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指数法則—公式の一覧と、0乗・マイナス乗・分数乗の意味|武蔵野個別指導塾

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2⁻³ は -8 ではなく 1/8、8 の 2/3 乗は 4。0 乗やマイナス乗がなぜその値に決まるのかを法則から導き、電卓なしで計算できるようにします。

指数法則の本体は次の表の上の 3 本です。下の 0 乗・マイナス乗・分数乗は、その 3 本を壊さないように値を決めたものです。a と b は底(くり返しかける数)、右肩の m と n は指数(かける回数)を表します。

名前 公式 数で確かめる
積の法則 aᵐ × aⁿ = aᵐ⁺ⁿ 2³ × 2⁴ = 2⁷ = 128
累乗の累乗 (aᵐ)ⁿ = aᵐⁿ (2³)² = 2⁶ = 64
積の累乗 (ab)ⁿ = aⁿbⁿ (2 × 3)² = 2² × 3² = 36
0 乗 a⁰ = 1 5⁰ = 1
マイナス乗 a⁻ⁿ = 1 / aⁿ 2⁻³ = 1 / 8
分数乗 a の m/n 乗 = ⁿ√(aᵐ) 8 の 2/3 乗 = ³√64 = 4

0 乗とマイナス乗の a は 0 以外の数、分数乗の a は正の数で、m は整数、n は正の整数です。分数の指数は、ノートでは a の右肩に小さく m/n と書きます。画面では読みにくいので、ここから先も「a の m/n 乗」と言葉で書きます。

よくあるのは、電卓を禁止された小テストの開始 5 分前という場面です。電卓をかばんにしまうと、机に残るのは鉛筆と消しゴムだけです。隣の席では、誰かが指を折って 2 を数えています。教科書を開き直すと、2⁻³ が目に入ります。マイナスがついているから答えも負の数なのか。27 の 2/3 乗は、27 を 3 で割って 2 倍するのか。押せば出ていた値を、自分の頭で出さなければなりません。その 5 分で要るのは計算の速さではなく、右肩の数字の読み方です。

公式の形と文字の意味

aᵐ は「a の m 乗」と読み、a を m 個かけた数を表します。2⁵ なら 2 × 2 × 2 × 2 × 2 = 32 です。右肩の 5 は「5 倍」ではなく、かける回数の記録です。指数法則は、この記録どうしをどう計算するかを決めた 3 本の規則です。

図1のように a を箱で並べると、3 本の違いは箱の数え方の違いになります。a³ × a² は 3 個と 2 個を横に並べるので 5 個です。(a²)³ は 2 個の組が 3 組あるので 6 個です。(ab)² は a と b の組が 2 組あるので、a が 2 個と b が 2 個になります。

図1 a を箱で並べて数えると 3 つの法則の違いが見える

積の法則が使えるのは、底がそろっているときだけです。2³ × 3² は 8 × 9 = 72 で、2⁵ の 32 でも 3⁵ の 243 でもありません。逆に指数がそろっていれば、積の累乗を右から左へ使えます。2³ × 3³ = 6³ = 216 です。教科書には割り算の aᵐ ÷ aⁿ = aᵐ⁻ⁿ と、分数の累乗 (a / b)ⁿ = aⁿ / bⁿ も並びますが、どちらも 3 本の仲間です。÷ aⁿ を × a⁻ⁿ と読みかえれば、新しい規則は要りません。

右肩の数字がどこまでにかかるかも、文字の意味の一部です。-2² は 2² にマイナスをつけた -4 で、(-2)² は -2 を 2 個かけた 4 です。2a³ で 3 乗されるのは a だけで、(2a)³ なら 2 にもかかって 8a³ になります。法則を正しく覚えていても、ここを読み違えると答えは合いません。

3 本の法則は、a と b が正の数なら、m と n が 0 や負の整数、分数でも同じ形で成り立ちます。学校で出会う順番は次の表のとおりです。

学ぶ時期 指数に入る数 使う場面
中1 正の整数 2⁵ = 32 のような累乗の計算
中2〜中3 正の整数 a² × a³ = a⁵ のような文字式の計算
数学Ⅰ 正の整数 指数法則として整理し、式の展開に使う
数学Ⅱ 0・負の整数・分数・実数 指数関数の計算とグラフ

なぜこの形になるのか

3 本の法則は、指数が正の整数なら数えるだけで確かめられます。困るのは 0 乗です。「a を 0 個かける」は、数えようがありません。そこで発想を変えます。意味から値を探すのではなく、法則がそのまま成り立つように値を決めるのです。

積の法則に指数 0 を入れると、a⁰ × a³ = a⁰⁺³ = a³ となります。a³ に何かをかけて a³ のままなら、その何かは 1 しかありません。だから a⁰ = 1 です。もし a⁰ = 0 と決めると左辺は 0 になり、法則が崩れます。マイナス乗も同じ道筋です。a⁻³ × a³ = a⁻³⁺³ = a⁰ = 1 ですから、a⁻³ は a³ とかけて 1 になる数、つまり逆数の 1 / a³ です。どちらも a³ で割る考え方なので、a = 0 は外しておきます。

