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小論文の結論の書き方—終わり方で迷わない最後の段落と、残り5分のときの短い形|武蔵野個別指導塾

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序論の立場を同じ語で言い直し、理由と反論への応答を一言ずつ添える結びの組み方を、ネット投票の答案の直す前と後で示します。残り5分の合図のあとでも、2文の形なら答案を締めくくれます。

小論文の終わり方で迷ったら、最後の段落には序論で示した立場をもう一度言い切る文を置き、そこへ本論の理由と、反論への応答を一言ずつ添えてください。新しい論点は足しません。「〜していきたい」という決意や「〜が大切だと思う」という感想で閉じると、問いに答えた答案に見えにくくなります。時間に余裕があるなら3〜4文の段落に組み、残り5分の合図を聞いたあとなら、1文目に立場と理由、2文目に反論への応答を入れた短い形に切り替えれば、最後の1行まで論が途切れません。

よくあるのは、残り5分の合図を聞いて、最後の段落に取りかかる試験会場という場面です。問いは「選挙の投票をインターネットでもできるようにすべきか。あなたの考えを論じなさい」。答案は本論の2段落目まで埋まり、導入に慎重な立場も、理由も、反対の意見への答えも、すでに書いてあります。それなのに鉛筆は「このように、投票の形はこれから変わっていくだろう。私も」と書いたところで止まります。書く材料が無いのではありません。序論と本論に散らばった材料を、どの順で最後の数行に集めるかが決まっていないのです。

最後の段落は、序論で立てた立場に戻ってくる場所

最後の段落は、読み手にとって「この答案は問いに何と答えたのか」を確かめる場所です。序論で「ネット投票の導入には慎重であるべきだ」と立場を出し、本論で理由を2つ挙げ、反論を取り上げて答え直した答案なら、読み手は最後の段落で、その立場が反論を通ったあとも残っているかを見届けることになります。ここで立場が揺れていたり、別の話へ移っていたりすると、本論がどれほど丁寧でも、答案全体が問いに答えきらないまま終わったように読めてしまいます。

結論の段落の役目は3つに絞れます。1つ目は、序論で示した立場と対応させることです。序論で「慎重であるべきだ」と書いたなら、最後も「慎重であるべきだ」と同じ語で言い切ります。2つ目は、本論の理由と、反論への応答を、それぞれ一言でまとめることです。立場を言い直す1文で段落を終えると、理由を伴わない言い切りに戻ってしまいます。「一票の秘密を確かめる手立てがない」という理由を短い句にして連れてくると、結論が論の行き着いた先として読めます。3つ目は、新しい論点を足さないことです。本論で一度も書かなかった話は、最後に出てきても支える理由を持っていません。

文部科学省の令和9年度の実施要項は、考えて判断した道筋とその結果を的確に言葉にする力などを見るために、小論文などを使うことを大学に勧めています。結論の段落は、その「結果」を書く場所にあたります。図1のように、序論の立場は同じ語で、本論の理由と反論への応答は一言で、最後の段落に集まってきます。新しい論点は、この段落に入れません。結論は3本の線の終点に置く物で、新しい線を引き始める所ではないからです。

図1 序論の立場・本論の理由・反論への応答が最後の段落に集まる形

教室で答案を読んでいると、弱い終わり方は3つの型に分かれます。1つ目は「〜していきたい」「考え続けたい」という決意の表明です。問いは「すべきか」と社会の側の判断を聞いているのに、最後の文の主語が書き手自身の今後の行動に移るので、立場が読み手に届きません。2つ目は「〜が大切だと思う」という感想です。「投票のしやすさも安全も大切だ」は、だれも反対しない文で、どちらに立つのかを言っていません。3つ目は問いと違う結論です。「若い人がもっと選挙に行くべきだ」と結ぶと、ネット投票を認めるかどうかではなく、別の問いに答えたことになります。3つとも文としては整っていても、問いへの答えが最後の段落から抜け落ちている点が共通しています。

なお、例の答案は慎重の側に立っていますが、導入を進める側に立っても、理由と反論への応答が通っていれば同じ組み方で結べます。小論文に道徳的な正解はありません。最後の段落で確かめたいのは、どちらの立場を選んだかより、選んだ立場が崩れずに最後まで届いたかです。

