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【中学地理】地域調査と地形図を図解で総まとめ—縮尺・等高線・地図記号の読み方|武蔵野個別指導塾

縮尺から実際の距離を求める計算や、等高線から坂の急さを比べる例題を通して、地域調査の進め方を学べます。地図記号と方位の読み取りを、野外観察や発表にも結びつけましょう。
よくあるのは、校外学習の集合場所で地図を広げ、目的地はすぐ近くに見えるのに、「何分くらい歩くのか」「途中に坂があるのか」が読めず、出発前に手が止まるという場面です。道順は指でたどれても、地図上の短い線を実際の距離に直したり、曲がった線から土地の高さを想像したりするには、読み方の約束が必要です。
地域調査は、町を歩いて気づいたことを集めるだけではありません。「なぜここに店が集まるのか」「坂の上下で土地の使われ方は違うのか」と問いを立て、地図や観察の記録を根拠に説明する学習です。地形図は、その問いを調べるための道具になります。
距離、方位、土地の高さ、建物や土地利用を順に読み取れば、見慣れた通学路も調べる対象に変わります。まず地図の約束を押さえ、計算したことと現地で確かめることをつないでいきましょう。
この単元で身につけること
- 調査の問いと方法を結びつけます。店の分布なら場所の記録、人の動きなら時間を決めた観察など、知りたいことに合う方法を選びます。
- 縮尺から実際の距離を求めます。地図上の長さと実際の長さの単位をそろえ、分母を使って何倍するかを判断します。
- 等高線から地形を読み取ります。同じ高さの地点を結ぶ線という意味に戻り、標高と傾斜を区別して考えます。
- 方位と地図記号で位置を説明します。「右の建物」ではなく、「駅の東側の学校」のように、基準の地点と方位を示します。
- 観察した事実と考察を分けて発表します。記録の日時や資料の出典を添え、結論を支える根拠と、さらに調べたい点を示します。
世界の諸地域で学んだ自然環境と人々の暮らしの関係を、今度は身近な地域で具体的に確かめます。多くの教科書では地理的分野で学びますが、資料を集めて理由を説明する方法は、歴史や公民の学習にも使えます。
基本の考え方
地域調査は問いから始めます
調査の主題は、調べる地域と知りたいことを絞って決めます。「町について調べる」だけでは記録する内容が広すぎるため、「駅から離れると店の数や種類はどう変わるか」のようにします。主題に関係しそうな地図、写真、自治体などの資料を調べ、現地で確かめる予想を立てます。この予想が仮説です。
図1のように、問いを決めたあとに計画、観察、整理、発表へ進みます。計画では調査範囲、経路、日時、役割、記録方法を決めます。交通に注意し、立ち入りが認められた場所で調べ、聞き取りや人物の撮影は相手の了承を得ます。安全に移動できる経路を選ぶことも、調査の準備に含まれます。

現地では、地図に番号を振り、写真やメモにも同じ番号を付けると、場所と記録が対応します。「歩行者が多かった」という印象だけでなく、「どこで、いつ、何を、どの方法で調べたか」を残しましょう。図1は基本の順序を表しますが、整理して疑問が生じたら資料を調べ直すこともあります。仮説と違う結果も、地域を理解するための大切な手がかりです。
縮尺と方位で位置をつかみます
地形図は、土地の高低や河川、道路、建物、土地利用などを、決められた表し方で示した地図です。縮尺は、実際の距離を地図上でどれだけ縮めたかを表す割合です。縮尺2万5000分の1なら、地図上の1cmは実際の25000cm、つまり250mに当たります。「実際の距離=地図上の距離×縮尺の分母」と考えますが、計算の途中で単位を飛ばさないことが重要です。
2万5000分の1と5万分の1では、前者の縮尺が大きく、同じ場所が大きく描かれます。同じ大きさの紙なら、縮尺が大きい地図は狭い範囲を詳しく示し、縮尺が小さい地図は広い範囲を示します。分母の数字の大きさと、縮尺という割合の大きさは逆になるため、1cmが何mに当たるかで比べると確実です。
方位は、北、東、南、西を基準に、北東などを加えた八方位でも表します。地形図は通常、上が北ですが、問題の図に方位記号があれば、その向きを優先します。東西南北は紙を回しても変わりません。「駅から見て公園は北東」と言うときは、駅を出発点にして公園の方向を見ます。
等高線と地図記号で土地を読みます
