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【中学受験算数】分配算を図解で総まとめ—倍と差の関係・線分図・比で解く方法|武蔵野個別指導塾

「3倍より6枚多い」を線分図に表し、合計を直す理由をたどります。2人・3人への分配や比を使う例題を通して、家庭でも式の意味と答えの確かめ方を追えます。
よくあるのは、夕方の台所のテーブルで、お子さまが「甲は乙の3倍より6枚多い」という文を読んだあと、合計を3で割ろうとして手を止める場面です。「3倍だから3で割るのかな。でも6枚はいつ使うのかな」と、文に出てきた数を順番に計算したくなります。ここで必要なのは、計算を急ぐことではなく、誰の分を同じ大きさの1個分として見るかを決めることです。
分配算は、いくつかの量の合計と、量どうしの倍や差の関係から、それぞれの量を求める文章題です。お金、カード、リボンなど、扱うものが変わっても考え方はつながっています。「同じ長さの部分」と「そこから出たり足りなかったりする部分」を線分図に描き分けると、合計にどんな手直しが必要かが見えてきます。
まず2人の分を表すところから始め、3人の分配や比を使う方法へ進みましょう。式の答えだけでなく、「この計算で図のどの部分を求めたか」を言えることが、次の問題を自分で解くための足場になります。
この単元で身につけること
- もとにする量を決めます。「甲は乙の3倍」なら、乙の量を1個分と見ます。人の名前が先に出たかどうかで決めず、「誰の何倍か」を読み取ります。
- 倍の部分と端数の部分を分けます。「3倍より6枚多い」の6枚は、3個分の外に1回だけ付け足す量です。同じ大きさの部分に混ぜずに描きます。
- 合計を、同じ大きさの部分だけに直します。多い分を取り除く、足りない分を補う、という操作をしてから、何個分になったかを数えます。
- 線分図と比を結び付けます。3個分と1個分の関係は3:1と表せます。ただし、余分な量が付いたままの2人の量を、そのまま3:1とはできません。
- 答えを2方向から確かめます。全員の量を足した合計と、もとの文にある倍や差の関係の両方が合うかを調べます。片方だけ合っても十分ではありません。
これまでに学んだかけ算の「同じ大きさのいくつ分」と、わり算の「全体を等しく分ける」を、文章と図の間で使い直す単元です。比をまだ学んでいない段階では「1個分」という言い方で進め、慣れてから比の表し方を重ねてもかまいません。
基本の考え方
「誰の何倍か」から線分図を描きます
「甲のカードは乙のカードの3倍あります」という文なら、乙のカードを表す線を先に描きます。その長さを1個分として、甲には同じ長さを3個並べます。甲の長さを先に好きな長さで描くと、乙との関係が見えにくくなるため、もとにする乙から描くと整理しやすくなります。
ここで「1個分」は、カード1枚という意味ではありません。乙が持っているカードをひとまとめにした量です。乙の枚数がまだわからなくても、乙と同じ量を3つ集めたものが甲だと表せます。この区別があいまいなときは、「この短い線は、乙のカード全部をまとめて表しているよ」と声をかけてください。
次に「甲は乙の3倍より6枚多い」と変えてみます。甲の線は、乙と同じ長さを3個並べた先に、6枚分の短い線を付け足した形になります。6枚が付くのは甲の線の右端に1回です。「乙に6枚足したものを3個集める」という文とは違います。先に3倍の部分を作り、その後で6枚を加える順序を、図にも残します。

図1のように、甲には紺色の同じ長さが3個と赤色の6枚分、乙には紺色の長さが1個あります。2人の合計が94枚なら、94枚の中には、同じ長さ4個分と余分な6枚が入っているわけです。図の長さはこの条件に合わせていますが、解くときに定規で長さを測る必要はありません。同じ印の部分が同じ量だと読み取るための図です。
合計を直してから何個分かを数えます
図1の赤い部分をいったん取り除くと、残る量は94 – 6 = 88枚です。この88枚が、乙の量を1個分とした4個分になります。したがって、乙は88 ÷ 4 = 22枚です。甲は22 × 3 + 6 = 72枚と求められます。
94枚をそのまま4で割ると、余分な6枚まで4つに分けることになります。それでは、乙の量1個分を取り出したことになりません。また、88枚を3で割ると、甲の3個分だけを数えて乙の1個分を忘れています。「合計には甲と乙の両方が入る」という点が、わる数を決めるときの要です。
