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算数検定9級—小3の範囲、かけ算とわり算の入口|武蔵野個別指導塾

小学3年程度の算数検定9級は、20問を40分で解き、合格の目安が全問題の70%程度です。2けたをかけるかけ算、あまりのあるわり算、時刻の計算を例題で確かめ、受検までの6週間の進め方を組み立ててください。
算数検定9級の要点を先に置きます。
| 項目 | 9級の内容 |
|---|---|
| 目安の学年 | 小学校3年程度 |
| 構成 | 1次と2次の区分はなく、1回の検定だけ |
| 検定時間と出題数 | 40分・20問 |
| 合格基準 | 全問題の70%程度(20問なら14問あたりが目安) |
| 検定料(個人受検) | 2,700円(団体受検は2,500円) |
| 出題の割合 | 小学校3年程度45%・小学校2年程度45%・数検特有の問題10%(協会が示すおおよその目安) |
よくあるのは、夕食のあとの食卓で、小学3年生のお子さまがかけ算の計算カードをめくっている場面です。「7×8」と読み上げて「56」と答える速さは申し分ないのに、同じ日の算数のプリントでは「56÷7」の答えに「9」と書いてある。九九は口が覚えていて、わり算は九九をさかのぼる作業だと、まだ体がつかんでいない。算数検定9級の範囲は、ちょうどこの「九九のあと」に広がる場所です。かけ算を2けたに伸ばし、わり算を入口から固め、時間と長さの計算を加える。この記事では、その範囲と進め方を、例題を解きながら確かめます。
試験のかたちと範囲
算数検定9級は、公益財団法人 日本数学検定協会が実施する実用数学技能検定のうち、小学校3年程度にあたる級です。6級から11級までは「算数検定」と呼び、1級から5級の数学検定にある1次(計算技能)と2次(数理技能)の区分がありません。9級は1回の検定で、40分のあいだに20問を解きます。合格基準は全問題の70%程度ですから、20問のうち14問あたりが目安です。満点を取る試験ではなく、6問ほどは落としても合格に届く設計だと最初に伝えておくと、お子さまの肩の力が抜けます。

図1のように、出題の割合は協会の検定基準で、小学校3年程度の内容が45%、小学校2年程度の内容が45%、数検特有の問題が10%と示されています。割合はおおよその目安とされていますが、ここから読み取れることが2つあります。1つは、9級の半分近くは小学2年の内容だということです。百の位までのたし算とひき算、かけ算の意味と九九、三角形と四角形、長さと水のかさ、時間と時計の読み方は、9級でもそのまま問われます。もう1つは、3年の内容が「2けたの数をかけるかけ算」「1けたの数でわるわり算」「小数と分数の意味と加減」「長さ・重さ・時間の単位と計算」「円と球」「二等辺三角形と正三角形」「表や棒グラフ」まで広がるということです。学校の進度によっては、受検日の時点でまだ習っていない単元が残ることがあります。申し込む前に、教科書の目次と照らして、どこまで習い終えているかを確かめてください。
数検特有の問題は、割合では10%ですから、20問の中では2問ほどです。身近な場面を題材にした問いが多く、協会の案内では「色紙などを、計算して同じ数に分けることができる」「調べたことを表や棒グラフにまとめることができる」「体重を単位を使って比較できる」といった技能が9級の目安として挙げられています。特別な解き方を覚える問題ではなく、習った計算を生活の場面に当てはめる問題だと考えて差し支えありません。
当日の持ち物も、級によって違います。協会の持ち物の表では、9級から11級は受検証(顔写真の貼り付けは不要)と鉛筆(黒のHB・B・2B)かシャープペンシル、消しゴムとものさし(定規)が必須で、コンパスと分度器は使わず、電卓も使えません。定規が必須になっているのは、長さをはかる問題や図をかく問題があるからです。家で練習するときも、定規を手元に置く習慣をつけておくと当日に慌てません。
個人受検で9級が受けられる今年度の残りの検定日は、2026年12月5日(土・申込は締め切り済み)、2027年1月16日(土・申込締切は12月1日)、2027年2月12日(金)、2月13日(土・受付は12月7日から1月8日)、3月6日(土・申込締切は1月26日)です。小学3年生の場合、3学期に受けると習い終えた単元が多く、2学期の終わりに受けると未習の単元が残りやすい。どの回にするかは、教科書の進度を見てから決めるのが筋です。
