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音の自由研究—糸電話と楽器で確かめる|武蔵野個別指導塾

紙コップと糸、輪ゴム、水を入れたびんで、音が伝わる条件と高さが変わる理由を家で確かめる手順です。糸の長さや張り方を1つずつ変えて表に書き、輪ゴムを半分の長さにすると1オクターブ上がるかまで測ります。
音の研究は、「音は物のふるえが伝わったもの」という 1 行を、家にある物で確かめる研究です。下の表の 5 つのうち 1 つを選び、変える条件を 1 つに絞れば、1 日から 2 日で結果まで出ます。
| テーマ | 変える条件 | 測ること | 日数 |
|---|---|---|---|
| 糸電話 | 糸の長さ・張り方・つまむ場所 | 10 の言葉のうち聞き取れた数 | 1〜2 日 |
| 輪ゴムの弦 | ふるえる部分の長さ | 音の高さ(Hz) | 1 日 |
| ストローの笛 | ストローの長さ | 音の高さ(Hz)か、鍵盤で合わせた音名 | 1 日 |
| びんの水 | 水の量 | 吹いたときと、たたいたときの高さ | 1 日 |
| ラップの太鼓 | 声の大きさと高さ | 米粒が跳ねたかどうか | 半日 |
迷ったら糸電話です。材料が紙コップと糸だけで、条件を変えるたびに結果が耳ではっきりわかります。音の高さを数で記録したいなら輪ゴムの弦かびんの水を選び、スマートフォンの音の高さを測るアプリで Hz(ヘルツ)の値を読みます。低学年はラップの太鼓から入ると、半日で「音はふるえだ」という結論まで届きます。
よくあるのは、紙コップを 1 つずつ持ったきょうだいが廊下の両端に立ち、「聞こえる?」「聞こえない」と言い合っている場面です。弟がコップを耳に当てたまま糸をたるませ、姉が「ぴんと張って」と言う。張った途端にささやき声が届いて、2 人とも黙る。その「なぜ張ると届くのか」が、そのまま研究の問いになります。どちらのコップにも名前を書いておくと、あとで役割を入れ替えたときの記録が混ざりません。
テーマの選び方
音のテーマは、図1のように 3 つの入口に分けると選びやすくなります。「伝わる」「高さ」「ふるえ」の 3 つです。どの入口から入っても、最後は「音はふるえが伝わったもの」という同じ所に戻ってきます。

1 つ目は「伝わる」です。糸電話は、声で紙コップの底がふるえ、そのふるえが糸を伝わって相手のコップの底をふるわせる道具です。だから糸がたるむとふるえが途中で消え、糸を指でつまむとそこで止まります。この「伝わる道」を変えるのが研究になります。糸の長さ、張り方、材料(たこ糸、ミシン糸、釣り糸、毛糸)、途中に結び目や洗濯ばさみを付けるかどうか。条件は 1 回に 1 つだけ変えます。長さを変えるときは張り方と材料をそろえ、材料を変えるときは長さと張り方をそろえます。この「そろえる条件」を先に紙に書いておくと、途中で迷いません。
2 つ目は「高さ」です。音の高さは、1 秒間に何回ふるえるかで決まり、回数が多いほど高い音になります。この回数を Hz という単位で表し、1 秒に 440 回ふるえる音が、音楽の授業で楽器を合わせる「ラ」の高さです。輪ゴムを箱に掛けてはじく、ストローの先をつぶして吹く、びんの口に息を当てる。どれも「ふるえる部分の長さ」を変えると高さが変わるので、長さと高さの関係を数で記録できます。人の耳が聞き取れるのはおよそ 20 Hz から 20000 Hz までとされていて、自分の輪ゴムがその中のどのあたりで鳴っているかを知るだけでも、数が身近になります。
3 つ目は「ふるえ」です。ボウルにラップをぴんと張り、その上に米粒を数粒のせて、近くで大きな声を出します。米粒が跳ねれば、声が空気をふるわせ、空気がラップをふるわせたことが目で見えます。音は見えないけれど、ふるえは見える。声の大きさを変える、高い声と低い声で比べる、ボウルからの距離を変える、と条件を足していけば、低学年でも 1 日でまとまるテーマです。
