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国立高校の令和9年度入試|自校作成問題の一般入試と小論文の推薦|武蔵野個別指導塾
国語・数学・英語の自校作成問題と7:3の配点を確かめ、推薦の小論文で扱われた文章読解や数理的な課題から、読解と計算過程の説明を家庭の練習に取り入れる道筋を示します。

国立高校の令和9年度入試|自校作成問題の一般入試と小論文の推薦
夜の数学のノートから、入試の仕組みを確かめる
よくあるのは、夜の数学のノートを前に、お子さまが「国立高校を考えているけれど、自校作成問題はどう準備すればよいのだろう」と手を止める場面です。保護者も、通知表をどこまで意識するのか、推薦を受けるなら文章を書く練習だけでよいのか、気になることが続くかもしれません。
最初に整理したいのは、問題を作る学校と、得点を組み立てる方法は別の確認事項だということです。自校作成という言葉から当日の試験だけを考えると、調査書が総合得点に入ることを見落とします。また、小論文という名称だけから、意見を長く書く試験を思い浮かべると、過去に出された数値や図表を扱う課題が視野に入りません。
ここでは国立高校の令和9年度の一般入試と推薦を分け、配点、過去の課題、家庭での準備の順に確かめます。志望校名を口にできた今、すぐに受験の結論を出す必要はありません。何を調べ、どの答案を見直すかまで具体的にすると、親子の話し合いを次の学習につなげられます。

自校作成の3教科と7:3の総合得点
国立高校普通科の令和9年度の一般入試は、国語・数学・英語・社会・理科の5教科です。学力検査と調査書の比率は7:3で、学力検査が700点、調査書が300点です。面接と実技検査はありません。一般入試の準備では、5教科の答案と調査書に用いる評定を、それぞれ確かめることになります(都教委, 令和9年度『普通教育を主とする学科』6 頁)。
このうち国語・数学・英語は自校作成問題です。5教科すべてが自校作成という意味ではありません。国立高校の試験を調べるときは、問題冊子の学校名だけでなく、年度と教科も確かめておきましょう。国語・数学・英語について学校の問題に取り組むことと、社会・理科を含む5教科全体の学習を進めることを、同じ予定表に載せてください(都教委, 令和9年度『自校作成校一覧』1 頁)。
自校作成という名称そのものは、個々の問題で何につまずくかまでは教えてくれません。実際の答案を見て、国語なら設問が求める内容を取り違えたのか、本文の根拠を拾えていないのかを分けます。数学なら条件を書き出したところで止まったのか、式は立ったが計算を誤ったのかを残します。英語なら文のつながりを追えなかった箇所と、知っている語を読み違えた箇所を区別します。これは問題の出題傾向を決めつけずに、手元の課題を探す方法です。
総合得点は、最初に学力検査と調査書をそれぞれの配点に直して合計し、そこへESAT-Jの点を加えます。学力検査と調査書の合計が1000点満点、ESAT-Jを含めた総合得点が1020点満点です。換算内申で1倍にする評定は、自校作成の国語・数学・英語だけでなく社会・理科を含む5教科分です。残り4教科の評定には2倍の重みを付け、9教科を合わせて65点満点にします。ESAT-Jの評価が1段階下がるごとに4点減り、Aの20点がFでは0点になります(都教委, 令和9年度『実施要綱』18-19 頁)。
ここで、換算内申65、5教科の素点合計475点、ESAT-JがAの場合を一度計算してみます。学力検査の素点合計は500点満点なので、700点満点への換算は「475 / 500 * 700 = 665点」です。調査書点は「65 / 65 * 300 = 300点」となります。両者を足すと「665 + 300 = 965点」で、ESAT-Jの20点を加えた総合得点は「965 + 20 = 985点」です。
この985点は、ここに置いた条件を配点に当てはめた計算結果です。受験の目標値を示すための数字ではありません。例に使った換算内申と学力検査の得点を、ご家庭の判断基準としてそのまま使わず、どの数字がどの配点に直されているかを読んでください。素点合計、換算内申、総合得点では満点が違うため、メモには点数だけでなく名称も添えておくと混乱を防げます。
