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初見の英単語の覚え方—長文を読んでいる途中で調べる語を増やしすぎない線引き|武蔵野個別指導塾

長文の1段落目で知らない語に印を付け、設問の根拠になった語だけを読後に辞書で確かめる手順を、高2の答案に残る印と時間の使い方で見せます。
初見の語は、読んでいる途中で調べません。知らない語には印だけを付け、意味は文の形から仮に置いて先へ進みます。読み終えてから、設問の答えを決めた文に戻り、そこにある印の語だけを辞書で引きます。線引きの基準は語数ではなく、その語が答えの根拠に関わるかどうかです。まず前回の長文で、印を付けた語と実際に引いた語の数を数えてください。引いた語が印の数と同じなら、読む途中のどこかで辞書へ戻っています。
| 語の出方 | 読む途中 | 読後の扱い |
|---|---|---|
| 設問の根拠の文にある | 印Aを付けて読み進む | 最初に辞書で引く |
| 段落の向きを変える | 印Bを付ける | 意味を確かめて採用する |
| 情景を描くだけ | 印Cを付ける | 保留にして引かない |
この三つを分けるには、答案の余白に印の種類を書き分けるだけで足ります。AとBとCの数は、次の長文を読む前に見返す記録になります。
よくあるのは、高2が模試の長文を開き、最初の段落だけで知らない語に6つも7つも印を付け、1文ごとに辞書へ手が伸びて、大問の最後まで届かないという場面です。印そのものは悪くありません。悪いのは、印を付けた順に調べることです。読み終える前に辞書を開くと、前の文で置いた意味を忘れ、同じ行を何度も読み直すことになります。最初の段落は話題を出す場所なので、知らない語がまとまって見えます。しかし、その多くはこれから述べる内容の具体例で、設問の答えを決める文には出てきません。
止まっているのは語ではなく、調べる順番です
長文で止まる原因は二つに分かれます。一つは調べすぎで、読む時間が辞書に移り、後半の設問に届かない型です。もう一つは調べなさすぎで、読み切れても、答えの根拠の文にあった語の意味を曖昧なまま通り過ぎ、選択肢で逆の内容を選ぶ型です。どちらも印の付き方に違いが出ます。調べすぎの答案は、本文のあちこちに印があり、辞書を引いた語の意味が余白にびっしり書かれています。調べなさすぎの答案は印が少なく、誤答の根拠にした文と本文の語の対応が取れていません。
自分の答案を見るときは、正誤より先に三つを確かめます。第一に、印を付けた語のうち辞書を引いた語の数。第二に、引いた語が設問の根拠の文にあったか。第三に、引かなかった語の意味を、答えを選ぶときに使ったか。この三つがわかると、次に変えるのは語彙の量ではなく調べる順番だと決まります。
語が答えに関わるかどうかは、文中での働きで見ます。設問が問うている文にその語があれば関わります。同じ語が離れた段落でもう一度出てくれば、話題の中心に近い語です。前後の文と逆の向きをつなぐ語は、意味を取り違えると段落全体の向きが反転します。反対に、物の形や色を描くだけの語は、多少わからなくても答えは選べます。最初の段落に並ぶ名詞の多くは、この三つ目の種類です。人物の名前や土地の名前も、意味を知らなくても読み進められることが多い語です。
印の行き先は三つに分かれます。分けた印は、読後の辞書を開く順番になります。

図1のように、未知語は答えの根拠、段落の向き、描写の三つに分けます。左の箱から三つへ矢印が伸びる形で、読む途中に決めるのは行き先だけです。意味を書くのは読後の作業になります。行き先を決めずに辞書を開くと、三つの箱の間を行き来する時間が増え、本文の筋が途切れます。
また、知らない語のすべてが同じ重さではありません。段落の最初の文と、設問の文に共通して出る語は、話題と問いの両方に触れているので優先します。反対に、固有名詞に近い語や、比喩の中で一度だけ出る語は、意味がわからなくても前後の文が読めます。この見分けは語の長さや見た目では決まりません。文の中での位置と、設問との距離で決めます。同じ長さの語でも、答えの文の主語になっていれば重く、例の列挙の中にあれば軽くなります。
設問の種類でも重さは変わります。空所に入る語を選ぶ設問なら、空所の前後にある語が手掛かりになります。本文の内容と合う選択肢を選ぶ設問なら、段落ごとの主張を支える語が手掛かりになります。どちらの場合も、設問の文に近い場所にある語から先に扱います。本文を読む前に設問を一度見るのは、この近さを測るためです。
