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【地学基礎】日本の四季の天気を図解で総まとめ—気圧配置・前線・台風|武蔵野個別指導塾

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天気図がどれも同じ線の模様に見える人へ。4 つの季節の気圧配置を並べた図と、等圧線の読み取りや山越えの気温計算の例題で、雪も長雨も台風も理由から言えるようにしましょう。

よくあるのは、塾の教材棚の脇で、天気図のプリントを 4 枚抜き出したまま立ち止まる場面です。「高」と「低」の文字は読めます。等圧線も見えています。それなのに「これは何月の図か」と問われると、冬の 1 枚を除いて、どれも同じ線の模様に見えてしまいます。季節の名前と気圧配置の名前を別々に暗記したせいで、図と言葉がつながっていないのです。この単元を通ると、季節を当てるだけでは終わりません。なぜ日本海側に雪が積もるのか、なぜ 6 月の雨は何日も続くのか、なぜ台風は日本の近くで向きを変えるのか。そのどれもを、高気圧の位置と水蒸気の通り道で説明できるようになります。

この単元で押さえること

大気の大循環で学んだ偏西風や亜熱帯高圧帯がここで日本の季節の顔になり、この先の自然災害の単元で大雪・豪雨・高潮の話へつながります。

基本の考え方

天気図は 3 つの約束で読める

1 つ目の約束は等圧線です。天気図の線は気圧の等しい地点を結んだもので、1000 hPa を基準に 4 hPa ごとに細い線、20 hPa ごとに太い線を引きます。登山地図の等高線と同じ見方で、線が混み合うところは気圧の坂が急で、空気が勢いよく流れます。等圧線の間隔が狭いほど風が強いのはこのためです。

2 つ目の約束は高気圧と低気圧です。高気圧は周囲より気圧が高いところ、低気圧は周囲より気圧が低いところを指します。北半球の地表では、高気圧から風が時計回りに吹き出し、低気圧へは反時計回りに吹き込みます。高気圧の中心では下降気流が起きて雲が消えやすく、低気圧の中心では上昇気流が起きて雲ができやすくなります。晴れと雨の分かれ目は、この空気の上下の動きにあります。

3 つ目の約束は前線です。前線は性質の違う空気の境目が地表と交わる線で、三角が並ぶ寒冷前線、半円が並ぶ温暖前線、三角と半円が反対の向きに交互に並ぶ停滞前線、同じ向きに交互に並ぶ閉塞前線を見分けます。温帯低気圧は前線をともない、東側に温暖前線、西側に寒冷前線がのびます。

見慣れない 1 枚に出会ったら、高気圧と低気圧の位置、等圧線の向きと混み具合、前線の有無の順に見ると、読み落としが減ります。

季節の配置を決めるのは陸と海の差

砂浜の砂は夏の昼に素足で歩けないほど熱くなるのに、海の水はそこまで熱くなりません。陸は暖まりやすく冷えやすく、海は暖まりにくく冷めにくいのです。冬は大陸の空気が冷やされて重くなり、地表の気圧が高くなります。夏は大陸が暖まって気圧が下がり、海の上の高気圧が優勢になります。風は気圧の高いほうから低いほうへ向かうので、日本には冬と夏で向きの違う季節風が吹きます。

日本は世界最大の大陸の東の端にあり、世界最大の海の西の端にあり、しかも偏西風の吹く緯度にあります。大陸と海の押し合いと、西から東への流れ。四季の天気はこの 2 つの組み合わせで整理でき、それを 4 枚に並べたものが図1です。

図1 冬・春秋・梅雨・夏の気圧配置を並べた模式図

冬は西高東低で日本海側に雪が降る

図1の左上が冬です。大陸の奥で冷えた空気がシベリア高気圧をつくり、日本の東の海上には発達した低気圧があります。西に高気圧、東に低気圧なので西高東低と呼びます。等圧線は日本付近で南北に並んで混み合い、北西の季節風が強く吹きます。

シベリア気団の空気はもともと冷たく乾いています。ところが日本海を渡るあいだに、暖流の対馬海流が流れる海面から熱と水蒸気を受け取り、北西の風に沿った筋状の雲をつくります。この空気が本州の山脈にぶつかって上昇すると、日本海側に大雪を降らせます。山を越えて太平洋側へ下りるころには水蒸気を失っているので、関東平野などでは乾いた晴れの日が続きます。

春と秋は高気圧と低気圧が交互に通る

図1の右上が春と秋です。シベリア高気圧の勢いが弱まると、偏西風に流された移動性高気圧と温帯低気圧が、日本の上を西から東へ交互に通ります。天気が数日ごとに変わるのはこのためです。移動性高気圧に覆われた夜は雲がなく、地面の熱が宇宙へ逃げる放射冷却で強く冷え込むので、春には遅霜が農作物を傷めることがあります。