図2は同じことを棒の長さで見たものです。2³ = 8 から右へ 1 つ進むたびに 2 で割ると、棒は 4、2、1、1/2、1/4 と半分になっていきます。2⁰ は 2¹ の半分の 1 で、2⁻¹ はそのまた半分の 1/2 です。棒は短くなるだけで、0 にも負の数にもなりません。お子さまに「なぜ 0 乗が 1 なの」と聞かれたら、この棒を一緒に描いてみてください。言葉で説明するより先に、列の並びが答えを見せてくれます。

図2 指数を 1 つ下げるたびに値が半分になる棒の並び

分数乗も、法則から値を決めます。累乗の累乗の法則を使うと、(a の 1/2 乗)² = a の (1/2 × 2) 乗 = a¹ = a です。2 回かけて a になる正の数なので、a の 1/2 乗 = √a と決まります。同じように a の 1/n 乗は、n 回かけて a になる正の数 ⁿ√a です。a の m/n 乗はそれを m 乗した (ⁿ√a)ᵐ で、先に m 乗してから根をとった ⁿ√(aᵐ) とも等しくなります。8 の 2/3 乗なら、(³√8)² = 2² = 4 と ³√(8²) = ³√64 = 4 が一致します。

図3は y = 2ˣ のグラフです。指数が 0 のときの 1 と、指数が 1 のときの 2 の間に、指数 1/2 の点 √2(約 1.41)が入ります。1.41 × 1.41 は約 1.99 で、2 回かけるとほぼ 2 に戻ります。分数の指数を増やすほど、整数の点の間が曲線の上で埋まっていきます。

図3 y = 2ˣ のグラフで指数 1/2 の点は √2 に当たる

分数乗で底を正の数に限るのにも、理由があります。底を -8 にすると、(-8) の 1/3 乗は ³√(-8) = -2 と読めます。ところが 1/3 = 2/6 ですから、(-8) の 2/6 乗として ⁶√((-8)²) = ⁶√64 = 2 とも読めます。同じ指数なのに値が 2 つ出てしまうので、底は正の数に限るのです。0 乗が 1 になるのも、底を正に限るのも、発見された事実ではありません。法則を守るために人が選んだ決まりです。

例題で使い方を確かめる

4 問とも電卓を使いません。あとの問題ほど法則をいくつも組み合わせますが、考える順はどれも同じです。底をそろえる、指数だけを計算する、値に戻す、の 3 手で進みます。

例題 1: (2x²)³ × x⁴ を簡単にする

  1. かっこの中を 1 つずつ 3 乗に分け、2³ × (x²)³ × x⁴ とします。3 乗は 2 にも x² にもかかるので、2 を置き忘れないように先に分けます。
  2. 2³ = 8、(x²)³ = x⁶ を求めます。2 個の組が 3 組あるので、ここの指数は足さずにかけます。
  3. x⁶ × x⁴ = x¹⁰ とします。今度はかっこの累乗ではなく底が同じかけ算なので、指数を足します。
  4. x = 2 を入れて確かめます。もとの式は 8³ × 2⁴ = 512 × 16 = 8192、答えの式は 8 × 2¹⁰ = 8 × 1024 = 8192 で一致します。文字式の答えは、小さい数を入れれば自分で採点できます。

答え: 8x¹⁰

例題 2: 3⁻² × 3⁵ ÷ 3³ を計算する

  1. 底がすべて 3 であることを確かめます。指数を足し引きできるのは、底がそろっているときだけだからです。
  2. 割り算を指数の引き算に直し、指数だけを -2 + 5 − 3 = 0 と計算します。3 を何度もかけ直すより、右肩の整数の計算にしたほうが、手数は減ります。
  3. 3⁰ = 1 とします。指数が 0 になったとき、答えは 0 ではなく 1 です。
  4. 1 つずつの値でも確かめます。3⁻² = 1/9、3⁵ = 243、3³ = 27 なので、1/9 × 243 = 27、27 ÷ 27 = 1 で一致します。243 のような大きい数を通らずに済むのが、指数だけで計算する強みです。

答え: 1

例題 3: 27 の 2/3 乗を求める

  1. 指数の分母が 3 なので、底を「何かの 3 乗」にできないかを探します。27 = 3 × 3 × 3 = 3³ と書き直せば、分母の 3 と打ち消し合う形ができます。
  2. 累乗の累乗の法則で、3 の (3 × 2/3) 乗 = 3² とします。指数が分数でも、この法則はかけ算のまま使えます。
  3. 3² = 9 とします。分数の指数が消えれば、あとは中学校の累乗の計算です。
  4. 別の順でも確かめます。³√27 = 3 で、それを 2 乗すると 9 です。先に 2 乗する順だと 27² = 729 の 3 乗根を探すことになるので、分数乗は先に根をとるほうが小さい数で済みます。

