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指定校推薦の評定平均の計算—調査書の「全体の学習成績の状況」と概評A〜Eの区切り|武蔵野個別指導塾

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通知表の評定を全部足して個数で割り、小数第2位を四捨五入する。体育は学年ごとに1つ、4単位の科目も1つと数える調査書の決まりと、4.3から始まる概評Aの区切りを、検算した例で確かめられます。

大学から推薦の枠を受け取った高校が、校長の推薦をつけて生徒を出願させる。学校推薦型選抜の中のこの形が指定校推薦で、そこで条件に使われる「評定平均」は、調査書の上では「全体の学習成績の状況」という欄の数字です。求め方は、3年分の評定を一つ残らず足し、評定の個数で割り、小数第2位を四捨五入して小数第1位までにするだけです。4単位の科目も2単位の科目も1個は1個で、体育のように学年をまたぐ科目は学年ごとに1個ずつ数えます。その数字を決まった区切りでA〜Eに分けたのが学習成績概評で、学年の中の順位ではありません。

令和9年度の大学入学者選抜実施要項(調査書記入上の注意事項等)の決まり 中身
全体の学習成績の状況 評定の合計を評定の個数で割り、小数第2位を四捨五入する
割る数の数え方 学年をまたぐ科目は学年ごとに1個。単位数で重みをつけない
各教科の学習成績の状況 同じ割り算を、その教科の評定の中だけで行う
学習成績概評 E 1.8以下、D 1.9〜2.6、C 2.7〜3.4、B 3.5〜4.2、A 4.3〜5.0
Ⓐの印 令和7年度の要項でなくなった(令和9年度のQ&A)

よくあるのは、高3の1学期が終わった7月の夜、机に通知表を3年分並べて、スマートフォンの電卓で評定を足していく場面です。1回目の答えは4.1、やり直すと4.3。体育を3年で1つと数えたのか3つと数えたのか、4単位の数学を2回足したのかどうかで、答えが揺れます。指定校の一覧で見た条件の数字が頭の中で点滅して、どちらの答えを信じればいいのか決められないまま、日付が変わっていく。電卓が悪いのではありません。数え方の決まりを、まだ誰からも聞いていないだけです。

調査書の3つの欄は、同じ評定から順に作られる

評定の出発点は、高校の指導要録です。文部科学省の指導要録の決まり(平成31年3月29日の通知の別紙3)は、科目ごとの評定を5から1の5段階で付けるとし、5を「十分満足できるもののうち、特に程度が高い」状況と説明しています。どのくらいの成績で5になるかという細かい決め方は、各学校が定めます。調査書はこの指導要録をもとに、ホームルーム担当の先生などが原案を作り、関係する先生の委員会で審議したうえで、校長が作成して大学に出す書類です。調査書に載る評定平均は、生徒が電卓で出した数ではなく、高校が責任を持って書く数だということを、まず押さえておいてください。

令和9年度の大学入学者選抜実施要項に載っている調査書の様式では、評定は3つの欄を順に通っていきます。図1のように、最初の欄「各教科・科目等の学習の記録」には、科目ごと・学年ごとの評定がマス目に並びます。次の欄で、そのマス目の数字が2通りに割り算されます。教科ごとに割ったのが「各教科の学習成績の状況」、全部をまとめて割ったのが「全体の学習成績の状況」です。そして最後の欄「学習成績概評」に、全体の数字がA〜Eのどこに入るかが書かれます。

図1 調査書で評定が通る3つの欄と、その順番

割り算の決まりは、要項の中の調査書記入上の注意事項等の8に書かれています。全体の学習成績の状況は、すべての教科・科目の評定の合計を、すべての評定の個数で割り、小数点以下第2位を四捨五入した数です。ここで要になるのは割る数の数え方で、2つ以上の学年にわたって学ぶ科目は、学年ごとの評定をそれぞれ1科目分として扱います。体育を3年間学べば3個、保健を2年間学べば2個です。反対に、単位数は式のどこにも出てきません。4単位の科目の評定も、2単位の科目の評定も、割り算の中では同じ1個です。単位の修得が認められなかった科目は評定1として記録されるので、その1も足す数と割る数の両方に入ります。留学で修得した単位は算入しなくてよく、留学中の評定は書かずに、外国の高校が出した証明書を添えると決められています。

教科ごとの数字も、同じ割り算を教科の中だけで行い、小数第2位を四捨五入します。国語なら国語の科目の評定だけを足し、国語の評定の個数で割ります。教科ごとの数字と全体の数字は、同じマス目から別々に計算される数で、教科ごとの数字を並べて平均しても全体の数字にはなりません。

