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帰国子女の英単語の覚え方—英語ではわかる語に日本語の訳を付けるとずれるとき|武蔵野個別指導塾

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英語の文では意味が取れている語を、日本語の小テストで別の訳語に置きかえて失点する小6の場面から、英語で説明する、場面を日本語で言い直す、学校の設問の形で書き直す順に確かめます。

英語で意味が取れている語に日本語の訳を付けたとたん、別の語にすり替わるのは、語を覚えていないからではありません。英語のまま持っている意味と、日本語の一語のあいだに、向き・広さ・場面の差が残っているためです。最初に確かめるのは、その語を英語の短い文で説明できるか、その文を日本語で言い直せるか、学校の設問の形で書けるかの3点です。3点のどこで止まるかによって、戻る場所が変わります。訳語をもう一度書き写すより、止まった場所を先に見つけるほうが、次の小テストまでの準備は短く済みます。

見る場所 通っている印 ずれている印
英語の短い説明 英語の文だけで動作が言える 日本語を混ぜないと説明が続かない
日本語の言い直し 誰が誰に何をするか言える 動作の向きや移動が抜ける
小テストの答え 設問の形のまま書ける 別の場面の訳語を当てる

英語で説明できた語が日本語の小テストで崩れる場面

よくあるのは、英語で説明できた語を日本語の小テストでは誤答した小6という場面です。家では英語の本を読み、知らない語を英語のやさしい言葉に置き換えて話せます。ところが学校の単語テストで「borrow」に「貸す」と書き、ばつが付いて戻ってくる。本人は「英語ではわかっている」と言い、保護者の方には「日本語の勉強が足りないのでは」と見えます。ここで帰国した時期や過ごした年数から力がある・ないと決めるのは避けたいところです。見るべきは、英語の意味と日本語の訳語のどの差でつまずいたかという一点です。

ずれを3か所に分けて見る

答案を横に置いたら、次の3か所を上から順に見ます。1つ目は英語の説明が残っているかです。答案に書かれた語を使って、短い英語の文を1つ作らせます。borrow なら「I borrow a book from the library.」のように、誰から受け取るかが残る文です。英語のまま動作が言えたら、語の意味は消えていません。2つ目は日本語の言い直しです。「本を図書館から借りる」と言えれば通っています。「本を図書館に貸す」と言ったら、動作の向きが反転しています。3つ目は設問の形です。小テストが「日本語で意味を書きなさい」なのか、「文中の空所を埋めなさい」なのか、「記号で選びなさい」なのかで、同じ理解でも書くものが変わります。

誤答の隣に書いた語は、ずれの種類を教えてくれます。borrow に「貸す」と書いたなら向きの反転です。get に「得る」と書いたなら、広さが足りません。get は「手に入れる」「着く」「連れてくる」など、場面ごとに日本語が変わります。take に「取る」と書いたなら、場面が足りません。「時間がかかる」「連れて行く」のような使い方が抜けています。light に「光」と書いたなら、品詞が足りません。「軽い」「明るい」が同じつづりで残っています。

これらは語彙が足りないというより、日本語の一語が英語の語の範囲の一部しか覆っていないことから起きます。だから訳語を1つ選んで暗記しても、別の場面で同じずれが戻ってきます。答案を見るときは、正解かどうかより、どの種類のずれかを書き添えます。英語の説明、日本語の言い直し、設問の形の3か所を図1のように並べて、止まった所に印を付けます。

確認の記録は、日付、語、止まった場所、誤答の種類の4欄にします。欄を増やすと書くのが重くなり、続きません。止まった場所は3か所の番号で書き、誤答の種類は向き・広さ・場面・品詞のどれかに丸を付けます。1週間たまったら、同じ番号が多い場所から直します。記録を見ると、語を増やしても同じ場所で止まっているのか、止まる場所が移っているのかがわかります。

図1 英語の説明から設問の形まで3か所で止まりを見る

図1のように、左から順に通していきます。英語の説明で止まるなら語ではなく文に戻り、日本語の言い直しで止まるなら動作の向きを確かめ、設問の形で止まるなら問い方を写してから書きます。

