【中2数学】四分位範囲と箱ひげ図を図解で総まとめ—データの散らばりを比べる|武蔵野個別指導塾

偶数個・奇数個のデータから四分位数を求め、箱ひげ図をかく手順を確かめます。同じ箱ひげ図でもヒストグラムが異なる例を通して、図から読み取れる範囲を見極めましょう。

よくあるのは、図書館の机で課題を進めていて、横に長い箱ひげ図を見て「箱が長い組のほうが人数も多いのかな」と手が止まる場面です。棒グラフでは棒の長さが人数を表すことがありました。しかし、箱ひげ図の横の長さが表すのは、記録の値の開きです。まず、何を表す目盛りなのかを確かめると、図の読み方が変わります。

たとえば、同じくらいの時間で登校する人が多い集団と、短い人から長い人までいる集団では、中央値が等しくても通学時間の広がりは違います。この違いを数や図で表すのが、四分位範囲と箱ひげ図です。計算は足し算や引き算が中心ですが、どのデータを使うかを決める順序に注意が必要です。データを並べ、中央を決め、二つの半分を見るところから、一つずつ確かめていきましょう。

この単元で身につけること

  • データを小さい順に並べます。四分位数を求める前に、値の順番と個数を整えることが出発点です。
  • 三つの四分位数を求めます。全体の中央値に加え、前半と後半それぞれの中央値を見つけます。
  • 四分位範囲を計算します。第3四分位数から第1四分位数を引き、中央付近の散らばりを数で表します。
  • 箱ひげ図をかいて比較します。最小値、三つの四分位数、最大値を同じ数直線上に置き、中心と広がりを分けて読みます。
  • ヒストグラムとの違いを説明します。階級ごとの人数を見る図と、五つの値で分布をまとめる図を使い分けます。

前に学んだ中央値、範囲、ヒストグラムが土台になります。多くの教科書では中2で学ぶ内容ですが、中央値があいまいなら、まず小さい順に並べたデータの真ん中を探す練習に戻るとつながります。図だけからは決められないことも、理由を添えて判断できるようにしましょう。

基本の考え方

四分位数は並べた位置から求めます

データを小さい順に並べたとき、全体の中央値を第2四分位数といいます。次にデータを前半と後半に分け、前半の中央値を第1四分位数、後半の中央値を第3四分位数といいます。順に Q1、Q2、Q3 と書くこともあります。四分位数は値の大きさの順番をもとに求める数であり、最大値を単純に4等分した数ではありません。

図1では、8個の記録を小さい順に並べています。全体の真ん中には8と10の二つがあるため、Q2 = (8+10)/2 = 9 です。前半の2、4、6、8の中央値は (4+6)/2 = 5、後半の10、12、14、16の中央値は (12+14)/2 = 13 になります。中央値は、もとのデータに含まれない値になってもかまいません。

図1 八つの記録を前半と後半に分けて四分位数を求める

図1の色分けのように、先に前半と後半の範囲を決めると、全体の中央とそれぞれの半分の中央を混同しにくくなります。データが偶数個なら、同じ個数の二組に分けます。全体の中央値を新しいデータとして追加することはしません。

データが奇数個なら、全体の真ん中にある一つの値がQ2です。この真ん中のデータを除き、残りを前半と後半に分けます。その後、それぞれの中央値を求める点は同じです。前半の個数が奇数なら真ん中の一つ、偶数なら中央の二つの平均を使います。「全体が奇数だから、どの四分位数も一つの値を選べばよい」とは限りません。

同じ値が何回も出ていても、重なった分を消してはいけません。記録が2、2、4なら、2の記録が二つある3個のデータです。同じ値を一つにまとめると、中央に来る位置も集団の特徴も変わってしまいます。

四分位範囲は中央付近の広がりです

四分位範囲は「第3四分位数 – 第1四分位数」、つまり Q3 – Q1 で求めます。図1の記録なら 13 – 5 = 8 です。最小値から最大値までの広がりを表す範囲は 16 – 2 = 14 で、使う二つの値が違います。

四分位範囲は、中央付近のおよそ半分のデータの散らばりを見る目安です。同じ種類の記録を比べるとき、四分位範囲が小さい集団ほど中央付近の値が狭い範囲に集まっています。ただし、最小値や最大値までそろっているとは限りません。端に極端に大きい記録が一つ加わる場合などは、範囲と四分位範囲で変化のしかたが違います。

記録が分なら四分位範囲も分、記録がcmなら四分位範囲もcmです。数だけでなく単位を添えると、「どれだけの開きか」という意味がはっきりします。また、中央値が大きいことと四分位範囲が大きいことは別の特徴です。中心の位置と散らばりを、別々の言葉で説明しましょう。