合格までの進め方
9級の勉強は、受検日から逆算して6週間を見ておくと余裕があります。1日の量は15分で足ります。長い時間を1日にまとめるより、短い時間を毎日続けるほうが、計算の手つきは安定します。

図2のように、6週間を5つの段に分けます。最初の2週間は「九九と筆算」です。計算カードで九九を上から下から唱え、そのあとに2けた×1けた、2けた×2けたの筆算を1日4問。ここで位をそろえて書く癖をつけます。1日の量の例を挙げると、計算カード20枚を1分半で通し、筆算を4問、合わせて10分。残りの5分は、前の日に間違えた問題をもう一度解きます。
次の1週間は「わり算の入口」です。1けたの数でわるわり算を、九九の逆として練習します。「42÷6」は「6×□=42」の□を探す作業だと声に出して言い、答えを書いたら「6×7=42」と確かめ算をする。あまりのあるわり算に入ったら、「わる数×商+あまり=わられる数」の確かめ算を必ず書きます。確かめ算を省く子は、あまりがわる数より大きい答えを平気で書きます。確かめ算を書く子は、自分で気づいて直します。この差が、9級では2問から3問の差になります。
4週目は「時間・長さ・重さ」です。9級の範囲には、時刻と時間の計算、km と m、kg と g の換算が入っています。ここは計算そのものより、単位の切り替えでつまずきます。1時間は60分、1 km は1000 m、1 kg は1000 g と、口で言えても、筆算の途中で「60」と「100」を混ぜる子が多い。1日に時刻の問題を2問、長さか重さの問題を2問。少なくていいので、毎日触ることが大事です。
5週目は「文章題と表」です。小数と分数の加減、円と球、二等辺三角形と正三角形、表や棒グラフを、文章題の形で解きます。問題文を読んで、何を求めるのかに線を引き、式を立ててから計算する。この順番を崩さないようにします。6週目は「40分で通す」週です。20問を40分で解く練習を2回か3回。時計を横に置いて、20問の時間配分を体で覚えます。1問に2分かけられる計算ですから、1問に5分かかる問題があれば飛ばして次へ進み、最後に戻る。この判断を本番の前に練習しておきます。
保護者の方が関われるのは、丸つけと確かめ算の確認です。答えが合っているかより、確かめ算が書いてあるかを見てください。確かめ算が書いてあって答えが違うなら、どこで違ったかを一緒に探せます。確かめ算が無くて答えが合っているなら、次は間違えるかもしれません。見るところは答えではなく、途中の手つきです。
例題で確かめる
9級の範囲から、自作の例題を3問置きます。手順を追って、同じ書き方でお子さまに解かせてみてください。
【例題1】36×24 を筆算で求めなさい。
2けた×2けたの筆算は、かける数を一の位と十の位に分けて、2段に書きます。まず一の位の4をかけて、36×4=144。次に十の位の2をかけて、36×2=72 ですが、この2は20のことなので、72を1けた左にずらして書きます。つまり36×20=720 です。2段を足して、144+720=864。答えは864です。2段目を左にずらす理由を「20をかけているから」と説明できれば、筆算は手順ではなく意味として身についています。
【例題2】色紙が50まいあります。8人で同じ数ずつ分けると、1人分は何まいで、何まいあまりますか。
「同じ数ずつ分ける」はわり算です。50÷8 を考えます。8の段で50に近くて50をこえない答えを探すと、8×6=48。50から48をひいて、あまりは2。1人分は6まいで、2まいあまります。答えを書いたら確かめ算を書きます。8×6+2=50。わられる数の50と一致したので、正しい答えです。あまりの2がわる数の8より小さいことも、目で確かめておきます。
【例題3】午前9時45分に家を出て、1時間30分歩きました。着いたのは午前何時何分ですか。
時間の計算は、まず「きりのいい時刻」まで進めるのが安全な方法です。9時45分から10時までは15分。1時間30分のうち15分を使ったので、残りは1時間15分。10時から1時間15分進めて、11時15分。答えは午前11時15分です。45分に30分を足して75分とし、「9時75分」と書いてから直す方法もありますが、途中で75分を1時間15分に直すところで間違えやすい。きりのいい時刻をいったん経由する方法を、先に身につけてください。
