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百人一首の一覧—100首を番号と作者、歌で全部、覚え方つき|武蔵野個別指導塾

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最初の1音で札が決まる7首から始めれば、冬休み前の2週間で100首を1周できます。番号と作者と歌の全文に決まり字を添え、恋43首と秋16首の分け方、穴埋めの例題まで1枚で見渡せます。

100首を番号の順に全部並べました。決まり字は、読み上げをそこまで聞けば札が1枚に決まる音です。

番号 作者 歌 決まり字
1 天智天皇 秋の田のかりほの庵の苫をあらみ わが衣手は露にぬれつつ あきの
2 持統天皇 春過ぎて夏来にけらし白妙の 衣ほすてふ天の香具山 はるす
3 柿本人麻呂 あしびきの山鳥の尾のしだり尾の ながながし夜をひとりかも寝む あし
4 山部赤人 田子の浦にうち出でて見れば白妙の 富士の高嶺に雪は降りつつ たご
5 猿丸大夫 奥山に紅葉踏み分け鳴く鹿の 声聞く時ぞ秋は悲しき おく
6 中納言家持 かささぎの渡せる橋に置く霜の 白きを見れば夜ぞ更けにける かさ
7 安倍仲麿 天の原ふりさけ見れば春日なる 三笠の山に出でし月かも あまの
8 喜撰法師 わが庵は都のたつみしかぞ住む 世をうぢ山と人はいふなり わがい
9 小野小町 花の色は移りにけりないたづらに わが身世にふるながめせし間に はなの
10 蝉丸 これやこの行くも帰るも別れては 知るも知らぬも逢坂の関 これ
11 参議篁 わたの原八十島かけて漕ぎ出でぬと 人には告げよ海人の釣舟 わたのはらや
12 僧正遍昭 天つ風雲の通ひ路吹き閉ぢよ をとめの姿しばしとどめむ あまつ
13 陽成院 筑波嶺の峰より落つるみなの川 恋ぞつもりて淵となりぬる つく
14 河原左大臣 陸奥のしのぶもぢずり誰ゆゑに 乱れそめにしわれならなくに みち
15 光孝天皇 君がため春の野に出でて若菜つむ わが衣手に雪は降りつつ きみがためは
16 中納言行平 立ち別れいなばの山の峰に生ふる まつとし聞かば今帰り来む たち
17 在原業平朝臣 ちはやぶる神代も聞かず竜田川 からくれなゐに水くくるとは ちは
18 藤原敏行朝臣 住の江の岸に寄る波よるさへや 夢の通ひ路人目よくらむ す
19 伊勢 難波潟短き葦のふしの間も 逢はでこの世を過ぐしてよとや なにわが
20 元良親王 わびぬれば今はた同じ難波なる みをつくしても逢はむとぞ思ふ わび
21 素性法師 今来むと言ひしばかりに長月の 有明の月を待ち出でつるかな いまこ
22 文屋康秀 吹くからに秋の草木のしをるれば むべ山風をあらしといふらむ ふ
23 大江千里 月見ればちぢにものこそ悲しけれ わが身一つの秋にはあらねど つき
24 菅家 このたびは幣も取りあへず手向山 紅葉の錦神のまにまに この
25 三条右大臣 名にし負はば逢坂山のさねかづら 人に知られで来るよしもがな なにし
26 貞信公 小倉山峰のもみぢ葉心あらば 今ひとたびのみゆき待たなむ おぐ
27 中納言兼輔 みかの原わきて流るる泉川 いつ見きとてか恋しかるらむ みかの
28 源宗于朝臣 山里は冬ぞ寂しさまさりける 人目も草もかれぬと思へば やまざ
29 凡河内躬恒 心あてに折らばや折らむ初霜の 置きまどはせる白菊の花 こころあ