取り除いた6枚は、問題から消えたわけではありません。同じ大きさにそろえるために、いったん外へ置いただけです。乙を求めたあと、甲を求めるときには6枚を戻します。ノートでは赤い部分のそばに「あとで甲へ戻す」と短く書いておくと、計算と図の対応を保てます。
「3倍より8枚少ない」のように足りない場合は、反対の操作をします。甲の線に8枚分を補って、ちょうど3個分になるようにします。合計にも8枚を足してから、甲の3個分と乙の1個分を合わせた4個分で割ります。多いときは引き、少ないときは足す理由は、同じ大きさの部分だけにそろえるためです。言葉だけを反対に覚える必要はありません。
比はそろえたあとの関係を短く表します
甲が乙のちょうど3倍なら、甲:乙 = 3:1です。比の3と1はカードの実際の枚数ではなく、同じ大きさの量を何個ずつ持っているかを表します。合計は3 + 1 = 4個分なので、合計を4で割れば1個分を求められます。
一方、甲が乙の3倍より6枚多い場合、もとの甲:乙を3:1としてはいけません。3:1になるのは、「甲から6枚を取り除いた量」と「乙の量」の関係です。図1では赤い部分を除いた紺色の部分だけを比べています。比を使う場合も、先にどの量を比べているかを言葉で書くと、余分な量の扱いがはっきりします。
また、取り除く操作と、相手へ移す操作も区別しましょう。甲から6枚を取り除いて脇に置けば、考える合計は6枚減ります。甲から乙へ6枚を渡せば、2人の合計は変わりませんが、乙の量が増えて別の関係になります。分配算で図をそろえる操作は、問題文にない受け渡しを実際に行うことではありません。求めやすい形を一時的に作っているのです。
例題で解き方を確かめる
例題1 ちょうど3倍の2人に分ける
80枚のカードを甲と乙に全部分けます。甲の枚数が乙の枚数の3倍になるとき、それぞれ何枚ですか。
- 乙の枚数を1個分と見て、甲を3個分と表します。もとにする量は「乙の枚数」なので、乙の1個分からそろえます。
- 合計が何個分かを数え、3 + 1 = 4個分とします。80枚は甲だけの量ではなく、甲と乙の量を合わせたものだからです。
- 1個分を80 ÷ 4 = 20枚と求めます。同じ大きさ4個分が80枚なので、等しく4つに分けます。
- 甲を20 × 3 = 60枚と求めます。甲には乙と同じ量が3個分あります。
確かめは60 + 20 = 80、20 × 3 = 60です。合計と3倍の関係がどちらも合いました。比で書くなら甲:乙 = 3:1となり、合計を3 + 1で割る同じ考え方になります。
答え:甲は60枚、乙は20枚です。
例題2 3倍より多い分を取り除く
94枚のカードを甲と乙に全部分けます。甲が乙の3倍より6枚多くなるとき、それぞれ何枚ですか。
- 図1のように、乙を1個分、甲を3個分と6枚に分けて描きます。「3倍」と「6枚多い」を別の部分にすると、そろっていない箇所が見えます。
- 合計から余分な6枚を引き、94 – 6 = 88枚とします。甲の端にある6枚を除くと、同じ大きさの部分だけが残るからです。
- 3 + 1 = 4個分で割り、88 ÷ 4 = 22枚とします。ここで求めた22枚は乙の枚数です。
- 甲は22 × 3 + 6 = 72枚とします。3個分を作ったあと、取り除いておいた6枚を甲へ戻します。
別の求め方として、乙が22枚とわかったら、甲は94 – 22 = 72枚としてもかまいません。これはもとの合計から乙の分を引く方法です。88 – 22とすると、6枚を戻す前の甲の量になってしまうので、どちらの合計を使うのかに気を付けます。
最後に72 + 22 = 94と、22 × 3 + 6 = 72を確かめます。前者は合計の確認、後者は配り方の確認です。求めた2つの数が問題文のすべての条件に合うことで、答えが確かになります。
答え:甲は72枚、乙は22枚です。
例題3 3人の量をいちばん小さい量にそろえる
126枚のカードを甲、乙、丙の3人に全部分けます。乙は丙の2倍、甲は乙より丙の枚数分だけ多く、さらに6枚多くなるようにします。それぞれ何枚ですか。
「甲は乙より丙の枚数分だけ多い」は、乙に丙と同じ量を1つ加えるという意味です。そこにさらに6枚を加えます。3人になると人名が増えますが、同じ大きさのもとを1つ決める手順は変わりません。

図2のように、丙を1個分とすると、乙は2個分、甲は3個分と6枚です。3本の線を同じ左端から描き、同じ大きさの区切りをそろえると、どこに丙の量が含まれているかを追いやすくなります。
- 丙を1個分、乙を2個分とします。乙が丙の2倍という条件を先に使い、2人を同じもとで表します。
- 甲を2 + 1 = 3個分と6枚にします。乙の2個分に丙の1個分を加え、さらに6枚を付け足すからです。
