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【地学基礎】太陽のつくりを図解で総まとめ—核融合・黒点・プロミネンス・コロナ|武蔵野個別指導塾

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約 4000 K の黒点はなぜ暗く見えるのか。層ごとの温度の折れ線図と、フレアの光と粒子の到着時間を比べる計算で、太陽の層と活動を取り違えない力をつけましょう。

よくあるのは、放課後の廊下の掲示板の前で足が止まる場面です。理科のお知らせに貼られた太陽の写真に黒い点が並び、横に「黒点 約 4000 K」と書いてあります。友だちに「黒いってことは冷えているんだよね」と言われてうなずきかけたものの、4000 K は鉄が溶ける温度よりずっと高いと気づいて、言葉に詰まってしまいます。その下には、太陽のいちばん外側にあるコロナが 100 万 K 以上とあり、中心から遠いのになぜ熱いのかで、もう一度止まります。

太陽のつくりを学ぶと、中心部・光球・彩層・コロナを温度で説明でき、黒点・プロミネンス・フレアを場所と起こり方で見分けられるようになります。さらに、太陽の爆発が何分後、何日後に地球の通信やオーロラに現れるかを、距離と速さから自分で計算できるようになります。

この単元で押さえること

銀河系の無数の恒星のうちいちばん身近な 1 つの中身を調べるのがこの単元で、次に学ぶ太陽系の惑星や地球が受け取るエネルギーの話は、すべてこの星を出発点にしています。

基本の考え方

太陽は燃えているのではなく、核融合で光っている

太陽は半径約 70 万 km、地球の約 109 倍もある高温のガスの球です。原子の数でいうと水素が約 92%、ヘリウムが約 8% を占めていて、固い地面はありません。「太陽が燃えている」という言い方をよく聞きますが、炭が酸素と結びついて熱を出すような燃焼では、約 46 億年も輝き続けるだけのエネルギーをまかなえません。

エネルギーを生み出しているのは、中心部で起こる核融合です。中心部は約 1600 万 K で圧力も非常に高く、水素の原子核どうしが激しくぶつかって合体します。全体としては、4 個の水素原子核から 1 個のヘリウム原子核ができる反応で、このとき質量が約 0.7% 減ります。減った質量がエネルギーに変わるので、水素 1 kg が反応すれば、約 7 g 分の質量が光と熱になる計算です。この反応が中心部で途切れることなく続いているから、太陽は光り続けていられます。

生まれたエネルギーは、太陽の内部を長い時間をかけて外へ運ばれ、最後は表面の光球から光として宇宙へ出ていきます。図1は、太陽を真っ二つにしたときの様子を模式的に描いたものです。層の厚さは見やすいように誇張してあり、実際の比とは違います。

図1 太陽の断面と層ごとの温度(厚さは誇張した模式図)

光球・彩層・コロナの 3 つの層

図1で中心部から外へ進むと、まず光球に出ます。光球は厚さ数百 km ほどの薄いガスの層で、半径約 70 万 km の太陽から見れば、ミカンの皮よりはるかに薄い層です。表面には粒状斑という、1 個が約 1000 km の細かいつぶつぶの模様が見えます。これは下から熱いガスが上がり、冷えて沈むという対流の跡で、みそ汁を温めたときに下から湧き上がってくる模様と同じしくみです。黒点の周りなどに見える、光球より少し温度が高くて明るい部分は白斑とよばれます。

光球のすぐ外には、厚さ数千 km、約 1 万 K の彩層があります。さらにその外側に、太陽の半径の何倍にも広がるコロナがあり、温度は 100 万 K 以上に達します。どちらも光球の光が強すぎてふだんは見えませんが、皆既日食で月が光球をすっぽり隠すと、縁に赤みを帯びた彩層と、白く広がるコロナが現れます。コロナはガスの密度が非常に小さいため、温度が高くても出す光は弱いのです。X 線で観測すると、太陽全体を包むコロナの姿をとらえられます。

温度を中心から順に追うと、約 1600 万 K から光球の約 5800 K までは下がり、そこから彩層、コロナと外へ行くほど上がります。なぜコロナがこれほど高温になるのかは、太陽の磁場が関わると考えられていますが、くわしいしくみはまだ解明の途中です。テストで問われるのは理由よりも、この温度の並びだと考えてください。

黒点と約 11 年の活動周期

黒点は光球にできる暗い斑点で、温度は約 4000 K です。周りの光球より約 1800 K 低いために、比べると暗く見えます。黒点の部分には非常に強い磁場があり、この磁場がガスの対流をさまたげて、内部からの熱が届きにくくなっているのです。多くは 2 つが対になって現れ、地球より大きなものも珍しくありません。

