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中学生の模試の勉強法—まだ習っていない問題まで解き直そうとして止まったとき|武蔵野個別指導塾

模試の解き直しが進まないときは、失点を習った範囲と未習の範囲に分け、単元名と問題番号だけを保留欄に残します。今週直す問題の選び方と、授業が追いついた日に戻す合図を書きます。
返却された模試の解説を開いたものの、最初の式の意味がわからず、鉛筆を持ったまま止まる。解き直しを始めようと机に向かったのに、30分たっても1問も進まない。この止まり方は、やる気の問題ではありません。直す対象を選ばないまま、失点した問題を全部同じ棚に積んでいることが原因です。最初に確かめるのは、失点の中に授業で扱った単元とまだ扱っていない単元が混ざっていないかどうかです。答案の端に印を付け、今週直す問題を3つに絞るところから始めます。
| 答案の様子 | 見分ける手がかり | 今日すること |
|---|---|---|
| 解説の1行目に覚えがある | 授業ノートに同じ形の式がある | 今週直す欄へ番号を写す |
| 前の小問は合い、後の小問が白紙 | 手順の前半は自分で書けている | 白紙の小問を今週直す |
| 解説に初めて見る記号がある | 教科書の目次に単元名が見当たらない | 保留欄へ単元名と番号を写す |
よくあるのは、返却された模試の解説を開いた中学2年生が、解説の式をまだ授業で見たことがなく、そこから先に進めなくなるという場面です。手元には赤で直した答案と、配られた解説、それに授業ノートがあります。解説は丁寧に書かれているのに、読んでも「習っていない」という事実は消えません。このとき、解説を読めない自分を責める必要はなく、読む順番を変える必要があります。
失点を3つに分けると、机の上が片づく
模試の解き直しが止まる原因の多くは、失点を1本のリストにまとめてしまうことにあります。返却された答案を見ると、間違えた問題が10問でも20問でも並んでいます。それを上から順に直そうとすると、途中にまだ習っていない単元が混ざり、そこで手が止まります。止まった経験が「自分はできない」という印象に変わり、次の問題にも手が付かなくなります。
ここで必要なのは、失点を難しさで並べ直すことではなく、直せるかどうかで分けることです。分ける先は3つあります。今週直す問題、習った所だけ直す問題、習ってから戻る問題です。この3つは、同じ「間違い」でも作業の中身が違います。
今週直す問題は、解説の1行目を読んだときに式の形や言葉に覚えがあり、授業ノートを開けば同じ形が出てくるものです。習った所だけ直す問題は、単元の前半は授業で扱ったが、後半はまだというものです。前の小問が合っていて、後の小問だけ白紙なら、この型が多いです。習ってから戻る問題は、解説に出てくる記号や言葉を初めて見るものです。この3つ目を今週のリストに残すと、机の上が一気に重くなります。
見分けるときの手がかりは、答案そのものに残っています。白紙の問題は、手順の入口で止まったのか、途中で止まったのかが鉛筆の跡でわかります。誤答の問題は、どこまで書いてどこで曲がったかが残っています。この跡を見ずに、正誤の数だけを数えると、全部が同じ重さに見えてしまいます。
もう1つ大事なのは、学校の進度を自分で決めないことです。教科書の目次は順番を示していますが、実際にどこまで授業が進んだかは教室で決まります。自分で「これはまだだろう」と決めると、習った単元まで保留にしてしまい、保留欄だけが膨らみます。逆に、未習の単元を今週の3問に入れてしまうと、その週の作業が終わりません。進度は先生に確認する、という一手間を挟みます。
図1のように、失点を3つの箱に分けてから、箱ごとに違う作業を当てます。箱の名前は短くてかまいません。大事なのは、同じ箱に違う種類の問題を入れないことです。

図1の左の箱に入れた問題から、今週の作業を始めます。真ん中の箱は、習った部分だけを小さく切り出します。右の箱は、今日は開けません。
直す順番は、書き出すところから始める
直し始めの1時間でやることは、問題を解くことではありません。まず答案の上で、失点を数えられる形に並べ替えます。手順は次のとおりです。
