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【中学受験算数】通過算を図解で総まとめ—列車の長さ・トンネル 鉄橋・すれ違いと追いこし|武蔵野個別指導塾

【中学受験算数】通過算を図解で総まとめ—列車の長さ・トンネル 鉄橋・すれ違いと追いこしのアイキャッチ 武蔵野個別指導塾
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電柱・トンネルの通過から列車どうしのすれ違いと追いこしまで、先頭と最後尾の図で考えます。4つの例題と練習問題を通して、長さを足す理由と速さを選ぶ根拠を確かめられます。

よくあるのは、校庭のベンチで算数の問題を見直しているときに、「トンネルの長さを速さで割ったのに、どうして答えが違うのだろう」と手が止まる場面です。速さの計算は合っています。それでも、列車の先頭が出口へ着いた瞬間と、列車全体がトンネルから出た瞬間を同じだと考えると、必要な時間が短くなってしまいます。

通過算で扱う列車には、長さがあります。人を点で表す速さの問題と違って、先頭が通り過ぎたあとにも車体が残ります。「どこから測り始め、どこまで来たら終わりか」を描くことが、計算の前に必要です。電柱、トンネル、鉄橋、別の列車と、相手が変わってもこの見方は変わりません。

お子さまが公式を覚えていても、使い分けに迷うことはあります。まずは列車を長方形で描き、先頭と最後尾に印をつけましょう。通過の始めと終わりを説明できれば、長さを足す理由も、速さを足したり引いたりする理由も、自分の言葉でたどれるようになります。

この単元で身につけること

これまでに学んだ「道のり=速さ×時間」と、旅人算で使う近づく速さ・追いつく速さが土台です。通過算では、その道のりを列車の長さも含めて決める点を加えます。複雑な計算を増やすのではなく、すでに知っている計算へつなぐための図を描く学習です。

基本の考え方

電柱を通過するとき、先頭はどれだけ進むか

電柱を通過する時間は、先頭が電柱の位置に来た瞬間から、最後尾がその位置を通り過ぎる瞬間までとします。ここでは電柱の太さは考えません。また、特に断りがなければ、列車はまっすぐな線路を一定の速さで走るものとして考えます。途中で停車したり速さを変えたりする条件はありません。

長さ120 mの列車を考えましょう。始めに先頭が電柱の前にあり、最後尾はそこから120 m後ろにあります。最後尾が電柱へ届くには、車体全体が120 m進まなければなりません。先頭も最後尾も同じだけ動くので、この間に先頭が進む道のりも120 mです。

図1 電柱の通過開始と終了で列車の先頭が動く距離

図1のように、上の段に始め、下の段に終わりを描くと、先頭の位置が列車1本分だけ右へ動いています。縦の灰色の線が電柱の位置です。図の上下は時刻の違いを表しており、別々の線路を表しているのではありません。紺色の長方形の右端が、右へ進む列車の先頭です。

秒速15 mで走るなら、120÷15=8で、通過には8秒かかります。電柱そのものに長さがないから時間も0秒、とはなりません。通り過ぎる列車のほうに長さがあるためです。反対に、電柱の通過に8秒かかり、秒速15 mとわかっていれば、15×8=120で列車の長さを求められます。

保護者の方からは、「先頭が電柱に来たところで止めてみよう。最後尾はどこにいるかな」と声をかけてみてください。最初から足し算か引き算かを尋ねるより、まだ通過していない部分を指で示すほうが、道のりを決める助けになります。

トンネルや鉄橋では、出口の先にも進む

トンネルを完全に通過する時間は、先頭が入口に来た瞬間から、最後尾が出口に来る瞬間までです。先頭が入口から出口まで進んだだけでは、先頭より後ろの車体がトンネル内に残ります。そこからさらに列車の長さだけ進むと、最後尾が出口に届きます。

したがって、通過中に先頭が進む道のりは「トンネルの長さ+列車の長さ」です。鉄橋でも同じで、先頭が橋の手前に来てから最後尾が向こう側を離れるまでなら、「鉄橋の長さ+列車の長さ」を使います。橋の上かトンネルの中かという景色の違いではなく、入口と出口の2か所があることに注目します。

一方、「列車全体がトンネルの中に入っている時間」は別の問いです。列車より長いトンネルなら、最後尾が入口に入った瞬間から、先頭が出口に来る瞬間までを測ります。この間に先頭が進めるのは、トンネルの長さから列車の長さを引いた分です。問題の「通過」という言葉だけで式を決めず、何が起きている間の時間なのかを読み取る必要があります。

単位もここでそろえます。時速72 kmは1時間に72000 m進む速さです。1時間は3600秒なので、72000÷3600=20より秒速20 mとなります。問題にmと秒が出てくるなら、このようにmと秒へ直してから計算すると、何を割っているのかが明確になります。

