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教育費はいくら貯めるか—子どもの年齢別に、今から立てる見積もり|武蔵野個別指導塾

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大学入学までに300万円を目安にすると、0歳からなら月1.4万円、小学校入学からなら月2.1万円。公的調査の平均と児童手当の総額から、年齢別に家庭の見積もりを組み立てる手順を順に追います。

答えから書きます。貯金で用意するのは「大学に入るときの山」だけで、高校までの費用は月々の家計から払うものと分けて考えると、目標は 300 万円前後に落ち着きます。私立大学の初年度納付金の平均が約 138 万円、2 年目が約 114 万円で、合わせて約 252 万円。これに受験料と入学の準備を足した額です。18 歳の年度末までに 300 万円を貯めるとき、始める年齢で月々の額はこう変わります。

始める年齢 残りの月数 毎月の積み立て
0 歳 216 か月 約 13,900 円
6 歳(小学校入学) 144 か月 約 20,800 円
12 歳(中学校入学) 72 か月 約 41,700 円
15 歳(高校入学) 36 か月 約 83,300 円

児童手当をそのまま積むと、第 1 子と第 2 子で生まれてから高校卒業の年度末までに約 234 万円から約 245 万円になります。目標の 8 割近くは、手をつけなければ自然に貯まる計算です。制度の金額は 2026 年度時点のもので、年度が変わると動きます。

よくあるのは、5 歳の誕生日のケーキを食べ終えて、お子さまが寝たあとの食卓で「大学までって、結局いくら要るの」と片方が言い出す場面です。もう片方は「300 万とか 1,000 万とか、人によって言うことが違う」と返し、スマートフォンで調べ始めて、数字の幅の広さに黙ってしまいます。幅が広いのは、何を含めるかが人によって違うからです。幼稚園から大学まで全部を足した額と、貯金で用意すべき額は別の数字です。この夜に決めてほしいのは、総額ではなく「いつまでに、いくらを、月いくらで」の 3 つだけです。

教育費の全体の山を知る

最初に、何にいくらかかるかの地図を持ちます。文部科学省の子供の学習費調査(令和 5 年度・2026 年 1 月の訂正後の値)によると、保護者が 1 年間に支出した学習費総額の平均は、公立幼稚園 184,646 円、公立小学校 366,599 円、公立中学校 542,450 円、公立高校(全日制)596,954 円です。私立は幼稚園 347,338 円、小学校 1,741,516 円、中学校 1,560,359 円、高校(全日制)1,179,261 円でした。この額には授業料だけでなく、給食費、制服、通学の費用、塾や習い事の学校外活動費まで含まれています。

図1 幼稚園から高校までの年額の平均を公立と私立で並べた棒グラフ

図1のように、公立に通う間の年額は 18 万円から 60 万円の帯に収まり、学年が上がるほど少しずつ増えます。私立小学校の 174 万円が突出して見えますが、通う人は全児童の 1.3 パーセントで、多くの家庭の見積もりには入りません。幼稚園 3 歳から高校 3 年までの 15 年間を全部公立で通った場合の合計は約 614 万円、幼稚園だけ私立なら約 665 万円、幼稚園と高校が私立なら約 838 万円、全部私立なら約 1,969 万円と、同じ調査が示しています。

ここで気づいてほしいのは、15 年間で 614 万円でも、1 年あたりに直せば 41 万円、月に直せば 3 万 4 千円ほどだということです。この額は、給食費や部活動の道具のように、月々の家計から出ていくものがほとんどです。毎月 3 万円台を 15 年前に貯金しておく家庭はありません。つまり高校までの費用は「貯める」対象ではなく「払える家計を保つ」対象です。貯金の目標から外してよい、というのがこの地図の最初の読み方です。

もう一つの読み方は、平均は「かけた人の平均」だという点です。学校外活動費は公立中学校で年 356,018 円と総額の 65.6 パーセントを占めますが、習い事をしない家庭の支出は当然これより低く、受験の年の家庭はこれより高くなります。平均の額を自分の家庭の予定として書き写すのではなく、どの項目が自分の家庭で増えそうかを見るための物差しとして使います。