黒点の位置を毎日記録していくと、太陽の表面を少しずつ移動していくのが見えます。これは太陽が自転している証拠です。自転の周期は赤道付近で約 25 日、極に近いところでは約 30 日以上と、緯度によって違います。固い球なら全体が同じ周期で回るはずなので、この違いは太陽がガスの球であることを物語っています。また、黒点は太陽の縁に近づくほど細く見えるので、太陽が球形であることも読み取れます。

黒点の数は約 11 年の周期で増えたり減ったりします。数が多い時期を極大期、少ない時期を極小期といい、極大期にはフレアなどの活動も盛んになります。黒点の数は、太陽の活発さをはかるものさしとして使えるのです。

プロミネンス・フレア・太陽風

プロミネンス(紅炎)は、彩層からコロナの中へ立ちのぼる約 1 万 K のガスのかたまりで、磁場に支えられてアーチや雲のような形で浮かんでいます。太陽の縁からはみ出して見え、皆既日食のときには赤く輝きます。形を変えながら数日から数か月続くものもあります。

フレアは、黒点の近くで磁場にたまったエネルギーが一気に解放される爆発です。数分から数時間のうちに彩層やコロナの一部が急に明るくなり、X 線や紫外線、高速の粒子が放出されます。プロミネンスが「浮かんでいるガス」、フレアが「突然の爆発」と、見ているものの種類が違う点に注意してください。

太陽風は、コロナのガスが電気を帯びた粒子(主に陽子と電子)の流れとなって、秒速数百 km で宇宙空間へ吹き出しているものです。フレアのときだけでなくいつも吹いていて、太陽が活発なときに強まります。

地球への影響は、届く速さで 2 段階に分けるとすっきりします。フレアの X 線や紫外線は光の速さで約 8 分 20 秒で届き、昼側の電離層を乱して短波の通信障害を起こします。これがデリンジャー現象です。一方、粒子の流れはずっと遅く、多くは数日かけて届きます。地球の磁場は粒子の多くをはね返しますが、強い流れが届くと地球の磁場が乱れる磁気嵐が起こり、人工衛星や送電設備に障害が出ることもあります。高緯度の上空に入り込んだ粒子が大気の原子や分子にぶつかって光るのが、オーロラです。

例題で解き方を確かめる

例題1 用語の見分け

次のア〜エにあてはまる語を、黒点・プロミネンス・フレア・コロナから 1 つずつ選びなさい。

  1. 「どの層の話か」に線を引きます。光球面と書いてあるアは黒点に決まるので、場所の手がかりを先に使うと候補を減らせるからです。
  2. 「いつもあるのか、突然起こるのか」を確かめます。ウの「突然」はフレアだけの特徴で、時間の手がかりは他の語と重なりにくいからです。
  3. 残ったイとエを温度で分けます。約 1 万 K と 100 万 K 以上は 100 倍以上も違い、コロナの中に浮かぶプロミネンスのほうが低温だと決められるからです。

答え: ア 黒点、イ プロミネンス、ウ フレア、エ コロナ

例題2 グラフの読み取り

図2は、黒点の数の変化を模式的に表したグラフです。次の問いに答えなさい。

図2 黒点の数が約 11 年の周期で増減する様子の模式グラフ
  1. 山の頂上の真下にある横軸の目盛りを読み、5 年目、16 年目、27 年目と書き出します。増えている途中を比べるより、頂上どうしのほうが読み取りのぶれが小さいからです。
  2. 隣どうしの差をとり、16 − 5 = 11、27 − 16 = 11 と計算します。差を 2 か所で調べれば、1 か所の読み違いに気づけるからです。
  3. 5 年目は極大、10 年目は極小に近いので、(2) は 5 年目のころを選びます。黒点の数が多い時期ほど、太陽の活動は活発だからです。
  4. 27 + 11 = 38 と計算します。問題文の「同じ変化が続く」という条件を、そのまま周期の足し算に使えるからです。

実際の太陽では周期は毎回ぴったり 11 年ではなく、山の高さも回ごとに違います。図2はしくみを見やすくした模式図なので、覚えるときは「約」をつけてください。

答え: (1) 11 年、(2) 5 年目のころ、(3) 38 年目

例題3 到着時間の計算

太陽でフレアが起こりました。太陽から地球までを 1.5 億 km、X 線の速さを光と同じ 30 万 km/s、地球へ向かう粒子の速さを 500 km/s とします。X 線と粒子が地球に届くまでの時間を、それぞれ求めなさい。