印を付けて読み切り、設問の根拠から引く
手順は五つです。第一に、本文を読む前に設問の文を一度だけ読みます。設問の名詞と動詞を拾い、本文のどのあたりが問われるのかを頭に置きます。設問の順番と本文の順番が同じとは限らないので、番号ではなく、問われている内容を覚えます。第二に、本文を読みます。知らない語には印を付け、意味は文の形から仮に置きます。たとえば「The drought that year was long, and the yield was smaller than they had expected.」という文なら、drought は「長い」と説明される天候、yield は expected と比べて小さい数量、と置きます。天候の悪さ、収穫の量、程度で足ります。一つの語に10秒以上かけず、先へ進みます。
第三に、設問を解きます。答えの根拠にした文へ線を引き、その文にある印を丸で囲みます。丸が付かない設問は、根拠の文をまだ見つけられていない設問です。第四に、読み終えてから辞書を引きます。引く順番は丸の語からです。引いた意味と、読む途中に置いた意味を比べます。違っていたら、その語が入っている文だけを読み直します。段落全体を訳し直す必要はありません。第五に、引いた語を採用と保留に分けます。採用は、設問の根拠の文にあった語、同じ長文で2回以上出た語、別の長文でも見た語です。保留は、情景を描くために一度だけ出た語、意味がわからなくても答えが変わらなかった語です。
手順を並べると次のようになります。箱の順番が、そのまま辞書を開く順番です。

図2のように、読む途中の作業は印を付けることに絞り、辞書は後ろの箱に置きます。箱の間を戻るのは、仮置きが外れた文だけです。全体へ戻ると、また最初から読むことになります。
時間の見積もりも同じ順番で立ちます。未知語が12個あり、1語40秒で引くと8分です。本文を読む時間が20分なら、その4割が辞書に移ります。設問の根拠が3語なら2分で済みます。引く語を減らすのではなく、引く理由がある語に絞ることで、読む時間が戻ります。辞書を引く速さを上げるより、引く対象を決めるほうが、読む時間の配分は変わりやすくなります。
記録は一行で足ります。語、本文の短い句、関わった設問の番号、辞書の意味、仮置きが当たったかどうか。五つを並べると、次の長文で同じ判断ができるかを見返せます。意味だけを書き写すと、どの設問で必要になった語かが抜け、復習のときに優先順位が付きません。仮置きが当たった語は、意味を覚えるよりも、文の形から意味を取る手が働いた証拠になります。外れた語は、その文の主語と動詞に戻って、もう一度だけ置き直します。
仮置きを作るときは、知っている語の並びを使います。名詞の位置にあれば物や人、動詞の位置にあれば動作、形容詞の位置にあれば様子として置きます。接頭語から意味を決めるのは、この段階では行いません。似た出だしの語でも、文の中での働きが違えば行き先が変わるからです。文の形だけで足りないときは、その語をわからない印のまま残し、答えに関わるかどうかを読後の判断へ回します。
引かないまま失点した答案の直し方
調べすぎの反対に、印を付けずに読み、なんとなく通して失点する型があります。この型は、読む速さが足りないのではなく、意味を曖昧にしたまま答えを選んでいます。返却答案では、誤答の選択肢が本文の語を言い換えている箇所を探します。言い換えの元の語を、読むときに素通りしていたら、そこが線引きの外れていた場所です。
直すときは、誤答の根拠にした文を一つ選び、その文の中で意味を曖昧にした語を1つだけ辞書で引きます。引いた語は、本文の句と設問の番号を添えて採用の側へ移します。同じ長文のほかの語は、たとえ知らなくても今回は触りません。一度に全部を拾うと、調べすぎの型へ戻ります。
全部を調べる型と、根拠の語だけを調べる型では、行き先が変わります。答案の跡からどちらの型かを決めます。

図3のように、全部を調べる読み方は時間切れへ、根拠の語だけを調べる読み方は読み切れるへ進みます。どちらの型かは、答案の印の数と、白紙になった設問の位置で見分けます。後半が白紙なら調べすぎ、誤答が本文と逆の内容なら調べなさすぎの可能性が高いと見ます。