等高線は、標高が同じ地点を結んだ線です。標高は海面を基準とした土地の高さで、隣り合う等高線の高さの差は、図で決められた間隔に従います。2万5000分の1の地形図では、主曲線は通常10mごとです。補助的な線が入る場合もあるため、問題では示された標高や凡例を確かめてから数えます。
等高線の間隔が狭い場所は、短い水平距離で同じ高さを上り下りするため急な斜面です。間隔が広ければ緩やかです。山のように内側ほど標高が高くなる場合もありますが、閉じた線だけを見て山頂と決めず、標高の数字などを根拠に判断します。
地図記号は、施設や土地利用などを共通の形で表す記号です。例えば学校は「文」、寺院は「卍」で表され、神社は鳥居をかたどった記号です。田や畑にもそれぞれの記号があります。凡例は、記号や色が何を表すかを説明する欄です。見覚えだけで決めず凡例と照合し、施設の分布や周囲の道路と合わせて読みましょう。地図に載っていることと、今その場所で見られることが一致するかも現地で確かめます。
例題で解き方を確かめる
例題1 縮尺から直線距離を求めます
縮尺2万5000分の1の地図で、2地点の直線距離が4cmでした。実際の水平距離は何kmですか。
- 地図上の1cmが実際の何cmかを読み取ります。縮尺は同じ単位の長さの比なので、1cmは25000cmに当たります。
- 4×25000=100000と計算します。地図上の長さを縮める前に戻すため、分母をかけます。この段階の単位はcmです。
- 100000cm=1000m=1kmと直します。問われている単位がkmなので、mへの変換で止めないようにします。
答えは1kmです。先に「1cmは250m」と直し、4×250=1000mとしても同じです。ただし、これは地図上の直線に対応する水平距離です。道の曲がりや坂がある場合に、歩く道の長さや所要時間まで1つに決まるわけではありません。
例題2 縮尺の目盛りと方位を使います
図2は道順を考えるための模式図です。北は上で、Aから東へ進んで曲がり角Bへ行き、Bから北へ進んでCに着きます。ABは縮尺の目盛りの3個分、BCは2個分です。道に沿った水平距離と、Aから見たCの方位を答えましょう。

- 縮尺の目盛り1個分が200mであると確かめます。画面上の図は表示の大きさが変わるため、定規で測るcmより、図と一緒に伸び縮みする目盛りを基準にします。
- ABは3×200=600m、BCは2×200=400mと求めます。曲がり角で道を2つに分けると、異なる向きの区間も順に測れます。
- 600+400=1000m=1kmと足します。道に沿った距離を問われているので、AとCを直接結ぶ長さで答えないようにします。
- Aを基準にCの位置を見ます。Cは東へ進み、さらに北へ進んだ位置にあるため、八方位では北東です。
答えは1km、北東です。逆にCから見たAは南西になります。図2のように曲がった道でも、進む道順と目的地そのものの方位は別に説明できます。道の実際の起伏による長さの増加は、この図の計算には含めません。
例題3 調査結果から言える範囲を考えます
ある班が、同じ曜日の同じ時間帯に、駅前と住宅地の2地点でそれぞれ10分間、通った人を数えました。駅前のほうが多かったので、「駅前はいつでも人通りが多い」と結論にしました。この結論を直し、次に必要な調査を1つ挙げましょう。
- 観察の条件を読み取ります。場所による違いを比べるには、数えた時間の長さや時間帯などをそろえる必要があるからです。
- 記録した事実と結論の範囲を比べます。今回の観察は限られた時間のものなので、「いつでも」という言葉は記録を超えています。
- 結論を「調査した曜日と時間帯では、住宅地より駅前の人通りが多かった」と直します。次は別の時間帯に、同じ方法で2地点を調べます。
答えのポイントは、条件を付けて述べることと、条件を変えて確かめることです。人通りと店の分布が重なっても、それだけで店が集まる理由を断定はできません。交通の便利さや土地利用の資料、店の人への聞き取りなど、違う種類の根拠を組み合わせます。
発表では、主題、方法、結果、考察、残った課題の順に並べると、聞く人が判断しやすくなります。地図には方位と凡例を添え、資料には出典や作成時期、観察には日時を示します。「見たこと」と「そこから考えたこと」を分けると、反対の結果が出た場合にも、どの根拠を見直すかが明らかになります。
つまずきやすいところと直し方
分母が大きいほど詳しいと思ってしまいます
