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【地学基礎】海洋の構造と海流を図解で総まとめ—水温躍層・塩分・表層循環・深層循環|武蔵野個別指導塾

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水温のグラフのどこが躍層か、なぜ赤道より亜熱帯の海が塩辛いのか。塩分の計算、北太平洋の環流の図の読み取り、深層循環の論述まで、例題4問で手を動かせば迷いが消えます。

よくあるのは、夕食を待つ台所のテーブルでワークを開いたまま、海の水温のグラフの前で鉛筆が止まる、という場面です。コンロの鍋がことこと音を立てるそばで、設問は「水温躍層はどの深さか」と聞いてきます。曲線が途中でぐっと折れているのは見えるのに、どこからどこまでを指せばよいのか自信が持てません。その前の問いでは「暑い赤道の海がいちばん塩辛い」と書いて、赤ペンで直されたばかりです。

けれども、その鍋が大きなヒントになります。鍋は下から温めるので中身がすぐに混ざり、海は太陽に上から温められるので混ざりません。この一点を押さえると、水温の 3 つの層、風が動かす表層の海流、重さの差が動かす深層循環が一本の話としてつながります。読み終えるころには、水温のグラフを読み取り、塩分を計算し、海水が沈み込む理由を自分の言葉で説明できるようになります。

この単元で押さえること

前の単元で学んだ貿易風と偏西風が表層の海流を動かす出発点になり、次の単元のエルニーニョは、ここで学ぶ風と海水温の関係が変化した姿として読めます。

基本の考え方

海水にとけているものと塩分

海は地球の表面の約 70% を占め、平均の深さは約 3700 m です。半径約 6400 km の地球から見ると、その約 1700 分の 1 しかない薄い水の膜です。この薄い膜に地球の水の約 97% が集まり、決まった形の層と流れをつくっています。

海水 1 kg を煮詰めると、約 35 g の塩類が残ります。塩類の質量が海水全体の質量に占める割合を塩分といい、次の式で求めます。

塩分(%) = 塩類の質量(g) ÷ 海水の質量(g) × 100

35 ÷ 1000 × 100 = 3.5 ですから、海水の塩分は約 3.5% です。千分率で書くと約 35‰ で、問題文にはどちらの形でも出てきます。台所の感覚でいえば、みそ汁の塩分がおよそ 1% なので、海水はその 3 倍以上の濃さです。

塩類 塩類全体に占める割合
塩化ナトリウム 約 78%
塩化マグネシウム 約 10%
硫酸マグネシウム 約 6%
硫酸カルシウム 約 4%
塩化カリウム 約 2%

ここで覚えておきたいのは、塩分は場所によって少し変わるのに、表の割合は世界中でほぼ同じという事実です。海水は長い時間をかけて世界をめぐり、塩類の割合がそろっているからです。塩分が変わるのは、塩類が増減するからではなく、水が出入りするからです。蒸発で水が抜けると塩分は上がり、雨や川の水、とけた氷が入ると下がります。海氷ができるときは、塩類の大部分が氷に入らず海水に残るので、周りの塩分が上がります。外洋の海面の塩分は、おおよそ 3.3〜3.7% の範囲です。

鍋は混ざり、海は層になる

鍋を火にかけると、底で温まった水が軽くなって上がり、上の冷たい水が下りてきて、中身はすぐに混ざります。海はこの逆です。太陽の光は海面に近いところでほとんど吸収されるので、海は上から温められます。温かく軽い水が上に、冷たく重い水が下にあるので、そのままでは上下が入れ替わりません。地面に下から温められてよく混ざる大気の対流圏とも、ちょうど反対の関係です。

図1のように、海は水温の変わり方で 3 つの層に見分けられます。縦軸は下へ行くほど深く、赤い線が低緯度、紺の線が高緯度の海です。

図1 低緯度と高緯度の水温の鉛直分布と海洋の 3 つの層

図1の赤い線は、海面の約 26℃ から深さ 1000 m の約 5℃ まで大きく下がります。一方の紺の線は海面でも約 4℃ しかなく、深層との差がわずかなので、水温躍層がはっきりしません。高緯度の海は上から冷やされていて、冷えて重くなった海面の水が沈みやすい状態にあります。上から冷やすことは下から温めることと同じ向きの混ざり方を生むので、鍋に近いのはむしろ高緯度の海です。この性質が、あとで出てくる沈み込みにつながります。