日本海を低気圧が進むと、そこへ向かって南から強い風が吹き込みます。立春から春分のころに初めて吹く強い南風が春一番です。秋には 9 月から 10 月ごろに秋雨前線が現れ、長雨のあとで移動性高気圧の澄んだ晴れの日が増えていきます。

梅雨は 2 つの高気圧のつり合いで続く

図1の左下が梅雨です。6 月から 7 月ごろ、北のオホーツク海高気圧がもつ冷たく湿った空気と、南の太平洋高気圧がもつ暖かく湿った空気の勢力がつり合い、その境目に東西に長い梅雨前線が居座ります。どちらも押し切れないので前線は動きにくく、雨の日が続きます。

太平洋高気圧が強まると前線は北へ押し上げられ、梅雨明けを迎えます。終わりごろには南から暖かく湿った空気が流れ込み、西日本を中心に集中豪雨が起こりやすくなります。北海道にはっきりした梅雨がないのは、前線が北上する途中で弱まることが多いからです。オホーツク海高気圧が強い年には、東北地方の太平洋側に冷たく湿った北東の風であるやませが吹き、低温と日照不足をもたらします。

夏は太平洋高気圧が日本を覆う

図1の右下が夏です。亜熱帯高圧帯の一部である太平洋高気圧が日本を覆い、南に高気圧、北に低気圧の南高北低になります。等圧線の間隔は広く、風は南東から弱く吹きます。海を渡ってきた空気は水蒸気をたっぷり含むので、気温だけでなく湿度も高くなります。下降気流のもとで晴れが続きますが、強い日射で地面が熱せられると積乱雲が発達し、午後に雷雨や夕立をもたらします。

台風は海の水蒸気で動く渦

台風は、北西太平洋または南シナ海にある熱帯低気圧のうち、最大風速が約 17 m/s 以上になったものです。海面水温が約 26〜27℃ 以上の熱帯の海で、水蒸気が凝結するときに放出する潜熱をエネルギーにして発達します。赤道のすぐ近くでは転向力が小さくて渦ができにくいので、生まれるのはそれより少し緯度の高い海です。

等圧線はほぼ同心円状で間隔が狭く、前線をともないません。ここが温帯低気圧との大きな違いです。中心には風の弱い目があり、その周りを積乱雲の壁が取り巻き、風は反時計回りに吹き込みます。進む向きは周りの大きな風に左右され、低緯度では貿易風に流されて西へ進み、太平洋高気圧の縁を回って北上し、中緯度で偏西風に入ると北東へ速度を上げます。8 月から 9 月ごろに日本へ近づくものが多いのは、この縁が日本の近くを通る時期だからです。

台風が海岸に近づくと高潮にも備えなければなりません。気圧が 1 hPa 下がると海面が約 1 cm 上がる吸い上げの効果に、強風が海水を岸へ押しつける吹き寄せの効果が重なるからです。

例題で解き方を確かめる

例題1 説明文から季節を見分ける

次のア〜エの説明は、それぞれどの季節の天気図でしょうか。

解き方は次のとおりです。

  1. 動かない前線を探します。停滞前線は 2 つの空気のつり合いを示す手がかりなので、イは梅雨と決まります。
  2. 等圧線の向きと混み具合を見ます。南北に混み合う線は強い北西の風を表すので、アは冬です。
  3. 残りは高気圧の動きで分けます。動かず大きく張り出す高気圧は夏を支配するものなのでウが夏、交互に通り過ぎるエは春か秋です。

答え: アは冬、イは梅雨、ウは夏、エは春または秋です。

例題2 等圧線の本数から気圧と風を読む

図2は、ある低気圧の周りの等圧線です。等圧線は 4 hPa ごとで、太線が 1000 hPa です。次の問いに答えてください。(1) 地点 A と地点 B の気圧はそれぞれ何 hPa ですか。(2) 風が強いのは地点 A の付近と地点 B の付近のどちらですか。(3) 地点 B ではどの向きから風が吹きますか。

図2 低気圧を囲む等圧線と気圧を読み取る地点 A・B

解き方は次のとおりです。

  1. 太線を起点に数えます。低気圧は外へ向かうほど気圧が高いので、1 本外へ出るごとに 4 hPa 足します。図2の A は太線から外へ 2 本目で 1000+4×2=1008 hPa、B は外へ 1 本目で 1000+4=1004 hPa です。
  2. 線の間隔を比べます。同じ 4 hPa の差が短い距離で起きるほど気圧の坂が急なので、間隔が B 付近の半分ほどしかない A 付近のほうが風は強くなります。
  3. 低気圧の風の回り方を地点に当てはめます。反時計回りに吹き込むので、東側の B では北へ向かう流れに中心へ向かう西向きの流れが加わり、空気は北西へ動きます。風向は吹いてくる側で呼ぶので、南東の風です。