やり直しは、同じ長文を辞書を閉じたまま5分で読みます。印だけを頼りにし、読む途中で意味を置き直します。読み終えたら、仮置きが合っていた語と外れた語を数えます。外れが2つ以下なら、その長文の線引きはできたと判断します。外れが3つ以上なら、印の種類を増やさず、印Aだけに絞って同じ長文をもう一度読みます。印の基準を増やすと、読む途中の判断が遅くなり、止まる型に戻ります。
方法が合わないときは、本文を読む前に設問の根拠の段落だけを先に読み、そこから本文の最初へ戻る順番に変えます。全体の向きを外さないために、最後に各段落の最初の文だけを拾います。この読み方は、時間が足りないとわかっている長文で使います。毎回の長文で試すと、通読の練習が抜けます。
できたと判断する条件は、印を付けた語のうち辞書を引いた語が半分以下で、かつ設問の根拠の文に印の語があれば必ず引いていることです。引いた語が少ないだけでは、調べなさすぎと区別できません。根拠の文の語を引いているかを一緒に見ます。
記録を見直すときは、引いた語の数より、引かなかった語の理由が書けているかを見ます。理由がなんとなくなら、次は印Aの基準に戻ります。理由が答えの文に出ていないなら、線引きは働いています。同じ長文を二度目に読んだとき、引く語が前回より減っていれば、読む途中の判断が変わった証拠になります。
別の長文で線引きを試す
次の短い文を読み、問いに答えてください。語の意味は、まだ辞書で引かずに、文の形から置いてみます。
「Mr. Sato’s shop stood at the corner of a narrow street. The shelves were full of old tools, and the air smelled of oil. He said he had been reluctant to close the shop, but few people came anymore. On the last day, a young man brought a broken watch and asked him to fix it.」
問1 reluctant と shelves のうち、読後に辞書で引く語はどちらですか。理由も書いてください。
問2 この4文を読む前に設問を見ておく利点を、一つ書いてください。
問3 reluctant の意味を、文の形から仮に置いてください。
問4 未知語が5個あり、1語50秒で引くと何分何秒ですか。設問の根拠が2語なら何秒ですか。
答えと理由を次に置きます。自分で書いた理由と読み比べてください。
問1は reluctant です。店を閉めることへの気持ちを表し、「but few people came anymore」と対比される文の中心にあります。shelves は棚の情景を描く語で、店の人の気持ちと出来事の理解には関わりません。
問2は、最後の日の出来事を問う設問があれば、4文目を重点的に読めることです。設問の名詞を先に拾うと、本文のどこで立ち止まるかが決まります。
問3は「閉店したくない」「気が進まない」の方向です。but の後で人が減ったことが述べられているので、前の部分はそれと逆向きの気持ちになります。
問4は、5個を全部引くと250秒で4分10秒です。2語なら100秒で1分40秒です。差の150秒は、根拠の文を読み直す時間に戻ります。
再挑戦の条件は、問1で引く語と引かない語を分け、問3の仮置きを辞書の意味と比べてから、もう一度同じ文を辞書なしで読むことです。仮置きと辞書の意味が同じ方向なら、その文の線引きはできています。違う方向なら、but の前後どちらを言い換えているかを確かめます。
個別指導で見てもらうときの持参物
持ってくるのは、印を付けた本文、辞書を引いた語の一覧、返却答案の三つです。見るのは語の意味を覚えたかではなく、印の数と引いた語の数、引いた語が設問の根拠の文にあったかです。質問は「この語を引かなかった判断は合っていましたか」と、判断の理由を聞く形にします。講師は語の意味を教える前に、その語を引く必要があった文を一緒に探します。引かなくてよいと決めた語は、なぜ答えが変わらなかったのかを説明できるかどうかで確かめます。
次の長文へ移すときに決めること
線引きは、知っている語を増やす前に、引く理由を先に持つ読み方です。次の長文では、鉛筆を持つ前に印の意味を三つに決めてください。辞書を閉じたまま読み切れたとき、どの語を引くかはもう決まっています。
読んで終わりにするか、ここから変えるか。
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