風が動かす表層の海流

海流とは、ほぼ決まった向きに流れ続ける海水の大きな流れのことです。表層の海流を起こす主な力は海上の風で、低緯度では貿易風が海面を西へ、中緯度では偏西風が海面を東へ押します。押された海水は大陸にぶつかって向きを変え、地球の自転の影響(転向力)も受けながら、大洋全体をめぐる大きな輪になります。この輪が環流で、風が起こす表層の流れ全体を表層循環とよびます。

亜熱帯の環流は、北半球では時計回り、南半球では反時計回りです。北半球の亜寒帯の海には、これとは逆の反時計回りの環流もあり、親潮はその一部です。周りより温かい海水の流れを暖流、冷たい海水の流れを寒流といい、おおまかには低緯度から高緯度へ向かう流れが暖流、その逆が寒流です。

日本の近くでは、南岸を北東へ進む黒潮が代表的な暖流です。速いところで約 1〜2 m/s と流れが強く、栄養塩が少なくて透明度が高いので、海の色が濃い藍色に見えます。黒潮から枝分かれした対馬海流は日本海へ入ります。千島列島に沿って南下する親潮は寒流で、栄養塩が豊富なためプランクトンがよく育ちます。この 2 つが出会う三陸沖の混合域が好漁場になるのは、親潮の栄養で育つプランクトンのもとに、暖流と寒流の両方の魚が集まるからです。黒潮のように大洋の西側を流れる海流は、幅が狭く速いという特徴があります。海流の配置は、次の節の図2で確かめます。

重さの差で動く深層循環と熱の輸送

深層の海水も止まっているわけではありません。ただし、動かしているのは風ではなく、海水の密度の差です。海水の密度は約 1.02〜1.03 g/cm³ で、水温が低いほど、塩分が高いほど大きくなります。グリーンランド近海の北大西洋と南極大陸の周辺では、海水が強く冷やされ、海氷ができるときに塩類が海水に残るので、とくに重い海水が生まれて深層へ沈み込みます。沈んだ海水は海底付近を進んで世界の海へ広がり、ゆっくりと上昇して表層へ戻ります。これが深層循環で、1 周に 1000 年以上かかります。道すじは次の節の図3に描いてあります。

海流は熱の運び手でもあります。地球全体で見ると、低緯度は受け取る熱が余り、高緯度は足りません。この過不足をならしているのが大気と海洋で、暖流は余った熱を高緯度へ運び、寒流は冷たい水を低緯度へ運びます。水は比熱が大きく、温まりにくく冷めにくいので、多くの熱を抱えたまま遠くまで届けられます。北緯約 51 度のロンドンのほうが北緯約 43 度の札幌より冬の平均気温が高いのは、北大西洋海流とその上を吹く偏西風が熱を運んでくるからです。

例題で解き方を確かめる

読み取り、計算、論述の順に 4 問を解きます。答えを見る前に、手順の理由まで自分で言えるかを確かめてください。はじめの例題では、北太平洋の海流の配置を図で確かめます。図2は表層の海流と風を、実際の経緯度に合わせて描いた模式図で、赤が暖流、紺が寒流、灰色の矢印が風です。

図2 北太平洋の表層の海流と風の向きを示した模式図

例題1 図2から環流の向きと海流の種類を読み取る

図2について答えてください。(1) 日本の南岸を北東へ進む海流の名前と、暖流か寒流かの別。(2) 千島列島に沿って南西へ下る海流の名前と、栄養塩の特徴。(3) 亜熱帯環流の回る向き。