「5万分の1のほうが数字が大きいから詳しい」という覚え方は、縮尺の分母と割合を取り違えています。実際の500mは、5万分の1では1cm、2万5000分の1では2cmです。同じ距離が長く描かれる後者のほうが、細かな位置関係を読み取りやすくなります。
直すときは「分母が大きい・小さい」だけを唱えず、同じ500mの道が何cmになるかを書き比べます。また、地図を拡大して印刷すると、元の数値の縮尺をそのまま定規の計算に使えないことがあります。縮尺の目盛りが一緒に拡大されていれば、それを使って距離を読み取れます。
高い場所ほど急だと思ってしまいます
「標高が高いほど急な坂」という覚え方では、土地の高さと傾きを混同しています。図3は同じ丘を表す模式図で、内側ほど10mずつ高くなります。赤いP側と緑のQ側で、100mから130mまでの斜面を比べてください。

図3のP側は同じ30mを上る水平距離が短く、Q側より急です。正しくは「同じ高さの差なら、等高線の間隔が狭いほうが急」と読みます。また、100m、110m、120m、130mの線は4本でも、線と線の間は3つです。標高差は4×10ではなく、130-100=30mになります。
記号1つで周囲の様子まで決めてしまいます
「田の記号があるから、その地域全体が田だ」という読み方では、記号が表す場所と調査範囲を混同しています。記号は土地利用を読む手がかりですが、その1つだけから地域全体の広がりや現在の様子まで決めることはできません。
正しくは、周囲の記号、道路や川との位置関係、地図の作成時期も確かめます。新旧の地図を比べるなら、同じ場所であることを道路の交差点などで確認し、縮尺や記号の表し方の違いにも注意します。記号が変わった理由を現地や資料で調べれば、読み取りが地域の変化を説明する調査につながります。
練習問題
練習1
縮尺5万分の1の地図で、2地点の直線距離は3cmです。実際の水平距離をkmで答えましょう。
練習2
図2でCからBへ進む方位と、その区間の水平距離を答えましょう。方位はCを出発点にして読みます。
練習3
図3の100mの線から130mの線までの標高差と、P側・Q側のうち急な斜面を答え、その理由を説明しましょう。
練習4
「駅の東西で店の分布は違うか」を調べます。東側だけを歩いて結論にしてよいですか。必要な調査も答えましょう。
答えと解説
練習1の答えは1.5kmです。3×50000=150000cm=1500m=1.5kmと直します。最初の計算結果の単位はcmです。
練習2の答えは南、400mです。CからBへは北の矢印と逆向きに進みます。距離は目盛り2個分なので、2×200=400mです。
練習3の答えは30m、P側です。130-100=30mで、P側は同じ標高差に対する水平距離が短いため、Q側より急になります。
練習4の答えは、東側だけでは判断できない、です。西側も駅からの範囲や店の分類方法をそろえて調べ、両側の店の位置を地図に記録して比べます。
次の単元へのつながりと家庭での確かめ方
等高線で土地の起伏を読む力は、日本の山地や平野、川の流れを学ぶときに役立ちます。地域調査で根拠を集める方法は、公民で地域の課題や住民参加を考えるときにも使えます。
家での確認は、それぞれ5分ほどでできます。1つ目は、手元の地図で縮尺を確かめ、1cmが実際の何mかを説明することです。画面を使う場合は、縮尺の目盛りを選びます。2つ目は、2地点を決め、「どちらから見て、どの方位か」を往復で答えることです。ご家庭では、お子さまに答えの根拠となる線や目盛りを指してもらうと、理解を確かめやすくなります。
個別指導では、距離の計算で止まればcmとmの関係まで、斜面で迷えば等高線1本の意味まで戻って確かめます。式と地図のどこが対応するかを、自分の言葉で説明できるかも確認します。
まとめ
調査の結果が予想と違ったときは、失敗と考えて消す必要はありません。観察の場所や条件がそろっているかを確かめ、それでも違いが残るなら、次の問いを立てる材料にできます。地形図から読んだことと現地で見たことがつながると、町の特徴を根拠付きで語れるようになります。
地図の線や記号は、ただ覚えて終わるものではありません。地域についての説明の確かさは、集めた情報の量だけでなく、結論と根拠のつながりで決まります。
本気になった日が、入塾の日。
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