「結論から書く」と言われても、最後の段落は要る

「小論文は結論から書く」と言われて、最後の段落に何を書けばよいのかわからなくなる人がいます。この言い方が指しているのは、序論の早いうちに自分の立場を示して、読み手を迷わせないことです。最後の段落を省いてよいという意味ではありません。序論の立場は「これからこの立場で論じます」という予告で、最後の段落の結論は「理由と反論を通ったうえで、やはりこの立場です」という報告です。同じ立場を2回書いても、2回目は理由と応答を連れているので、重複にはなりません。ただし、問題の注意書きが段落の数や順番を指示しているなら、その指示が先に立ちます。

結論の段落を4文で組む手順と、残り5分の2文の形

小論文の結びの書き方は、材料をそろえてから書き始めれば、1文ずつ埋める作業になります。下の手順は、最後の段落に入る直前に、問題用紙の余白か下書き用紙で行う物です(どちらに書き込んでよいかは、試験の注意書きに従います)。時間に余裕があるとき、たとえば残り10分以上あるときの組み方です。

  1. 序論の立場の文を読み返し、述語までを余白に写します(20秒ほど)。「慎重であるべきだ」のように、言い切りの形のまま写すのがこつです。結論の1文目は、この語で終えます。
  2. 本論の段落ごとに、理由の芯になる語を1つずつ拾います(30秒ほど)。「秘密の確認」「なりすまし」のように、短い名詞で足ります。文のまま写すと結論が本論の縮めた写しになり、読み手には同じ話を2度読まされたように映ります。
  3. 反論と再反論の段から、応答の向きを一句にします(20秒ほど)。「負担は投票所の側で軽くできる」のように、反論のどこを認め、どこで立場を保ったのかがわかる句にします。
  4. 下の表の順に4文を書きます(3〜4分)。4文目は無くてもかまいません。
  5. 序論の立場の文と結論の1文目を並べて読みます(30秒ほど)。立場の語が同じか、結論の中に本論で書いていない語が混じっていないかを見ます。

表は、4文のそれぞれに何を入れ、何を入れないかを、塾で練習に使う形としてまとめた物です。

文 入れる物 言い方の例 入れない物
1文目 序論と同じ立場 以上から、ネット投票の導入には慎重であるべきだ 序論と違う立場の語
2文目 本論の理由を一言ずつ 秘密を確かめる手立てがなく、なりすましも防ぎきれないからである 本論に無い理由
3文目 反論への応答を一言 たしかに〜という利点はあるが、〜で補える 反論の言い分の書き写し
4文目(無くてもよい) 立場が変わる条件や範囲 ただし、〜が確かめられれば考え直す余地はある 決意・感想・新しい提案

4文目の条件は、新しい論点ではありません。2文目の理由の裏返し、つまり「その理由が消えれば立場も動く」という範囲の線引きなので、本論の中から出てくる物です。決意や感想、本論で論じていない提案を4文目に置くと、そこで論が別の方向へ走り出してしまいます。

3文目には、反論を受けた答案ならではの難しさがあります。本論で「投票所へ行きにくい人の負担が減る」という反論を取り上げたなら、結論ではその言い分をもう一度長く書き写さず、どこを認めたかを一言、どこで立場を保ったかを一言にします。認める部分を広げすぎると、結論が反論の側へ寄っていき、序論の立場がぼやけます。逆に反論を一言も残さないと、本論で反論と再反論を書いた手間が結論に表れません。

この4文の形は、論を最後まで通すための手段で、形を守ること自体が目的ではありません。本論で理由を1つしか書けなかった答案なら2文目は理由1つで、反論の段を置かなかった答案なら3文目を置かずに結びます。長さにも全国共通の決まりはありません。結論の段落が本論のどの段落よりも長くなっていたら、新しい話が紛れ込んでいないかを疑う合図にしてください。

残り5分の合図を聞いたら、2文の形に切り替える

残り5分の合図のあとに4文の形を始めると、3文目の途中で時間が尽きやすくなります。時間を計った練習の答案では、序論を言い直す前置きに1行を使い、肝心の立場の文に届かないまま終わっている物が目立ちます。そこで、残り5分を図2のように1分・3分・1分に分けて、2文で閉じる形に切り替えます。