  1. 凡例で色の意味を確かめます。名前の暗記だけに頼らず色で裏づけると、黒潮と親潮の取り違えを防げるからです。
    1. と (2) は矢印が緯度のどちらへ向かうかを見ます。低緯度から高緯度へ向かう流れが暖流、その逆が寒流という関係で、色の読み取りを確かめられるからです。
  2. (3) は北赤道海流から矢印を順にたどります。西へ(北赤道海流)、北へ(黒潮)、東へ(北太平洋海流)、南へ(カリフォルニア海流)と進むので、上から見て時計回りです。輪を 1 周すれば、暗記に頼らず図だけで向きが決まります。
  3. 同じ図で風の矢印も見ます。低緯度の貿易風が西へ、中緯度の偏西風が東へ押す向きが環流の向きと一致すれば、海流が風で起こるという説明の裏づけになるからです。

答え: (1) 黒潮・暖流 (2) 親潮・栄養塩が豊富 (3) 時計回り

例題2 図1の曲線から水温躍層の急さを計算する

図1の低緯度の赤い線には、深さ 100 m、1000 m、2000 m に丸い印があります。(1) それぞれの水温は約何℃ですか。(2) 100 m から 1000 m までと 1000 m から 2000 m までで、深さ 100 m あたりの水温の下がり方を求め、前者が後者の約何倍かを答えてください。

  1. 軸を確かめます。上の軸が水温、左の軸が深さで、下へ行くほど深くなります。ふつうのグラフと縦の向きが逆なので、最初に確かめないと読み違えるからです。
  2. 印から真上の水温の軸へ目を移します。点線が 5℃ ごとに入っているので、点線を基準にすれば約 26℃、約 5℃、約 3℃ と読めます。
  3. 下がった水温を深さの差で割ります。2 つの区間は厚さが違うので、下がった量だけでは急さを比べられないからです。(26 − 5) ÷ 900 × 100 より約 2.3℃/100 m、(5 − 3) ÷ 1000 × 100 より 0.2℃/100 m です。
  4. 割り算で倍率を出します。2.33 ÷ 0.2 は約 12 です。数値にすると、グラフの折れ目が「急に下がる層」の意味だと確かめられます。大気の対流圏の気温減率が約 0.65℃/100 m ですから、水温躍層の下がり方はその 3 倍以上です。

答え: (1) 約 26℃・約 5℃・約 3℃ (2) 約 12 倍

例題3 蒸発と雨で塩分がどう変わるかを計算する

塩分 3.5% の海水 1000 g について答えてください。(1) 塩類の質量と、そのうちの塩化ナトリウムの質量。(2) 水だけが 100 g 蒸発したときの塩分。(3) もとの海水に雨水が 100 g 加わったときの塩分。(2) と (3) は小数第 1 位まで求めます。

  1. 塩類の質量を先に出します。1000 × 0.035 = 35 g です。蒸発しても雨が降っても塩類の質量は変わらないので、ここを動かない基準にするためです。塩化ナトリウムは 35 × 0.78 で約 27 g です。
  2. (2) は分母を直します。海水全体が 1000 − 100 = 900 g に減るので、35 ÷ 900 × 100 より約 3.9% です。全体が減ることを見落とすと、割合が変わらないように見えてしまうからです。
  3. (3) も分母を直します。海水全体は 1000 + 100 = 1100 g なので、35 ÷ 1100 × 100 より約 3.2% です。
  4. 結果を地球の上に置いて確かめます。蒸発の多い亜熱帯で塩分が上がり、雨の多い赤道付近で下がるという分布と向きがそろっていれば、計算の筋が通っていると判断できるからです。

答え: (1) 塩類 35 g・塩化ナトリウム 約 27 g (2) 約 3.9% (3) 約 3.2%

例題4 海水が沈み込む場所の理由を説明する

図3は、深層循環の道すじを 1 本の帯に伸ばして描いた模式図です。図3のように、沈み込みが起こるのは北大西洋と南極周辺で、低緯度の海ではありません。

図3 沈み込みから上昇までの深層循環の流れを示す模式図

海水が深層へ大規模に沈み込む海域が高緯度に限られる理由を、「密度」「海氷」の語を使って 60 字程度で説明してください。

  1. 密度を決める 2 つの量を書き出します。沈むかどうかは周りとの重さの比べ合いで決まり、重さを決めるのは水温と塩分だからです。
  2. 図3の沈み込みの場所に 2 つの量を当てはめます。高緯度では海水が冷やされて水温が下がり、海氷ができると塩類が海水に残って塩分が上がります。北大西洋には、亜熱帯で塩分の高くなった水が北へ運ばれてきて冷やされるという事情も重なります。
  3. 反例として低緯度の海を考えます。亜熱帯の海面は塩分が高いのに、水温も高くて軽いままなので沈みません。反例まで確かめると、水温の低さが欠かせない条件だとわかるからです。
  4. 原因から結果の順に 1 文にまとめます。論述では、因果の順にたどれる文のほうが条件の抜けに自分で気づけるからです。

