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【物理】物理で使う数学を図解で総まとめ—ベクトル 三角関数 微分積分 近似|武蔵野個別指導塾

力の分解、単振動、速度グラフの例題を通して、式と運動の対応を確かめます。微分積分を使わない解き方も添え、微小角の近似や半減期の対数計算まで順にたどれます。
よくあるのは、朝の通学路の坂を上りながら、昨夜解いた斜面の問題を思い出し、「重力は真下を向くのに、なぜ坂に沿う力に sin が付くのだろう」と止まる場面です。水平な地面では使えた運動方程式も、斜面になると急に数学の問題に見えてきます。式を覚えていても、図のどの長さを計算しているのかが見えないと、角度の位置が変わるたびに迷います。
物理で使う数学は、現象の見え方をそろえるための道具です。向きを分けるのがベクトルの成分、周期的な変化を表すのが三角関数、変化の速さを読むのが微分、少しずつ生じた変化を足すのが積分です。それぞれの式に戻る場所として、矢印やグラフを用意しておくと、計算の途中でも意味を確かめられます。
ここでは高校物理に必要な範囲で、その道具の使い方をつなげます。数学の計算が先に進んでいなくても読めるよう、傾きや面積を使う方法を併せて確かめます。
この単元で身につけること
- ベクトルを成分に分けます。基準の軸と角度を図に置き、sin と cos のどちらを使うかを直角三角形から決めます。
- 三角関数で単振動を表します。振幅、周期、位相の意味を区別し、式の中の角度が運動のどの状態を表すかを読みます。
- 位置、速度、加速度をグラフで結びます。傾きが表す量と面積が表す量を、縦軸と横軸の単位から確かめます。
- 小さい角度の近似を条件付きで使います。ラジアンへの換算と誤差の大きさを確認し、等号と近似の記号を使い分けます。
- 指数と対数で一定割合の変化を扱います。半減期の式を読み、残る割合から経過時間を逆に求めます。
中学校の直角三角形、一次関数、平方根と、物理基礎の等加速度直線運動が出発点です。新しい記号が現れたときは、以前の学習で表せる具体的な図へ戻ると、必要な計算の範囲が見えてきます。
数値を求める例題と練習問題の答えは、原則として有効数字3桁で示します。途中計算は丸めず、最後にそろえます。重力加速度が必要な箇所では、教科書で用いる g=9.8 m/s² を使います。
基本の考え方
ベクトルの成分は軸を決めてから読む
大きさだけで表す量をスカラー、大きさと向きをもつ量をベクトルといいます。質量や時間はスカラー、変位、速度、力はベクトルです。ベクトル v という書き方をしたとき、矢印全体を指しているのか、その大きさ v を指しているのかを区別しましょう。大きさは負になりませんが、成分は軸の正方向に対して逆向きなら負になります。
平面で右向きを x 軸の正方向、上向きを y 軸の正方向にします。大きさ F の力が x 軸の正方向と角 θ をなすとき、成分は Fₓ=F cosθ、Fᵧ=F sinθ です。これは新しい力の法則ではありません。直角三角形で「隣り合う辺/斜辺」が cosθ、「向かい合う辺/斜辺」が sinθ であることから出ます。角度を y 軸から測れば、同じ矢印でも式に現れる sin と cos の役割が変わります。

図1のように、矢印の先から各軸へ垂線を下ろすと、二つの成分が見えます。この図は大きさ 10.0 N、角度 30.0° の力を表しています。二つの成分は元の力と同時に余分に加わる力ではなく、同じ作用を軸ごとに表したものです。元の矢印と成分の両方を運動方程式に足すと、同じ力を二重に数えてしまいます。
直交する成分から大きさを戻す式は F=√(Fₓ²+Fᵧ²) です。二つの辺が直角に交わるため、三平方の定理を使えます。成分の符号だけを見て大きさにも負号を付けるのではなく、二乗して足した量の正の平方根を取ります。合力を求めるときは、各力の x 成分どうし、y 成分どうしを先に足してから、この式を使います。
坂の問題では、斜面に沿う軸と垂直な軸を選ぶと運動を追いやすくなります。水平との角が θ の斜面で、重力 mg の斜面下向き成分は mg sinθ、斜面へ押し付ける向きの成分は mg cosθ です。斜面に垂直な下向きと鉛直下向きの間の角が θ なので、斜面に沿う成分はその角の向かい側になります。名前だけで覚えるより、重力を斜辺にした三角形を描くほうが、坂の向きが変わっても判断できます。
円の角度で往復運動の時刻を表す
三角関数は三角形の辺だけでなく、円上の点の位置も表します。半径 A の円上の点について、中心からの線が x 軸となす角を θ とすれば、x 座標は A cosθ です。点が一定の角速度 ω で回転すると θ=ωt+φ となり、その x 座標は x=A cos(ωt+φ) と書けます。円運動を直径へ投影したこの往復運動が、単振動です。