学習成績概評は、同じ学年の生徒全員の3年間の全体の学習成績の状況を、決まった区切りでA〜Eの5段階に分け、その生徒の段階を書く欄です。区切りは、1.8以下がE、1.9から2.6がD、2.7から3.4がC、3.5から4.2がB、4.3から5.0がAです。区切りの数は小数第1位までで書かれていて、そこに当てはめるのも、小数第1位まで丸めた全体の学習成績の状況です。同じ欄の「成績段階別人数」には、各段階に何人いるかと合計の人数が書かれます。教育課程の違う類型がある学年は類型ごとに、専門学科は科ごとに分けて数えます。以前の調査書を知っている方が覚えているⒶの印は、令和7年度の要項でなくなりました。令和9年度のQ&Aは、卒業見込みの生徒の調査書にⒶが付いていたら、大学はAとして扱うよう求めています。

割り算の外側で、高校ごとに違うところ

割り算の式はどの高校でも同じですが、式に入る数字を作るのは高校です。自分の数字を正しく読むには、式の外側で高校ごとに違う部分を知っておく必要があります。

1つ目は評定そのものの付け方です。指導要録の決まりは、評定の適切な決め方を各学校が定めるとしています。観点ごとの評価や定期テスト、提出物をどうまとめて5や4にするかは、高校が決めた方法によります。同じ点数でも高校が違えば評定が違うことがあり、別の高校に通う友だちと数字を比べても、自分の位置はわかりません。

2つ目は、3年生の分がいつの成績で入るかです。卒業見込みの生徒で最終学年の成績がまだ決まっていないときは、その学年の直近の成績を総合し、高校が判定した成績を書く決まりです。この塾の案内でも、指定校推薦で見られる評定平均を、高1の1学期から高3の1学期までに付いた全教科の評定を積み上げた数として扱っています。ただし、前期・後期の2学期制の高校は区切りが違うので、自分の高校で何月の成績までが入るのかを先生に確かめてください。

3つ目は、評定の付かない科目の扱いです。総合的な探究の時間は、学習の様子を文章で書く別の欄に記録され、5段階の評定を足す計算には入りません。高校が独自に置く学校設定教科の科目のうち、数値の評価になじまないものは評定を付けない扱いが決まりで認められていて、どの科目がそれに当たるかは高校の教育課程で決まります。自分が受けている科目の中で、割る数に入らない科目がどれかを一度確かめておくと、計算のずれの元が一つ消えます。

4つ目は、概評の人数の数え方です。教育課程の違う類型がある学年は類型ごとに段階別の人数を数えるので、自分の学年が1つのまとまりで数えられているのか、類型ごとに分けられているのかで、調査書に並ぶ人数の顔ぶれが変わります。区切りの数字は決まっているので自分の段階は動きませんが、大学が読む人数の欄は、高校ごと、類型ごとに違う形になります。

5つ目は大学の側です。大学は重要と考える教科・科目を指定して、一定以上の評定を出願の条件にできます。指定校の条件が全体の学習成績の状況だけなのか、特定の教科の学習成績の状況にも数字が付いているのかは、大学ごと、学部ごとに違い、答えは自分の高校に届いた書類と一覧の条件欄にしかありません。「以上」の読み方のような細部も含め、条件の数字は一覧の原本で確かめてください。

自分の場合を知るために見る物は4つです。学年の評定が載った通知表か成績の一覧、校内の推薦の要項、指定校の一覧の条件欄、そして進路の先生との面談です。通知表の様式は高校ごとに違い、学期ごとの評価しか載っていないこともあるので、どの数字が学年の評定なのかを担任に確かめてから写し始めてください。

通知表3年分から、自分の数字を出す順番

電卓をたたく前に、紙を1枚用意します。順番を先に決めておけば、何度やり直しても同じ答えが出ます。

  1. 科目と学年のマス目を作る。縦に科目名、横に高1・高2・高3を書き、通知表から学年の評定を1マスに1つずつ写します。体育が3年続くなら体育の行に3つ、保健が2年なら保健の行に2つの数字が入ります。高3の列には、高校が使うと言った時点の数字を入れます。
  2. 個数を数える。数字の入ったマスを数えます。これが割る数です。空いているマスと、総合的な探究の時間のように評定の付かない欄は数えません。
  3. 学年ごとに合計してから、3年分を足す。いきなり全部を足すより、学年ごとの小計を作った方が、写し間違いに気づきやすくなります。
  4. 合計を個数で割る。
  5. 小数第2位を見て四捨五入する。第2位が5から9なら第1位を1つ上げ、0から4なら第2位より下を切り捨てます。
  6. 出た数字を概評の区切りに当てはめる。
  7. 個数と合計と答えの3つを紙に残して、面談に持っていく。