高校と大学、二つの山を分けて見る

教育費には山が二つあります。高校入学の山と、大学入学の山です。山の高さがまったく違うので、同じ「進学」としてまとめると見積もりが狂います。

高校の山は、2026 年度から形が変わりました。文部科学省の案内によると、高等学校等就学支援金は令和 8 年度から所得制限が撤廃され、私立全日制の上限は年 457,200 円、公立は年 118,800 円で、返済は要りません。公立高校の授業料は 118,800 円が標準なので、授業料の分は実質的に家庭の負担から外れます。私立高校でも授業料のうち 457,200 円までが支援されるため、私立高校の学習費総額 1,179,261 円から単純に差し引けば、家庭の負担は 722,061 円ほどまで下がる計算です。ただし学習費調査の数字は支援金を受けた後の支出も含んだ実態の平均なので、この引き算は目安にとどまります。2026 年 3 月以前に入学した生徒は、在籍した年度によって扱いが分かれるので、通っている学校と都道府県の案内で確かめておきます。

大学の山は、高校と桁が違います。文部科学省の資料によると、国立大学の授業料の標準額は年 535,800 円、入学料は 282,000 円です。各大学は標準額の 120 パーセントを上限に独自に額を定めることができるため、志望校の額は大学の公表で確かめます。私立大学は、文部科学省の令和 7 年度入学者の学生納付金調査で、授業料の平均が 968,069 円、入学料 240,365 円、施設設備費 172,550 円、合計で初年度 1,380,984 円でした。

図2 国立と私立の大学4年間の学費を年ごとに積み上げた図

図2のように、国立大学の 4 年間は授業料 4 年分と入学料で 2,425,200 円、私立大学は初年度の授業料と施設設備費が 4 年続くと仮定して 4,802,841 円です。私立大学の 4 年分を 18 歳までに全額貯める必要はありません。2 年目以降の授業料は在学中の家計と、場合によっては奨学金で払う家庭が多く、貯金で用意しておきたいのは入学前後の 1 年から 2 年分です。初年度 1,380,984 円と 2 年目の授業料と施設設備費 1,140,619 円を足した 2,521,603 円に、受験料と入学準備を加えた 300 万円が、冒頭の目標の根拠です。

大学の山がもう一つ厄介なのは、払う時期が早いことです。入学料は合格発表の直後、授業料は入学前の 3 月までに納める大学が多く、修学支援新制度の減免や奨学金は入学後に始まります。山の高さだけでなく、山が来る月に手元に現金があるかどうかまで見積もりに入れます。

年齢別に、今から立てる見積もり

見積もりの手順は 3 段です。目標額を決め、残りの月数を数え、割り算をする。これだけです。目標額は前の節の 300 万円を出発点にして、国公立を第一志望にするなら 250 万円、私立の理系や下宿を見込むなら 400 万円のように、家庭の方針で上下させます。

残りの月数は、今の年齢から 18 歳の年度末までを数えます。冒頭の表のとおり、0 歳なら 216 か月、小学校入学の 6 歳なら 144 か月、中学校入学の 12 歳なら 72 か月、高校入学の 15 歳なら 36 か月です。割り算の結果は、0 歳から始めれば月 13,889 円、6 歳からなら 20,833 円、12 歳からなら 41,667 円、15 歳からなら 83,333 円になります。同じ 300 万円でも、始める年齢で月々の重さが 6 倍違います。

食卓の夫婦の例で計算します。お子さまは 5 歳で、18 歳の年度末までは 13 年、156 か月です。300 万円を 156 で割ると月 19,231 円。ここで児童手当を思い出します。3 歳以上は月 10,000 円なので、156 か月で 1,560,000 円が入ります。これを全額回すと、残りは 1,440,000 円、月 9,231 円です。「月 2 万円は無理でも、児童手当に月 9 千円ちょっとを足すなら続けられそう」というのが、この夜の結論になります。

積み立ての置き場所について、仕組みだけ書きます。貯める方法には、預金、学資保険、つみたての投資などがあり、それぞれ元本が守られるか、途中で引き出せるか、増える見込みがどれだけかが違います。特定の商品を勧めることはしませんが、教育費には「使う時期が決まっている」という性質があります。18 歳の 3 月に要るお金が、その月に減っていては困ります。使う時期の 2 年から 3 年前には、値動きのある置き場所から値動きのない置き場所へ移しておく、という考え方を見積もりに添えておきます。

