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【中学受験算数】速さの基本と線分図を図解で総まとめ—3 公式 単位の換算 速さの比|武蔵野個別指導塾

【中学受験算数】速さの基本と線分図を図解で総まとめ—3 公式 単位の換算 速さの比のアイキャッチ 武蔵野個別指導塾
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分速を使う線分図、時速と分速の換算、同じ道のりを進む時間の比を例題でたどります。3つの公式を意味から選び、単位をそろえて解く手順を家庭でも確かめられます。

よくあるのは、塾の玄関の傘立ての前で、帰り道の話から「分速60 mで15分歩くと何mかな」と聞かれ、かけ算か、わり算かで止まる場面です。「速さ・道のり・時間」の言葉は知っていても、どの数が何を表すのかが結びついていないと、覚えた公式を選べません。さらに「時速」「分速」が混じると、正しい式の形を使っても答えが違ってしまいます。

速さの学習では、まず「1分ごとに同じ長さだけ進む」という様子を、線分図に置いてみます。1分ぶんの長さ、進んだ回数、全体の長さが見えれば、3つの公式は別々の暗記ではなく、1つの関係の見方としてつながります。

ここから、単位のそろえ方を経て、速さの比と時間の比まで進めます。お子さまが式を忘れたときにも、何を1つぶんとするかに戻って考え直せることを目指しましょう。計算の前に短い説明を添える習慣があると、複雑な文章題でも必要な数を取り出しやすくなります。

この単元で身につけること

土台になるのは、かけ算の「1つぶん×いくつぶん」、わり算の意味、時間と長さの単位、そして比の学習です。速さでつまずいたときは、公式を増やす前に、このうちどこがあいまいなのかを確かめると戻る場所が見つかります。

基本の考え方

速さは「1秒・1分・1時間あたり」の道のりです

道のりとは、実際に進んだ道に沿って測った長さです。家と目的地の間に曲がり角があれば、その道に沿った長さを使います。時間は、出発してからどれだけの長さの時間がたったかを表します。「午後4時」は時刻、「出発から15分」は時間なので、同じ意味ではありません。

速さは、道のりと時間を組み合わせた量です。秒速は1秒あたり、分速は1分あたり、時速は1時間あたりに進む道のりを表します。「60 m」だけでは道のりですが、「分速60 m」とすれば速さです。答えに速さを書くときは、数字と長さの単位だけで終えず、どの時間あたりなのかも示します。

ここで扱う基本の問題は、特に説明がなければ同じ速さで進むものとします。分速60 mであれば、1分で60 m、2分で120 m、3分で180 mです。図1のように、1分ぶんの60 mを同じ長さに区切ると、3分間に進んだ全体の道のりが見えます。

図1 分速60 mで進む道のりを1分ごとに区切った線分図

図1の区切りは、場所が3か所あるという意味ではなく、1分間に進む道のりが3つ並んでいることを表します。区切りの数を数えるときには、端の印の数と、印の間の数を取り違えないようにします。保護者からは「1分ぶんはどこかな。3分ならそれがいくつ並ぶかな」と声をかけると、図と計算がつながります。

3つの公式は同じ関係を見ています

道のりを求める式は「道のり=速さ×時間」です。分速60 mで3分なら、60 × 3 = 180で、道のりは180 mです。1分ぶんの60 mを3つ集めるので、かけ算になります。時間が2倍、3倍になれば、同じ速さで進む道のりも2倍、3倍になります。

速さを求める式は「速さ=道のり÷時間」です。180 mを3分で進むなら、180 ÷ 3 = 60で、分速60 mです。3分ぶんを3つに等しく分け、1分ぶんを取り出しています。わり算をした答えの60は全体の道のりではなく、1分あたりの道のりです。

時間を求める式は「時間=道のり÷速さ」です。180 mを分速60 mで進むなら、180 ÷ 60 = 3で、3分です。全体の180 mに、1分ぶんの60 mがいくつ入るかを調べています。同じわり算でも、速さを求める場合の等分とは、見ているものが違います。

公式だけを並べると似て見えますが、線分図では「全体」「1つぶん」「いくつぶん」のどれを求めるかが違うだけです。問題文の数の横に、道のり、速さ、時間と小さく書くと、式の選び違いを減らせます。わからない量を空欄にして、残りの2つを先に埋めてもよいでしょう。

