【中1数学】正の数・負の数を図解で総まとめ—数直線から四則計算・累乗まで|武蔵野個別指導塾

数直線で負の数の大小や加減を確かめ、分数の四則計算、累乗、素因数分解へ進みます。符号を間違える理由を3つに分け、例題と練習問題で途中式から確かめられます。

よくあるのは、定期テスト前の自習室で、(-3)-(-5) の2つのマイナスを見つめたまま、鉛筆が止まるという場面です。「マイナスどうしならプラス」と覚えたはずなのに、どの記号を変えるのかが決まりません。答えだけを見ると簡単そうでも、自分で途中式を書こうとすると迷うことがあります。

この迷いをほどく出発点は、数につく符号と、計算を指示する記号を区別することです。負の数は特別な計算のための記号ではなく、0より小さい数です。数直線上の位置としてとらえると、大小や足し算の意味が見えるようになります。

多くの教科書では中1で学ぶ単元です。整数だけでなく分数や小数にも同じ決まりを使い、最後には累乗を含む計算や素因数分解までつなげます。途中式を1行ずつ書き、何をした行なのか説明しながら進めましょう。

この単元で身につけること

  • 正の数・負の数の意味を説明します。基準より高いか低いか、増えたか減ったかを、符号を使って表します。
  • 数直線と絶対値を使います。数の位置と0からの距離を区別し、負の数どうしの大小を比べます。
  • 加法・減法の決まりを使います。引き算を足し算に直し、同符号と異符号を分けて計算します。
  • 乗法・除法と分数の計算を扱います。符号を決めてから絶対値を計算し、除法では逆数を使います。
  • 累乗と計算の順序を確かめます。かっこの有無に注意し、素因数分解では自然数を素数の積で表します。

小学校で学んだ四則計算や約数の考えを、負の数を含む数の世界へ広げる学習です。足し算では答えが必ず大きくなる、という見方はそのまま使えません。式を見てすぐ計算する前に、答えの符号やおよその大きさを予想できると、計算後の見直しにも役立ちます。

基本の考え方

数の位置と0からの距離を分ける

0より大きい数を正の数、0より小さい数を負の数といいます。+3の+は省略して3と書けますが、-3の-は省略できません。0は正の数でも負の数でもありません。整数は、正の整数、0、負の整数を合わせたものです。正の整数を自然数といい、1、2、3、…と続きます。-0.5や-2/3も負の数ですが、整数ではありません。

たとえば気温の+4℃は0℃より4℃高く、-4℃は0℃より4℃低いことを表します。基準を決めれば、反対の性質を符号で表せます。収入を正の数で表す場合、支出は負の数で表せますが、何を正とするかを最初にそろえる必要があります。

数直線は、0を基準に等間隔の目盛りを置いた直線です。右にある数ほど大きく、左にある数ほど小さくなります。図1のように-4は-2より左にあるので、-4 < -2です。数字の4と2だけを比べると逆になるため、負の数の位置まで考えましょう。

図1 数直線で比べる負の数の大小と原点からの距離

数直線上で、ある数を表す点と0との距離を、その数の絶対値といいます。-4の絶対値も+4の絶対値も4で、0の絶対値は0です。絶対値に負の数はありません。図1では-4と+4が0から同じ距離にありますが、数そのものが等しいわけではありません。負の数どうしでは、絶対値の大きい数ほど小さくなります。

加減と乗除は別の決まりで考える

加法は足し算、減法は引き算です。同符号の2数をたすときは、絶対値の和に共通の符号をつけます。(-2)+(-3)=-5です。異符号なら、絶対値の大きいほうから小さいほうを引き、大きいほうの数の符号をつけます。(-5)+(+2)=-3となり、絶対値が等しい異符号の2数の和は0です。

数直線で考えると、正の数をたすのは右へ、負の数をたすのは左へ進む操作です。減法では、引く数の符号を変えて加法に直します。たとえば3-(-2)=3+(+2)=5です。「引いた数をたし戻すと元に戻る」と考えれば、5+(-2)=3となることからも確かめられます。

乗法はかけ算、除法はわり算です。0でない2数では、同符号なら結果は正、異符号なら結果は負になり、絶対値をかけたりわったりします。負の数どうしの積が正になることは、(-2)×2=-4、(-2)×1=-2、(-2)×0=0と、かける数を1ずつ減らす並びでも考えられます。積が2ずつ増える関係を保つと、(-2)×(-1)=2になります。

