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過去形と現在完了—時間の線で整理する|武蔵野個別指導塾
「昨日した」と「今までにした」を時間の線で区別し、過去形と現在完了を選ぶ手順を学べます。点・範囲・帯の描き分けを使えば、用法名に迷った文も時間の焦点から読み直せます。

過去形と現在完了—時間の線で整理する
「昨日」と「今まで」が同じ箱に入ってしまうとき
よくあるのは、過去問の束の前で、読み終えた英文について、読了を英語でどう伝えるか迷うという場面です。昨日読み終えた日付を伝えたいのか、もう読んだので内容を話せると伝えたいのか。日本語ではどちらも「読んだ」で済みそうなのに、英文にすると動詞の形を選べなくなります。過去形の作り方も現在完了の公式も覚えているほど、「知っているのに使えない」と感じやすいところです。
ここで必要なのは、さらに長い活用表を覚えることだけではありません。話し手が、時間のどこを見て話しているかを確かめることです。過去形は、今から切り離して過去の出来事や状態を述べる形です。現在完了は、今を基準に、それまでの出来事や状態をとらえる形です。同じ出来事でも、伝える焦点によって形が変わります。
まず、紙に横線を引き、右側に「今」と書いてみてください。左側には過去を置きます。この簡単な線を使って、終わった時点を語るのか、今までの範囲を語るのかを見分けます。用法の名前を当てる前に、英文が伝える時間を自分で説明できる状態を目指しましょう。

形を覚えても時間の意味がつながらない理由
日本語の「した」だけを手がかりに英語へ置き換えると、過去形と現在完了の区別が隠れてしまいます。「去年その本を読んだ」では、去年という終わった期間に出来事を置いています。一方、「その本はもう読んだ」では、今の会話に必要な読了の情報を伝えています。日本語訳が似ていても、話している時間の範囲は同じとは限りません。
過去形の文が現在と無関係だという意味でもありません。昨日けがをしたため今日は走れない、という話にも過去形は使えます。出来事の影響が今あるかどうかだけで形を決めると、かえって混乱します。重要なのは、英文が昨日の出来事として述べているのか、今の状態を説明するために過去を振り返っているのかです。「今につながる」は、意味を考える入口として使い、万能の判定語にはしないでください。
I lost my key yesterday.(昨日、鍵をなくしました。)と I have lost my key.(鍵をなくしてしまいました。)を比べます。最初の文は、鍵をなくした出来事を昨日に置いています。その後に見つかったかどうかは、この文だけでは決まりません。次の文は、通常、今も鍵が見当たらないという困りごとを伝える文脈で使います。線の上では、最初は昨日の位置に点を打ち、次は過去の出来事から今の状態へつながりを書きます。線は文法の正解を機械的に出す道具ではなく、何を伝えているかを見えるようにする道具です。
また、「今日」のような時間の表現も、単語だけで形が決まるわけではありません。今日という期間を今も続く範囲として見ているのか、今日の中ですでに終わった出来事を取り出しているのかで、話し方が変わります。時間の線では日付の境目だけに注目せず、話し手が囲んでいる範囲を考えます。初めの練習では昨日と今までのように区別しやすい組み合わせを扱い、それが説明できてから、同じ日に起きたことを違う焦点で述べる場面へ進むと整理しやすくなります。
もう1つのつまずきは、現在完了をすべて「ずっと続く」と理解してしまうことです。経験なら、今までの範囲にその出来事があるかを見ます。完了や結果なら、すでに終わっていることや今の状態に目を向けます。継続なら、過去に始まった状態が今も続いています。すべてを同じ長い矢印で描かず、経験は範囲の中の点、継続は今まで伸びる帯など、意味に合わせて描き分けると整理できます。
時間の線を使う練習では、形の識別と内容の把握をつなぎます。初級40名で入力活動と従来の演繹的指導を比較した研究によると、形を意味に結びつける活動の優位性は短期・長期の成績に表れましたが、表現を作る課題では差が小さくなりました(Modirkhameneほか・2018)。英語以外を母語とする海外の学習者を対象とする研究が多く、この初級40名の比較も日本の中高生の時制選択を直接検証したものとしては読めません。そこで家庭では、線を選ぶ課題のあとに英文を書く課題を置き、読む段階で捉えた時間が、書いた動詞にも反映されているかを確かめます。図を正しく描けたことだけで作文まで済んだとせず、文に戻したときの判断を見ます。