図3のように、同じ爆発から出たものでも、種類によって地球へ届く時間が大きく違います。

図3 フレアの光と粒子が地球へ届くまでの時間の差
  1. 距離の単位を km のまま使います。速さが km/s なので、距離を速さで割った答えがそのまま秒になるからです。
  2. X 線の時間を、150000000 ÷ 300000 = 500 秒と求めます。時間は距離を速さで割れば出るからです。
  3. 500 秒を分に直します。500 ÷ 60 は 8 余り 20 なので 8 分 20 秒です。太陽の光も同じ時間がかかるので、数値を覚えておくと検算に使えるからです。
  4. 粒子の時間を、150000000 ÷ 500 = 300000 秒と求めます。計算のしかたは X 線と同じだからです。
  5. 300000 ÷ 3600 で約 83 時間、83.3 ÷ 24 で約 3.5 日と直します。秒のままでは長さの見当がつかず、答えが妥当かどうかを判断できないからです。

光が届いて爆発がわかってから粒子が来るまでに数日の間があるので、人工衛星の運用などで備える時間をとれます。現実の粒子の速さは時によって変わるので、テストでは問題文の値で計算してください。

答え: X 線は 8 分 20 秒、粒子は約 3.5 日

例題4 理由の論述

「黒点は光を出していないので黒く見える」という説明は誤りです。黒点が暗く見える理由と、温度が低くなる理由を合わせて、2 文で説明しなさい。

  1. 数値を確かめます。黒点は約 4000 K、周囲の光球は約 5800 K です。論述は事実を先に固めると、書く順番がぶれなくなるからです。
  2. 「暗い」を比較の言葉に直し、「周囲の光球より」を入れます。暗いというのは周りと比べた話で、黒点だけを取り出せば明るく光るからです。
  3. 温度が低い原因を「磁場」と「対流」の 2 語で書きます。「磁場が強い」だけでは、熱が運ばれにくいという結果につながらないからです。

答え: 黒点は約 4000 K の高温で光を出しているが、周囲の光球(約 5800 K)より温度が低いので暗く見える。黒点では強い磁場が対流をさまたげ、内部からの熱が運ばれにくいため温度が低くなる。

まちがえやすいところと直し方

黒点は光っていないと書いてしまう

誤った書き方: 「黒点は温度が低く、光を出していないので黒く見える」

どこが違うか: 「低い」は周りの光球と比べた話です。約 4000 K のガスは強く光っていて、まぶしい光球が背景にあるから黒く見えるにすぎません。昼間の屋外では懐中電灯をつけても光が目立たないのと、似た関係です。

正しい書き方: 「黒点は約 4000 K で光を出しているが、周囲の光球(約 5800 K)より低温なので暗く見える」

太陽は外へ行くほど低温だと思い込む

誤った書き方: 「中心から離れるほど温度が下がるので、コロナの温度は光球より低い」

どこが違うか: 中心部から光球までは確かに下がりますが、光球の外では逆に上がります。図4は層ごとの温度を並べたもので、縦軸は 1 目盛りごとに 10 倍になっています。折れ線が光球で底を打ち、コロナへ向けて大きく立ち上がる形を、そのまま覚えてください。また、コロナの高温は核融合のせいではありません。核融合が起こるのは中心部だけなので、「コロナでも核融合が起きている」と書くのは誤りです。

図4 中心部からコロナまでの温度の変化(縦軸は 10 倍ごとの目盛り)

正しい書き方: 「温度は中心部の約 1600 万 K から光球の約 5800 K まで下がり、彩層の約 1 万 K、コロナの 100 万 K 以上と再び上がる」

黒点が多いと太陽は弱っていると考える

誤った書き方: 「黒点が多い時期は暗い部分が増えるので、太陽の活動は弱まる」

どこが違うか: 話が逆です。黒点は磁場の強い場所にできるので、黒点が多い時期ほど磁場の活動が盛んで、フレアも多く起こります。太陽全体が出すエネルギーも、黒点の極大期にはごくわずかに増えます。黒点の周りの白斑も増えるためで、暗い部分の分だけ単純に引き算して考えてはいけません。

