現在の地域協力の両面から考え直せます。用語だけを答える問題でも、どの場所のどの仕組みを指すかまで確認しておくと、理由を問う問題へ進みやすくなります。
基本の考え方
暑い地域がすべて砂漠になるわけではありません
アフリカ大陸は赤道の南北に広がります。北部には広大なサハラ砂漠があり、雨が少ない乾燥帯が広がっています。一方、赤道付近のコンゴ盆地などは高温で雨が多く、熱帯雨林が見られます。その周辺には雨季と乾季がある地域が広がり、草原に樹木がまばらに生えるサバナが見られます。雨季は雨の多い季節、乾季は雨の少ない季節です。
図1のように、まず北から赤道付近までを並べると、砂漠と熱帯雨林が異なる位置にあることをつかめます。これは気候の帯を厳密に区切る地図ではありません。実際の分布には標高や海からの距離なども関わり、東部の高地には周囲の低地より涼しい場所があります。北端や南端の一部には地中海性気候も見られます。

サハラ砂漠の南側のふちに沿う地域はサヘルと呼ばれます。降水量が少なく変動もしやすい地域で、干ばつに加え、過度な放牧や耕作、樹木の伐採などが重なると土地が荒れ、砂漠化が進みます。砂漠化は砂が風で運ばれることだけではなく、乾燥した地域で土地の生産力が低下する問題として捉えましょう。
ナイル川はアフリカ北東部をおおむね南から北へ流れ、地中海に注ぎます。乾燥地域を流れていても、上流の雨の多い地域などから水が集まるため、川沿いではその水を利用した灌漑農業が行われます。川があることと周辺の降水量が多いことは同じではありません。地図では河口だけでなく、上流がどこにあるかもたどります。
国境と産業に残った歴史
19世紀後半以降、ヨーロッパ諸国によるアフリカの植民地化が急速に進みました。植民地とは、他国の支配を受け、政治や経済などをその国の都合に左右される地域です。分割の際には、現地の民族や生活圏を十分に考慮せず国境が引かれた例があり、直線的な国境も見られます。同じ民族が複数の国に分かれたり、複数の民族が一つの国に含まれたりしました。
第二次世界大戦後に独立が進み、多くの国が独立した1960年は「アフリカの年」と呼ばれます。独立後も旧宗主国の言語が公用語として使われる国があり、貿易の結びつきも残りました。宗主国とは植民地を支配していた国です。ただし、現在の対立を民族の違いだけで説明することはできません。政治や資源の分配など、複数の条件を考える必要があります。
輸出する品目が偏ると何が起こるのでしょうか
植民地では、支配する国に送る農産物の栽培や鉱山開発が進められました。特定の少数の農産物や鉱産資源の生産・輸出に大きく依存する経済を、モノカルチャー経済といいます。農業だけの用語ではなく、石油などに依存する場合も含みます。
農産物ではガーナやコートジボワールのカカオ、鉱産資源ではナイジェリアの石油、ザンビアやコンゴ民主共和国の銅、南アフリカ共和国の金やプラチナなどを、国の位置と結びつけて整理します。これらは産地の例であり、各国の産業全体が一品目だけという意味ではありません。カカオはチョコレートの原料ですが、原料の輸出と完成品の製造では担う工程が異なります。国内で加工を進めることは、仕事や付加価値を増やす方法の一つです。
例題で解き方を確かめる
例題1 気候の違いを言葉で説明する
北部のサハラ砂漠と赤道付近のコンゴ盆地では、植生が大きく異なります。その違いを「降水量」という語を使って説明しましょう。
- 問われた2地域を図1で探します。場所を先に確かめるのは、アフリカ全体の印象だけで答えるのを防ぐためです。
- 両地域の雨の降り方を比べます。植生の違いには、気温だけでなく植物が使える水の量が関係するためです。
- 場所、降水量、植生の順に文をつなぎます。原因と結果を同じ文に入れると、違いの理由まで伝わります。
答えは「サハラ砂漠は降水量が少なく植物が育ちにくいのに対し、コンゴ盆地は降水量が多く熱帯雨林が広がる」です。「どちらも暑い」だけでは違いを説明できません。また、雨季と乾季のある草原地域を、雨がほとんど降らない砂漠と同じにしないようにしましょう。
例題2 輸出構成の図から依存度を読む
図2は、輸出総額をともに100とした計算用の例です。A国では資源Xが80、その他が20、B国では資源Xが40、その他が60です。どちらが資源Xの価格下落の影響を受けやすいと考えられますか。輸出数量とその他の収入は変わらないものとします。

