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水の自由研究—とける量、浮き沈み、表面張力|武蔵野個別指導塾

水50gに食塩は約18g、砂糖は100g以上とけます。とける量、浮き沈み、表面張力の3つの入口から、変える条件を1つに絞る手順と記録の表、密度の数直線を使ったまとめ方を載せています。
水の自由研究は、入口を 3 つのどれかに決めると、その日のうちに測り始められます。
| 入口 | 変える条件の例 | 測る物 | かかる日数 |
|---|---|---|---|
| とける量 | 水の温度、水の量、とかす物の種類 | とけ残るまでに入った重さ(g) | 1〜2 日 |
| 浮き沈み | 水に入れる塩や砂糖の量、水の温度 | 浮くか沈むか、重さと体積 | 1〜2 日 |
| 表面張力 | 水の温度、塩や砂糖の有無、落とす高さ | 1 円玉にのる水滴の数、浮いた枚数 | 半日 |
どの入口でも、道具は家の台所にある物で足ります。計量カップ、はかり、小さじ、スポイトかストロー、1 円玉、食塩と砂糖、そしてコップを 5 つほど並べられる食卓があれば始められます。
よくあるのは、8 月の終わりの夕食のあと、食卓にコップを 5 つ並べて、それぞれに塩を小さじで 1 杯、2 杯、3 杯と入れていったら、どこから白いつぶが底に残るのかを家族で見ているという場面です。4 杯目で底に残り、「なぜ 3 杯まではとけたのに 4 杯目は残るのか」と誰かが聞きます。この「どこまで」という境目を探すことが、水の自由研究の芯です。境目を数字で書けた研究は、読む人にとっても自分にとっても、おもしろい物になります。
テーマの選び方
水の自由研究は、「水そのもの」を調べると広すぎて手が止まります。図1のように、とける量・浮き沈み・表面張力の 3 つのどれかを選び、その中で「変える条件」を 1 つに絞ると、やることが一本の線になります。

「とける量」は、決まった量の水に、食塩や砂糖がどこまでとけるかを探すテーマです。教科書では、20 ℃ の水 100 g に食塩は約 36 g、砂糖は約 204 g とけると習います。この数字を知ったうえで、自分の台所の水で本当にそうなるのかを確かめる研究は、中学生にも高校生にも向いています。変える条件は、水の温度(冷蔵庫の水、水道の水、ぬるま湯)、水の量(25 g、50 g、100 g)、とかす物の種類(食塩、砂糖、重そう)のどれか 1 つにします。
「浮き沈み」は、物が水に浮くか沈むかを、重さと体積から考えるテーマです。水 1 mL は約 1 g です。同じ体積で水より重い物は沈み、軽い物は浮きます。これを密度と言い、1 cm³ あたりの重さ(g)で表します。氷の密度は約 0.92 g/cm³ なので水に浮き、海水は約 1.03 g/cm³ なので、真水より物を浮かせる力が少し強くなります。塩をとかして水を重くすると、沈んでいた卵が浮き上がることがあり、その境目を探すのが定番です。小学校高学年から中学生に向いています。
「表面張力」は、水の表面が薄い膜のようにふるまう性質を調べるテーマです。1 円玉は純アルミニウムで、密度は約 2.7 g/cm³ と水より重いのに、水面にそっと置くと浮くことがあります。コップのふちより上に水が盛り上がっても、こぼれずに保たれるのも同じ性質です。1 円玉の上に水滴を何滴のせられるかを数えるだけで研究になるので、低学年でも取り組めます。
3 つの中からどれを選ぶかは、「測る物が数字になるか」で決めると迷いません。とける量なら g、浮き沈みなら g と mL、表面張力なら滴の数と枚数です。数字で記録できる物を選べば、表とグラフが自然に描け、考察も書きやすくなります。
進め方
ここでは「とける量」を中心に手順を書き、浮き沈みと表面張力は変える条件と測る物のところだけ違いを示します。どの入口でも、手順は「そろえる、変える、測る、記録する」の 4 つです。
用意するもの
- 計量カップ(mL の目盛りつき)とはかり(1 g 単位で測れる物)
- 同じ大きさのコップを 5 つ以上
- 小さじ(5 mL)と、かき混ぜる棒
- 食塩(精製したさらさらの物)と上白糖
- 温度計(料理用で足ります)
- 記録する紙と鉛筆
小さじ 1 杯は、精製した食塩で約 6 g、上白糖で約 3 g と言われます。ただし、すり切りの具合で 1 g 近く変わるので、できればはかりで量って記録します。はかりが無いときは、すり切りを毎回同じ人が同じやり方で行い、「小さじ何杯」で記録して構いません。
手順(とける量)
- コップに水を 50 g(50 mL)入れます。温度計で温度を測って書きます。
- 食塩を小さじ 1 杯入れ、30 秒かき混ぜます。とけ切ったら、次の 1 杯を入れます。
- 1 分かき混ぜても底に白いつぶが残ったら、そこで止めます。入れた杯数と重さを書きます。
- 同じことを、砂糖でも行います。砂糖は何杯も入ることになるので、途中であきらめずに数え続けます。