答え: A は 1008 hPa、B は 1004 hPa、風が強いのは A の付近、B の風は南東から吹きます。

例題3 冬の季節風の山越えを計算する

図3のように、北西の季節風が高さ 1500 m の山脈を越えます。日本海側のふもと(高さ 0 m)で 2℃ の空気が斜面を上り、高さ 500 m で雲ができ始め、山頂まで雪を降らせながら上昇します。山頂を越えると雲は消え、太平洋側のふもと(高さ 0 m)まで下ります。乾燥断熱減率を 1℃/100 m、湿潤断熱減率を 0.5℃/100 m として、山頂と太平洋側のふもとの気温を求めてください。

図3 季節風の山越えと高さごとの気温を示した断面図

解き方は次のとおりです。

  1. 雲ができる前は乾燥断熱減率を使います。水蒸気が凝結しておらず潜熱が出ないからです。500 m 上がると 5℃ 下がるので、2-5=-3℃ です。
  2. 雲の中は湿潤断熱減率を使います。凝結で出る潜熱が空気を暖め、冷え方が小さくなるからです。残りの 1000 m で 5℃ 下がるので、-3-5=-8℃ です。
  3. 下りは再び乾燥断熱減率を使います。雲が消えて水の状態変化が起きないからです。1500 m 下がると 15℃ 上がるので、-8+15=7℃ です。

答え: 山頂は -8℃、太平洋側のふもとは 7℃ です。

同じ高さ 0 m で比べると、山を越えた空気は 5℃ 暖かく、しかも水蒸気を雪として落としてきています。日本海側の雪と太平洋側の乾いた晴れは、この 3 行の計算で 1 本につながります。

例題4 台風の動きと衰え方を説明する

台風が日本付近で進路を北東へ変えて速くなる理由と、上陸すると勢力が弱まる理由を、それぞれ 1〜2 文で述べてください。

解き方は次のとおりです。

  1. 進路の理由は、台風を流す風を考えます。台風は周りの大きな風に運ばれるので、日本付近の緯度に何の風が吹いているかを書けば答えになります。
  2. 弱まる理由は、エネルギー源を考えます。発達の力は水蒸気の潜熱なので、上陸によって何が絶たれるかを書きます。
  3. 答案は原因から結果の順に並べます。理由を問う論述では「なぜ」が先に読める形のほうが、因果の取り違えが見つけやすいからです。

答え: 日本付近は偏西風の吹く緯度にあたるので、台風は偏西風に流されて北東へ速く進みます。上陸すると海からの水蒸気の補給が絶たれ、地表との摩擦も加わるので弱まります。

まちがえやすいところと直し方

高気圧を数字で決めてしまう

誤った書き方は「高気圧は 1013 hPa より気圧の高いところ、低気圧は 1013 hPa より気圧の低いところである」です。

どこが違うかというと、高気圧と低気圧は周囲との比較で決まります。1013 hPa は地表の気圧の平均的な目安で、境界線ではありません。1008 hPa の高気圧や 1016 hPa の低気圧が天気図に現れることもあります。例題2のように、見るべきなのは数字の大きさより、周りと比べて中心が高いか低いかです。

正しい書き方は「高気圧は周囲より気圧の高いところ、低気圧は周囲より気圧の低いところである」です。

雪の水蒸気をシベリアから運ばせてしまう

誤った書き方は「シベリア高気圧から吹く湿った季節風が、日本海側に雪を降らせる」です。

どこが違うかというと、シベリア高気圧の空気は冷たく乾いていて、雪のもとになる水蒸気をほとんど持っていません。水蒸気の出どころは日本海です。暖流が流れる海面と極端に冷たい空気の組み合わせで、海から盛んに水蒸気と熱が供給されます。図1の冬と図3の断面を続けて見ると、乾いた空気が海で湿り、山で雪を落とし、また乾いて太平洋側へ出ていく順序がつかめます。

正しい書き方は「シベリア高気圧から吹く冷たく乾いた季節風が、日本海で水蒸気を受け取り、山脈にぶつかって上昇し、日本海側に雪を降らせる」です。

台風が高気圧に向かって進むと考えてしまう

誤った書き方は「台風は太平洋高気圧に引き寄せられて北上し、進行方向の左側で風が強い」です。

どこが違うかというと、2 か所あります。高気圧は下降気流の場で、台風はその中へ入っていかず、図4の左のように縁をなぞって進みます。また、図4の右のように、進行方向の右側では反時計回りの風と台風の進む向きがそろって風が強まり、左側では打ち消し合って弱まります。たとえば台風自身の風が 40 m/s、進む速さが 10 m/s なら、単純に足し引きした模式の計算で右側は 50 m/s、左側は 30 m/s になります。