学年で分けるなら、小学校の低学年は「ふるえ」と、糸電話の聞こえる・聞こえないの記録が向きます。高学年は糸電話で条件を 3 つ以上比べ、表とグラフにする研究が向きます。中学生は輪ゴムやびんの水で高さを Hz で測り、長さと高さの関係をグラフにして、理科で習う「音の大きさは振幅、高さは振動数」という言葉を自分の測った数で言い直すところまで進めます。言葉を覚えるのではなく、自分の数で言い直せたとき、考察に芯が通ります。
テーマを決めたら、題は「糸電話の研究」ではなく「糸電話の糸は、何 m まで声が届くのか」のように問いの形で書きます。問いが決まると、変える条件とそろえる条件が自然に決まり、結果の表の形まで見えてきます。
進め方
ここでは糸電話を中心に、輪ゴムとびんの水も同じ型で進めます。どのテーマも、「用意する」「条件を決める」「測って表に書く」の 3 段です。
用意する物は、紙コップ 4 個以上、たこ糸 10 m、つまようじか割りばし、はさみ、巻き尺、記録用のノートです。紙コップの底の真ん中に、つまようじで小さな穴を開けます。穴を開けるときは、コップを机に伏せて上から刺すと手を刺しません。はさみとつまようじを使う作業は、低学年なら大人と一緒に行ってください。穴に糸を通し、内側で短く切ったつまようじに結んで抜けないようにします。結び目がゆるいとふるえが糸に移らないので、2 回結びます。
糸電話の条件は、図2のように 3 つに絞ると比べやすくなります。糸の長さ、張り方、途中で指でつまむかどうかです。

手順は次のとおりです。まず糸を 3 m に切って糸電話を作り、2 人で糸をぴんと張ります。1 人が小さな声で、前もって決めた 10 の言葉(りんご、ばなな、など、全部ちがう音で始まる言葉)を順に言い、もう 1 人が聞こえた言葉をノートに書きます。10 のうち何個合ったかが、その条件の結果です。声の大きさをそろえるために、話す人は毎回同じ言葉を同じ調子で言い、聞く人は耳にコップをぴったり当てます。言葉の順番は回ごとに入れ替えると、覚えてしまって当たる、という失敗を防げます。
次に条件を 1 つだけ変えます。長さなら 3 m、6 m、9 m と変えて、それぞれ 10 個中いくつ聞こえたかを記録します。張り方なら、同じ 3 m で「ぴんと張る」「少したるませる」「床に付くほどたるませる」の 3 とおりです。つまむ実験は、同じ 3 m のぴんと張った糸を、3 人目が途中で指でつまんだときと、つままないときを比べます。3 人目がいなければ、糸の途中を洗濯ばさみで机の角にとめても同じ比べ方になります。1 つの条件につき、役割を入れ替えて 2 回ずつ行い、合計 4 回の平均を書きます。
記録の表は、縦に条件、横に回数を並べます。
| 条件 | 1 回目 | 2 回目 | 3 回目 | 4 回目 | 平均 |
|---|---|---|---|---|---|
| 3 m・ぴんと張る | |||||
| 6 m・ぴんと張る | |||||
| 9 m・ぴんと張る | |||||
| 3 m・少したるませる | |||||
| 3 m・床に付くほどたるませる | |||||
| 3 m・途中をつまむ |
結果は断定しません。ぴんと張った糸は 9 m でも小さな声が届くことが多く、たるんだ糸は 3 m でもほとんど届かないことが多い。けれど、糸の種類やコップの厚さで変わります。自分の表の数が、自分の結果です。平均が 10 に近い条件と 0 に近い条件が出たら、その 2 つの違いが何かを考察に書きます。