また、4教科の評定を2倍する処理は、換算内申を作る段階の決まりです。その後に65点満点の値を300点満点の調査書点へ直します。通知表の評定をそのまま当日の素点合計に足すわけではありません。親子で計算を確認するときは、評定を書き写す欄と換算した点を書く欄を分け、元の数字へ戻って確認できるようにしておきましょう。
配点を理解したら、学習の予定に戻ります。自校作成の問題を解く日にも、共通問題で使う知識の復習が予定に残っているかを見渡します。今週の提出課題、理解が止まっている単元、時間内に解き直したい問題を並べて、何から着手するかを決めます。社会・理科を後回しにしていないかも確認してください。自校作成の3教科に目が向くときほど、入試で扱う5教科の一覧を手元に置く意味があります。
推薦の小論文と、問い続ける生徒への期待
令和9年度の推薦は募集人員の20%で、調査書450点、個人面接150点、小論文300点です。調査書は評定を用います。一般入試の700点と300点の組み合わせとは別に、推薦の配点を書き留めてください。推薦を考えるときは、調査書に関わる日々の学習、個人面接で説明する自分の経験、小論文で文章や条件を読み取る練習を、それぞれ準備の対象にできます(都教委, 令和9年度『普通教育を主とする学科』6 頁)。
過去のテーマは、次の出題を当てる材料ではなく、どんな作業を求められたのかを知る材料として読みます。以下の令和4年度から令和8年度の5年分は、いずれも小論文です。文章について考える課題と、数値や規則を扱う課題の両方に目を向けてみましょう。
令和4年度の小論文では、哲学と科学に関わる2つの文章を読み、空欄に入る語句を答え、一方の筆者の考えをもう一方の筆者がどう捉えるかを説明する課題がありました。また、空気の組成や酸素ボンベなどの説明を読み、表やグラフを基に、酸素の分圧、圧力と空気の体積の関係、水深ごとの観察時間とその理由を答える課題もありました。文章だけを追うのでなく、説明文と表・グラフを行き来して条件を確かめる内容です(都教委, 令和4年度『推薦の小論文・作文テーマ一覧』15 頁)。
令和5年度の小論文では、利他に関する2つの文章が扱われました。自分の経験などに基づいて考えを説明する課題に加え、小説に描かれた場面を説明する課題があります。さらに、ピアノの弦の振動を扱う対話文から、振動数の比とその理由を答えたり、ある音を出すための弦の条件と求める過程を説明したりする課題が出ています。自分の経験を述べる解答と、与えられた条件から数理的に説明する解答を区別して読む必要があります(都教委, 令和5年度『推薦の小論文・作文テーマ一覧』18 頁)。
令和6年度の小論文は、近代化に伴う教育制度の変化を読んで、一斉授業へ転じた経緯、近代と前近代の学校の違い、一斉授業の課題について答える内容でした。別の課題では、対話文に示されたRSA暗号の仕組みに基づいて必要な数値や暗号化された数値を求め、数学が社会の安全性に役立つ例と、その関わりを述べています。説明された仕組みを読み取って使う作業と、社会との関係を言葉にする作業が含まれています(都教委, 令和6年度『推薦の小論文・作文テーマ一覧』15 頁)。
令和7年度の小論文では、アフリカの農業に関する文章から、ルワンダでバナナを優先して植える理由や、生産の上限を社会関係が規定する理由を説明しています。文章に共通する主旨を挙げ、理解しがたいことに直面した際の捉え方と行動をまとめる課題もありました。また、カードを使う作業の説明を読み、18枚の場合と300枚の場合について最後に残る番号を求め、300枚の場合には解答に至る過程も説明する内容でした(都教委, 令和7年度『推薦の小論文・作文テーマ一覧』17 頁)。
令和8年度の小論文では、食の分野におけるAIの創造性と、技術革新が利益追求と結びつくことへの懸念を読み取り、AI活用の是非を自分の立場と反対意見を示して論じています。容器と水を扱う課題では、3dLと12dLの容器で残せる水量の列挙、3dLと11dLの容器で7dLを残す操作の説明、3dLと100dLの容器で1から100dLまでの整数の水量を残せる根拠の説明が求められました(都教委, 令和8年度『推薦の小論文・作文テーマ一覧』16 頁)。