3問に共通するのは、答えのあとに「確かめ」が置けることです。かけ算は2段の足し算を見直す、わり算は確かめ算を書く、時間は数直線で進めた道をたどり直す。9級の20問を40分で解くと、見直しの時間は数分しか残りません。それでも、確かめの手つきが身についている子は、残った数分で1問を拾います。
まちがえやすいところ
9級で多い誤りは3つに絞れます。
1つ目は、筆算の位がずれる誤りです。例題1のような2けた×2けたでは、2段目を左に1けたずらすところを忘れて、そのまま右にそろえて足してしまう。36×24 なら、144と72をそのまま足して216と書く誤りです。「2段目は十の位をかけているから、答えも十の位から始まる」と、ずらす理由を言わせてください。理由が言えると、ずれは減ります。
2つ目は、あまりがわる数より大きいままの誤りです。70÷8 で「8×8=64、あまり6」と書けば正しいのですが、「8×7=56、あまり14」と書いて止まる子がいます。あまりの14はまだ8で分けられるのに、気づかない。確かめ算「8×7+14=70」は成り立ってしまうので、確かめ算だけでは防げません。「あまりはわる数より小さい」という決まりを、確かめ算の次に必ず見る習慣をつけます。

3つ目は、時間の計算で60分をこえたときの直し方です。図3のように、2時50分の30分後を求めるとき、50分に30分を足して「2時80分」と書いたまま答えにしてしまう。1時間は60分ですから、80分は1時間20分で、答えは3時20分です。図3では、2時50分からまず10分進めて3時にし、残りの20分を進めて3時20分に着く道を示しました。きりのいい時刻を経由する道は、60分の壁を自然にこえます。「2時80分」は時計には存在しない時刻だと、お子さまに時計の文字盤で確かめさせると、二度と書かなくなります。
確かめの問題
例題とは別の数で、練習を3問置きます。解いたら、答えと解説の前に、自分で確かめ算を書いてみてください。
- 48×35 を筆算で求めなさい。
- 75÷9 の商とあまりを求め、確かめ算を書きなさい。
- 家から学校までは1 km 350 m、学校から図書館までは850 m です。家から学校を通って図書館まで行くと、道のりは何 km 何 m ですか。
答えと解説
- 48×5=240、48×30=1440、240+1440=1680。答えは1680です。2段目の1440が、十の位から始まっていることを確かめてください。
- 9の段で75に近くて75をこえない答えは9×8=72。75から72をひいて、あまりは3。商は8、あまりは3です。確かめ算は9×8+3=75。あまりの3がわる数の9より小さいことも見ます。
- 1 km 350 m は1350 m です。1350+850=2200 で、2200 m。1000 m が1 km ですから、2200 m は2 km 200 m です。答えは2 km 200 m。単位をそろえてから足すのが、この問題の急所です。
次に受ける級と入試での扱い
9級に合格したら、次は8級(小学校4年程度)です。8級では整数の四則混合計算、概数、長方形と正方形の面積、角の大きさ、折れ線グラフが入ってきます。9級でつけたわり算の手つきは、4年生で習う2けたでわるわり算にそのままつながります。
算数検定が中学入試や高校入試でどう扱われるかは、学校ごとに違います。協会のサイトに入試での活用校を調べる仕組みがありますから、気になる学校があれば、その学校の募集要項と合わせて確かめてください。9級の合格そのものが入試で直接評価されると断定はできません。それより、9級で固めた計算の土台が、4年、5年の算数を支えることのほうが確かです。
個別指導で9級の準備をするときは、まず九九を上から下から唱えてもらい、つまる段があればそこから戻ります。わり算の確かめ算を自分で書けるかまで見て、書けなければ2年の「かけ算の意味」に戻って、同じ数のまとまりを数える練習からやり直します。
まとめ
算数検定9級は、20問を40分で解き、14問あたりで合格に届く検定です。範囲の半分は小学2年の内容で、残りの半分が2けたをかけるかけ算、1けたでわるわり算、時間と長さと重さの計算に広がります。九九を唱えるだけで終わらせず、わり算を九九の逆として体に入れ、確かめ算を書く手つきを6週間で固める。食卓の計算カードが「56÷7」まで届いたとき、9級の準備は半分終わっています。
読んで終わりにするか、ここから変えるか。
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