現在完了の形は、主語に合わせたhaveまたはhasと、過去分詞の組み合わせです。しかし、それを言えることと、文章の中で選べることは別です。学習では「形を作れた」「時間を読めた」「自分で選んで書けた」を分けて記録します。全部をまとめて「現在完了が苦手」と呼ばないことが、戻る場所を見つける出発点です。
時間の線を使って読む・選ぶ・書く手順
最初の3分は日本語だけで時間を置く
ノートを開き、横線の右側に「今」、左側に「過去」と書きます。その下に「昨日したこと」「今までに経験したこと」「以前から今も続いていること」を1つずつ日本語で書いてください。内容は本を読んだこと、家の手伝い、好きな活動など、単語を調べずに説明できるもので十分です。英語にする前に、時間の区切りを自分で決めます。
昨日の出来事には点を打ち、その周りを小さく囲みます。経験には、過去から今までの範囲を囲んで、その中に出来事の点を置きます。継続には、始まった位置から今まで帯を引きます。描いたら「この話は、終わった期間の中の話か」「今までを見渡しているか」「状態が今も続くか」と順番に問いかけます。答えが重なって迷ったときは、日本語の状況説明を詳しくします。
たとえば「本を読んだ」だけでは、いつの出来事を言いたいのかが決まりません。「昨日の夜に読んだ」と「今までに読んだことがある」では、聞き手に渡す情報が異なります。状況が足りない問題で無理に形を当てる癖をつけず、何がわかれば判断できるかを書き添えてください。自分で時間の説明を補えることも、理解を確かめる方法の1つです。
次の4分は英文と線を対応させる
手元の教科書や授業ノートから、短い文を選びます。最初は単語の意味がわかり、時間の表現がはっきりしたものにします。長い段落や知らない単語が多い文では、時間の理解と語彙の理解が混ざってしまうためです。すでに解いた問題も、訳や解説を紙で隠せば、読み取りを確かめる材料として使えます。
I visited Kyoto last year.(去年、京都を訪れました。)、I have visited Kyoto twice.(京都を2回訪れたことがあります。)、I have lived here for three years.(ここに3年間住んでいます。)の3文を線に表します。去年の訪問は、終わった期間の中に点を置きます。訪問の経験は、今までの範囲に訪れた点を置きます。住んでいる文は、住み始めたところから今まで帯を引きます。英文を読んだら、先に日本語訳を書くのでなく、線と短い状況説明を書いてから訳と照合してください。訳を丸ごと覚えて正解する状態と、時間を読み取れた状態を区別しやすくなります。
教材の使い方も変えます。1回目は時間を表す語に印をつけ、動詞との組み合わせを確かめます。2回目は時間の語を指で隠し、動詞の形からどこまで意味を読めるかを考えます。3回目は文だけを別の紙に移し、説明の見出しを隠して読みます。「現在完了のページだから現在完了」と答えていた場合は、ここで迷いが表れます。迷った箇所こそ次に練習する材料です。
時間の語を隠したとき、具体的な日付まで当てる必要はありません。過去形から去年という年までは復元できず、経験の文から訪問日を特定することもできません。読める情報と書かれていない情報を分け、「ここまでは言える」と止める練習にします。鍵の例でも、過去形だから今は鍵がある、と勝手に補わないようにします。
続く5分は理由を添えて形を選ぶ
穴埋め問題を解くときは、選んだ答えの横に「昨日の出来事」「今までの経験」「今も続く状態」のような短い理由を書きます。理由は用法名だけで終えず、問題文のどこを根拠にしたかまで指で示してください。これなら、答えが合っていても、意味を読まずに形を当てただけだったかどうかを自分で確かめられます。
現在完了は、基本的に、出来事を昨日や去年などの終わった時点に限定する表現と一緒には使いません。ただし、過去を示す語が見えたら何でも過去形、という覚え方も避けます。sinceは始まりの時点、forは期間を表し、そこから今まで続く内容を述べることがあります。語の印だけで判断せず、始まった場所と終わった場所を線に置きましょう。
さらに、forがあるだけで現在完了になるわけでもありません。以前の住まいに何年間住んでいたかを、すでに終わった期間として述べるなら過去形が使えます。期間の長さを言うことと、現在まで続くことを区別してください。「長い時間だから現在完了」「短い出来事だから過去形」という分け方では、経験や結果の文を説明できなくなります。