0をかけた積は0です。0を0以外の数でわった商も0ですが、0でわる計算はできません。また、積が1になる2数は互いに逆数といい、-2/3の逆数は-3/2です。分数でわるときは、わる数の逆数をかけます。0には逆数がありません。

累乗と素因数分解の意味を知る

同じ数をいくつかかけたものを累乗といい、2×2×2は2³と書きます。右上の3は指数で、2を3個かけることを表します。(-2)³=-8ですが、(-2)²=4です。負の数の累乗は、正の整数の指数が偶数なら正、奇数なら負になります。

混じった式は、かっこの中、累乗、乗除、加減の順に計算します。同じ優先順位の乗除は左から、加減も左から進めます。かけ算をわり算より先にする、という意味ではありません。

素数は、1より大きい自然数で、正の約数が1とその数だけの数です。2、3、5、7などがあり、1は素数ではありません。自然数を素数だけの積に表すことを素因数分解といいます。累乗はその結果を簡潔に書くときにも使えます。

例題で解き方を確かめる

例題1 負の数を引く計算

(-3)-(-5)を計算します。式の中央の-は引き算の記号、かっこの中の-は負の数の符号です。まず役割を読み分けましょう。

  1. 引く数-5の符号を変えて、(-3)+(+5)と書きます。減法を加法に直すときに変えるのは、引く数の符号です。
  2. 絶対値を比べ、5-3=2を計算します。異符号の和なので、絶対値どうしの差を使います。
  3. 絶対値の大きい+5の符号をつけます。したがって結果は+2、通常は2と書きます。

答え:2

図2のように、-3から右へ5目盛り進むと2に着きます。引き算だから必ず左へ動くのではなく、加法に直した後の数で向きを決めます。答えに引いた数をたすと、2+(-5)=-3となり、最初の数に戻ることも確かめられます。

図2 負の数を引く式を右向きの移動で確かめる数直線

例題2 分数の乗法と除法

(-3/4)÷(+1/2)×(-2/3)を計算します。分数があっても符号の決まりは整数と同じで、乗除が続くときは左から順に進めます。

  1. ÷(+1/2)を×(+2)に直し、(-3/4)×(+2)×(-2/3)とします。1/2の逆数は2なので、除法を乗法にそろえられます。
  2. 左の2数をかけ、(-3/4)×(+2)=-3/2とします。異符号の積なので負となり、3×2/4を約分すると3/2です。
  3. (-3/2)×(-2/3)=+6/6=1と計算します。同符号の積なので正となり、最後に分数を約分します。

答え:1

全部を乗法に直した式で、分子と分母の共通の因数を先に約分しても同じ結果です。ただし、足し算で結ばれた数をそのまま約分することはできません。何と何をかけているかを確かめてから約分すると、途中式の意味を見失いにくくなります。

例題3 累乗を含む四則計算

-3²+(-2)²×(5-8)÷2を計算します。最初の-3²と、その後の(-2)²では、2乗する範囲が違うことに注意しましょう。

  1. かっこの中の5-8=-3を計算します。ひとまとまりの計算を先に終えるため、式は-3²+(-2)²×(-3)÷2となります。
  2. -3²=-9、(-2)²=4として、-9+4×(-3)÷2と書きます。最初は3の2乗に負の符号をつけ、後ろは-2そのものを2回かけます。
  3. 乗除を左から計算して、4×(-3)=-12、(-12)÷2=-6とします。加法より乗除を先に行うので、式は-9+(-6)になります。
  4. 同符号の和を計算して、-9+(-6)=-15とします。絶対値9と6をたし、共通の負の符号をつけます。

答え:-15

計算が長いときは、式の一部分だけを計算して、まだ計算していない部分も次の行に写します。-9+4を先にまとめたり、途中で÷2を落としたりしないためです。等号の左右が同じ値になるように書く習慣が、次の文字式でも役立ちます。

例題4 自然数を素因数分解する

84を素因数分解します。偶数なので、まず最も小さい素数の2でわれるかを調べます。大きい素数を探す前に、小さい素数から試すと因数を整理しやすくなります。

  1. 84=2×42とします。84は2でわり切れますが、42はまだ素数ではないので続けます。
  2. 42=2×21より、84=2×2×21とします。21は2ではわれないため、次の素数3でわれるかを調べます。
  3. 21=3×7より、84=2×2×3×7とします。すべて素数になったので分解を終えます。
  4. 同じ因数2が2個あるので、2²×3×7とまとめます。累乗は同じ数の和ではなく積を表します。