最初に、返却答案のコピーを1枚取ります。原本は取っておき、書き込むのはコピーにします。模試の答案は1枚しかないことが多く、印を何度も付け直すと、どの印が最新かわからなくなります。コピーなら、分け方を変えたくなったときに新しい紙に書き直せます。
次に、問題番号だけを縦一列に書き出します。大問と小問の番号を、答案の順番どおりに並べます。この一覧に、正誤ではなく「書けたかどうか」を書き添えます。最後まで書けた、途中で止まった、白紙だった、の3つです。正誤だけを見ると、たまたま当たった問題と、手順を理解して当たった問題が同じに見えてしまいます。
白紙の問題は、手順の入口で止まった可能性があります。途中で止まった問題は、入口は作れたが次の一手が出なかった可能性があります。この2つは直し方が違うので、ここで分けておきます。入口の練習が必要なのか、次の一手の練習が必要なのかが変わります。
そのうえで、解説の1行目だけを読みます。1行目に式の形や言葉の覚えがあるかどうかで、今週直すか保留かを決めます。ここで解説全体を読んでしまうと、読んだだけでわかった気になり、翌週には何も残りません。読むのは1行目まで、と自分で区切ります。
単元名は、3か所で照合します。教科書の目次、授業ノートの見出し、配られたプリントの表題です。この3つのどれかに同じ言葉があれば、習った単元として扱えます。どれにも見当たらなければ、保留欄の一番上に置きます。単元名がわからない問題は、あとで探す手間が増えるので、最初にまとめて置くほうが楽です。
学校の進度は、先生に聞いて確かめます。「この単元はどのあたりで扱いますか」と聞き、返事と日付をメモに残します。返事が「そのうち」のように曖昧なら、保留のままにしておきます。自分の記憶だけで「まだ習っていない」と決めると、実は習っていた単元を何週間も放置することになります。逆に「もう習ったはず」と決めると、未習の問題を今週の3問に入れてしまい、その週の予定が崩れます。
今週直す欄から、3問だけ選びます。選ぶときは、同じ単元の問題を優先します。1つの手順を思い出せば2問動く組を選ぶと、短い時間で確かめられます。違う単元から1問ずつ選ぶと、毎回手順の入口からやり直すことになり、3問でも重くなります。
選んだ問題は、解説を閉じて、白紙に1行目だけを書きます。書けたら次の小問へ進み、書けなければ解説の該当する行に戻ります。戻り先は先に決めておきます。「解説の1行目に戻る」と決めておけば、止まったときに探す時間が減ります。戻っても書けないときは、その問題を今週の3問から外し、保留欄へ移して、空いた枠に別の問題を入れます。
保留欄に書くのは4つだけです。問題番号、単元名、確認した日、聞いた相手。この4つがあれば、あとで授業が追いついたときに、どの問題を開けばよいかがすぐにわかります。保留欄は同じノートの続きに書かず、付箋か封筒に分けて置きます。同じ頁に置くと、今週やる問題と混ざり、開くたびに迷います。
図2のように、作業は「書き出す」「照合する」「聞く」「3問だけ直す」の順に進みます。この順番を飛ばして問題を解き始めると、また全部を直す形に戻ってしまいます。

図2の最後の箱まで来たら、その日は終わりにします。全部を片づける日ではなく、今週の3問を決める日と考えると、机を離れやすくなります。
保留が増えすぎたときと、直したのに残るとき
分け方を始めると、今度は保留欄ばかりが増えることがあります。解説の1行目に知らない言葉が1つあるだけで、全部を保留にしてしまうと、今週直す欄が空になります。判定に使うのは「初見の記号や言葉が1つでもあるか」ではなく「解説の1行目を読んで、式の形か言葉に覚えがあるか」です。1行目が読めるなら、その問題は今週直す欄に置きます。2行目から先は、授業で扱ったあとに足せば間に合います。
反対に、解説を読んでわかった気になる失敗もあります。読んだ直後は手が動くのに、1週間後に同じ問題を開くと、最初の式が出てこない。これは理解したのではなく、解説の文を覚えただけの状態です。防ぐには、写す範囲を1行目までに限ります。2行目以降を写すと、答案が解説の写しになり、自分の手順がどこまでかがわからなくなります。