- 水の温度を変えて、2 から 4 をくり返します。冷蔵庫で冷やした水(5 ℃ 前後)、水道の水(夏なら 25 ℃ 前後)、給湯器のぬるま湯(40 ℃ 前後)の 3 つで十分です。やかんや電子レンジでお湯を作るときは、やけどをしないよう大人と一緒に行います。
水 50 g のときの目安は、20 ℃ で食塩が約 18 g、砂糖が約 102 g です。小さじに直すと、食塩はおよそ 3 杯、砂糖はおよそ 34 杯です。食塩が 3 杯で止まったあと、砂糖が 30 杯を超えてもまだとけていく様子を目で見ると、「とける量は物によってこんなに違う」ということが、数字と一緒に残ります。これはあくまで目安で、実際には 1〜2 杯ずれることが多いので、自分の数字を信じて書きます。
水の温度を上げたときの変わり方も、食塩と砂糖で大きく違います。図2のように、水 50 g にとける量は、食塩が 20 ℃ で約 18 g、60 ℃ で約 19 g と、ほとんど変わりません。砂糖は 20 ℃ で約 102 g、60 ℃ で約 144 g と、40 g 以上増えます。家庭で 60 ℃ の水を扱うときは、必ず大人と一緒に行い、コップは耐熱の物を使います。40 ℃ のぬるま湯でも差は出るので、低学年は 40 ℃ までにしておきます。

浮き沈みの手順
浮き沈みは、「水に入れる塩の量」を変える条件にするのがいちばん進めやすい形です。コップに水を 200 g 入れ、生卵を 1 個そっと入れます。真水では沈むことが多いです。そこへ食塩を小さじ 1 杯ずつとかし、卵が浮き上がる杯数を記録します。水 200 g に食塩 20 g をとかすと、濃さは約 9 % です。40 g なら約 17 % です。多くの場合、濃さが 1 割を超えたあたりで卵が底を離れ始めます。どの杯数で浮いたかが、その卵の密度の境目を表します。
野菜や果物で試すなら、浮くか沈むかの前に、重さと体積を測ります。重さははかりで、体積は計量カップに水を入れて物を沈め、水位が何 mL 上がったかで測ります。たとえば重さ 160 g の物で水位が 150 mL 上がれば、密度は 160 ÷ 150 で約 1.07 g/cm³ となり、1 より大きいので沈むと予想できます。重さ 250 g で水位が 300 mL 上がれば約 0.83 g/cm³ で、浮くと予想できます。予想を先に書いてから水に入れ、合っていたかを記録します。刃物で切って半分にすると結果が変わることがあるので、切るときは大人と一緒に行います。
表面張力の手順
1 円玉を平らな皿の上に置き、スポイトかストローで水を 1 滴ずつ落とし、水がこぼれるまでの滴数を数えます。同じ 1 円玉で 5 回行い、平均を取ります。変える条件は、水の温度(冷水とぬるま湯)、食塩や砂糖をとかした水、落とす高さ(1 cm と 5 cm)のどれか 1 つです。表面張力は水の温度が高いほど小さくなることが知られていますが、スポイトから出る 1 滴の大きさも温度で変わるので、滴数が増えるか減るかは、やってみないとわかりません。予想が外れても、それ自体が結果です。
1 円玉を水面に浮かべる実験では、コップの水面に 1 円玉を水平にそっと置き、浮いた枚数を数えます。ピンセットや折った紙の上にのせて置くと成功しやすくなります。1 円玉は重さ 1 g、直径 20 mm と決まっているので、同じ条件を何度もくり返せるのが、この硬貨を使う利点です。
記録の表
記録は、変える条件を縦に、測った値を横に並べた表にします。
| 水の温度(℃) | 水の量(g) | とかした物 | 止まった杯数 | 重さ(g) | 気づいたこと |
|---|---|---|---|---|---|
| 6 | 50 | 食塩 | 3 | 18 | 3 杯目の終わりに少し残った |
| 25 | 50 | 食塩 | 3 | 18 | 3 杯目はとけ切った |
| 42 | 50 | 食塩 | 3 | 19 | 4 杯目の途中まで入った |
| 25 | 50 | 砂糖 | 34 | 102 | 30 杯を過ぎてとろりとした |
「気づいたこと」の欄は、数字に表れない様子を書く場所です。とけ切るまでの時間、水のにごり、手ざわりなど、あとで考察を書くときの材料になります。写真を撮るなら、コップの前に杯数を書いた紙を置いて一緒に写すと、見返したときに順番を間違えません。
まとめ方
模造紙でもレポートでも、並びは「動機、予想、方法、結果、考察、感想」の順にします。水の研究で読む人の目が止まるのは、結果のグラフと、考察で示す「境目の数字」です。この 2 つを紙の真ん中に置き、ほかは周りに配ります。
結果のグラフは、変える条件が「温度」や「量」のように数で並ぶなら折れ線、「食塩と砂糖」のように種類で分かれるなら棒を選びます。横軸に変えた条件、縦軸に測った値を取り、目盛りは 0 から始めます。図2のように、2 つの物を同じ軸に並べると、違いの大きさが一目で伝わります。目盛りの単位(g、mL、滴、枚)を軸の名前に必ず書きます。