この5年分から準備するなら、読み取った内容、自分の考え、答えに至る手順を分けて書く練習が考えられます。筆者の説明を求める問いに自分の感想だけを返していないか、数値を答えて終わり、理由を落としていないかを確認しましょう。扱われた分野の名称を覚えるだけでは、設問が要求する説明を用意したことにはなりません。練習では、書き始める前に、答えるべきことを短い言葉で余白に置いてみてください。
学校が示す令和9年度の期待は、Critical Thinking、Creative Thinking、Collaborationの3つのCを柱にしています。情報をそのまま受け入れず本質を考え、自分や他者の知識をつないで新しい発想を生み、協働して弱みを補い強みを伸ばそうとする姿です。原文の「自ら問いを立て」と「粘り強く考えようとする」という言葉を、ご自身の学習経験に照らして読むと、抽象的な標語で終わらずに考えられます(都教委, 令和9年度『期待する生徒の姿』13 頁)。
たとえば面接の準備では、何かを達成したという結果に加え、どんな疑問を持ち、どこで考え直したのかを振り返れます。他の人の意見で自分の考えが変わった経験なら、その前後を具体的に話せるか確かめます。学校の言葉を丸ごと覚えるより、自分が実際にした行動と結びつけて整理してみましょう。これは面接の採点基準を示すものではなく、自分の経験を誇張せず説明するための準備です。

国立の令和4-8年度の応募記録を、自校作成の答案とは別に見る
一般の第一次募集・分割前期の最終応募倍率は、令和4年度が1.65倍、令和5年度が1.47倍、令和6年度が1.56倍、令和7年度が1.53倍、令和8年度が1.31倍です。それぞれの年度における募集人員に対する応募人員の割合として読みます(都教委, 令和4-8年度『最終応募状況』各3 頁)。
これらは、同じ国立高校という学校名の下に並ぶ数字でも、年度が異なる応募状況です。令和8年度の値を令和9年度の欄へ書き移すことはできません。保護者がお子さまに数字を伝えるときも、「国立の倍率は」と単独で言わず、「令和8年度の一般の最終応募倍率は」と、年度と選抜の種類を添えてください。数字をメモするなら、倍率だけでなくこの名称まで一緒に残すのがおすすめです。
この並びからは、過去の各年度にどの程度の応募があったかを確かめられます。一方、倍率から個人の得点や答案の内容はわかりません。1つの倍率をお子さまの答案評価へ置き換えず、応募状況の確認と学習の振り返りを別々に扱いましょう。
また、ここに示したのは一般の応募倍率です。推薦の準備について話しているときに、この数字をそのまま推薦の倍率として使わないよう注意してください。入試の情報を家族で共有する際は、配点のメモにも倍率のメモにも選抜の名称を付けておくと、話の対象がそろいます。小論文について調べた日に一般の倍率を見た場合でも、同じ選抜の情報としてまとめないことが必要です。
過去の倍率を見直す時間を設けたら、その後に何を決めるかも考えておきます。出願の話し合いなら確認した年度をそろえ、学習の話し合いなら手元の答案を開きます。数字を何度見ても、解き直す問題の優先順位は自動では決まりません。倍率を見たことで生じた心配は言葉にしつつ、今夜取り組む内容は、実際に読めなかった文や説明できなかった手順から選んでください。
中1から中3まで、手元の記録を準備につなげる
中1のうちは、通知表を受け取るたびに、各教科の評定と学習の振り返りを並べるところから始められます。数値だけを眺めて終えるのではなく、授業で理解しきれなかった内容、提出した課題への指摘、次の授業までに聞きたいことを確かめます。評価について疑問があれば、学校の先生に具体的に尋ねられるよう整理しておきましょう。将来の換算を急ぐ前に、今の学習の中で直せる点を言葉にすることが先です。
中2では、5教科の学習記録を、単元名とつまずきの内容で残す方法が使えます。数学で解説を読むと理解できる問題も、翌日に自力で式を立てられるか確かめてください。国語や英語では、答えを覚えているだけにならないよう、本文のどこを根拠にしたかを説明します。社会・理科も、用語を言えることと、問題文の条件に合わせて使えることを分けて確認します。中3で復習箇所を選ぶ際に、教科名だけの苦手意識より具体的な記録が役立ちます。