英語から日本語へ戻す手順

手順は4つです。どれも5分以内で終わる大きさにして、1語ずつ進めます。

最初に、その語を使った英語の文を1つ書きます。主語と動詞を残し、前置詞や目的語もそのままにします。borrow なら from を残すと、受け取る向きが文に残ります。lend なら to を残すと、渡す向きが残ります。文を書く理由は、訳語を先に置くと向きが消えるからです。単語の欄に「借りる」と書いただけでは、どちら向きの動作かは思い出せません。

次に、その文を日本語で言い直します。このとき、動作の向き、移動の行き先、時間の長さを言葉にします。「本を図書館から借りる」の「から」が向きです。「かばんを机の横へ置く」の「へ」が移動です。「10分かかる」の「かかる」が時間です。日本語の文を作るときに抜けた要素が、小テストで書けなかった訳語の正体です。

3つ目に、日本語の文から訳語を抜きます。文ごと声に出してから、共通する部分だけを訳語の欄に書きます。「本を図書館から借りる」「鉛筆を友達から借りる」の共通部分は「借りる」です。先に訳語を決めてから文を作ると、文が訳語に合わせて狭くなります。順番は必ず文から訳語です。

4つ目に、学校の設問を開いて、同じ形で書きます。記述なら文で、空所なら前後の語を含めて、記号選択なら選んだ記号と語を対応させます。設問の形を知らないまま練習すると、家では書けるのにテストでは書けない状態が続きます。設問をそのまま写し、答えの欄だけを自分の言葉で埋めます。

カードは1語につき1枚にします。表に英語の文、裏に日本語の言い直しと訳語、下の欄に学校の設問の形を書きます。カードをめくるときは、訳語を先に見ず、英語の文を読んでから日本語を思い出します。訳語が先に目に入ると、文を読まずに答えを選ぶ癖が残ります。同じ語で文を2つ書いたカードは2枚に分けず、1枚に2文を並べます。共通部分が訳語になることを、めくるたびに確かめられます。

止まったときの戻り先を決めておきます。英語の説明が出ないなら、その語を含む文ごと戻ります。文の意味が取れていないのに訳語だけを覚えると、同じずれが別の語で起きます。日本語の文が作れないなら、動作の向きを矢印で描きます。受け取る向きと渡す向きを紙の上で分ければ、borrow と lend の区別が言葉より先に立ちます。設問の形が合わないなら、設問を写してから答えの欄だけを書き換えます。漢字が書けないなら、表記の練習として分けます。意味のずれと漢字の練習を同じ時間に混ぜると、どちらが直ったのかわからなくなります。

図2のように、4つの段を順に進めて、止まった段の1つ前へ戻ります。戻る段を決めておくと、同じ語を何度も最初からやり直さずに済みます。

図2 英語の文から設問の形へ進み止まった段へ戻る

図2の矢印は、進む方向と戻る方向を分けてあります。進めなくなったら、前の段に戻って短い文を作り直します。

手順が合わないときの分かれ道

同じ「ずれ」でも、直す場所は4つに分かれます。図3のように、向きが逆、訳が広い、設問違い、漢字だけの4つです。どれかに当てはめてから、その列の作業だけを行います。

向きが逆の場合は、動作の受け取りと渡しを矢印で描きます。borrow と lend、come と go、bring と take のような対になる語を、同じ紙に並べます。このとき、日本語の「借りる」「貸す」を先に書かず、英語の文を先に書きます。英語の文の from と to が向きを決めていることを確かめてから、日本語を当てます。

訳が広い場合は、日本語の1語が英語の複数の語に対応している組を探します。「見る」は see、look、watch のどれにも当たります。「言う」は say、tell、speak のどれにも当たります。英語から日本語への設問なら、どの訳語でも通ることがあります。日本語から英語への設問なら、別の答えが正解になることがあります。設問がどちら向きかを先に確かめ、逆向きの練習では品詞と目的語で絞ります。文字数や場面の思いつきだけで決めると、別の語を覚えてしまいます。