答え: 高緯度の海は冷やされて水温が下がり、海氷ができると塩類が残って塩分も高まるので、密度が大きくなって沈むから。

まちがえやすいところと直し方

誤り1 塩分は赤道で最も高いと書く

誤った書き方: 「海面の塩分は、暑くて蒸発のさかんな赤道付近で最も高い。」

どこが違うか: 塩分を決めるのは暑さそのものではなく、蒸発で出ていく水と雨で入ってくる水の差です。赤道付近は蒸発も多いものの、上昇気流で雲ができて雨がそれ以上によく降ります。図4のように、塩分の山は赤道ではなく、下降気流で晴れて雨の少ない亜熱帯にあります。高緯度で低いのは、蒸発が少ないうえに、川の水や氷のとけた水が入るためです。

図4 緯度ごとの海面の塩分のようすを示したグラフ

正しい書き方: 「海面の塩分は、蒸発が多く雨の少ない亜熱帯で最も高く、雨の多い赤道付近ではやや低く、高緯度ではさらに低い。」

誤り2 水温躍層を水温が一定の層と書く

誤った書き方: 「水温躍層は水温がほぼ一定の層で、世界中の海に同じようにある。」

どこが違うか: 水温がほぼ一定なのは表層混合層で、深層も変化はわずかです。水温躍層はその 2 つにはさまれた、水温が急に変わる層で、名前の「躍」がその意味を示しています。また、図1の紺の線のように、高緯度では海面と深層の水温の差が小さいので、水温躍層ははっきりしません。「どの海にも同じようにある」とは言えないのです。

正しい書き方: 「水温躍層は、表層混合層と深層の間で深さとともに水温が急に下がる層で、低緯度でははっきりしているが、高緯度でははっきりしない。」

誤り3 深層の海水も風に押されて流れると書く

誤った書き方: 「海流はすべて風で起こるので、深層の海水も風に押されて流れている。」

どこが違うか: 風が海水を直接動かせるのは表層に限られ、深さ数千 m の海水には届きません。深層循環を動かすのは、水温と塩分が決める密度の差です。速さもまったく違い、黒潮は速いところで約 1〜2 m/s ですが、深層循環は 1 周に 1000 年以上かかります。動かす力を取り違えると、なぜ沈み込む場所が高緯度に限られるのかも説明できなくなります。

正しい書き方: 「表層の海流は主に海上の風で起こり、深層循環は高緯度で沈み込む重い海水がつくる密度の差で起こる。」

用語のまとめ

テスト前に、右の説明を隠して語の意味を言えるかを試してください。

語 意味
塩類 海水にとけている物質。最も多いのは塩化ナトリウムで約 78%
塩分 海水の質量に対する塩類の質量の割合。約 3.5%(約 35‰)
表層混合層 海面から約 100 m まで。風と波で混ざり水温がほぼ一定
水温躍層 約 100 m から約 1000 m まで。深さとともに水温が急に下がる
深層 約 1000 m より深い。水温が低く、ほとんど変わらない
海流 ほぼ決まった向きに流れ続ける海水の大きな流れ
環流 風と陸地の配置でできる、大洋全体をめぐる輪。亜熱帯では北半球が時計回り、南半球が反時計回り
表層循環 風が起こす表層の流れ全体
暖流・寒流 周りより温かい流れと冷たい流れ。暖流はおおむね高緯度へ、寒流は低緯度へ向かう
黒潮 日本の南岸を北東へ進む暖流。流れが速く、栄養塩が少ない
親潮 千島列島に沿って南下する寒流。栄養塩が豊富
混合域 黒潮と親潮が出会う三陸沖の海域。好漁場になる
沈み込み 冷やされて密度が大きくなった海水が深層へ降りること。北大西洋と南極周辺で起こる
深層循環 沈み込んだ海水が深層を進み、ゆっくり上昇して戻る流れ。1 周に 1000 年以上
熱の輸送 大気と海洋が低緯度の余った熱を高緯度へ運ぶこと