たとえば、高1で12個、高2で11個、高3で9個の評定があったとします。学年ごとに足すと次のようになります。

学年 評定の個数 評定の合計
高1 12 50
高2 11 47
高3 9 40
3年分 32 137

合計137を個数32で割ると4.28125です。小数第2位は8なので第1位を1つ上げ、全体の学習成績の状況は4.3になります。4.3は4.3から5.0の区切りの中にあるので、概評はAです。図2は、この流れを箱と矢印で並べたものです。

図2 評定を写してから概評の段階を出すまでの6つの手順

境目の近くでは、小数第2位の扱いが答えを分けます。同じ32個で合計が136なら、136÷32はちょうど4.25で、第2位の5を切り上げて4.3、概評はAです。合計が135なら4.21875で、第2位の1を切り捨てて4.2、概評はBに入ります。32個のうち1つの評定が1違うだけで、割り算の答えは1÷32、つまり0.03125動きます。自分の計算が4.25や3.45のような境目のすぐそばに出たときは、その答えで安心も落胆もせず、高校が出す数字を待ってください。

教科ごとの数字も同じ紙で出せます。たとえば国語の行に6個の評定があって合計が27なら、27÷6で4.5です。教科ごとの数字は、指定校の条件に教科の数字が書かれているときに、自分の数字と照らし合わせるために使います。

面談で先生の数字と違ったら、まず個数を比べます。先生の個数の方が多ければ、写し落とした科目があるか、学年をまたぐ科目をまとめて1つにしていないかを疑います。少なければ、評定の付かない科目まで数えていないか、同じ評定を2回写していないかを疑います。お子さまと一緒に数える保護者の方は、合計より先に個数を声に出して確かめてください。個数が合っていれば、残るのは足し算の確かめだけになります。

4単位を2倍にしない、体育を1つにまとめない

答えが揺れたら、次の4つの思い込みのどれかを疑ってください。どれも、要項の決まりに照らすとすぐに答えが出ます。

1つ目は「単位数の多い科目は重く数える」です。調査書の割り算に単位数は出てきません。たとえば、4単位の数学Ⅱが3、4単位の英語コミュニケーションⅡが4、2単位の音楽Ⅱが5だったとします。決まりどおりなら、3と4と5を足した12を3で割って4.0です。単位数を掛けて重みをつけると、38を10で割って3.8という別の数になりますが、これは調査書のどの欄にも出てこない数字です。

2つ目は「体育は3年間で1科目」です。図3のように、学年をまたぐ科目は学年ごとに1個です。体育を高1・高2・高3で学べば、割る数が3つ増え、足す数も3つ増えます。体育の評定がほかの科目より高い生徒が3つを1つにまとめて数えると、答えは本当の数字より低く出ます。

図3 割る数の数え方は単位数と関係なく、学年ごとに1個

3つ目は「教科ごとの数字を平均すれば全体の数字になる」です。たとえば、国語が評定6個で合計27(4.5)、数学が5個で合計16(3.2)、芸術が1個で5(5.0)だったとします。3つの教科の数字を足して3で割ると4.2333…で、四捨五入すると4.2です。ところが決まりどおり、評定の合計48を個数12で割ると4.0になります。教科の数字を平均すると、評定が1個しかない芸術が、6個ある国語と同じ重さで入ってしまうからです。

4つ目は「概評のAは学年の上から何番目までの生徒」です。概評は順位ではなく、決まった区切りによる段階です。同じまとまりの全員が4.3以上なら全員がAで、誰も4.3に届かなければAは0人です。何人がどの段階にいるかは、成績段階別人数として別に書かれます。

高校の先生に確かめる質問

面談には、マス目を書いた紙と、個数・合計・答えの3つを書いたメモを持っていってください。次の質問は、そのまま読み上げられる形にしてあります。

答えが先生の数字と食い違ったら、その場で個数から比べてもらうと、どのマスでずれたのかがすぐにわかります。数字が合ったら、紙の端に面談の日付を書いておくと、次に成績が変わったときの出発点になります。

個別指導で確かめること

塾では、通知表3年分のマス目を生徒と一緒に作り、個数と合計を別々の手で数え直して、先生の数字と食い違ったときの比べ方まで紙に残します。評定をどう上げるかの相談とは分けて、いまの数字を決まりどおりに読むところを先に済ませ、条件の数字に近い生徒ほど、面談に持っていける形に整えておきます。通知表の写し落としは、本人が何度足し直しても見えにくい種類の誤りなので、2人目の目が入ることに意味があります。

まとめ

評定平均は、通知表の評定の合計を評定の個数で割っただけの、ただ一つの商です。体育を学年ごとに3つ、4単位の科目を1つと数えたマス目の紙が1枚あれば、7月の夜に揺れていた電卓の答えは、面談で先生の数字と1マスずつ照らし合わせられる答えに変わります。割り算の答えが4.25ちょうどからAの側に入ることも、その紙の上なら自分の目で確かめられます。

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