設問違いの場合は、答案の空欄の形を見ます。1語を書く欄に文を書いた、記号を選ぶ欄に語を書いた、文の空所に単語だけを入れた、という取り違えです。理解が合っていても、欄の形が違えば点になりません。設問を写して、答えの欄の形だけを変えた練習を1回入れます。

漢字だけの場合は、意味のずれではなく表記の練習に分けます。読めて意味がわかるのに書けないなら、その語は意味の列から外し、漢字の列に移します。意味の列に残したまま漢字を繰り返し書くと、どこが原因か見えなくなります。

英語の説明が実はうろ覚えの場合は、語ではなく文に戻ります。説明の文が毎回変わったり、日本語を混ぜないと続かなかったりするなら、その語はまだ英語のまま持てていません。この場合は訳語の練習を止めて、短い文を3つ音読し、文の意味を日本語で言い直すところから始めます。

同じ列で2週続けて止まるなら、語を変えます。1つの語に長く留まると、その語だけの形を覚えてしまい、別の語で同じずれが戻ります。同じ種類のずれを持つ別の語を1つ選び、同じ列の作業を短く行います。前の語には週の終わりに一度だけ戻り、通ったかを確かめます。

やり直しが通ったかは、翌日に確かめます。別の日本語の文でその語を使えるか、学校の設問の形で書けるか、ずれた訳語を別の語の訳として説明できるか。この3つがそろったら、その語は次の確認に移します。同じ日のうちに何度も書けたことは、通った印にしません。

図3 ずれを4つに分けて直す列を選ぶ

図3の4列は、上から順に試すのではなく、答案の誤答を見て1列を選びます。選んだ列の作業だけを、その語について1回行います。

別の語で確かめる

次の3問は、本文で扱った語とは別の語で作っています。答えを見る前に、紙に書いてください。

問1 「He carried the box upstairs.」の carried を、日本語の一語で書いてください。

問2 「Please close the window.」の close に「閉まる」と書きました。この答えのどこがずれていますか。

問3 学校の小テストで「The door opened.」の open に「開ける」と書きました。設問の形に合わせて直してください。

問1の答えは「運んだ」です。carried には「持った」ではなく、上の階へ移動する動作が入っています。「持った」は状態で、移動が抜けています。ずれたときは、動作の向きと行き先の段に戻ります。

問2の答えは、「閉まる」は主語が自分で閉じる場合の形で、この文は the window を目的語に取るので「閉める」です。目的語の位置を見る段に戻ります。

問3の答えは「開いた」です。主語が the door で、目的語がないので、日本語も自動詞の形にします。「開ける」は目的語がある場合の形です。主語と目的語の位置を確かめる段に戻ります。

記録の付け方は、たとえば1回に3語、週に2回で6語、4週で24語です。数を増やすことより、同じ語を別の文と設問の形で通した回数を数えます。24語のうち、英語の説明と設問の形の両方を通った語に印を付けます。印のない語は、次の週も同じ列で直します。

再挑戦は、答えを隠した状態で、別の日に同じ3問を行います。同じ日に繰り返すと、直前に見た答えを思い出して通ることがあります。別の日に通らなければ、その問いが指す段に戻ります。

個別指導で見てもらう記録

塾に持ってくるのは、小テストの答案、英語で書いた説明のメモ、学校の設問の写しの3つです。答案だけでは、どこで止まったかがわかりません。説明のメモがあると、英語のまま持てているかを見られます。設問の写しがあると、問い方の違いによる失点かを確かめられます。

質問は「この語を英語で説明できますか」「この文を日本語で言い直すとどうなりますか」「学校ではどんな形で問われましたか」の3つに絞ります。点数ではなく、3か所のどこで止まったかを見てもらうと、次の1週間で直す列が決まります。

次の小テストの前に一枚だけ書き直す

英語で説明できた語を、日本語の一文に置き直す。向きと移動と時間を言葉にしてから、訳語を抜く。学校の設問の形で書いて、止まった段の1つ前へ戻る。この順番を、次の小テストの前に1語で試してください。訳語を覚え直すより、ずれた場所を1か所見つけるほうが、次の答案は変わります。

帰国後6か月で、言葉は変わり始めます。

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