ただし、速さの時間単位と、かけたりわったりする時間の単位はそろえる必要があります。分速を使うなら分、時速を使うなら時間、秒速を使うなら秒です。分速60 mに3時間の「3」をそのままかけることはできません。3時間を180分に直してから、60 × 180とします。

単位の換算と比は、条件を添えて考えます

長さでは1 km = 1000 m、時間では1時間=60分、1分=60秒です。この3つを出発点にすれば、速さの換算も説明できます。たとえば時速3.6 kmは、1時間で3600 m進む速さです。1時間は60分なので、3600 ÷ 60 = 60より分速60 mです。さらに60 ÷ 60 = 1より秒速1 mになります。

時速から分速にするとき、時間の単位は小さくなりますが、1分間に進む道のりは1時間ぶんより小さくなります。そのため、道のりの単位を同じにしたうえで60でわります。逆に分速から時速へ直すときは、1分ぶんを60個集めるので60倍します。「単位が小さくなるから数字が大きくなる」と一律に覚えると、長さだけの換算と混同します。

比については、同じ時間に分速60 mと分速90 mで進めば、道のりの比も60:90=2:3です。たとえば4分なら240 mと360 mで、240:360=2:3になります。同じ時間をかけているので、速さどうしの関係がそのまま道のりに表れます。

一方、同じ道のりを進むなら、速いほうが短い時間で着きます。分速60 mと分速90 mで180 mを進む時間は、それぞれ3分と2分です。速さの比が2:3のとき、時間の比は3:2となります。このように前と後を入れ替えた比を逆比といいます。逆比が使える理由は「道のりが同じ」だからであり、比が書いてあればいつでも逆にしてよいわけではありません。

例題で解き方を確かめる

例題1 速さと時間から道のりを求めます

ある人が分速70 mの同じ速さで12分歩きます。歩いた道のりは何mですか。

  1. わかっている量を確認します。分速70 mは1分ぶんの道のり、12分はその12個ぶんです。速さと時間がわかっていて、全体の道のりを求める問題だと整理します。
  2. 分速と分で時間の単位がそろっていることを確かめます。この問題では換算をせずに、1分ぶんを12個集められます。
  3. 70 × 12 = 840と計算します。10分なら700 m、残りの2分なら140 mで、合わせて840 mと分けても確認できます。

答え:840 mです。

計算が終わったら、840 ÷ 12 = 70として、1分あたり70 mに戻るかを確かめます。答えを出したときと逆の計算をすると、単なるかけ算の誤りにも気づけます。また、12分は1分より長いので、道のりが70 mより大きくなっていることも自然です。

例題2 道のりと時間から分速を求めます

ある人が960 mの道のりを、同じ速さで16分かけて歩きました。この人の速さは分速何mですか。

  1. 求める分速の意味を言葉にします。「1分で何m進むか」を知りたいので、16分ぶんの960 mを16等分します。
  2. 960 ÷ 16 = 60と計算します。道のりを時間でわることで、1分あたりの道のりが求められます。
  3. 答えの書き方を整えます。60 mは1分間に進む道のりなので、速さの答えには「分速」を付けます。

答え:分速60 mです。

確かめると、60 × 16 = 960で、問題の道のりに戻ります。16 ÷ 960と式を逆にしてしまうときは、「960 mを16個に等しく分ける」と言い直します。大きい数を小さい数でわるという覚え方ではなく、どの量を何等分するかで判断することが、その後の小数や分数の問題にもつながります。

例題3 単位をそろえて時間を求めます

自転車が時速12 kmの同じ速さで3 km進みます。かかった時間は何分ですか。

  1. 答えは分で求めるので、速さを分速に直します。時速12 kmは1時間で12000 m進む速さです。12000 ÷ 60 = 200より、分速200 mとなります。
  2. 道のりも速さに合わせてmに直します。3 km = 3000 mなので、全体の道のりを3000 m、1分ぶんを200 mとして考えます。
  3. 3000 ÷ 200 = 15と計算します。1分ぶんの200 mが15個入るため、時間は15分です。図2のように5分ごとにまとめると、1000 mずつ3区間に分けられます。

答え:15分です。

図2 3 kmの道のりを分速200 mで進む時間の線分図

図2では、5分で200 × 5 = 1000 m進むことを使っています。3 kmは1000 mの3つぶんなので、時間も5分の3つぶんです。小さな区切りを15個並べる代わりに、5分ぶんをまとめて表すと全体を読み取りやすくなります。