動いている列車を相手にするとき

向かい合う2つの列車では、両方が近づきます。たとえば、一方が1秒に20 m、もう一方が1秒に15 m進むなら、先頭どうしの間は1秒に35 m縮まります。すれ違い始めたあとも、片方から見たもう片方の位置は、1秒に35 mずつ変わります。このように、相手を基準にした位置の変わり方を考えると、動く列車どうしも整理できます。

同じ向きなら、速い列車が20 m進む間に、遅い列車も15 m進みます。速い列車が相手に対して前へ出るのは、1秒あたり5 mだけです。追いこす時間を求めるときは、この速さの差を使います。遅い列車も走っていることを忘れないための引き算です。

どちらの場合も、完全に通り過ぎるまでには、2本の列車の長さの和だけ位置関係が変わります。ただし、時間を測り始める位置には注意しましょう。すれ違いでは先頭どうしが並んだとき、追いこしでは速い列車の先頭が遅い列車の最後尾に並んだときが、よく使われる開始の瞬間です。そこより前から時間を測るなら、間の距離も加えて考えます。

例題で解き方を確かめる

例題1 電柱の通過時間から列車の長さを求める

時速54 kmで一定の速さで走る列車があります。先頭が電柱の位置に来てから、最後尾が通り過ぎるまでに8秒かかりました。列車の長さは何mですか。電柱の太さは考えません。

  1. 速さを秒速に直します。54 km=54000 m、1時間=3600秒なので、54000÷3600=15です。時間が秒で与えられているため、秒速15 mにそろえます。
  2. 8秒間に先頭が進む道のりを決めます。最後尾が電柱まで来る間に進む距離なので、図1と同じように列車の長さそのものです。
  3. 道のりを計算します。15×8=120より、列車の長さは120 mです。速さと時間をかけるのは、1秒に15 mずつ進むことが8秒続くためです。

答え:120 mです。

確かめるときは、120÷15=8で問題の時間に戻ります。「8秒で120 m進む」と「120 mの車体が電柱を通過するのに8秒かかる」が同じ動きを表すことも、図の先頭と最後尾を指して確認しましょう。計算だけの見直しと、場面の見直しをつなげられます。

例題2 トンネルと鉄橋を完全に通過する

長さ120 mの列車が秒速20 mで走っています。長さ480 mのトンネルを、先頭が入口に来てから最後尾が出口を出るまでに何秒かかりますか。また、同じ列車が同じ速さで長さ280 mの鉄橋を完全に通過するには何秒かかりますか。

図2 トンネル通過で先頭が進む道のりと列車の長さ

図2のように、トンネルの入口と出口を固定して、列車の始めと終わりを上下に描きます。図中の長さは同じ割合で縮めてあり、480 mのトンネルは120 mの列車の4倍の横幅です。上段の先頭から下段の先頭まで、横方向にどれだけ移ったかを見ます。

  1. 先頭が出口まで進む道のりを考えます。入口から出口までは480 mですが、ここではまだ最後尾が出ていません。出口から先へ、さらに120 m進む必要があります。
  2. 完全に通過する道のりを足します。480+120=600で、先頭は600 m進みます。列車の長さを加えるのは、最後尾を出口まで運ぶ分が必要だからです。
  3. トンネルの通過時間を求めます。600÷20=30で、30秒です。秒速20 mで600 m進む時間を求めています。
  4. 鉄橋も同じ順に考えます。280+120=400、400÷20=20より20秒です。橋でも最後尾が向こう側へ達するまで測るため、列車の長さを加えます。

答え:トンネルは30秒、鉄橋は20秒です。

もしトンネルについて480÷20=24としたなら、それは先頭が入口から出口まで進む時間です。残りの120÷20=6秒を足すと、24+6=30秒になります。式の誤りを直すときも、24秒という値が何を表していたかを説明すると、正しい式との違いがはっきりします。

例題3 向かい合う列車がすれ違う

長さ120 m、秒速20 mの列車Aと、長さ180 m、秒速15 mの列車Bが、隣り合う線路を反対向きに走っています。先頭どうしが並んでから、最後尾どうしが並んですれ違い終わるまで、何秒かかりますか。

  1. すれ違う長さをまとめます。列車Aの長さ120 mと列車Bの長さ180 mを合わせ、120+180=300とします。Aから見てB全体が通り過ぎるには、両方の車体の分だけ位置が変わるためです。
  2. 1秒間に位置関係が変わる距離を求めます。互いに反対向きへ進むので、20+15=35です。片方が進む分に、もう片方が進む分も加わります。
  3. 必要な時間を求めます。300÷35=60/7で、8 と 4/7秒です。300 mを1秒に35 mの割合で通り過ぎる時間になっています。