- 126 – 6 = 120枚とします。3人の合計から甲の余分な6枚だけを除くと、等しい大きさの部分だけになります。
- 3 + 2 + 1 = 6個分なので、120 ÷ 6 = 20枚とします。この1個分は、最初に決めた丙の枚数です。
- 乙は20 × 2 = 40枚、甲は20 × 3 + 6 = 66枚とします。それぞれの線の個数に合わせて量を戻します。
合計は66 + 40 + 20 = 126枚です。さらに乙は20 × 2 = 40枚、甲は40 + 20 + 6 = 66枚となり、文にある関係も合います。答えを書き込んだら、元の文を人名の順に読み直して確かめましょう。
答え:甲は66枚、乙は40枚、丙は20枚です。
例題4 比を使って分配する
104枚のカードを甲と乙に全部分けます。甲から8枚を取り除いた枚数と乙の枚数の比が5:3になるとき、甲と乙はそれぞれ何枚ですか。取り除いた8枚は乙へ渡さず、脇に置くものとします。
- 「甲から8枚を取り除いた量」を5個分、「乙の量」を3個分と見ます。比が表しているのは、甲のもとの枚数ではないことを先に確かめます。
- 104 – 8 = 96枚とします。比の5個分と3個分を合わせた量は、取り除いたあとの合計だからです。
- 5 + 3 = 8個分なので、96 ÷ 8 = 12枚とします。この12枚は比の1個分であり、甲でも乙でもありません。
- 乙は12 × 3 = 36枚、甲は12 × 5 + 8 = 68枚とします。甲だけは取り除いた8枚を戻す必要があります。
確かめると、68 + 36 = 104です。甲から8枚を取り除くと60枚になり、60:36は両方を12で割ると5:3になります。「1個分を求めたらそのまま乙の答え」という例題2までの習慣で止めず、乙が何個分かを確かめることが大切です。
答え:甲は68枚、乙は36枚です。
つまずきやすいところと直し方
誤り1 合計を倍の数だけで割ってしまう
誤った書き方は、例題2で「(94 – 6) ÷ 3」です。余分な6枚を除くところまでは合っていますが、残る88枚には甲の3個分だけでなく、乙の1個分も入っています。3は甲の個数であり、合計の個数ではありません。
正しい書き方は「(94 – 6) ÷ (3 + 1) = 22」です。わる数を決める前に、甲の線を3回、乙の線を1回、指でなぞって数えましょう。保護者からは「88枚に残っているのは、誰と誰の分かな」と尋ねると、計算のやり直しより先に図へ戻れます。
この誤りは、3人の問題でも起こります。例題3の甲の3個分だけで割らず、甲3個分、乙2個分、丙1個分の合計6個分で割ります。人数で割るわけでもありません。3人に等しく分ける問題ではないので、「3人だから3で割る」と決めることもできません。
誤り2 「少ない」場合も合計から引いてしまう
甲と乙の合計が88枚で、甲が乙の3倍より8枚少ない場合を考えます。誤った書き方は「(88 – 8) ÷ 4」です。足りない部分をさらに取り除いているため、甲がちょうど3個分になるようにそろえられていません。

図3のように、甲の線の右端へ赤い点線の8枚分を補うと、甲は乙のちょうど3倍になります。もとの甲の量は紺色の部分で、点線の部分はそろえるために補った量です。補ったあとの合計は88 + 8 = 96枚で、同じ長さ4個分に当たります。
正しい書き方は「(88 + 8) ÷ (3 + 1) = 24」です。乙が24枚、甲が24 × 3 – 8 = 64枚となります。最後に64 + 24 = 88と、24 × 3 – 8 = 64を確かめます。いったん補った8枚は甲の本当の枚数に含まれないため、甲を求めるときに引きます。
誤り3 余分な量まで一緒に何倍かしてしまう
例題2で乙が22枚と求まったあと、誤った書き方として「(22 + 6) × 3 = 84」があります。これは乙に6枚を加えた量を3個集めたことになるので、余分な部分が6枚ずつ3回、合計18枚になってしまいます。
正しい書き方は「22 × 3 + 6 = 72」です。3倍にするのは乙の22枚だけで、6枚はその後に1回加えます。図1を見て、「赤い部分はいくつ描いてあるかな」と尋ねてみてください。1個しかない赤い部分が、誤った式では3個になっていることを確認できます。
式にかっこを付けるかどうかで、どこをひとまとめにして3倍するかが変わります。計算の順番だけを注意するのではなく、かっこの中がどの量を表しているかを言葉にすると、同じ誤りを別の問題でも見つけやすくなります。