五つの値を箱とひげにします

箱ひげ図は、最小値、Q1、Q2、Q3、最大値を使う図です。数直線に沿ってQ1からQ3までの箱をかき、Q2の位置に箱を横切る線を引きます。箱の左右から最小値と最大値まで伸ばした線が、ひげです。この単元では、ひげの両端を最小値と最大値として扱います。

横向きの図では箱の横の長さが四分位範囲、ひげも含めた全体の横の長さが範囲に対応します。箱の上下の幅には人数などの意味はありません。二つの集団を比較するなら、単位と目盛りの間隔をそろえます。別々の縮尺の図を見た目の長さだけで比べても、散らばりの比較にはならないためです。

例題で解き方を確かめる

例題1 偶数個の記録から求める

8人の読書時間が、10、2、14、6、16、4、12、8分でした。三つの四分位数、四分位範囲、範囲を求めましょう。

  1. 小さい順に2、4、6、8、10、12、14、16と並べます。中央値は位置で決まるので、問題に書かれた順番のままでは求められません。並べ直した後も8個あることを数えます。
  2. 全体の4番目と5番目を平均し、Q2 = (8+10)/2 = 9 とします。8個の中央は一つの記録ではなく、二つの記録の間にあるためです。
  3. 前半4個と後半4個の中央値を求め、Q1 = (4+6)/2 = 5、Q3 = (12+14)/2 = 13 とします。図1のまとまりと照らすと、どの二つを選んだかを確認できます。
  4. 四分位範囲は 13 – 5 = 8、範囲は 16 – 2 = 14 と計算します。中央付近と全体の広がりでは、引く値の組が異なります。

答え:第1四分位数5分、第2四分位数9分、第3四分位数13分、四分位範囲8分、範囲14分です。

例題2 奇数個の記録から箱ひげ図をかく

9人の読書時間が、2、4、5、7、8、10、12、14、18分でした。四分位数を求め、箱ひげ図に表しましょう。

  1. すでに小さい順なので、個数を数えて5番目の8をQ2とします。中央の前後には、それぞれ4個ずつ記録があります。
  2. 中央の8を除き、前半を2、4、5、7、後半を10、12、14、18とします。8を両方に入れると、前半と後半の取り方が変わってしまいます。
  3. Q1 = (4+5)/2 = 4.5、Q3 = (12+14)/2 = 13 と求めます。半分に分けた後の各組は4個なので、中央の二つを平均します。四分位範囲は 13 – 4.5 = 8.5 です。
  4. 同じ間隔の目盛り上で、2、4.5、8、13、18の位置を決めます。4.5から13を箱にし、8に中央値の線を引き、箱から2と18へひげを伸ばします。

答え:第1四分位数4.5分、第2四分位数8分、第3四分位数13分、四分位範囲8.5分で、箱ひげ図は図2です。

図2 九つの読書時間から求めた五つの値を表す箱ひげ図

図2のように、中央値の線は箱の中央に来るとは限りません。4.5から8までの差は3.5分、8から13までの差は5分なので、線は箱の左寄りになります。きれいに半分にしようとして線を動かすと、実際の中央値を表せなくなります。

例題3 同じ箱ひげ図なら分布も同じか

次の二つの集団について、箱ひげ図が同じになるか調べ、そこから各記録の分布も同じといえるか考えましょう。値の単位は分です。

A:0、2、4、6、8、10、12、14

B:0、1、5、6、8、9、13、14

  1. それぞれの最小値と最大値を読みます。AもBも最小値0、最大値14なので、ひげの両端は同じ位置です。ただし、この二つだけでは箱の位置は決まりません。
  2. 中央値を求めます。どちらも中央の二つは6と8なので、Q2 = (6+8)/2 = 7 です。前半ではAが (2+4)/2 = 3、Bが (1+5)/2 = 3 なのでQ1も等しくなります。
  3. 後半ではAが (10+12)/2 = 11、Bが (9+13)/2 = 11 なのでQ3も等しくなります。五つの値がすべて同じであることから、箱ひげ図は一致すると判断できます。
  4. 0以上2未満の記録を数えます。Aには0の1個、Bには0と1の2個があります。箱ひげ図が一致しても、同じ区間に入る個数は一致しないため、分布が同じとはいえません。