見積もりは一度作って終わりではありません。お子さまの進路の希望が変わるたび、制度の年度が変わるたびに、目標額と残り月数を引き直します。小学校 4 年生で中学受験を考え始めたら高校までの家計の山が動きますし、高校 2 年生で理系を選んだら大学の目標額が動きます。誕生日は、この引き直しをする日として悪くありません。

無償化で変わる所と、変わらない所

「無償化」という言葉が、見積もりを狂わせることがあります。何が無償になり、何が残るかを分けて書きます。

高校は、前の節のとおり、2026 年度から授業料の分が所得にかかわらず支援されるようになりました。変わるのは授業料だけです。私立高校の施設費、入学金、制服、修学旅行の積立、部活動の遠征費、通学の定期代は支援の対象ではありません。学習費調査で私立高校の学校教育費は年 832,650 円ですが、そのうち授業料以外の項目がどれだけあるかを、志望校の募集要項で確かめます。授業料が無償になっても、私立高校に通う 3 年間の家計の負担は公立と同じにはなりません。

大学には、高等教育の修学支援新制度があります。文部科学省の案内によると、扶養する子どもが 3 人以上の多子世帯は、所得制限なしで授業料と入学金が減免され、上限は国公立大学で授業料 54 万円と入学金 28 万円、私立大学で授業料 70 万円と入学金 26 万円です。3 人のお子さまがいる家庭なら、私立大学の初年度納付金 1,380,984 円のうち、授業料と入学金の大半が減免の範囲に入ります。ただし「扶養する子どもが 3 人以上」は毎年判定され、上のお子さまが卒業して扶養から外れた年度から対象でなくなります。第 1 子が大学 4 年生で第 3 子が高校生のような家庭は、第 1 子の在学中だけ対象になる形です。

変わらないものを挙げます。受験料、入学後の教科書代、通学費、下宿の家賃と初期費用、留学や実習の費用、そして大学 2 年目以降の授業料です。無償化の制度は入り口の山を低くしますが、山そのものを消すわけではありません。見積もりを作るときは、まず制度なしの額で山の高さを出し、そのあとで該当する制度の分を引く順番にすると、制度が変わったときにも見積もりが崩れません。

児童手当の使い方の考え方

児童手当は、教育費の見積もりの中でいちばん確実な収入です。こども家庭庁の案内によると、支給額は 3 歳未満が月 15,000 円、3 歳から高校生年代までが月 10,000 円、第 3 子以降は年齢にかかわらず月 30,000 円で、2024 年 10 月分からは所得制限がなくなり、支給は高校生年代まで延びました。偶数月に前の 2 か月分がまとめて振り込まれます。

図3 児童手当を全額積み立てたときの残高が18歳までに増えていく折れ線

図3のように、第 1 子と第 2 子では、3 歳未満の 36 か月で 540,000 円、そのあと月 10,000 円が高校卒業の年度末まで続き、合計は約 234 万円から約 245 万円になります。幅があるのは生まれ月で支給の月数が変わるためです。第 3 子以降は月 30,000 円なので、単純に計算すれば 3 倍近い額になりますが、第 3 子として数えられるのは上のお子さまが 22 歳の年度末までで親の経済的な負担がある間なので、途中で額が変わる前提で見積もります。

使い方の考え方は二つに割れます。一つは「生活費に混ぜず、全額を教育費の口座に移す」やり方で、見積もりが立てやすく、300 万円の目標の 8 割近くが自動で積み上がります。もう一つは「今の子育ての費用に使い、貯金は別に考える」やり方で、保育料やおむつ代が重い時期には現実的です。どちらが正しいということはなく、大切なのは、どちらにするかを夫婦で決めて、振込口座と使い道を一致させることです。振込口座が生活費の口座で、使い道は「貯める」と決めているのに実際は消えている、という状態がいちばん見積もりを狂わせます。

もう一点、児童手当の総額 234 万円は 18 年かけて貯まる額であり、大学の山より前に高校の山が来ます。高校入学の春に制服や教材でまとまった額が要るとき、教育費の口座から一部を使うのか、家計から出すのかを、あらかじめ決めておきます。口座の名前を「大学用」とまで決めておくと、迷いが減ります。

よくある質問

1,000 万円や 2,000 万円という数字を見たのですが、本当にそんなに要るのですか

幼稚園から大学まで全部を足した額なら、その桁になります。学習費調査の 15 年間の合計は全部公立で約 614 万円、全部私立で約 1,969 万円で、これに大学の 242 万円から 480 万円が加わります。ただし、その大半は 19 年かけて月々払うお金で、一度に要るわけではありません。貯金で用意すべきなのは大学の入り口の山だけで、300 万円前後に絞れます。総額に驚いて何もしないより、山の額を決めて月々の積み立てを始めるほうが、見積もりとして役に立ちます。