練習問題

練習1 次の文のうち、正しいものを 1 つ選んでください。

練習2 塩分 3.4% の海水 500 g があります。(1) 含まれる塩類は何 g ですか。(2) 水だけが蒸発して塩分が 3.6% になったとき、蒸発した水は約何 g ですか。

練習3 黒潮の流れを 1.5 m/s として、1 日に進む距離は約何 km ですか。また、深層の海水が仮に 1000 年かけて 2 万 km 進むとすると、1 日に進む距離は約何 m ですか。黒潮の距離は深層の約何倍ですか。

練習4 低緯度と高緯度の熱の過不足を、海流がどのようにならしているかを、「暖流」「寒流」の語を使って 50 字程度で説明してください。

答えと解説

練習1の答えはウです。アは塩化ナトリウムが正しく、イは割合がほぼ一定なので誤りです。エは南半球なら反時計回りです。亜熱帯環流の向きは、北半球と南半球で逆になると覚えておくと、エのような文にだまされません。

練習2の答えは (1) 17 g、(2) 約 28 g です。塩類は 500 × 0.034 = 17 g で、蒸発しても変わりません。17 g が 3.6% にあたる海水全体は 17 ÷ 0.036 より約 472 g ですから、500 − 472 で約 28 g の水が抜けたことになります。動かないのは塩類の質量だと気づけば、例題3と同じ考え方で解けます。

練習3の答えは約 130 km、約 55 m、約 2400 倍です。1 日は 86400 秒なので、1.5 × 86400 = 129600 m です。深層は 20000000 m を 1000 × 365 日で割って約 55 m です。129600 ÷ 54.8 は約 2400 です。同じ海の水でも、表層と深層では動く速さがこれほど違います。

練習4の答えの例は、「暖流が低緯度の余った熱を高緯度へ運び、寒流が冷たい水を低緯度へ運ぶことで、過不足をならしている。」です。暖流だけを書くと半分の説明になるので、寒流の役割まで入れてください。

次の単元へのつながりと確かめ方

次の単元のエルニーニョとラニーニャでは、太平洋の貿易風の強さが変わると海水温の分布がどう変わるかを学びます。図2の風の矢印と図1の水温の層が、そのまま土台になります。地球環境の単元でも、海が熱を運び蓄えるという見方が再び出てきます。

家で試すなら、5 分あれば次の 2 通りが手軽です。ひとつは、白い紙に水温と深さの軸だけを引き、低緯度と高緯度の曲線、3 つの層の名前と深さを何も見ずに描いて、図1と見比べる方法です。もうひとつは、コップのぬるま湯に、氷水へ塩と食紅を溶かした色水をスプーンで静かに落とす方法です。色水が底へ沈んで広がるようすは、密度の差で起こる沈み込みと同じしくみです。保護者の方は、夕食の支度の横でお子さまと試しながら、「鍋は混ざるのに、なぜ海は混ざらないの」とたずねてみてください。

個別指導では、曲線が読めないときは大気の層のグラフの読み方まで、環流の向きで止まるときは貿易風と偏西風の向きまで戻って確かめます。塩分の計算で止まるときは、割合の式そのものまで戻ることもあります。

まとめ

水温のグラフの折れ目も、黒潮の向きも、北大西洋の水が沈む理由も、暗記の欄に並べると別々の事実に見えます。けれども、太陽は海を上から温め、風は海面だけを押し、冷えて重くなった水だけが底へ降りていきます。そう見れば、どれも同じ一つの海の出来事です。鍋の中身は数分で入れ替わるのに、海の底の水が海面へ戻るには 1000 年以上かかります。違いは、火が下にあるか上にあるか、それだけです。

読んで終わりにするか、ここから変えるか。

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