正しい書き方: 「黒点が多い極大期ほど太陽の活動は活発で、フレアや磁気嵐が起こりやすい」

用語のまとめ

用語 意味 押さえる点
核融合 水素原子核 4 個からヘリウム原子核 1 個ができる反応 質量が約 0.7% 減りエネルギーになる
中心部 核融合が起こる太陽の中心 約 1600 万 K
光球 太陽の表面として見えている層 約 5800 K
粒状斑 光球に見えるつぶつぶの模様 対流の跡
黒点 光球にできる暗い斑点 約 4000 K・強い磁場
白斑 光球に見える明るい部分 光球より少し高温
彩層 光球のすぐ外の層 約 1 万 K・皆既日食で赤く見える
コロナ 彩層の外に広がる希薄なガス 100 万 K 以上・X 線で観測
プロミネンス(紅炎) 磁場に支えられて浮かぶガス 約 1 万 K
フレア 黒点の近くで起こる爆発 X 線や粒子を放出
太陽風 コロナから流れ出す粒子の流れ 秒速数百 km・陽子と電子
活動周期 黒点の数の増減のくり返し 約 11 年
デリンジャー現象 フレアの X 線による短波の通信障害 昼側で起こる・約 8 分 20 秒後
磁気嵐 粒子の流れによる地球の磁場の乱れ 数日後に起こる
オーロラ 粒子が大気にぶつかって光る現象 高緯度の上空

練習問題

練習1 次の部分を温度の高い順に並べなさい。光球、黒点、コロナ、中心部、彩層

練習2 太陽の像を紙に映すと直径 10 cm の円になり、その中の黒点の長さは 2 mm でした。太陽の直径を 140 万 km として、黒点の実際の長さを求めなさい。また、それは地球の直径(約 1.28 万 km)の約何倍ですか。

練習3 赤道付近の黒点が、太陽の表面を 1 日に 14.4° ずつ移動しました。地球の公転の影響は考えないものとして、太陽の自転周期を求めなさい。

練習4 コロナは光球よりはるかに高温なのに、ふだん見ることができないのはなぜですか。また、どのようなときに見ることができますか。

答えと解説

練習1の答えは、中心部、コロナ、彩層、光球、黒点の順です。数値は順に約 1600 万 K、100 万 K 以上、約 1 万 K、約 5800 K、約 4000 K で、外側のコロナが 2 番目に来る点が最大の山場になります。

練習2の答えは、約 2.8 万 km で、地球の直径の約 2.2 倍です。10 cm は 100 mm なので、像の上で黒点は太陽の直径の 2 ÷ 100 = 0.02 倍です。実際の長さも同じ割合になるので 140 万 km × 0.02 = 2.8 万 km で、2.8 ÷ 1.28 は約 2.2 です。cm と mm をそろえてから割るところで、よく桁を誤ります。

練習3の答えは 25 日です。1 周 360° を 1 日の移動量で割り、360 ÷ 14.4 = 25 となります。実際に地球から観測すると、地球も同じ向きに公転しているので、見かけの周期はこれより少し長くなります。

練習4の答えは、ガスの密度が非常に小さく、出す光が光球に比べてきわめて弱いため、光球の強い光にまぎれて見えないからです。皆既日食で月が光球を隠したときに見られます。「温度が高い」と「明るく見える」は別の話だと分けて書けるかどうかが、この問題の分かれ目です。

次の単元へのつながりと確かめ方

太陽からの距離で惑星の姿が変わる話は太陽系の単元で、地球の位置で受ける太陽定数の約 1.37 kW/m² は太陽放射の単元で使います。オーロラが光る上空は、大気の構造で学ぶ熱圏にあたります。

家で 5 分でできる確かめ方の 1 つ目は、白紙に同心円を 4 つ描いて、何も見ずに層の名前と温度を書き込むことです。2 つ目は、黒点・プロミネンス・フレアを「どこで、どんなふうに」の形で 1 文ずつ声に出して説明することです。保護者の方がお子さまに「なぜ黒いの」と 1 つ聞くだけでも、理解の穴が見えてきます。なお、太陽を肉眼や望遠鏡で直接見ると目を傷めるので、絶対にしないでください。

個別指導では、例題3のような計算で止まったときは距離・速さ・時間と単位の直し方まで、温度の順で止まったときは図1の層の並びまで戻って確かめます。

まとめ

掲示板の写真の黒い点を指して、「あそこは約 4000 K あって、周りが約 5800 K だから暗いだけ」と言えたなら、太陽の見た目にはもうだまされません。黒い場所も高温で、いちばん外のコロナは表面の 100 倍をこえる温度で、爆発の知らせは光と粒子で別々に届きます。太陽では、目に映る印象と数字がたびたび食い違います。約 4000 K のガスを黒く見せてしまうほどの光が、今この瞬間も 8 分 20 秒かけて地球へ届いています。

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