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光と影の自由研究—影の長さを測る|武蔵野個別指導塾

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校庭や庭に立てた1本の棒で、8時から16時まで影の長さと向きを1時間ごとに記録し、折れ線グラフにする手順を理科の講師が書きました。東京の付近の8月なら、影が最も短くなるのは正午より少し前の11時45分ごろという発見までたどれます。

晴れた日に棒を1本立て、1時間ごとに影の長さと向きを記録するだけで、太陽の動きが数字と線で見える研究です。手順は次の4つです。

順 すること かかる時間
1 まっすぐな棒を地面に垂直に立て、根元に印をつける 10分
2 8時から16時まで、1時間ごとに影の先に印をつけ、長さと向きを表に書く 1日
3 表を折れ線グラフにし、いちばん短くなった時刻を読み取る 1時間
4 影が短くなる理由と、短くなる時刻が正午とずれる理由を考察に書く 1時間

よくあるのは、夏休みの登校日に校庭のすみへ棒を立て、昼休みまで何度も見に行くという場面です。朝は校舎の影より長く伸びていた棒の影が、昼には足元に縮んでいる。そのわかりやすさが、この研究の強みです。校庭を使うときは先生に許可をもらい、使えなければ家の庭、ベランダ、近くの公園の日当たりのよい場所で同じことができます。

用意するもの

材料は家にある物で足ります。まっすぐな棒を1本(長さ1 m前後の園芸用の支柱や物干しざおの先、短ければ50 cmの定規でもよい)、巻き尺か長い定規、方位磁針(スマートフォンのコンパスでも代用できます)、チョークか小石、記録用のノート、時計です。棒は長いほど影の変化が大きく出て測りやすい一方、立てたときにぐらつきやすくなります。1 mくらいが扱いやすい長さです。

棒の高さは、立てたあとに地面から先端までを測った値を使います。地面に刺す場合、刺した分だけ低くなるからです。土に刺せないコンクリートの上なら、ペットボトルに水を入れて重しにし、その口に棒を立てるか、段ボールの箱に穴を開けて差し込みます。棒が地面に対して垂直かどうかは、ひもの先に消しゴムを結んだ物をたらして、棒と平行になっているかで確かめられます。

図1 太陽が高いと影は短く、低いと影は長くなる仕組み

図1のように、太陽が高い位置にあるとき、棒の先端を通った光は急な角度で地面に届くので影は短くなります。太陽が低いと、光は寝た角度で届くので影は長く伸びます。棒の高さと影の長さと光の線で三角形ができていて、太陽の高さの角度が変わると三角形の形が変わる、と考えるとわかりやすいです。研究の中心にある理屈はこれだけで、あとは測ることが仕事になります。

安全のために守ることが3つあります。太陽を直接見ないこと。影を測っていると、つい太陽の位置を目で確かめたくなりますが、目を傷めます。太陽の位置は影の向きから逆に推測すれば十分です。鏡やルーペで太陽の光を集めないこと。夏の日なたは暑いので、帽子をかぶり、水を持ち、測ったら日陰に戻ることです。棒の先がとがっている物を使うときは、立てる作業を大人と一緒に行います。

進め方

測る日は、朝から夕方まで雲が少ない日を選びます。前日の夜に天気予報を見て、晴れの日を2日ほど候補にしておくと安心です。当日は7時台に棒を立て、根元の位置をチョークか小石で印しておきます。途中で棒が動いたら、それまでの記録が使えなくなるからです。

8時から16時まで、毎正時に次の3つを記録します。影の先端の位置に印をつけること、根元の印から影の先端までの長さを測ること、根元から見て影の先端がどの方位にあるかを方位磁針で読むことです。印はチョークなら地面に直接、土なら小石やわりばしを刺して残します。記録の表は次の形にします。