答え:両方とも五つの値は0、3、7、11、14分で箱ひげ図は同じですが、各記録の分布は異なります。

つまずきやすいところと直し方

誤り1 中央のデータを両方に入れる

誤った書き方は、例題2で「前半は2、4、5、7、8、後半は8、10、12、14、18」とすることです。どこが違うかというと、全体の中央値に当たる8を両方の組に使っています。この分け方ではQ1が5、Q3が12となり、求めたい四分位数と違ってしまいます。

正しい書き方は「8を除き、前半2、4、5、7、後半10、12、14、18」です。全体の個数が奇数のときは、真ん中の一つに丸をつけ、その左右を囲みましょう。同じ値がほかにもあっても、除くのは真ん中の位置の一つだけです。

誤り2 箱の長さを人数と読み替える

誤った書き方は「箱が2倍長いので、人数も2倍」です。横軸は時間などの記録の値を表しており、人数の目盛りではありません。正しくは「目盛りと単位が同じなら、箱が2倍長い集団の四分位範囲は2倍」です。人数の情報がなければ、集団の人数は箱ひげ図だけでは決められません。

四分位数で区切った部分は、並べた順番をもとにしています。同じ値が重なる場合には、境目の値を含めた人数がちょうど全体の1/4ずつになるとは限りません。「Q1以上Q3以下の人は必ず半数」と人数を断定する読み方にも注意しましょう。

誤り3 箱ひげ図からヒストグラムを一つに決める

誤った書き方は「五つの値が同じだから、各階級の度数も同じ」です。どこが違うかは、例題3のデータを表した図3を見ると確かめられます。図3の上二段は階級の幅を2分にそろえたヒストグラムで、下段は両方に共通する箱ひげ図です。棒がない階級は度数0を表します。

図3 異なる二つのヒストグラムに共通する箱ひげ図の例

正しい書き方は「箱ひげ図が同じでも、階級ごとの度数は異なる場合がある」です。ヒストグラムは山や空いている区間を見やすくし、箱ひげ図は複数の集団の中心や散らばりを比べやすくします。逆に、ヒストグラムだけでは階級内の個々の値が不明なので、四分位数を正確に決められないことがあります。

練習問題

練習1:小さい順に並べた3、5、7、9、11、13について、三つの四分位数と四分位範囲を求めましょう。全体の中央と、前半・後半の中央を区別して書いてください。

練習2:1、3、3、6、9、11、15について、箱ひげ図に使う五つの値と範囲を求めましょう。中央の値を除いた後の組も書いて確かめます。

練習3:同じ単位の記録で、P組のQ1、Q2、Q3はそれぞれ4、8、10、Q組は6、8、14です。中央値と四分位範囲を比べましょう。また、どちらの組の人数が多いといえるでしょうか。

答えと解説

練習1:Q1 = 5、Q2 = (7+9)/2 = 8、Q3 = 11、四分位範囲は 11 – 5 = 6 です。前半3、5、7と後半9、11、13は各3個なので、中央の一つずつを選びます。

練習2:最小値1、Q1 = 3、Q2 = 6、Q3 = 11、最大値15で、範囲は 15 – 1 = 14 です。6を除くと前半は1、3、3、後半は9、11、15です。同じ3が二つあっても、どちらも残します。

練習3:中央値はどちらも8です。四分位範囲はP組が 10 – 4 = 6、Q組が 14 – 6 = 8 なので、中央付近の散らばりはP組のほうが小さいと読めます。人数の大小は、この情報だけでは判断できません。

次の単元へのつながりと家庭での確かめ方

集団の中心と散らばりを分ける見方は、今後、一部のデータから全体の傾向を考える場面でも役立ちます。代表値一つで結論を出さず、どの部分の広がりを根拠にしたかを説明する準備になります。

家庭では5分を使い、まず例題1の8個の値を紙に書き、前半と後半を指で隠しながら三つの中央値を求めてみましょう。次に最大値16だけを26に替え、範囲と四分位範囲がどう変わるかを確かめます。範囲は24に増えますが、四分位範囲は8のままです。

個別指導で確認する際は、計算の前に、小さい順への並べ替え、個数の数え方、中央値の選び方まで戻ります。お子さまがどの二つの値を引いたのか説明できると、計算間違いなのか用語の取り違えなのかも見分けやすくなります。

まとめ

箱ひげ図を読んだときは、まず目盛りの単位を見て、次に中心の位置と散らばりを分けて言葉にしてみましょう。「箱が長い」から「中央付近の値の開きが大きい」へ言い換えられれば、見た目を数学の根拠に変えられています。さらに人数や各階級の度数を問われたら、もとのデータが必要かどうかを考えます。箱ひげ図を読めるとは、五つの値が伝えることと、五つの値だけでは決まらないことを区別できることです。


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