30 壬生忠岑 有明のつれなく見えし別れより 暁ばかり憂きものはなし ありあ
31 坂上是則 朝ぼらけ有明の月と見るまでに 吉野の里に降れる白雪 あさぼらけあ
32 春道列樹 山川に風のかけたるしがらみは 流れもあへぬ紅葉なりけり やまが
33 紀友則 ひさかたの光のどけき春の日に しづ心なく花の散るらむ ひさ
34 藤原興風 誰をかも知る人にせむ高砂の 松も昔の友ならなくに たれ
35 紀貫之 人はいさ心も知らずふるさとは 花ぞ昔の香ににほひける ひとは
36 清原深養父 夏の夜はまだ宵ながら明けぬるを 雲のいづこに月宿るらむ なつ
37 文屋朝康 白露に風の吹きしく秋の野は つらぬきとめぬ玉ぞ散りける しら
38 右近 忘らるる身をば思はず誓ひてし 人の命の惜しくもあるかな わすら
39 参議等 浅茅生の小野の篠原しのぶれど あまりてなどか人の恋しき あさじ
40 平兼盛 しのぶれど色に出でにけりわが恋は ものや思ふと人の問ふまで しの
41 壬生忠見 恋すてふわが名はまだき立ちにけり 人知れずこそ思ひそめしか こい
42 清原元輔 契りきなかたみに袖をしぼりつつ 末の松山波越さじとは ちぎりき
43 権中納言敦忠 逢ひ見ての後の心にくらぶれば 昔はものを思はざりけり あい
44 中納言朝忠 逢ふことの絶えてしなくはなかなかに 人をも身をも恨みざらまし おおこ
45 謙徳公 あはれともいふべき人は思ほえで 身のいたづらになりぬべきかな あわれ
46 曽禰好忠 由良のとを渡る舟人かぢを絶え ゆくへも知らぬ恋の道かな ゆら
47 恵慶法師 八重むぐら茂れる宿の寂しきに 人こそ見えね秋は来にけり やえ
48 源重之 風をいたみ岩打つ波のおのれのみ くだけてものを思ふころかな かぜを
49 大中臣能宣朝臣 みかきもり衛士のたく火の夜は燃え 昼は消えつつものをこそ思へ みかき
50 藤原義孝 君がため惜しからざりし命さへ 長くもがなと思ひけるかな きみがためお
51 藤原実方朝臣 かくとだにえやは伊吹のさしも草 さしも知らじな燃ゆる思ひを かく
52 藤原道信朝臣 明けぬれば暮るるものとは知りながら なほ恨めしき朝ぼらけかな あけ
53 右大将道綱母 嘆きつつひとり寝る夜の明くる間は いかに久しきものとかは知る なげき
54 儀同三司母 忘れじの行く末までは難ければ 今日を限りの命ともがな わすれ
55 大納言公任 滝の音は絶えて久しくなりぬれど 名こそ流れてなほ聞こえけれ たき
56 和泉式部 あらざらむこの世のほかの思ひ出に 今ひとたびの逢ふこともがな あらざ
57 紫式部 めぐりあひて見しやそれともわかぬ間に 雲隠れにし夜半の月かな め
58 大弐三位 有馬山猪名の笹原風吹けば いでそよ人を忘れやはする ありま
59 赤染衛門 やすらはで寝なましものをさ夜更けて かたぶくまでの月を見しかな やす
60 小式部内侍 大江山いく野の道の遠ければ まだふみも見ず天の橋立 おおえ
61 伊勢大輔 いにしへの奈良の都の八重桜 今日九重ににほひぬるかな いに
62 清少納言 夜をこめて鳥の空音ははかるとも よに逢坂の関は許さじ よを
63 左京大夫道雅 今はただ思ひ絶えなむとばかりを 人づてならで言ふよしもがな いまは
64 権中納言定頼 朝ぼらけ宇治の川霧たえだえに あらはれわたる瀬々の網代木 あさぼらけう
65 相模 恨みわびほさぬ袖だにあるものを 恋に朽ちなむ名こそ惜しけれ うら