時刻 影の長さ(cm) 影の向き 空のようす
8時
9時
10時
11時
12時
13時
14時
15時
16時

空のようすの欄は、雲がかかって影がぼやけたときに「薄い」「見えない」と書いておく欄です。あとで考察を書くときに、値がずれた理由を説明する材料になります。

方位を読むときは、方位磁針を根元の印の真上で水平に持ち、針が止まってから、影の先端の方向が北から見てどちら側にどれくらい回っているかを読みます。鉄の柵や自転車置き場のそばでは針が狂うので、棒は金属から離れた場所に立てます。「西」「北西」「北」のような8方位の言葉で書けば小学生には十分で、中学生以上は北を0度として時計回りに何度かを書くと、あとで図にするときに点の位置が正確に決まります。各時刻に影の全体を真上から撮った写真を1枚残しておくと、長さや向きの読み間違いに気づいたときに見直せます。

図2 根元を中心に時刻ごとの影の先端の印を上から見た配置

図2のように、上から見ると、影の先端の印は棒の根元を中心にして西から北を通って東へと弧を描いて並びます。朝の影は西を向き、昼ごろは北を向き、夕方は東を向きます。太陽が東から昇って南の空を通り西へ沈むので、影はその反対側へ動くからです。図2の印は、東京の付近の8月に1 mの棒で計算した位置の関係をそのまま描いていて、8時の印は根元から約140 cm西、12時の印は約37 cm北、16時の印は約170 cm東にあります。印と印を線で結ぶと、影の先端が1日にたどる道がそのまま地面に残ります。

計算の目安として、東京の付近の8月中ごろに高さ1 mの棒を立てると、影の長さはこうなることが多いです。8時に約140 cm、9時に約90 cm、10時に約60 cm、11時に約40 cm、12時に約37 cm、13時に約50 cm、14時に約70 cm、15時に約110 cm、16時に約170 cmです。あくまで計算上の値なので、実際に測った値がこれと違っていても気にする必要はありません。違った理由を考えることが、そのまま考察になります。

余裕があれば、12時の前後は30分ごとに測ります。11時、11時30分、12時、12時30分と細かく測ると、影がいちばん短くなる時刻が12時ちょうどではないことが見えてきます。東京の付近では、8月なら11時45分ごろにいちばん短くなることが多いです。日本の時刻は兵庫県明石市を通る東経135度の線を基準に決められていて、東京はそこより東にあるため、太陽が真南に来るのが12時より早いからです。この時刻は季節によって数分ずれます。1日の測定で「正午より前に最短になった」と書けたら、それだけで研究の結論として十分な重みがあります。

高さの違う棒を2本並べて立てると、研究にもう1つの軸が生まれます。同じ時刻に測ると、影の長さの比は棒の高さの比と同じになることが多いです。1 mの棒の影が8時に140 cmなら、50 cmの棒の影は約70 cmです。これは中学3年で習う相似の考え方そのもので、どの時刻に測っても比が変わらないことを表で示せれば、中学生の研究としての見ごたえが出ます。高校生なら、棒の高さを影の長さで割った値を三角比の表と照らして、太陽の高さの角度に直すところまで進められます。

まとめ方

模造紙でもレポートでも、並べる順は、動機、予想、方法、結果、考察、感想の6つです。動機は「校庭で自分の影が朝と昼で違う長さだったのが気になった」のような、自分が見た場面を1つ書けば足ります。予想は測る前に書き、「12時にいちばん短くなると思う」のように時刻を1つ決めて書いておくと、結果との差がそのまま考察の材料になります。

図3 1 mの棒の影の長さを8時から16時まで結んだ折れ線グラフ

結果の中心は折れ線グラフです。図3のように、横軸に時刻、縦軸に影の長さを取ります。横軸は8時から16時までを等間隔に、縦軸は0から測った最大値より少し上まで取り、目盛りの間隔は10 cmか50 cmのどちらかにそろえます。点を打ってから線で結ぶと、朝から昼にかけて急に下がり、昼を過ぎてゆるやかに上がっていく谷の形が現れます。図3は計算の目安の値で描いたものなので、自分の測った値で同じ形になるかどうかを比べてみてください。最も低い点のそばに「11時45分ごろ最短」のように読み取った時刻を書き込むと、グラフが何を示しているかがひと目で伝わります。

向きの記録は、図2と同じ形の「上から見た図」にします。中心に棒の根元を描き、時刻ごとの影の先端を点で打ち、点のそばに時刻を書きます。北を上にして描き、方位磁針で読んだ向きのとおりに点を置いてください。長さの折れ線グラフと向きの図が1枚ずつあれば、太陽が「高くなって低くなる」ことと「東から西へ動く」ことの両方を、自分の測定だけで示せます。