別の解き方として、時速のまま3 ÷ 12 = 1/4と計算してもかまいません。ただし、この1/4の単位は時間です。1/4時間を分に直すため、60 × 1/4 = 15とします。0.25時間と表しても同じですが、0.25時間は25分ではありません。小数点の後ろを分として読むのではなく、1時間の0.25倍として60にかけます。

どちらの方法でも正解です。初めは「分で答えるから分速に直す」とそろえて進めると、最後の換算忘れを防ぎやすくなります。慣れてきたら数の扱いやすさを見て、途中で分数を使う方法も選べます。

例題4 同じ道のりを進む時間を比で求めます

AさんとBさんが同じ道のりを、それぞれ一定の速さで進みます。AさんとBさんの速さの比は3:4です。Aさんが20分かかるとき、Bさんは何分かかりますか。

  1. そろっている条件を探します。この問題では時間ではなく道のりが同じです。速さの比をそのまま時間の比に使わないようにします。
  2. 時間の比を逆比にします。Aさん:Bさんの速さが3:4なので、時間は4:3です。Bさんのほうが速いため、時間が短くなる順序にも合っています。
  3. 時間の比の4がAさんの20分に当たるので、1に当たる時間は20 ÷ 4 = 5分です。Bさんは3に当たるので、5 × 3 = 15分と求めます。

答え:15分です。

比の3や4には、mや分の単位は付いていません。速さの比の3を「分速3 m」、時間の比の4を「4分」と決めつけず、何に当たる数なのかを区別します。この問題では、時間の比を作ってから、比の4と実際の20分を対応させています。

同じ道のりであることは、速さの比の数と時間をかけても確かめられます。Aさんは3 × 20 = 60、Bさんは4 × 15 = 60で同じになります。この60はそのまま60 mという意味ではありません。実際の速さが不明でも、両者の進む道のりが同じになる関係を確かめているのです。

つまずきやすいところと直し方

誤り1 時速に分をそのままかけてしまいます

誤った書き方:時速6 kmで20分進む道のりを「6 × 20 = 120 km」とします。

どこが違うか:時速6 kmの6は1時間ぶんの道のりです。そこに20をかけると20時間ぶんになり、20分ぶんにはなりません。答えの大きさを見ても、1時間で6 kmなのに、1時間より短い20分で120 kmになるのは不自然です。

正しい書き方:20分=1/3時間として、6 × 1/3 = 2 kmです。分速に直すなら、6000 ÷ 60 = 100より分速100 mなので、100 × 20 = 2000 m = 2 kmと求めます。時速のまま進めるか、分速に直すかを先に決め、途中で単位を混ぜないようにします。

誤り2 0.5分を50秒と読んでしまいます

誤った書き方:時間の計算で出た「2.5分」を「2分50秒」と書きます。

どこが違うか:小数の0.5は1の半分です。0.5分は1分の半分なので、60秒の半分に当たります。時間の小数部分を、そのまま秒の数字として移すことはできません。

正しい書き方:0.5 × 60 = 30より、2.5分=2分30秒です。反対に2分30秒を分だけで表すなら、30 ÷ 60 = 0.5として、2 + 0.5 = 2.5分です。速さの式に入れる前は、2分30秒のように2種類の時間単位を並べるより、2.5分または150秒にそろえると計算しやすくなります。

誤り3 時間の比を、条件を見ずに決めてしまいます

誤った書き方:同じ360 mを分速60 mと分速90 mで進むとき、「速さが2:3だから時間も2:3」とします。

どこが違うか:時間をそのまま2:3にすると、速い人ほど長くかかることになります。同じ道のりなら、1分に多く進む人ほど少ない分数で着きます。図3のように、道のりを同じ長さの2本の線で表すと、1分ぶんが長いほど区間の数が少ないことを確かめられます。

図3 同じ360 mを進む速さと時間が逆比になる線分図

正しい書き方:時間は360 ÷ 60 = 6分と、360 ÷ 90 = 4分です。したがって時間の比は6:4=3:2となります。図3の上の線は1分ぶんが60 mで6区間、下の線は1分ぶんが90 mで4区間です。両端の位置をそろえることで、同じ道のりという条件も図に表しています。

逆比を使う前には、「2人の何が同じですか」と問い直します。同じ時間なら道のりの比を考え、同じ道のりなら時間の比を考えます。道のりも時間も異なる場合は、速さの比だけで時間の比を決められないので、まずそれぞれの道のりと速さから時間を求めます。