  1. 最初の1分で読み返します。本論の文が書きかけなら、その文を句点で閉じ、理由をもう1つ書き足すのはやめます。次に、序論の立場の語と、本論の理由の語を1つずつ拾います。
  2. 次の3分で2文を書きます。1文目は「以上から、(理由の一言)ため、(問いの中身)には(立場の語)。」の形で、立場と理由を1文に入れます。2文目は「(反論の利点)は認めるが、(応答の一言)。」の形で、反論への応答を書いて閉じます。
  3. 最後の1分で並べて読みます。序論の立場の文と結論の1文目を見比べて語をそろえ、文の終わりが句点で閉じているか、誤字が無いかもここで見ます。
図2 残り5分を1分・3分・1分に分けて2文の結論を書く流れ

1分・3分・1分は、塾の練習で使っている分け方の一例です。書く手が速い人なら2分・2分・1分にしてもかまいません。2分を切ってから最後の段落に入ったときは、1文目に絞ります。立場と理由が入った1文が答案の最後にあれば、読み手には問いに答えた答案として読めます。書きかけの文を残して終えるより、短くても句点で閉じた1文のほうが、論の終わりがはっきりします。

ネット投票の答案で、結びを直す前と直した後

例は2つとも、問い「選挙の投票をインターネットでもできるようにすべきか」に、序論で「慎重であるべきだ」と答えた答案の最後の段落です。直す前の文のどこが弱いかを確かめてから、直した後を読んでください。

決意で終わる結びを直す

直す前の結論の段落です。

以上のように、インターネットでの投票には、家にいながら一票を投じられる便利さもあれば、なりすましや一票の秘密が守られないといった危うさもある。これからの時代に投票の形がどう変わっていくのか、私も一人の有権者として考え続けていきたい。

1文目は利点と欠点を並べたところで止まり、序論の「慎重であるべきだ」がどこにもありません。読み手には、本論を書くうちに立場がほどけて、どちらとも言える所へ戻ったように読めます。2文目は決意の表明で、文の主語が社会の判断から書き手の今後へ移っています。問いは「すべきか」なので、「考え続けていきたい」は答えになりません。一方で、本論で使った「なりすまし」「一票の秘密」という材料は正しく拾えているので、直すのは並べ方です。

以上から、選挙の投票をインターネットでもできるようにすることには、慎重であるべきだ。画面の前の一票が、本人によってだれにも見られずに選ばれたものかを確かめる手立てがなく、なりすましも防ぎきれないからである。たしかに投票所へ行きにくい人の負担は重いが、それは投票所の数や移動の手助けを増やすことでも軽くできる。ただし、本人が一人で操作したことを確かめる仕組みが示されれば、導入を考え直す余地はある。

直した後は、1文目に序論と同じ「慎重であるべきだ」を置き、2文目に本論の理由を2つ、3文目に反論への応答、4文目に立場が変わる条件を入れました。4文目の条件は、2文目の「確かめる手立てがない」の裏返しなので、新しい論点にはなっていません。

残り5分で書いた感想の結びを直す

合図を聞いて急いで書くと、手が覚えている言い回しに流れやすくなります。次は、残り5分で書かれた結論の段落です。

このように、ネット投票には賛成の意見も反対の意見もあり、簡単に答えの出る問題ではない。何より大切なのは、私たち有権者の一人として選挙に関心を持ち、どんな形の投票であっても自分の一票を大事にすることだと思う。

1文目は両方の意見を並べて判断を保留し、2文目は「関心を持つことが大切だ」という、だれも反対しない感想で閉じています。しかも「有権者は関心を持つべきか」という、問いとは別の問いに答えています。本論の反論の段で「ネット投票なら若い人の投票が増える」という意見を取り上げていた答案なら、その応答を使って2文の形にできます。

以上から、一票が本人の意思でひそかに選ばれたことを確かめる手立てがないため、今の段階ではネット投票の導入に慎重であるべきだ。若い人の投票が増えるという利点は認めるが、だれが選んだのか信じきれない票が増えれば、選挙そのものへの信頼が揺らぐ。

1文目に理由の一言と立場、2文目に反論への応答が入り、3分で書ける長さに収まっています。序論の語と同じ「慎重であるべきだ」が入ったことで、答案は問いに答えた形で閉じます。