66 大僧正行尊 もろともにあはれと思へ山桜 花よりほかに知る人もなし もろ
67 周防内侍 春の夜の夢ばかりなる手枕に かひなく立たむ名こそ惜しけれ はるの
68 三条院 心にもあらでうき世にながらへば 恋しかるべき夜半の月かな こころに
69 能因法師 嵐吹く三室の山のもみぢ葉は 竜田の川の錦なりけり あらし
70 良暹法師 さびしさに宿を立ち出でてながむれば いづこも同じ秋の夕暮れ さ
71 大納言経信 夕されば門田の稲葉おとづれて 葦のまろやに秋風ぞ吹く ゆう
72 祐子内親王家紀伊 音に聞く高師の浜のあだ波は かけじや袖のぬれもこそすれ おと
73 権中納言匡房 高砂の尾の上の桜咲きにけり 外山の霞立たずもあらなむ たか
74 源俊頼朝臣 憂かりける人を初瀬の山おろしよ はげしかれとは祈らぬものを うか
75 藤原基俊 契りおきしさせもが露を命にて あはれ今年の秋もいぬめり ちぎりお
76 法性寺入道前関白太政大臣 わたの原漕ぎ出でて見ればひさかたの 雲居にまがふ沖つ白波 わたのはらこ
77 崇徳院 瀬をはやみ岩にせかるる滝川の われても末に逢はむとぞ思ふ せ
78 源兼昌 淡路島通ふ千鳥の鳴く声に 幾夜寝覚めぬ須磨の関守 あわじ
79 左京大夫顕輔 秋風にたなびく雲の絶え間より もれ出づる月の影のさやけさ あきか
80 待賢門院堀河 長からむ心も知らず黒髪の 乱れて今朝はものをこそ思へ ながか
81 後徳大寺左大臣 ほととぎす鳴きつる方をながむれば ただ有明の月ぞ残れる ほ
82 道因法師 思ひわびさても命はあるものを 憂きにたへぬは涙なりけり おも
83 皇太后宮大夫俊成 世の中よ道こそなけれ思ひ入る 山の奥にも鹿ぞ鳴くなる よのなかよ
84 藤原清輔朝臣 ながらへばまたこのごろやしのばれむ 憂しと見し世ぞ今は恋しき ながら
85 俊恵法師 夜もすがらもの思ふころは明けやらで 閨のひまさへつれなかりけり よも
86 西行法師 嘆けとて月やはものを思はする かこち顔なるわが涙かな なげけ
87 寂蓮法師 村雨の露もまだひぬ真木の葉に 霧立ちのぼる秋の夕暮れ む
88 皇嘉門院別当 難波江の葦のかりねのひとよゆゑ みをつくしてや恋ひわたるべき なにわえ
89 式子内親王 玉の緒よ絶えなば絶えねながらへば 忍ぶることの弱りもぞする たま
90 殷富門院大輔 見せばやな雄島の海人の袖だにも ぬれにぞぬれし色は変はらず みせ
91 後京極摂政前太政大臣 きりぎりす鳴くや霜夜のさむしろに 衣かたしきひとりかも寝む きり
92 二条院讃岐 わが袖は潮干に見えぬ沖の石の 人こそ知らねかわく間もなし わがそ
93 鎌倉右大臣 世の中は常にもがもな渚漕ぐ 海人の小舟の綱手かなしも よのなかは
94 参議雅経 み吉野の山の秋風さ夜更けて ふるさと寒く衣打つなり みよ
95 前大僧正慈円 おほけなくうき世の民におほふかな わが立つ杣に墨染の袖 おおけ
96 入道前太政大臣 花さそふ嵐の庭の雪ならで ふりゆくものはわが身なりけり はなさ
97 権中納言定家 来ぬ人をまつほの浦の夕なぎに 焼くや藻塩の身もこがれつつ こぬ
98 従二位家隆 風そよぐならの小川の夕暮れは みそぎぞ夏のしるしなりける かぜそ
99 後鳥羽院 人もをし人も恨めしあぢきなく 世を思ふゆゑにもの思ふ身は ひとも
100 順徳院 ももしきや古き軒端のしのぶにも なほあまりある昔なりけり もも