輪ゴムの弦は、空き箱に太めの輪ゴムを 1 本掛け、箱の両端で輪ゴムが浮くように割りばしを 2 本はさみます。割りばしの間が「ふるえる部分」です。まず割りばしの間を 24 cm にしてはじき、スマートフォンの音の高さを測るアプリで Hz を読みます。次に片方の割りばしを動かして 12 cm、8 cm、6 cm にし、同じ強さではじいて Hz を読みます。輪ゴムの引っぱり具合は変えないのが決まりです。長さを変えるたびに輪ゴムを掛け直すと張り方まで変わってしまうので、輪ゴムは一度掛けたら触らず、割りばしだけを動かします。同じ長さで 3 回測り、真ん中の値を記録します。
ストローの笛は、ストローの片方の端を平らにつぶし、先を三角に切って、つぶした所を軽くくわえて強く吹きます。鳴ったら、反対側の端をはさみで 2 cm ずつ切って短くしながら、そのたびに高さを読みます。はさみは大人と一緒に使います。鳴る前に長さを測っておくことを忘れると、あとで表が埋まりません。
びんの水は、同じ形のびんを 4 本並べ、水を 1/4、2/4、3/4、4/4 の高さまで入れます。びんの口に息を当てて鳴らしたときの高さと、割りばしで軽くたたいたときの高さを、それぞれアプリで読みます。吹くときにふるえるのは中の空気で、たたくときにふるえるのはびんと水です。ふるえる物が違うので、水を増やしたときの高さの変わり方が逆になることが多い。ここがこの研究のいちばん面白いところで、測る前に「吹いたときは水が多いほど高い(低い)と思う」と予想を書いておくと、考察が書きやすくなります。ガラスのびんを使うときは、強くたたいて割らないように、大人と一緒に行います。
測るときの決まりを 3 つ書いておきます。1 つ目、同じ条件で 3 回以上測る。2 つ目、変えるのは 1 回に 1 つ。3 つ目、測れなかった回も「測れなかった」と表に書く。この 3 つを守った表は、それだけで研究の形になります。
まとめ方
まとめは、動機、予想、方法、結果、考察、感想の順です。模造紙なら左上から右下へこの順に並べ、レポートなら 1 項目ずつ見出しを付けます。動機は「なぜ糸をぴんと張ると聞こえるのか不思議だった」のように、自分が実際に引っかかった場面を 2〜3 行で書きます。予想は、測る前に書いた物をそのまま載せます。外れていても消しません。外れた予想は考察のいちばんの材料です。
方法は、用意した物と手順を、読んだ人が同じことをやり直せる細かさで書きます。「糸は 3 m、ぴんと張る、10 の言葉を小さな声で言う」まで書いてあれば、同じ実験をした別の人と結果を比べられます。写真を 1 枚貼るなら、糸電話を張っている全体の写真より、コップの底の結び目の写真のほうが方法の説明になります。
結果は、表とグラフの両方で見せます。糸電話のように「10 個中いくつ」の結果は棒グラフ、輪ゴムやびんのように「長さを変えて高さがどう変わるか」の結果は折れ線グラフか棒グラフが向きます。図3は輪ゴムの弦の記録の例を棒グラフにしたものです。

図3のように、横軸にふるえる部分の長さ、縦軸に測った高さを取ります。この例では 24 cm で 220 Hz、12 cm で 440 Hz、8 cm で 660 Hz、6 cm で 880 Hz です。長さが半分になると高さの数値はおよそ 2 倍になり、これは音楽で 1 オクターブ上がる関係です。自分の測った値がこの例とぴったり同じになる必要はありません。張り方や輪ゴムの太さで値は変わります。大切なのは「長さが半分で数値が 2 倍くらい」という形が自分の表にも出ているかどうかで、出ていなければ出ていないと書き、どこで張り方が変わったかを考えます。
グラフを描くときは、縦軸の 0 を省かないこと、目盛りの間隔を等しくすること、単位(cm、Hz)を軸の名前に書くことの 3 つを守ります。目盛りが等間隔でないグラフは、形が嘘になります。棒の色は 1 色で足ります。目立たせたい 1 本だけ色を変えると、読む人の目がそこに行きます。