答え: 9

例題 4: √2 × ³√4 ÷ ⁶√2 を簡単にする

  1. 底をすべて 2 にそろえます。4 = 2² なので、3 つの数はどれも 2 の累乗として書けます。
  2. 根号を分数の指数に直します。√2 は 2 の 1/2 乗、³√4 は 2 の 2/3 乗、⁶√2 は 2 の 1/6 乗です。根号の形のままでは指数を足し引きできないからです。
  3. 指数を計算します。1/2 + 2/3 − 1/6 = 3/6 + 4/6 − 1/6 = 1 です。分母が違うので、6 にそろえてから足し引きします。
  4. 2¹ = 2 とします。根号がすべて消えたのは、指数の合計がちょうど整数になったからです。
  5. 6 乗して確かめます。(√2)⁶ = 2³ = 8、(³√4)⁶ = 4² = 16、(⁶√2)⁶ = 2 なので、8 × 16 ÷ 2 = 64 = 2⁶ となり、もとの数は 2 です。指数の分母 2、3、6 の最小公倍数で累乗すれば根号が消えるので、電卓がなくても検算できます。

答え: 2

まちがえやすいところ

3 つとも、法則の形は覚えているのに、使う場所を間違えた例です。

足し算に指数法則を使う

図4 a = 2 で比べると足し算の結果は 2⁵ に届かない

マイナス乗を負の数と読む

分数乗を分数倍と読む

覚え方と忘れたときの戻り方

法則を暗唱できなくても困りません。試験中に足すのかかけるのか迷ったら、余白に底が 2 の小さい式を 1 行書きます。2² × 2³ = 4 × 8 = 32 = 2⁵ なので、かけ算は指数を足す。(2²)³ = 4³ = 64 = 2⁶ なので、かっこの累乗は指数をかける。指数が 2 と 3 なら、電卓がなくても 10 秒で確かめられます。

0 乗とマイナス乗は、図2の列を書けば戻れます。8、4、2 と並べて、2 で割りながら右へ進むだけで、2⁰ が 1、2⁻¹ が 1/2 と読めます。分数乗は「a の 1/2 乗は、2 回かけて a になる数」という一点から戻ります。2 回かけて a なら √a、3 回かけて a なら ³√a です。分数乗には「分母は根、分子は累乗」という言い方もよく使われます。唱えて終わらせず、8 の 2/3 乗を 1 回自分で計算しておくと、分母と分子を逆に読まなくなります。

練習問題

電卓を使わず、途中の式を紙に書きながら解いてみてください。

  1. (3a²b)² × a³ を簡単にしてください。
  2. 7⁰ + 4⁻¹ + 16 の 3/4 乗 を計算してください。
  3. ³√25 × ⁶√25 ÷ √5 を簡単にしてください。

答えと解説

練習 1 は、かっこの中を 1 つずつ 2 乗して (3a²b)² = 3² × (a²)² × b² = 9a⁴b² とします。これに a³ をかけると、a の指数は 4 + 3 = 7 です。a = 2、b = 1 を入れると、もとの式は 12² × 8 = 1152、答えの式は 9 × 128 × 1 = 1152 で一致します。答え: 9a⁷b²

練習 2 は、3 つの項が足し算でつながっているので、指数法則でまとめず 1 つずつ値にします。7⁰ = 1、4⁻¹ = 1/4 です。16 = 2⁴ より、16 の 3/4 乗は 2 の (4 × 3/4) 乗 = 2³ = 8 です。合計は 1 + 1/4 + 8 = 37/4 で、小数なら 9.25 です。答え: 37/4

練習 3 は、底を 5 にそろえます。25 = 5² なので、³√25 は 5 の 2/3 乗、⁶√25 は 5 の 2/6 乗で 5 の 1/3 乗、√5 は 5 の 1/2 乗です。指数の計算は 2/3 + 1/3 − 1/2 = 1/2 となり、残るのは 5 の 1/2 乗です。答え: √5

次に確かめる公式

個別指導でマイナス乗や分数乗に止まっているときは、累乗の書き下しまで戻り、2³ × 2² を箱で数えられるかを先に確かめます。分数乗が解けない原因は、8 や 27 を素因数に分ける手の遅さにあることもあります。

まとめ

覚える法則は 3 本だけで、0 乗は 1、マイナス乗は逆数、分数乗は累乗根という値は、その 3 本を守るために決まったものです。足し算にだけは、どの法則も効きません。迷ったら底を 2 にして小さい式を書けば、どの値も 1 行で戻ってきます。電卓は取り上げられても、法則から値を作り直す手順は取り上げられません。

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