- 帯全体が何を表すか確かめます。図2は輸出額の内訳であり、国土面積や働く人の割合を示す図ではないためです。
- 資源Xの割合を比べます。A国は80%、B国は40%で、A国のほうが同じ資源から得る収入に強く依存しています。
- その資源の価格が下がった場合を考えます。同じ割合の値下がりでも、輸出全体に占める割合が大きいほど総額への影響が大きくなるためです。
答えはA国です。理由は「資源Xが輸出額に占める割合が大きく、その価格下落で輸出総額が減りやすいから」と書けます。ただし、「その他」に多くの品目が含まれるかはこの図だけではわかりません。B国の産業が十分に多様だとまで断定せず、資源Xへの依存度を比較した結論にとどめます。
例題3 価格が半分になったときの収入を求める
例題2の資源Xの価格だけが半分になりました。条件はそのままで、A国とB国の新しい輸出総額を求め、もとの総額から何%減るか比べましょう。金額の単位を定めず、もとの総額を100とする数で考えます。
- 資源Xの輸出収入だけを半分にします。輸出収入は単価×数量で求められ、今回は数量を変えないからです。A国は80×0.5=40、B国は40×0.5=20です。
- その他の収入を足します。値下がりした資源と変わらない品目を分ける必要があるためです。A国は40+20=60、B国は20+60=80となります。
- 減った分をもとの総額で割ります。減少率は新しい総額ではなく、もとの総額を基準にするためです。A国は(100-60)÷100×100=40%、B国は(100-80)÷100×100=20%です。
答えは、A国の総額が60で40%減、B国が80で20%減です。資源価格が50%下がっても、輸出総額が必ず50%減るわけではありません。現実には数量や為替相場なども変わりますが、条件をそろえた比較から、依存度による影響の違いを読み取れます。
つまずきやすいところと直し方
「資源が豊富なら収入は安定する」
資源があるから必ず安定して豊かになる、と覚えるのは誤りです。資源を売る価格は国際的な需要と供給によって変動し、国内でどこまで加工するかによっても得られる利益が違います。図3のように、価格下落から収入減少までの条件を確かめ、その先で輸入の支払いなどに影響する可能性を考えましょう。

正しくは、資源を生かすことに加えて、農産物の加工、工業やサービス業の育成などを通じて産業の多角化を進めることが、収入源を広げる方法になります。交通や電力の整備、人材の育成も必要です。資源の輸出をやめればよい、という単純な話ではありません。
「直線の国境は自然に民族を分けた線だ」
地図上の線が民族の分布と一致すると思うのは取り違えです。直線的な国境には、植民地を分割した側の都合で引かれたものがあります。正しくは、国境と生活圏が重ならない場合があると理解します。一方で、すべての国境が直線ではなく、すべての紛争が国境の形だけから起きるわけでもありません。
「人口が増える都市には問題しかない」
人口増加をそのまま悪いことと覚えると、都市が持つ役割を見失います。多くの国では人口が増え、農村からの移動も加わって都市が拡大しています。都市には働く場、学校、市場などが集まり、経済活動を活発にする面があります。その一方、人口の増加に住宅、上下水道、交通、雇用の整備が追いつかない場合があります。
正しくは、増え方と受け入れる仕組みを組にして考えます。国どうしの協力を進める組織が、2002年に発足したアフリカ連合(AU)です。平和や安定、経済の発展、地域の統合を目指しています。AUは各国の政府に代わる一つの国ではなく、課題を協力して解決するための組織です。
練習問題
練習1
ナイル川の流れる向きと注ぐ海を答えましょう。また、川沿いで灌漑農業が行われることから、その地域は雨が多いと判断してよいでしょうか。
練習2
特定の少数の農産物や鉱産資源の生産・輸出に大きく依存する経済を何といいますか。鉱産資源への依存も含むか確かめましょう。
練習3
輸出総額100のうち資源Yが60、その他が40を占める国で、資源Yの価格が25%下がりました。輸出数量とその他の収入が変わらないとき、新しい総額と、もとの総額に対する減少率を求めましょう。
練習4
人口が急増する都市で整備が必要なものを2つ挙げましょう。また、平和や経済発展などに向けてアフリカの国々が協力する組織の名前と略称を答えましょう。
答えと解説
練習1は、おおむね南から北へ流れ、地中海に注ぎます。雨が多いとは判断できません。上流から運ばれる水を使えるため、乾燥した地域でも灌漑農業が可能です。
練習2は、モノカルチャー経済です。農産物だけでなく、石油や銅などの鉱産資源に依存する経済も含みます。
練習3は、総額85、減少率15%です。価格はもとの75%になるので、60×0.75+40=85です。減った15をもとの100で割って求めます。
練習4は、住宅、上下水道、交通などのうち2つです。組織はアフリカ連合(AU)です。施設の整備とともに、働く場を増やすことも課題になります。
次の単元へのつながりと家庭での確かめ方
輸出する農産物や資源と経済の関係は、次の北アメリカ州や南アメリカ州でも使う見方です。何を生産するかに加え、どこで加工し、どこへ運ぶかを追うと、地域の特色がつながります。歴史で植民地支配を学ぶときにも、国境や産業への影響を思い出せます。
家庭では5分を使い、まず白い紙に「サハラ砂漠・サヘル・赤道付近」を北から順に書き、雨の違いを説明してみましょう。次に図2を見て、資源Xの価格が下がるとどちらの国に強く影響するか、割合を根拠に話します。お子さまの説明を聞く場合は、「何の割合なのか」を確かめると読み取りの状態が見えます。個別指導では、説明が止まる場所に応じて、赤道の位置や割合の意味まで戻って確かめます。
まとめ
カカオや石油という名前の先には、生産する場所、運ぶ経路、価格を決める市場、そこで働く人々の暮らしがあります。地図で位置を確かめ、歴史で背景を知り、資料で依存の程度を読むと、「資源があるのになぜ」という疑問にも条件を添えて答えられます。国や地域による違いを残して説明できれば、一つの印象に引っぱられずに学びを進められます。アフリカの地理を読む根拠は、印象の強さではなく、場所と歴史と資料のつながりです。
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