中3で一般入試の準備を進めるときは、問題を解いた日、年度、教科、使った時間、止まった箇所を残します。解答後には、見直しで直せた誤りと、説明を読んでも理解できなかった点を分けてください。自校作成問題に取り組んだ結果も、合計点だけで結論を出さず、次にどの単元へ戻るかまで決めます。解き直しでは答えの再現だけでなく、最初に読み落とした条件を自分で拾えるかを見ます。
評定を整理する時期には、5教科と残る4教科を書き分け、転記の誤りがないかを本人と確認します。当日点の見直しとは別の作業として、計算に使った評定がいつのものかも添えておきましょう。途中の試算を更新するときに、古い評定と新しい答案の得点が混ざっていないかを確かめられます。数字を一度作って終わりにせず、元になった記録をたどれる形にしておくことが目的です。
ESAT-Jに向けた日々の練習では、英語の文を読めるかだけでなく、実際に声に出して意味を伝えられるかを確認します。短い問いに答えて録音し、言いたかった内容が最後まで言えているかを聞き直す方法もあります。言葉が出なかった箇所は、使いたかった表現を調べてもう一度話します。結果を受け取ったら、評価の記号と総合得点に加える点を区別して記録し、一般入試の試算に反映してください。
推薦を検討する中3のご家庭は、書類の準備と小論文の練習を分けて進めると整理しやすくなります。必要書類や提出の手順は、中学校や高校からの案内に沿って確かめます。自分で書く内容については、出来事、そこで考えたこと、自分が取った行動を順にメモしてください。中1・中2でも、学習や協働の中で考えが変わった経験を短く残しておけば、後から思い出す手掛かりになります。
文章を整える際は、保護者がもっともらしい表現を先に用意するのではなく、お子さまに具体的な行動を尋ねてみましょう。「工夫した」と書いたなら、何を変えたのか。「協力した」と書いたなら、誰かの意見をどう取り入れたのか。本人が説明できる範囲で言葉を選びます。小論文の練習ではこれとは別に、資料に書かれたことと自分の主張を混ぜていないかを点検します。自分の経験を語る準備と、初めて読む資料に答える準備には、それぞれ確かめる点があります。
国立の自校作成問題を含む5教科の得点がそろったら、評定の記録とともに試算へ進めます。各校の比率に対応する塾の計算用の道具には、次の名前が付いています。
「武蔵境から通える都立高校の入試方法と総合得点の試算」
志望する気持ちを、次に確かめる問いへ
国立高校の入試を考える入口は、自校作成問題という言葉への印象だけではありません。一般の5教科と7:3の配点、推薦の調査書・個人面接・小論文を分けて知ることで、用意するものが具体的になります。過去の小論文に文章読解と数理的な説明があることも、練習内容を考える手掛かりです。
ご家庭だけでは学習の優先順位を整理しにくいときは、通知表と解き終えた答案を手元に、武蔵野個別指導塾の入塾前カウンセリングで今の課題をご相談ください。
受けたい気持ちを大切にしながら、今日読めなかった一文、説明が途切れた手順を確かめていきましょう。志望校の名前だけで、お子さまの途中の答案を見切りません。
参考文献
- 東京都教育委員会 令和9年度『東京都立高等学校入学者選抜実施要綱』18-19頁。
- 東京都教育委員会 令和9年度『普通教育を主とする学科』6頁。
- 東京都教育委員会 令和9年度『第一次募集・分割前期募集における学力検査問題を自校で作成する高校一覧』1頁。
- 東京都教育委員会 令和4・5・6・7・8年度『東京都立高等学校入学者選抜における推薦に基づく選抜で実施した小論文・作文、実技検査のテーマ等一覧』順に15・18・15・17・16頁。
- 東京都教育委員会 令和9年度『期待する生徒の姿(全日制課程)』13頁。
- 東京都教育委員会 令和4・5・6・7・8年度『最終応募状況 / 普通科(コース・単位制以外)』各3頁。
学校ごとの比率で総合得点を試算するには「武蔵境から通える都立高校の入試方法と総合得点の試算」を、7対3の学校の計算だけなら「都立高校入試 総合得点計算機」を使えます。
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