中学受験を考えています。見積もりはどう変わりますか

二つ変わります。小学校 4 年生から 6 年生にかけて学校外活動費が増えるので、高校までの「月々払う」側の家計が重くなります。それから、私立中学校に進めば中学校 3 年間の学習費総額の平均は 4,671,589 円で、公立の 1,626,133 円との差は約 305 万円です。この差は大学の山と同じ桁なので、中学受験をする家庭は、大学用の積み立てを減らさずに中学校の 3 年間を払えるかを先に計算します。両方は無理だと出たら、どちらを優先するかを進路の相談として考えます。

学資保険に入るべきですか

商品としての良し悪しは書きません。仕組みとして、学資保険は「決めた時期に決めた額を受け取る」ことと「親に万一のことがあった場合の保障」を一つにした貯め方です。預金より引き出しにくい代わりに続けやすく、増え方は契約の条件で決まります。見積もりの中で「18 歳の 3 月に確実にある額」をどこで持つかを決めてから、その役割に合うかどうかで判断します。始める時期が遅いほど保障の期間が短くなる点だけは、仕組みの問題として押さえておきます。

祖父母が援助を申し出ています。どう見積もりに入れますか

ありがたい申し出ですが、見積もりの本体には入れず、上乗せとして扱います。援助の時期と額が確定しているなら、その分だけ月々の積み立てを減らせます。確定していないなら、来ない前提で組んでおき、来たときに目標額を上げるか、積み立てを早く終えるかを選びます。まとまった額を受け取るときの税の扱いは、贈与の形や教育資金の特例で変わるので、税務署か税理士の窓口で確かめてから受け取ります。

確かめる順番

誕生日の夜から 1 週間で、食卓で確かめておきたいことを並べました。

  1. お子さまの年齢から、18 歳の年度末までの残りの月数を数える。誕生月を基準に、来年 3 月までの月数を足していくと間違えません。
  2. 児童手当の振込口座と、これまでの受取額の累計を通帳で確かめる。生活費に混ざっているなら、今月分から口座を分けるかどうかを決める。
  3. 今の貯金のうち、教育費として使えると決めている額を書き出す。使えるかどうか曖昧な額は入れない。
  4. 目標額を 300 万円から出発して、家庭の方針で上下させる。国公立志望なら 250 万円、私立理系や下宿を見込むなら 400 万円のように、理由を添えて決める。
  5. 目標額から今の貯金と児童手当の見込みを引き、残りを月数で割って、月々の積み立てを出す。
  6. 就学支援金、修学支援新制度、自治体の制度のうち、家庭が該当しそうなものを文部科学省と都道府県の案内で確かめる。制度の最新の条件は年度ごとに窓口で確かめます。
  7. 出した数字を 1 枚の紙に書き、次の誕生日に見直す日付を入れる。

この順番の肝は 3 番目です。「たぶん使える」お金を見積もりに入れると、実際にその月が来たときに足りなくなります。確かな額だけで組んだ見積もりは小さく見えますが、崩れません。

進路の話とつなげる

お金の見積もりは、進路の相談と切り離せません。目標額を 300 万円にするか 400 万円にするかは、国公立を本気で目指すのか、私立の理系も視野に入れるのかという進路の方針そのものです。逆に、高校 2 年生で「私立の理系に行きたい」と言われたとき、家庭に見積もりがあれば「ならば月々をここまで増やす」か「奨学金を組み合わせる」かという具体的な会話になり、見積もりがなければ「お金がかかるからやめて」で終わってしまいます。個別指導の面談では、志望校の学費と制度の該当を調べたうえで、進路の選択肢を家庭の見積もりと並べて考える相談を受けています。お金の話を先に済ませておくほど、進路の話は自由になります。

まとめ

総額ではなく、大学の入り口の山だけを狙えば、300 万円は始める年齢に応じた月々の数字に変わります。5 歳なら児童手当に月 9 千円ちょっと。誕生日のケーキの皿を片づけながら出せる計算が、18 歳の 3 月に効いてきます。

読んで終わりにするか、ここから変えるか。

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