保留欄が古くなる失敗もあります。授業が先に進み、保留にした単元をとっくに扱っていたのに、気づかないまま放置する型です。月に1回、保留欄を上から読み、授業ノートに出てきた単元名を今週直す欄へ移します。移すときは、いきなり問題を解かず、1行目を書くところから始めます。時間がたっているので、最初は書けなくて当然です。
直したのに点が動かないと感じるときは、見る場所を変えます。模試の点数は次の模試まで動きませんが、白紙だった問題に手が動いたかどうかは、その日のうちにわかります。同じ単元の別の問題を1問だけ解き、解説を閉じて1行目が書けるかを見ます。書ければ、その単元の直しは一度終わりです。
できたと判断する条件は3つあります。解説を閉じて1行目が書けること。3日後に別の紙で同じ問題を開いて、同じ書き出しになること。保留欄の単元名を見たときに、どの問題だったかを思い出せることです。3つそろわないときは、今週の3問をもう1週続けます。
図3のように、保留は行き止まりではなく、授業が追いついた日に開ける引き出しです。開ける合図を決めておくと、保留欄がたまっても不安になりません。

図3の合図は、授業ノートに単元名が出てきた日です。その日に保留欄を開き、番号を確かめて、今週の3問のどれかと入れ替えます。
分け方を確かめる問題
本文の例とは別の答案で、分け方を練習します。次は、ある中学2年生が返却答案の横に付けたメモです。今週直す欄に移すものと、保留欄に残すものを分けてください。
- ア 大問2の(1) 解説の1行目に、ノートで見た式と同じ形があった。
- イ 大問4の(3) 解説に出てくる記号を初めて見た。
- ウ 大問5の(1) 前の小問は最後まで書けたが、この小問だけ白紙だった。
- エ 大問6の(2) 1行目は読めるが、2行目から意味が取れない。
- オ 大問7 解説の図が、教科書のどの頁にも見当たらない。
- カ 大問8の(1) 途中まで書いたが、符号を1か所落としていた。
答えは下に置きます。先に自分で分けてから読んでください。
今週直す欄に移すのは、ア、ウ、エ、カの4つです。保留欄に残すのは、イとオの2つです。
アは、解説の1行目に覚えがあり、ノートで同じ形を見ています。入口が作れるので今週直せます。ウは、前の小問を最後まで書けているので、手順の前半は身についています。白紙の小問だけを、その続きとして直します。エは、1行目が読めるので入口は作れます。2行目から先は授業で扱ってから足す、と決めておけば、今週は1行目だけで終えてかまいません。カは、最後まで手が動いているので、入口も次の一手も作れています。落とした符号だけを、自分の答案の上で見つけ直します。
イは、初見の記号があるので保留です。記号の意味を推測で埋めると、あとで直すときに誤りをほどく手間が増えます。オは、照合する3か所のどれにも単元名が見当たりません。教科書の目次、授業ノート、プリントの表題をもう一度見て、それでも無ければ、先生に単元名を聞いてから保留欄の名前を書き換えます。
再挑戦の条件は、ア、ウ、エ、カの1行目を、解説を閉じて白紙に書けることです。4つとも書けたら、その4問は今週の欄から外します。1つでも書けなければ、書けなかった問題を保留欄へ移し、代わりに別の問題を1つ入れます。イとオは、授業ノートに単元名が出てきた日に開きます。
個別指導で見てもらうとき
塾に持ってくるのは、返却答案のコピー、授業ノートの該当頁、保留欄のメモの3つです。答案だけだと、どの問題が未習かを見分けられません。ノートがあると、同じ形の式を扱った日を一緒に探せます。保留欄のメモがあると、どの単元名で止まっているかが一目でわかります。
見てもらうのは、解き方の説明より先に、分け方そのものです。「この問題を今週直す欄に入れた判断は合っているか」「この単元名はノートのどの頁と結びつくか」を聞きます。学校の進度は、塾が決めるものではなく、学校のプリントとノートで確かめるものです。分け方が安定してきたら、今週の3問の選び方へ進みます。
次に動く一行
解説の2行目が読めなくても、復習は止まりません。保留欄は、できなかった問題をしまっておく場所ではなく、授業が追いついた日に開ける引き出しです。今日は返却答案の端に、単元名を1つだけ書いてください。その1語が、来週の3問を選ぶときの目印になります。
読んで終わりにするか、ここから変えるか。
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