考察には、測った結果が支える一文と、まだ確かめていない範囲の一文の両方を置きます。「糸をぴんと張ったときだけ 9 m でも届いた。だから声のふるえは糸がまっすぐなときに伝わりやすいと考えた」のように、結果の数字を根拠にして 1 文で言い切り、そのあとに「ただし材料はたこ糸しか試していないので、釣り糸でも同じかはわからない」と、試していない範囲を書きます。この「わからない範囲」を自分で書ける研究が、読む人の目にいちばん止まります。
感想は 3 行で足ります。何が意外だったか、次に何を試したいかを書きます。「次は糸の材料を変えたい」と書けば、来年の研究の題がもう決まっています。
うまくいかないとき
糸電話の声が全く届かないときは、まず糸がコップの底でしっかり結ばれているかを見ます。結び目が穴から抜けかけていると、ふるえが糸に移りません。次に、糸が途中で壁や体に触れていないかを見ます。触れた所でふるえが逃げます。それでも届かないなら、糸を 1 m に短くして、届くかどうかを試します。1 m で届けば、長さが原因だとわかります。1 m でも届かなければ、コップか結び目が原因です。
輪ゴムの Hz がアプリで読めないときは、音が小さすぎるか、短すぎるかのどちらかが多いです。箱を机の上に置き、スマートフォンを箱の真横 10 cm に置いて、はじいた直後に画面を読みます。値が毎回ばらばらなら、3 回の真ん中の値を使うか、「ばらついた」とそのまま書きます。
失敗は消さないで、結果として書きます。「6 m では 4 回のうち 1 回しか測れなかった。風で糸が揺れたからだと考えた。次は室内でやりたい」と書けば、それは立派な考察です。研究で読む人が見ているのは、全部うまくいったかどうかではなく、うまくいかなかったときに原因を考えたかどうかです。
よくある質問
糸電話の糸は何 m まで伸ばせますか
家の廊下や庭の長さで決まります。10 m を超えると糸を張ったまま保つのが難しくなるので、まず 3 m、6 m、9 m の 3 つで比べ、余裕があれば伸ばすのが進めやすい順です。長い糸を外で張るときは、通る人が引っかからない場所を選びます。
音の高さを測るアプリが無いときはどうしますか
ピアノや鍵盤ハーモニカがあれば、鳴らした音と同じ高さの鍵盤を探して、ドレミで記録します。輪ゴムの長さを半分にして 1 オクターブ上の同じ音名になれば、関係は確かめられます。耳での聞き比べも、2 人以上で同じ答えになれば結果として書けます。
雷の音でも研究になりますか
なります。稲光が見えてから雷の音が聞こえるまでの秒数を数え、音が空気の中を 1 秒におよそ 340 m 進むことを使えば、雷までの距離の目安が出ます。3 秒ならおよそ 1 km です。ただし外で雷を待たないでください。窓の内側の安全な場所で数えます。
親の関わり方と個別指導で確かめること
糸電話は 2 人いないと測れないので、親が相手役になるのがいちばんの関わり方です。言葉を言う役を引き受け、聞こえたかどうかの判定と表への記入はお子さまに任せます。考察を書く段で手が止まったら、「どの数字を見てそう思ったの」と聞き返すだけで、文が動きだします。
個別指導で確かめるのは、変えた条件が 1 つだけだったか、表の数と考察の文が結びついているか、「わからなかった範囲」が書けているかの 3 点です。中学生なら、測った Hz の関係を振動数の言葉で言い直せるかまで見ます。
まとめ
糸をぴんと張ったときだけ声が届く、その 1 回の驚きを 10 の言葉と 4 回の測定に変えたとき、きょうだいの遊びは研究になります。変える条件を 1 つに絞り、同じ条件で 3 回測り、測れなかった回もそのまま書く。音は見えません。けれど、ふるえを数えれば音は数になり、数になった音は紙の上で比べられます。
読んで終わりにするか、ここから変えるか。
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