答え:8 と 4/7秒です。

秒の答えが整数でなくても問題ありません。この時間にAは1200/7 m、Bは900/7 m進み、その和は2100/7=300 mです。2つの移動距離を合わせて列車2本分になれば、最後尾どうしが並ぶ条件に合います。片方の列車だけで300 m進む必要がある、と考えないことが確かめのポイントです。

例題4 同じ向きの列車を追いこす

長さ120 m、秒速25 mの列車Aが、長さ180 m、秒速15 mの列車Bを、隣の線路から追いこします。Aの先頭がBの最後尾に並んでから、Aの最後尾がBの先頭に並ぶまでに何秒かかりますか。

  1. 始めと終わりを描きます。始めはA全体がBの後ろにあり、終わりはA全体がBの前へ出ます。Aの先頭だけがBの先頭に届いた時点では、追いこしは終わっていません。
  2. 相手に対して進む必要がある長さを求めます。Bの180 mを進んだうえでAの最後尾も前へ出すので、180+120=300 mです。速さは引き算でも、車体の長さは足し算になります。
  3. 相手より前へ出る速さを求めます。25-15=10で、1秒ごとに10 mずつ前へ出ます。両方が同じ向きへ走るので、Aの進む25 m全部が追いこしに使えるわけではありません。
  4. 300÷10=30より、30秒と求めます。この30秒にAは25×30=750 m、Bは15×30=450 m進み、進んだ距離の差が300 mになります。

答え:30秒です。

追いつくことと追いこすことを区別しましょう。Aの先頭がBの最後尾に届くまでの時間を問うなら、まだ2本の長さを通り過ぎる段階ではありません。問題文の開始位置と終了位置に印をつけ、今回の30秒がどこからどこまでなのかを図で確かめます。

つまずきやすいところと直し方

誤り1 トンネルの長さだけを割ってしまう

誤った書き方は、例題2の「480÷20=24秒」です。どこが違うかというと、先頭が出口に到着したところで時間を測るのをやめている点です。その瞬間には、最後尾は出口から120 m手前にあり、まだトンネル内に残っています。

正しい書き方は「(480+120)÷20=30秒」です。直すときは、単に「列車の長さを足す」と伝えるだけでなく、24秒後の車体を描き足しましょう。最後尾が出口に届くまでの120 mが見えると、足す量の意味を説明できます。列車の長さを2回足してしまう場合も、先頭という同じ点を始めから終わりまで追うと防げます。

誤り2 追いこしだから長さも引いてしまう

誤った書き方は、例題4の「(180-120)÷(25-15)=6秒」です。どこが違うかというと、速さを引く理由と、必要な長さを決める理由を混ぜている点です。速さの差は1秒間に前へ出る分を表しますが、長さの差は追いこし全体で前へ出るべき距離にはなりません。

図3 相手の列車を止めて見る追いこしの始めと終わり

図3のように、緑の列車Bを同じ位置に置いて考えると、紺の列車AがBの後ろから前へ移る様子を描けます。実際にはBも動きますが、ここではBを基準にしてAの位置を比べています。Bの長さ180 mを越え、さらにAの長さ120 mの分だけ進んで初めて、車体が重ならなくなります。

正しい書き方は「(180+120)÷(25-15)=30秒」です。6秒ではAがBに対して60 m前へ出ただけで、Aの先頭はBの先頭にも届きません。出した答えを始めの図へ戻し、その秒数でどこまで進むか描くと、答えが短すぎる理由まで確かめられます。

誤り3 時速の数値をそのまま秒に使う

誤った書き方は、例題1の「54×8=432 m」です。どこが違うかというと、54は1時間に進むkmの数なのに、8は秒の数である点です。「速さ×時間」という形が合っていても、単位がそろっていなければ求めたい道のりにはなりません。

正しい書き方は「54000÷3600=15、15×8=120 m」です。計算の前に「秒速15 m」「8秒」と横に書くと、1秒分を8回集めることが見えます。時速を秒速へ直す計算で迷うときは、kmをmへ直す段階と、1時間を3600秒に分ける段階を分けて書きましょう。

追いこしで2本の速さの単位が異なる場合も、まず同じ単位へそろえます。片方が時速、片方が秒速のまま数値だけを引くことはできません。また、同じ速さで同じ向きなら位置関係は変わらず、後ろの列車が新たに追いこすことはありません。0で割って時間を出そうとする前に、そもそも追いこせる動きかどうかを確かめます。

ここで手が止まるなら、止まった単元まで一緒に戻ります。学年別個別指導コース/お問い合わせ

練習問題

どの問題でも列車は一定の速さで走り、2本の列車は隣り合う線路を走るものとします。まず求める時間や長さに印をつけ、必要なら列車の先頭を丸、最後尾を三角で示してから式を書きましょう。答えだけでなく、式の中の道のりが何を表すかも説明してみます。