答え:84=2²×3×7

84=4×21も正しい等式ですが、4も21も素数ではなく、素因数分解の完成形ではありません。最後に4×3×7=84と計算し、元の数に戻ることと、残った因数がすべて素数であることの両方を確認します。

つまずきやすいところと直し方

誤り1 絶対値の大きさを数の大小にする

誤った書き方は「-4 > -2」です。4のほうが大きいという判断は絶対値については合っていますが、負の数そのものの大小とは逆になります。数直線で右にある数が大きい、という基準へ戻しましょう。

正しい書き方は「-4 < -2」です。図1で、-4から-2へは右に動きます。絶対値を聞かれたら0からの距離、大小を聞かれたら左右の位置を見る、と問いに合わせて使い分けます。

誤り2 引き算で両方の数の符号を変える

誤った書き方は「(-3)-(-5)=3+5=8」です。引き算を足し算に直す規則を、引かれる数-3にも使ってしまっています。最初の数はそのままで、引く数-5の符号だけを変えます。

正しい書き方は「(-3)-(-5)=(-3)+(+5)=2」です。「マイナスが2つあるからプラス」とだけ唱えると、どの記号の話なのかが曖昧になります。図2で出発点が-3のままであることも、最初の数を変えない理由を確かめる助けになります。

誤り3 かっこがなくても負の数全体を2乗する

誤った書き方は「-3²=9」です。指数がついている3を2乗する前に、-3をひとまとまりと見てしまっています。正しい書き方は「-3²=-(3×3)=-9」で、「(-3)²=(-3)×(-3)=9」とは別の式です。

図3のように、かっこで囲まれた数に指数がつけば、そのかっこの中全体を繰り返しかけます。迷ったら累乗をかけ算に開いて、負の数が何個かけられているかを数えましょう。2乗と「2倍」も違い、(-3)×2=-6です。

図3 かっこの有無で変わる二乗の範囲と結果の比較

練習問題

途中式を残して解きましょう。計算を始める前に、使う決まりを1つ選んで言葉にしてみてください。

練習1

-6、-1、0、+3を小さい順に並べ、-6の絶対値も答えましょう。

練習2

(-7)-(-4)+(+2)を計算しましょう。

練習3

(-1/2)²-3÷(-2)を計算しましょう。

練習4

90を素因数分解しましょう。

答えと解説

練習1の答え:-6 < -1 < 0 < +3、絶対値は6です。負の数どうしでは、0から遠く左にある-6が小さくなります。

練習2の答え:-1です。(-7)+(+4)+(+2)=-3+2=-1と進めます。減法を加法に直すとき、-7は変えません。

練習3の答え:7/4です。(-1/2)²=1/4、3÷(-2)=-3/2なので、1/4-(-3/2)=1/4+6/4=7/4となります。

練習4の答え:90=2×3²×5です。90=2×45=2×3×15=2×3×3×5と分解します。1は素数に含めず、残った因数をかけ戻して確かめます。

次の単元へのつながりと家庭での確かめ方

負の数の計算は、文字式に数を代入するときや、方程式を解くときに使います。数直線の見方は座標にもつながり、素因数分解は平方根の学習で数を整理するときに役立ちます。

家庭では5分ほどで、2つの確かめ方を試せます。1つ目は紙に数直線をかき、-2に3をたす動きを指で示すことです。2つ目は(-2)²と-2²をそれぞれかけ算に直し、答えが4と-4に分かれる理由を話すことです。お子さまの説明を聞くときは、速さよりも、指した位置やかっこの範囲に注目すると迷いを見つけやすくなります。

個別指導では、符号の間違いなのか、分数の通分や約分の間違いなのかを途中式で分けて確かめます。必要に応じて、数直線の1目盛りの読み取りや、小学校の分数計算まで戻ります。

まとめ

答えが合わないとき、式全体を消す前に、どの行で意味が変わったかを探しましょう。負の数の位置を取り違えたのか、引く数の符号を変え忘れたのか、累乗の範囲を読み違えたのかで、直す場所は違います。理由を添えた途中式が残っていれば、自分の迷いを具体的に示せます。

「符号ミス」のひと言では、-3を変えたのか、-5を変え忘れたのかが見えません。直すべき場所は、答案の途中の1行にあります。


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