ここで手が止まるなら、止まった単元まで一緒に戻ります。学年別個別指導コース/お問い合わせ

練習問題

式を書く前に、わかっている道のり・速さ・時間に印を付けましょう。答えの数字だけでなく、時間の単位をどこでそろえたか、比を使う場合には何が同じだったかを説明できると、理解を確かめられます。

練習1

ある人が分速80 mの同じ速さで15分歩きます。進んだ道のりは何mですか。また、何kmですか。最初からkmで計算する必要はありません。mで求めてから単位を直しましょう。

練習2

ある人が1.5 kmの道のりを、同じ速さで20分かけて進みました。速さは分速何mですか。また、時速何kmですか。1分あたりと1時間あたりを、それぞれ求めてみましょう。

練習3

分速120 mの同じ速さで300 m進むとき、何分かかりますか。また、その時間を何分何秒という形で表してください。時間が小数になっても、その小数が何分を表しているのかを保ちましょう。

練習4

AさんとBさんが同じ道のりを、それぞれ一定の速さで進みます。速さの比はAさん:Bさん=5:6です。Aさんが18分かかるとき、Bさんは何分かかりますか。計算する前に、18分より長いか短いかも予想しましょう。

答えと解説

練習1の答え:1200 m、1.2 kmです。道のりは80 × 15 = 1200 mです。1 kmは1000 mなので、1200 ÷ 1000 = 1.2としてkmに直します。80 mの10個ぶんと5個ぶんに分けると、800 + 400 = 1200と確認できます。

練習2の答え:分速75 m、時速4.5 kmです。1.5 km = 1500 mなので、1500 ÷ 20 = 75より分速75 mです。1時間ぶんは75 × 60 = 4500 mとなり、時速4.5 kmです。20分の3倍が1時間なので、道のりも1.5 × 3 = 4.5 kmと考えても一致します。

練習3の答え:2.5分、2分30秒です。時間は300 ÷ 120 = 2.5分です。小数部分の0.5分を0.5 × 60 = 30秒と直します。2分なら240 m、3分なら360 mなので、300 mにかかる時間は2分と3分の間であり、答えの大きさも合っています。

練習4の答え:15分です。同じ道のりなので、時間の比はAさん:Bさん=6:5です。比の6に当たる18分から、1に当たる時間は18 ÷ 6 = 3分、Bさんは3 × 5 = 15分と求めます。速いBさんのほうが短時間になることを確かめます。5 × 18 = 90と6 × 15 = 90が等しいことでも、道のりの関係を確認できます。

次の単元へのつながりと家庭での確かめ方

速さの基本は、2人が出会ったり追いついたりする旅人算、列車が橋を通り過ぎる通過算、流れのある川を進む流水算につながります。そこで扱う条件が増えても、求める道のりを整理し、その道のりに対応する速さと時間を使う点は同じです。次の単元へ進む前には、道のりを表す線と、その区切りが何分ぶんなのかを説明できるかを見ます。

家庭で5分ほど確かめる方法の1つは、同じ線分図から3種類の問いを作ることです。「1分で50 m、4分で200 m」の関係を書き、200 m、分速50 m、4分を1つずつ隠します。答えを出すだけでなく、なぜかけるのか、なぜわるのかを短く話してもらいます。

もう1つは、時速3 kmを分速に直し、元に戻す確かめ方です。3000 ÷ 60 = 50より分速50 m、50 × 60 = 3000 mより時速3 kmと、行きと帰りの換算を続けます。長さの換算と時間の換算のどちらで迷うかを、途中の式から見つけられます。

個別指導で確認する際には、式の選び違いなら「1つぶんと全体」のわり算まで、換算の誤りなら1時間を60分に分けるところまで戻ります。答えが合った後にも、図のどこが1分ぶんなのかを説明してもらい、偶然選んだ計算ではないかを確かめます。

まとめ

速さの問題を前にして手が止まったとき、書き始める場所は複雑な式でなくてもかまいません。1分ぶんの道のりを1区間として描き、全体に何区間あるかを見るだけで、必要な計算が見えてきます。単位が混じれば同じ単位へ直し、比を使うなら同じ条件を図の中に残します。

正解を見てうなずけることと、自分で式を選べることの間には、「この数は何を表すのか」という問いがあります。速さの式には、1分ぶんと全体を結ぶ理由が必要です。

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