結論の段落で起きやすい3つのつまずき

ネット投票の答案の結びを直していると、同じつまずきが何度も出てきます。図3は、そのうち3つを直し方と並べた物です。

新しい論点を足してしまう

ネット投票に慎重だと結んだあとで、「そもそも学校で選挙の仕組みを学ぶ時間を増やすべきだ」と1文足してしまう答案があります。書いた本人は議論を広げたつもりでも、読み手には、理由も反論も無い主張が最後に1つ置かれたように見えます。直し方は、図3の1段目のとおり「消すか本論へ移す」です。結論の中の名詞を1つずつ指でたどり、本論のどこに出てきたかを探します。見つからない語を含む文は消します。練習の答案なら、書き直すときにその話を本論の段へ移せます。試験中に移す時間が無いときは、消すほうを選びます。

序論と結論で立場の語がずれてしまう

序論で「慎重であるべきだ」と書いたのに、結論で「ネット投票には反対である」と書いてしまうずれです。慎重は「今は進めず、条件が整えば考え直す」、反対は「認めない」で、近いようで中身が違います。読み手には、本論の途中で立場が動いたように映ります。手順1で余白に写した語を、結論の1文目の述語にそのまま使えば、序論の語にそろえられます。書いているうちに考えが本当に変わったのなら、試験中でも序論の立場の文を書き直すほうが、結論を序論からずらすより筋が通ります。

「結論から書く」を序論の丸写しにしてしまう

「結論から書く」と言われたことを気にして、序論の1文目を最後にもう一度そのまま書き、それで段落を終える答案です。同じ文が答案の最初と最後に出るので、読み手には本論が何も足さなかったように見えます。1文目に序論と同じ立場の語を使うのはよいのですが、2文目からは理由と応答を足して、立場が論を通ってきたことを示します。

図3 結論の段落で起きやすい3つのつまずきと、それぞれの直し方

図3の3段は、どれも「結論の中の語が序論と本論から来ているか」を確かめれば見つかります。書き終えたあとに結論を指でたどる30秒を取っておくと、3つとも試験中に直せます。

よくある質問

小論文の最後を「〜ではないだろうか」という問いかけで終えてもよいですか

問いかけで終えると、答えを読み手に預けた形になり、立場が弱く読めます。反語のつもりで「ネット投票を急ぐ必要が本当にあるのだろうか」と書いても、読み手によっては迷いの表れと受け取られます。最後の文は「ネット投票の導入を急ぐべきではない」のように言い切る文に直してください。問いかけの文は、序論の問題提起で使えば役に立ちます。

本論で反論を書けなかった答案は、結論で反論に触れたほうがよいですか

結論で初めて反論を出すと、答えていない反論が最後に残ります。たとえば「ネット投票なら投票所を開く費用が減るという意見もある」と最後に書き足すと、その費用の話にどう答えるのかが書かれないまま答案が終わります。反論の段を置かなかった答案は、立場と理由の2つで結んでください。結論に入る時点で10分ほど残っているなら、結論の前に反論と応答の短い段を1つ置く手もあります。

小論文の結びは「以上の理由から」で始めないといけませんか

そのような決まりはありません。「以上から」「したがって」「このように」など、前の段を受ける言葉ならどれでも結びの書き出しになります。肝心なのは、つなぎの言葉より、結びの1文目に序論と同じ立場の語が入っていることです。「以上の理由から」を毎回使うと理由を一言にまとめる手間を飛ばしやすいので、「一票の秘密を守りきれないという点から、」のように理由の語をつなぎの位置に置く形も練習しておくと、結びが短く締まります。

個別指導で確かめること

講師と1対1で答案を読むときは、序論の立場の文と結論の1文目に鉛筆で印を付け、2つを声に出して読み比べるところから始めます。立場の語がずれていれば序論まで戻り、どちらの語に合わせるかを書いた本人に決めてもらいます。結論に本論に無い語があれば、本論のどこに置けたかを一緒に探します。

残り5分で崩れた答案なら、結論より前の構成メモまで戻り、どこで時間を使ったかを確かめてから、2文の形で書き直す練習に移ります。

まとめ

最後の段落で新しく考える物はありません。序論の立場、本論の理由、反論への応答という、結論より前の段にある3つを短くして集め、序論と同じ語で言い切ります。時間が足りなくても、立場と理由を入れた1文目と、反論への応答を入れた2文目があれば、答案は問いに答えた形で終わります。

序論で「慎重であるべきだ」と書いたネット投票の答案は、最後の段落の1文目も、同じ「慎重であるべきだ」で言い切ります。

読んで終わりにするか、ここから変えるか。

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