よくあるのは、冬休みの学校のかるた大会の前に札が配られ、家で広げてみると知っている歌が数首しかないという場面です。札に書かれているのは下の句のひらがなだけで、作者の名前も上の句もありません。どの札がどの歌なのか、札だけを見ていても見当がつきません。大会まではあと2週間。まず、100首が全部並んだものを手元に置きたい。上の表を番号、作者、歌、決まり字の4つに絞ったのは、そのためです。

一覧の読み方

番号は歌番号です。1番の天智天皇から100番の順徳院まで、おおむね時代の順に並びます。最初の2首は父と娘、最後の2首は父と子で、入り口と出口に親子が立っています。大会で番号が読まれることはないので、番号は一覧の中で歌を探すための目印だと考えてください。

作者の欄には、本名ではなく当時の呼び名で書かれた人がいます。24番の菅家は菅原道真、93番の鎌倉右大臣は源実朝、97番の権中納言定家は百人一首を選んだとされる藤原定家その人です。テストで作者を書くときに、呼び名と本名のどちらで答えるかは、授業のプリントの書き方に合わせます。

歌の欄は、空きの前が上の句(5・7・5)、後ろが下の句(7・7)です。読み札には歌の全部が、取り札には下の句だけがひらがなで書かれています。耳で聞くのは上の句で、手を伸ばす先は下の句。ここが、かるたの暗記とテストの暗記の分かれ目です。

決まり字の欄は、読み上げの音のまま現代かなで書きました。17番は「ちは」まで聞けば決まり、31番は6音目の「あ」を聞くまで決まりません。長さごとの首数は、1字決まり7首、2字決まり42首、3字決まり37首、4字決まり6首、5字決まり2首、6字決まり6首です。3音目までで86首が決まる計算になります。これは100枚全部が残っているときの音なので、札が減れば短くなります。21番と63番はどちらも「いま」で始まりますが、片方が読まれたあとは、残った札は「いま」で取れます。

読みにくい語は、先に次の表で押さえておくと、声に出すときに止まりません。

語 読み 歌番号
苫 とま 1
海人 あま 11、90、93
陸奥 みちのく 14
幣 ぬさ 24
衛士 えじ 49
網代木 あじろぎ 64
手枕 たまくら 67
門田 かどた 71
閨 ねや 85
杣 そま 95

季節と恋の分類は、もとの歌集で置かれていた部の分け方で数えると次のとおりです。

部 首数 歌番号
春 6 9、15、33、35、61、73
夏 4 2、36、81、98
秋 16 1、5、17、22、23、29、32、37、47、69、70、71、79、87、91、94
冬 6 4、6、28、31、64、78
恋 43 3、13、14、18、19、20、21、25、27、30、38、39、40、41、42、43、44、45、46、48、49、50、51、52、53、54、56、58、59、63、65、72、74、77、80、82、85、86、88、89、90、92、97
別れ 1 16
旅 4 7、11、24、93
雑 20 8、10、12、26、34、55、57、60、62、66、67、68、75、76、83、84、95、96、99、100
図1 百人一首100首を春夏秋冬と恋とその他に分けた首数の棒

図1のように、恋が43首で飛び抜けて多く、秋は16首で春の2倍を超えます。春は6首、夏はたった4首です。図の「その他」は、表の別れ1首、旅4首、雑20首を合わせた25首です。雑(ぞう)は季節にも恋にも入らない歌の部で、26番の小倉山は紅葉の歌ですが、もとの歌集では雑の中の秋に置かれているので、ここでは雑に数えました。本によって分け方に小さな差があるので、学校のプリントが違う数え方をしていたら、そちらに合わせてください。

覚え方

先に目的を分けます。かるた大会で札を取るなら、覚える向きは「決まり字から下の句へ」です。定期テストなら「上の句から下の句へ」に加えて、書き取りと意味が要ります。同じ100首でも手の動かし方が違うので、大会の前に意味から入ると、札に触れる前に冬休みが終わります。

順番は、札の頭の音の枚数で決めます。最初は図2の7首です。

図2 最初の1音で札が決まる7首を音と歌番号で並べた図

図2の「む・す・め・ふ・さ・ほ・せ」は、ほかに同じ音で始まる札がありません。聞き分ける必要がないので、音を聞いて下の句の札に手が出るという動きだけを、この7首で先に作れます。「むすめふさほせ」と続けて5回言えば、音の並びはその場で入ります。