浮き沈みをまとめるときは、図3のような密度の数直線が役に立ちます。水の 1.00 g/cm³ を真ん中に置き、左に氷の 0.92、右に海水の 1.03、さらに右に濃い食塩水の約 1.2 を打ちます。自分が測った野菜や果物、卵が浮いた塩水の濃さも、計算した密度の位置に打ち込みます。水より左にある物は浮き、右にある物は沈む、という一本の線で、結果と理屈がつながります。

考察は、結果の表やグラフから「言えること」と「言えないこと」を分けて書きます。たとえば「食塩は温度を上げてもとける量がほとんど増えなかったが、砂糖は 40 g 以上増えた。だから、とける量の温度による変わり方は、物によって違う」と書けば、結果から理屈へ一段上がった文になります。一方で「食塩は温度に関係なくいつも同じ」とまで書くと、測った範囲を超えています。測ったのは 3 つの温度だけなので、「5 ℃ から 40 ℃ の範囲では」と範囲をつけて書きます。
予想が外れたときは、外れたことを隠さず、予想と結果を並べて書きます。「砂糖は食塩の 2 倍くらいとけると予想したが、実際は 5 倍以上とけた」のように、数字で差を示すと、考察の中でいちばん読みごたえのある部分になります。
感想は、やった人にしか書けないことを 3 行で足ります。34 杯目の砂糖を入れながら腕が疲れたこと、卵が底を離れた瞬間に家族が声を上げたこと、そういう一文があると、読む人は研究の現場に立ち会えます。
うまくいかないとき
食塩が「とけ残ったように見える」のに、しばらくするととけてしまうことがあります。かき混ぜる時間が足りなかったか、水が冷えていた場合です。止める条件を「1 分かき混ぜても残る」と先に決め、毎回同じ時間で判断します。時計で測ったことも記録に書きます。
砂糖は 30 杯を超えるころから水がとろりとして、とけたかどうかが見分けにくくなります。コップを白い紙の上に置き、横からのぞいて底を見ると判断しやすくなります。それでも迷ったら、「30 杯でとけ、35 杯で残った」のように、はっきりした上下の杯数を両方書けば、それが結果です。
卵が真水でも浮いてしまうことがあります。卵は日がたつと中の空気が増えて軽くなるので、買ったばかりの卵と、しばらく置いた卵で、浮く塩の濃さが変わることがあります。これも「卵の新しさ」を変える条件にすれば、新しい研究になります。
1 円玉が一度も浮かない日もあります。水面が揺れていたり、指の油が水についていたりすると沈みやすくなります。コップを置き直して水面が静まるのを待ち、1 円玉を紙の上にのせて水面に近づけ、紙だけを引き抜く方法で試します。10 回やって 2 回しか浮かなかったなら、「10 回中 2 回」がその日の結果です。失敗した回数も含めて書いた表は、成功だけを書いた表より信用されます。
よくある質問
食塩と砂糖のどちらを先に試すとよいですか
食塩を先に勧めます。小さじ 3 杯前後で止まるので、「とけ残る」という現象を 10 分で見られます。その手ごたえがあってから砂糖に進むと、30 杯を超えても止まらないことの驚きが大きくなり、記録も丁寧になります。
お湯を使う実験は、何度までなら家でやってよいですか
火や電子レンジを使わず、給湯器のぬるま湯(40 ℃ 前後)までにすれば、小学生でも扱えます。60 ℃ の実験は差が大きく出て魅力がありますが、やけどの危険があるので、必ず大人と一緒に、耐熱のコップで、こぼしても足にかからない場所で行います。
浮き沈みの実験で、体積がうまく測れません
計量カップの目盛りが粗いときは、大きめの容器に水を入れ、物を沈めてあふれた水を別のカップで受けて測ります。あふれた水の mL が、その物の体積(cm³)です。小さな物は 5 個まとめて沈め、合計を 5 で割ると誤差が小さくなります。
親の関わり方と個別指導で確かめること
保護者の方の出番は、お湯と刃物を扱う場面と、「止める条件を先に決めたか」を一度だけ聞くところです。杯数を数えるのも、表に書くのも、お子さまの手に任せます。数字がきれいにそろわなくても、そろわなかった理由を一緒に考えるほうが、研究としては前に進みます。
教室では、記録の表を見ながら、「変えた条件は 1 つになっているか」「結果と考察が分かれているか」「測った範囲を超えて言い切っていないか」の 3 点を確かめます。とける量の単元は中学 1 年の理科、密度は中学 1 年の計算、浮力は中学 3 年の力の単元につながるので、自由研究で測った自分の数字を教科書の表と並べて読む時間を取ります。
まとめ
水の自由研究で残るのは、きれいな結論ではなく、「3 杯目まではとけて 4 杯目で残った」という自分の数字です。入口を 1 つ、変える条件を 1 つに絞り、止める条件を先に決めて、失敗した回数まで表に書きます。コップ 5 つと小さじ 1 本があれば、とける量の境目は今夜の食卓で見つかります。
読んで終わりにするか、ここから変えるか。
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