練習1

長さ150 mの列車が時速54 kmで走っています。先頭が電柱に来てから最後尾が通り過ぎるまで、何秒かかりますか。電柱の太さは考えません。

練習2

長さ180 mの列車が秒速25 mで走り、トンネルを完全に通過するのに28秒かかりました。時間は先頭が入口に来てから最後尾が出口に来るまでです。トンネルの長さは何mですか。

練習3

長さ140 m、秒速18 mの列車と、長さ180 m、秒速22 mの列車が向かい合って進みます。先頭どうしが並んでから最後尾どうしが並ぶまで、何秒かかりますか。

練習4

長さ160 m、時速90 kmの列車Aが、長さ240 m、時速54 kmの列車Bを同じ向きに追いこします。Aの先頭がBの最後尾より100 m後ろにいる瞬間から、Aの最後尾がBの先頭に並ぶまで、何秒かかりますか。

答えと解説

練習1の答えは10秒です。時速54 kmは54000÷3600=15より秒速15 mです。電柱を通過する間に進む距離は列車の長さなので、150÷15=10とします。10秒間に15×10=150 m進むことも確かめられます。

練習2の答えは520 mです。先頭が28秒で進む距離は25×28=700 mです。この700 mには列車の長さ180 mも含まれているため、700-180=520でトンネルだけの長さを求めます。520+180=700に戻るので、完全に通過する距離としてつじつまが合います。

練習3の答えは8秒です。通り過ぎる長さは140+180=320 m、すれ違う速さは18+22=40より1秒あたり40 mです。320÷40=8となります。8秒間の移動距離はそれぞれ144 mと176 mで、合わせると320 mになります。

練習4の答えは50秒です。時速90 kmは90000÷3600=25より秒速25 m、時速54 kmは秒速15 mなので、前へ出る速さは25-15=10です。最初の間隔100 mもなくしてから追いこすため、(100+160+240)÷10=50とします。最初の100÷10=10秒でAの先頭がBの最後尾に届き、そのあと400÷10=40秒で完全に追いこします。

練習4で40秒と答えた場合は、追いこし始めてからの時間だけを求めています。列車の長さの扱いはできているので、開始の瞬間に100 mの間があることを図へ加えましょう。長さを足す計算をすべてやり直すより、どの区間の時間が抜けたかを探すと修正しやすくなります。

次の単元へのつながりと家庭での確かめ方

通過算で「どの点を追うか」「何を基準に動きを見るか」を決める経験は、速さのグラフや図形が移動する問題につながります。長方形どうしの重なりが増えたり減ったりする問題でも、重なり始める瞬間と、完全に離れる瞬間を区別します。速さの計算に入る前に場面を区切る力が役立ちます。

家庭では、5分ほどで次の2つを確かめられます。1つ目は、細長い紙を列車にし、机に置いた鉛筆を電柱に見立てて動かす方法です。先頭が鉛筆に並んだ位置と、最後尾が並んだ位置で止め、先頭が紙1枚分動いたことを指で示します。数値をつけなくても、電柱を通過する距離の意味を確かめられます。

2つ目は、長さの違う紙を2枚並べ、片方を固定してもう片方を後ろから前へ動かす方法です。始めと終わりの先頭の位置に印を置き、2枚の長さを合わせた分だけ移ったことを確認します。そのうえで「両方が同じ向きに動くなら、前へ出る分はどうなるかな」と尋ねると、長さの和と速さの差を別々に説明できます。

個別指導で確かめるなら、式を覚えているかだけでなく、先頭と最後尾の位置を言えるかまで戻ります。位置が合っていて計算が止まる場合には、秒速の意味やkmとmの換算を確かめ、つまずいた段階に合わせて練習を選びます。

まとめ

式を選ぶ前に、通過の終わりを指で示せるかを確かめてみましょう。電柱の前に最後尾が来た場面、トンネルの出口から車体がすべて出た場面、相手の列車と重ならなくなった場面を描ければ、必要な道のりを自分で決められます。

迷った式も、図に戻せば「どの瞬間までの時間を求めていたか」を説明できます。正解かどうかだけで区切らず、計算が表していた動きを確かめることが、次の問題を読む手がかりになります。通過の完了を決めるのは、先頭の到着ではなく、最後尾まで含めた車体の位置です。

本気になった日が、入塾の日。

お子様の教育、迷ったら「丸投げ」してください。必ず、期待以上の結果で返します。武蔵野で育む、武蔵境で学ぶ。

電話は年中無休。365日、24時間、お電話可能。

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