次は、頭の音の仲間が少ない順に広げます。仲間が増えるほど、2音目、3音目まで聞き分ける耳が要るからです。「あ」で始まる札は16枚と飛び抜けて多く、途中で混ざると投げ出したくなる量なので、最後に回します。2週間なら、次の順で100首を1周できます。

日 札の頭の音 首数
1日目 む す め ふ さ ほ せ 7
2〜5日目 う つ し も ゆ、い ち ひ き、は や よ か 38
6〜8日目 み た こ お 24
9〜10日目 わ な 15
11〜12日目 あ 16
13〜14日目 全部を通して確かめる 100

1日の手順は3つです。はじめに、前の日の札を確かめて、下の句が出なかった札に印を付けます。前の日から始めるのは、一晩たっても残った札と消えた札を分けるためで、印の付いた札だけが本当の弱点です。次に、今日の札を決まり字から下の句まで声に出して3回読みます。最後に、取り札を床に並べ、家の人に決まり字だけ読んでもらって手を伸ばします。読んでくれる人がいなければ、自分で決まり字を言ってから札を探しても同じ練習になります。おうちの方が読む役なら、歌を全部読まずに決まり字で止めてください。お子さまの耳が最初の音に集まります。

歌を1首ずつ覚えるのがつらくなったら、同じ言葉で束ねます。「逢坂」は10番、25番、62番。「竜田」は17番と69番。「難波」は19番、20番、88番。「有明」は21番、30番、31番、81番。「高砂」は34番と73番です。地名や情景で束ねると、1首ずつの暗記が1組の暗記に変わります。

テストのための覚え方は別に用意します。範囲の歌だけを選び、上の句を見て下の句を紙に書いてください。声に出すだけでは足りないのは、「づ」「ゐ」「へ」のような歴史的仮名遣いの字が、書かないと手に残らないからです。意味は1首につき1行で十分で、誰が何をしている歌かを自分の言葉で言えれば、選択肢の問いにも対応できます。

テストでの出方

中学の定期テストで百人一首が範囲になると、よくあるのは穴埋め、現代仮名遣いへの書き換え、枕詞や掛詞の問いの3つです。札の取り方は問われません。歌を丸ごと言えても、決まった場所を正しく書けなければ点になりません。次の3問は、その形をまねて作った例題です。

例題1

次の歌の( )に入る言葉を、歴史的仮名遣いのまま書きなさい。

ひさかたの光のどけき春の日に(   )花の散るらむ

答えは「しづ心なく」です。「しず心なく」は現代かなの書き方で、条件から外れます。歌の意味は「日の光がのどかな春の日に、どうして桜の花は落ち着いた心もなく散っているのだろう」です。「ひさかたの」は「光」を導く枕詞で、訳しません。

例題2

次の部分を現代仮名遣いに直し、すべてひらがなで書きなさい。

  1. 衣ほすてふ (2) いづこも同じ (3) からくれなゐに

答えは、(1)「ころもほすちょう」、(2)「いずこもおなじ」、(3)「からくれないに」です。(1)は2番、(2)は70番、(3)は17番の下の句から取りました。「てふ」を「ちょう」と直す問いは、ひとつ知っていれば落としません。

例題3

16番の「まつとし聞かば」の「まつ」には、2つの意味が重ねられています。それぞれ漢字を使って書きなさい。

答えは「松」と「待つ」です。前の「いなばの山の峰に生ふる」から続くので木の松、後ろの「聞かば今帰り来む」へ続くので人を待つ、と読みます。同じ歌の「いなば」にも、地名の因幡と「往なば(行ってしまったなら)」が重なっています。掛詞は、片方の意味だけ書くと点になりません。

枕詞は、組のまま覚えると早く片づきます。「あしびきの」は山、「ひさかたの」は光、「ちはやぶる」は神、「白妙の」は衣を導きます。3番、33番、17番、2番がそれぞれの歌です。