考察は、結果から言えることと、その理由の2段で書きます。言えることは「影は11時45分ごろに最も短く、朝と夕方に長かった」「影の向きは西から北を通って東へ動いた」のように、表とグラフから読み取れる事実です。理由は「太陽が高いほど影は短くなるから」「太陽は東から南を通って西へ動くから」と、図1の三角形に戻して書きます。さらに「最短が正午より前だったのは、東京が日本の時刻の基準の線より東にあるから」まで書ければ、調べたことと測ったことがつながった考察になります。予想が外れていたなら、外れた理由を書くほうが、当たった報告より読む人の印象に残ります。

うまくいかないとき

いちばん多いのは、昼ごろに雲が出て影が消えることです。その時刻の欄は空けず、「雲で測れず」と書いて、前後の値を点線で結びます。1時間分が欠けても、谷の形は残りの点で十分に読めます。もう1つ多いのは、棒が風や足で動いてしまうことです。根元の印から棒がずれていたら、その時刻からあとは新しい根元で測り直し、表に「13時に立て直した」と書いておきます。

影の先端がぼやけて、どこまでが影かわからないこともよくあります。棒の先端の影は、棒から離れるほど薄くぼやけます。朝や夕方の長い影ほどそうなります。ぼやけた影の中ほどで線を引く決まりを最初に作り、毎回同じ決まりで測れば、多少のずれは全部の時刻に同じようにかかるので、グラフの形は崩れません。

測った値が計算の目安とずれるのは、失敗ではなく結果です。棒が少し傾いていた、地面がわずかに斜めだった、測った時刻が5分ずれていた。考えられる原因を考察に並べ、次に測るならどう直すかを書けば、それ自体が研究の一部になります。全部の時刻で目安より長かったなら、棒が垂直でなかった可能性が高く、特定の時刻だけずれたなら、その時刻の雲や風が原因である可能性が高い、と場合を分けて書けます。

よくある質問

1日で終わりますか

測定そのものは1日で終わります。朝に棒を立て、16時に最後の印をつけるまでが本体で、グラフと考察は夜か翌日に書けます。晴れの日を1日確保できれば、残り1日の自由研究としても成り立ちます。2日以上測れるなら、同じ時刻の値を2日分比べて、差がどれくらい出るかも書けます。

冬や春に測ってもよいですか

いつ測ってもかまいません。むしろ季節を変えて測ると、研究が1段深くなります。東京の付近で12月の正午ごろに1 mの棒を立てると、影は約170 cmになることが多く、8月の約37 cmと比べると4倍を超える差になります。春分のころは約73 cmです。夏休みの研究として提出したあとも、冬休みに同じ棒で測って続きを書けば、1年がかりの研究になります。

太陽を見ないで、太陽の高さがわかるのですか

わかります。影の長さと棒の高さから、太陽の高さの角度が決まるからです。影の長さが棒の高さと同じなら角度は45度、影が棒の高さより短ければ45度より高く、長ければ45度より低い位置に太陽があります。太陽を見なくても、影が太陽の位置を教えてくれる。それがこの研究のいちばんおもしろいところです。

親の関わり方と個別指導で確かめること

棒を立てる、巻き尺を持つ、暑さに気をつける。保護者の方の出番はそこまでで、印をつける位置や長さの読み取りは、お子さま自身の手で行うのがよいです。朝から夕方まで毎時間見に行くのは根気のいる作業なので、時計のアラームを一緒にかけてあげることが、いちばん効く手伝いになります。

個別指導で確かめるのは、表の値とグラフの点が一致しているか、考察が結果に書いた事実から外れていないか、「太陽が高いと影が短い」の理屈を自分の言葉で説明できるかの3点です。理科の講師は、お子さまが測った値を見ながら、目安と違った理由を一緒に探します。

まとめ

棒を1本立てて1日見ていれば、地球が回っていることの証拠が足元に線で残ります。最短の時刻が正午からずれるという小さな発見は、測った人にしか書けません。自分の影が朝と昼で違う長さだったことに気づいた瞬間から、この研究はもう始まっています。

読んで終わりにするか、ここから変えるか。

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