迷う2つの答えがあるときは、それぞれが自然になる場面を日本語で作ってみましょう。一方には、出来事がいつ起きたかを知りたい聞き手を置きます。もう一方には、今までに経験があるか、今どのような状態かを知りたい聞き手を置きます。同じ出来事でも、答えるべき問いが違うことに気づけます。どちらも成り立ちそうなら、問題文の前後を読み、問いに必要な情報を探します。正解を見てから理由を合わせるのでなく、答え合わせの前にこの説明を残すことが、自分の判断を確かめる方法になります。
答え合わせでは、誤りを消す前に原因を短く残します。「今までの範囲を見落とした」「過去分詞を忘れた」「主語に合う形を選べなかった」のように書き分けます。意味の間違いなら線に戻り、形の間違いなら手元の活用表や説明欄で必要な箇所を確認します。問題を最初から全部やり直すのでなく、つまずいた判断に対応する材料を使います。
最後の3分で短く作り直す
読む練習が終わったら、最初に書いた日本語から1つ選び、短い英文を自分で作ります。初めは教材の文の主語や内容を少し変える程度で構いません。ただし、元の文と時間の意味が同じかを確かめてください。言い換えに夢中になって、終わった出来事と今までの経験が入れ替わらないようにします。
確認は、時間の範囲、動詞の形、伝えたい内容の順です。まず書いた英文に合う線を描き、元の日本語の線と比べます。次に、現在完了ならhaveやhasと過去分詞がそろっているかを見ます。最後に、今の状態について言いすぎていないかを考えます。正しい形の英文でも、伝えたいことと違えば修正が必要です。
翌日の確認では、前日の答えを隠して線だけを見ながら、何を伝える文だったかを口で説明します。その後に英文を作り、元の記録と比べます。時間が取れない日は、この説明だけを行っても構いません。今日の練習で迷った判断が翌日もできるかを確かめ、次に読む文を選ぶ材料にします。長く続けたかより、どの判断を自分でできたかが記録に残るようにしましょう。

塾では間違いの位置を分け、家庭には見届け方を渡す
個別指導では、最初から過去形と現在完了の説明を全部読み上げるのでなく、お子さまがどの段階で迷っているかを見ます。日本語の状況を時間の線に置けるか、英文の形を見つけられるか、その形から意味を説明できるか、自分で文を作れるか。同じ単元でも、止まっている場所が違えば、必要な働きかけも変わります。
たとえば、線は描けるのに過去分詞が出てこない場合、時間の説明を繰り返しても書くところで止まります。まず必要な動詞の形を確認し、それを使って短い文を作るところまで授業内で行います。反対に、活用は正しいのに経験と継続を取り違える場合は、形の書き取りを増やすより、今までの範囲に点を置くのか、今まで続く帯を引くのかを対比します。
授業で塾が引き受けるのは、戻る箇所の判断、意味が比べやすい課題の選定、答えの理由への問い返し、次の確認までの設計です。お子さまが「なんとなく」と答えたら、すぐに説明を足す前に、どの言葉を見てそう考えたかを聞きます。見ている箇所がわかれば、読めている部分を残したまま、足りない判断だけを補えます。
説明ができたあとは、手がかりを少しずつ減らします。はじめは時間の語に印がある文、次は印のない文、その次は過去形と現在完了が混ざった文を扱います。最後には用法名のない短い状況から形を選びます。教師の説明にうなずけた段階と、一人で判断できた段階を同じ到達点にせず、どの支えがあればできたかも記録します。
混合問題で迷いが戻ったときには、すぐに単元全体をやり直すとは限りません。単独の文なら時間を読めるのか、前後の会話が加わると焦点を見失うのかを比べます。前者ができるなら、次の課題は会話の中で誰が何を知りたいかをつかむことです。過去形を見たら過去の話のままだと思い込む場合は、話題が今へ戻る箇所に印をつけます。こうして、説明を増やす必要があるのか、読む場面を変える必要があるのかを授業で判断します。
読む活動から書く活動への移り方にも注意します。選択肢があると解けても、自由に書くと形が崩れることがあります。その場合、最初から長い作文を宿題にするのでなく、短い状況説明と線を用意し、動詞の部分を作るところから始めます。意味を決める負担と、英文を組み立てる負担を調整しながら、最後には両方を自分で扱う課題へ進めます。
保護者の方にお願いしたいのは、英文の正誤を判定することよりも、取り組む場所と短い時間を確保し、説明を聞く役目です。「今の話も入っているの」「その線はどこで終わるの」と尋ねるだけでも、お子さまが考えを言葉にする機会を作れます。答えが不自然に思えても、その場で正解を教えようとせず、迷った箇所に印を残して塾へ渡してください。
家庭からの連絡は、長い学習報告でなくて構いません。「昨日という語は見つけた」「過去形を選んだ理由は言えた」「過去分詞で止まった」のように、見えた行動を順に書いていただくと、次の授業で確かめる場所が具体的になります。「やる気がなかった」「理解していない」といった全体の評価より、どこで鉛筆が止まったかが役立ちます。