まちがえやすいところ

1つ目は、書いてある字のとおりに読むことです。語の頭以外のハ行は「は・ひ・ふ・へ・ほ」を「わ・い・う・え・お」と読みます。「あはれ」は「あわれ」、「思ふ」は「おもう」、「なほ」は「なお」です。「ゐ」「ゑ」は「い」「え」、「づ」「ぢ」は「ず」「じ」になり、「てふ」は「ちょう」、「今日」は「きょう」です。歌の終わりの「寝む」「来む」の「む」は「ん」と読みます。17番の「ちはやぶる」のように「は」のまま読む語もあるので、迷ったら表の決まり字で確かめてください。44番の「逢ふことの」は音が「おうことの」になるので、札は「あ」ではなく「お」の仲間に入り、決まり字は「おおこ」です。

2つ目は、出だしや結びが同じ歌の取り違えです。図3の3組は5音目まで同じで、6音目で初めて分かれます。

図3 5音目まで同じで6音目で分かれる3組と歌番号の図

図3のように、「きみがため」のあとが「は」なら15番、「お」なら50番です。「あさぼらけ」と「わたのはら」も同じ形で、ここは6音目を聞くまで手を出さない札だと決めておきます。結びが同じ歌も、穴埋めで相手の歌に連れて行かれます。「雪は降りつつ」は4番と15番、「秋の夕暮れ」は70番と87番、「名こそ惜しけれ」は65番と67番、「ものをこそ思へ」は49番と80番、「ひとりかも寝む」は3番と91番、「夜半の月かな」は57番と68番です。組のまま2首を並べて読み、違うところを口で言えるようにしておくと崩れません。

3つ目は、字面で季節や作者を決めることです。2番は「春過ぎて」で始まりますが夏の歌です。67番には「春の夜」、96番には「花」が出てきますが、どちらも雑に入ります。作者も字面で混ざります。30番の壬生忠岑と41番の壬生忠見は親子で、22番の文屋康秀と37番の文屋朝康も親子です。56番の和泉式部と60番の小式部内侍、57番の紫式部と58番の大弐三位は母と娘です。読みも見た目からは出てきません。23番の大江千里は「おおえのちさと」、29番の凡河内躬恒は「おおしこうちのみつね」、36番の清原深養父は「きよはらのふかやぶ」です。親子は1組にして、読めない名前だけ紙に書き出してください。

確かめの問題

答えを見ずに、紙に書いてください。

  1. 最初の1音で札が決まる7首の、その音を7つ書いてください。
  2. 「雪は降りつつ」で終わる歌の番号を2つ書いてください。
  3. 春夏秋冬のうち首数がいちばん多い季節と、その首数を答えてください。
  4. 41番の「恋すてふ」を、読むときの音のとおりひらがなで書いてください。
  5. 60番の「大江山」の歌の作者と、決まり字を答えてください。

答え

  1. む、す、め、ふ、さ、ほ、せ。順に87番、18番、57番、22番、70番、81番、77番の歌です。
  2. 4番と15番。4番は田子の浦から見る富士の雪、15番は若菜をつむ手に降る雪です。
  3. 秋、16首。恋の43首は季節ではないので、ここには入りません。
  4. こいすちょう。「こひ」が「こい」、「てふ」が「ちょう」になります。
  5. 小式部内侍、おおえ。「おお」で始まる札は「おおえ」「おおけ」「おおこ」の3枚あるので、3音目まで聞きます。

次に確かめること

故事成語の一覧は、古典の言葉に慣れたあとに漢文の入口として開くと、語の由来までつながります。部首の一覧は、「峰」「霜」「錦」のような歌の中の字を、形で分けて書くときの手がかりになります。漢検3級は、中学卒業程度の字がどこまで書けるかを測る目安で、歌の書き取りと同じ時期に確かめられます。漢検の申し込みと日程の最新は、協会の案内で確かめてください。

個別指導では、現代仮名遣いに直せないときは暗記をいったん止め、中学の古文の入口にあるハ行の読み替えまで戻って確かめます。書き取りで落ちる字は、その字を習った学年までさかのぼって確かめます。

まとめ

100首を前にして足が止まるのは、全部を同じ重さで見ているからです。7首は1音、86首は3音目までで決まり、いちばん長い札でも6音目までです。歌の全部が頭に入っていなくても、札には手が届きます。今夜は7首だけ、声に出してください。

100首を聞き分けるのに要る耳は、最初の6音までです。

読んで終わりにするか、ここから変えるか。

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