図4 太平洋高気圧の縁を回る台風の進路と風が強い側

正しい書き方は「台風は太平洋高気圧の縁に沿って北上し、偏西風に入ると北東へ進む。風は進行方向の右側で強い」です。

用語のまとめ

テストの前に、まずこの表で季節と配置の組を確かめてください。

季節 天気図の形 主な高気圧 風と天気
冬 西高東低・等圧線が南北に混む シベリア高気圧 北西の季節風・日本海側は雪・太平洋側は晴れ
春と秋 高気圧と低気圧が交互に並ぶ 移動性高気圧 西から東へ通過・天気が数日ごとに変わる
梅雨 東西に長い停滞前線 オホーツク海高気圧と太平洋高気圧 雨が続く・末期に集中豪雨
夏 南高北低・等圧線の間隔が広い 太平洋高気圧 南東の弱い風・蒸し暑い晴れ・午後の積乱雲

用語は次の 1 行ずつで言えるようにしておきましょう。

練習問題

練習1 次の (1)〜(4) に当てはまる語を答えてください。(1) 冬の日本海に現れる、風の向きに並んだ雲の形。(2) 梅雨前線の北側にある、冷たく湿った空気をもつ高気圧。(3) 東シナ海や日本の上を西から東へ高気圧を運ぶ風。(4) 水蒸気の凝結で放出され、台風のエネルギー源になる熱。

練習2 等圧線が 4 hPa ごとで、太線が 1000 hPa の天気図があります。太線から高気圧の中心へ向かって 3 本目の線の上にある地点 X と、太線から低気圧の中心へ向かって 4 本目の線の上にある地点 Y の気圧をそれぞれ求め、その差を答えてください。

練習3 中心気圧が 960 hPa の台風が、周囲の気圧が 1010 hPa の海上にあります。吸い上げの効果だけを考えると、台風の中心付近の海面は周囲よりおよそ何 cm 高くなりますか。

練習4 春に天気が数日ごとに変わりやすい理由を、「偏西風」「移動性高気圧」「温帯低気圧」の 3 語を使って説明してください。

答えと解説

練習1の答えは、(1) 筋状の雲、(2) オホーツク海高気圧、(3) 偏西風、(4) 潜熱です。(2) は太平洋高気圧と取り違えやすいので、冷たいほうが北と覚えるより、北の海の上の空気だから冷たくて湿っている、と場所から考えると崩れません。

練習2の答えは、X が 1012 hPa、Y が 984 hPa、差は 28 hPa です。高気圧へ向かうと足し、低気圧へ向かうと引きます。1000+4×3=1012、1000-4×4=984 で、差は 7 本ぶんの 4×7=28 と数えても同じ値になります。

練習3の答えは、約 50 cm です。周囲との気圧差は 1010-960=50 hPa で、1 hPa につき約 1 cm 上がるので約 50 cm と求めます。実際の高潮にはこれに吹き寄せの効果が加わり、湾の奥ではさらに高くなることがあります。

練習4の答えの例は「偏西風に流されて移動性高気圧と温帯低気圧が西から東へ交互に通過するので、晴れと雨が数日ごとに入れ替わるから」です。3 語がそれぞれ、運ぶもの、晴れをもたらすもの、雨をもたらすものとして役割を持っていれば正解です。

次の単元へのつながりと確かめ方

ここで読めるようになった天気図は、自然災害の単元で、大雪や集中豪雨や高潮がどの配置で起こるのかを考える足場になります。

家での確かめは 5 分で足ります。ひとつは、その日の天気図で高気圧と低気圧を指さし、自分の住む場所の風向きを予想してから窓の外で答え合わせをすることです。もうひとつは、白紙に日本の略図を 4 つ描き、冬・春秋・梅雨・夏の高気圧と低気圧と前線だけを何も見ずに書き込み、図1と見比べることです。

個別指導では、等圧線の数え方で止まるなら高気圧と低気圧の風の回り方まで戻り、山越えの計算で止まるなら断熱変化と潜熱まで戻って確かめます。

まとめ

冬の雪も梅雨の長雨も夏の蒸し暑さも、日本の真上だけで起きているのではなく、大陸と海のあいだの押し合いの結果として届いています。高気圧の場所と水蒸気の通り道を指で追えるようになれば、4 枚の天気図はもう同じ模様ではありません。等圧線を読めるようになった日から、朝の空は予報の確認ではなく、自分の読みの答え合わせに変わります。

読んで終わりにするか、ここから変えるか。

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