塾からの連絡も、正答数だけで終えません。たとえば、「終わった期間を指す文では理由まで説明できた。今までの経験を表す文では継続と迷った。次回は点と帯を選ぶ読み取りを確認する」という型にします。できた判断、残った迷い、次に扱う課題が並べば、ご家庭でも、同じページを繰り返している理由や、別の課題へ進んだ理由を把握できます。
進み具合は、ノートの小さな記録欄で見えるようにします。「線を描く」「理由を話す」「短く書く」の欄を作り、それぞれに「説明を見ながら」「問いかけがあれば」「一人で」と記します。これなら、正解した事実に加えて、助けの量がどう変わったかが残ります。以前は教師の言葉を待っていたところで自分から理由を言えたなら、その変化を具体的に伝えられます。
宿題が進まなかった場合も、まず課題のどこが重かったかを確認します。単語が難しかったのか、例文を選べなかったのか、線の描き方で止まったのかによって、次の宿題は変えられます。家庭に説明役まで担っていただくと、授業で調整すべき課題の難しさが見えにくくなります。塾側で課題の入口を整え、家庭で出た迷いを次の授業に戻す流れを作ります。
過去形と現在完了についてよくある3つの疑問
「昨日」があれば、必ず過去形ですか
その英文で述べる出来事を昨日に限定しているなら、基本は過去形です。ただし、文章の前の文に昨日という言葉があったからといって、後の文まで全部過去形になるわけではありません。昨日何が起きたかを語ったあと、今までの経験や今の状態へ話題を移すこともあります。文ごとに何を述べているかを確かめてください。
線を使うときも、文章全体を1本の囲みに押し込めないようにします。出来事の時点と、話し手が今見ている範囲を必要に応じて描き直します。手がかりとなる語を探すことは役立ちますが、その語がどの出来事にかかるのかまで見て初めて判断の根拠になります。
経験・継続・完了の名前を先に覚えるべきですか
名前は、似た意味の文をまとめるために役立ちます。ただ、名前を言えても内容を取り違えることはあります。まず「今までの間に起きたことがある」「始まってから今も続いている」「今の時点では終わっている」と、自分の言葉で説明してみてください。その説明に名前を結びつける順番なら、用語だけが独立しにくくなります。
完了と結果のどちらの名前にするかで迷っても、今何を伝えているかが説明できれば、その理解を足場にできます。教材の分類を確かめることと、英文の意味を読むことを分けて扱いましょう。分類名の暗唱だけで練習を終えず、その文に合う場面を言えるかまで確認します。
過去分詞を全部覚えるまで、現在完了は待ちますか
知っている動詞を使って、時間の意味を読む練習と形の確認を並行できます。過去分詞があいまいなら、必要な形を調べてから文全体を読み直してください。活用を覚える学習も必要ですが、一覧を覚え終わるまで現在完了の意味に触れないと、形が何のためにあるかが見えにくくなります。
書くときは、調べて作れた文と、見ずに作れた文を記録で分けます。調べたことを失敗とせず、次にその形を自分で出せるかを確かめます。意味が読めた成果と、形を思い出す課題を別々に扱うと、全部が苦手だと感じずに次の練習を決められます。
次の1文で、どこを見て話すかを決める
過去形と現在完了を選ぶときは、まず伝えたい時間を言葉にします。終わった期間の出来事なのか、今までの経験なのか、今も続く状態なのか。それから線を描き、動詞の形を選び、最後に英文が伝える意味へ戻ります。形と意味を往復することで、正解の理由が自分の説明として残ります。
今日は手元の短い1文で十分です。正解していても理由が言えなければ印をつけ、間違えていても時間の説明ができた部分は残してください。お子さまの迷いが具体的になるほど、次に取り組むことも絞れます。
昨日の点と今までの帯を描き分けたノートには、動詞を選ぶ理由が残っています。文を読むたびに「どこまでの時間か」と問い直す習慣が、過去形と現在完了の境目を明確にします。
参考文献
- Modirkhamene et al.(2018). Indonesian Journal of Applied Linguistics. 初級学習者40名を対象とした、形と意味を結ぶ入力活動と従来の演繹的指導の比較。 https://consensus.app/papers/details/d59935f761ea5bada4f1665a4bf2b0e7/
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