ここで手が止まるなら、止まった単元まで一緒に戻ります。学年別個別指導コース/お問い合わせ
練習問題
はじめは式を書く前に、もとにする量へ小さな印を付けてください。次に線分図を描き、多い部分や足りない部分を分けてから計算します。練習4では、比の1個分が誰の量に当たるかも確かめましょう。
練習1
100枚のカードを甲と乙に全部分けます。甲は乙の4倍です。それぞれ何枚ですか。合計が何個分になるかを、式の前に書きましょう。
練習2
99枚のカードを甲と乙に全部分けます。甲は乙の2倍より9枚少なくします。それぞれ何枚ですか。9枚をどこへ補うと同じ大きさの部分にそろうかを考えましょう。
練習3
147枚のカードを甲、乙、丙に全部分けます。乙は丙の2倍より3枚多く、甲は丙の4倍より4枚多くします。それぞれ何枚ですか。甲と乙の両方にある余分な部分を見落とさないようにしましょう。
練習4
90枚のカードを甲と乙に全部分けます。甲に10枚を補った枚数と乙の枚数の比が3:2になるようにします。それぞれ何枚ですか。補う10枚は乙から移すのではなく、別に用意したものとします。
答えと解説
練習1の答えは、甲80枚、乙20枚です。乙を1個分とすると、合計は4 + 1 = 5個分です。100 ÷ 5 = 20で乙、20 × 4 = 80で甲を求めます。80 + 20 = 100、20 × 4 = 80となり、2つの条件が合います。
練習2の答えは、甲63枚、乙36枚です。甲に9枚を補うと、甲2個分と乙1個分を合わせた3個分になります。99 + 9 = 108、108 ÷ 3 = 36です。甲は36 × 2 – 9 = 63で、63 + 36 = 99と確かめられます。足りない量を補ったので、最初は足し算をします。
練習3の答えは、甲84枚、乙43枚、丙20枚です。余分な量は3 + 4 = 7枚で、147 – 7 = 140枚が、4 + 2 + 1 = 7個分です。140 ÷ 7 = 20で丙が求まり、乙は20 × 2 + 3 = 43、甲は20 × 4 + 4 = 84です。84 + 43 + 20 = 147で合計も合います。同じ7でも、余分な7枚と7個分では意味が違います。
練習4の答えは、甲50枚、乙40枚です。10枚を補ったあとの合計は90 + 10 = 100枚で、3 + 2 = 5個分です。100 ÷ 5 = 20が比の1個分です。乙は20 × 2 = 40、甲は20 × 3 – 10 = 50と求めます。50 + 40 = 90で、補ったあとの60:40は3:2です。
次の単元へのつながりと家庭での確かめ方
分配算で使う「共通の1個分を決める」という考え方は、割合や比の文章題でも使います。3人の量を同じもとで表す経験は、比どうしをつなげて考えるときにも役立ちます。また、答えからもとの文へ戻る確かめ方は、単元が変わっても使える習慣です。
家庭で5分ほど確かめるなら、1つ目は、計算をせず図だけを描く練習です。「甲は乙の2倍より5枚多い」と伝え、乙1個分、甲2個分、余分な5枚が描けるかを見ます。続けて「5枚少ない」に変え、図のどこが変わるかを説明してもらいます。枚数を求めなくても、文と図を結び付ける練習になります。
2つ目は、例題2の答え72枚と22枚だけを示して、合計と配り方を逆に確かめる練習です。「足すといくつかな」「22枚を3つ集めた量と72枚は、どれだけ違うかな」と順に尋ねます。2つの確認ができたら、解答を丸ごと書き写す必要はありません。お子さま自身の言葉で「合計も、多い分も合っている」と説明できれば、確かめの目的が伝わっています。
個別指導で式の意味が途切れる場合は、かけ算の「何倍」まで戻り、もとにする量と比べる量を指せるかを確かめます。そこが安定したら、線分図の1区切り、合計、求めた答えの対応を順に確認します。
まとめ
分配算の途中で迷ったとき、ノートに残しておきたいのは、誰の量を1個分としたかが読み取れる図です。正しい答えが出ても、取り除いた量を誰へ戻したか説明できなければ、数字が変わった次の問題で迷いが戻ることがあります。
逆に、計算の途中でも「この6枚を外すと同じ長さが4個残る」と言えれば、次にすることを自分で決められます。線分図は答えを飾る絵ではなく、まだわからない量に手を届かせるための道具です。分配算の一歩目は、わる数を探す前に、そろえる量を決めることです。
本気になった日が、入塾の日。
お子様の教育、迷ったら「丸投げ」してください。必ず、期待以上の結果で返します。武蔵野で育む、武蔵境で学ぶ。
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