A はつり合いの位置から端までの最大距離で、振幅といいます。往復の両端の間隔は 2A です。ω は単位時間あたりに進む角度で、角速度といいます。括弧内の ωt+φ は位相で、往復のどの段階にいるかを表します。φ は t=0 の位相で、初期位相と呼びます。x はつり合いの位置を原点とした変位であり、進んだ道のりではありません。
角度には度とラジアンがあります。ラジアンは円弧の長さを半径で割って定める角度で、1周は 2π rad、半周は π rad です。この定義から 180°=π rad となります。角速度を rad/s、時間を s で表すと、ωt はラジアンの角度になります。式で三角関数を微分したり、小さい角度を近似したりするときは、ラジアンで扱います。
1周期 T の間に位相が 2π 進むため、ωT=2π、したがって ω=2π/T です。1秒あたりの振動回数を振動数 f といい、f=1/T なので ω=2πf でもあります。変位を sin で表しても単振動は表現できますが、初期位相を合わせる必要があります。同じ括弧のまま cos を sin に変えると、時刻0の位置が変わります。
変化の速さと積み重なりをつなぐ
位置 x が時間 Δt の間に Δx だけ変化したとき、平均速度は Δx/Δt です。Δ は「変化分」を表す記号です。時間の幅を十分小さくしていったときの極限が、その瞬間の速度 v=dx/dt です。この操作を微分といいます。位置と時刻のグラフでは接線の傾きに対応し、グラフが高い位置にあるかどうかとは別の情報です。
速度が変化する速さが加速度で、a=dv/dt です。加速度が一定なら平均加速度と瞬間の加速度が一致するので、微分を使わなくても a=(v−v₀)/t から v=v₀+at が得られます。さらに速度の平均が (v₀+v)/2 となるため、変位は x−x₀=v₀t+at²/2 です。微分でこの位置の式を読むと、定数 x₀ の変化率は0、t の変化率は1、t² の変化率は2t なので、同じ速度の式へ戻れます。
逆に、速度から変位を求めるには、短い時間ごとの「速度×時間」を足します。これが積分の考え方で、変位は速度と時刻のグラフの符号付き面積です。微分積分の記号を用いれば x(t₂)−x(t₁)=∫ₜ₁ᵗ₂ v(t)dt と表せます。直線のグラフなら長方形、三角形、台形の面積で求められ、積分の計算法をまだ学んでいなくても計算できます。
小さい量の扱いと、一定割合で変わる量の扱いにも数学が役立ちます。ラジアンで測った十分小さい角 θ では sinθ≈θ、cosθ≈1 と近似できます。≈ は、必要な精度の範囲で近い値として扱う印です。一方、半減期ごとに残る割合が 1/2 になる変化では、一定時間あたりに同じ量が減るのではなく、その時点の量に対して同じ割合が減ります。こうした違いを表すのが指数で、その逆算に使うのが対数です。
例題で解き方を確かめる
例題1 向きのある力を二つの成分に分ける
水平右向きを x 軸の正方向、鉛直上向きを y 軸の正方向とします。大きさ 10.0 N の力が、水平右向きから上へ 30.0° 傾いています。力の x 成分と y 成分を求めましょう。
- 角度がどの軸から測られているかを確認します。今回は x 軸からなので、角に隣り合う辺が x 成分、向かい合う辺が y 成分です。図1と同じ三角形にすることで、sin と cos の選択を図に結び付けられます。
- Fₓ=10.0 cos30.0°、Fᵧ=10.0 sin30.0° と立式します。どちらも正の向きを向くので、成分の符号はともに正です。長さの比である三角関数を掛けても、力の単位 N はそのまま残ります。
- cos30°=√3/2、sin30°=1/2 を使って計算します。Fₓ は 5√3 N、Fᵧ は 5 N となります。最後に有効数字3桁へそろえ、√(Fₓ²+Fᵧ²) が元の大きさへ戻ることも確かめます。
答え:Fₓ=8.66 N、Fᵧ=5.00 N です。
力が左上へ向いていれば、x 成分だけが負になります。その場合も三角形の辺の長さと成分の符号は分けて考えられます。大きさの計算をしてから、選んだ軸に対して向きを確かめる順番が有効です。
例題2 単振動の位置と速度を同じ位相で読む
振幅 A=0.200 m、周期 T=2.00 s の単振動があります。時刻 t=0 で正の端にあり、その直後は負の向きに動きます。t=0.250 s の変位、速度、加速度を求めましょう。計算では与えられた値を用い、途中では丸めません。
- 正の端から始まるので x=A cosωt と置きます。初期位相を0にすれば x(0)=A となり、条件に合います。ω=2π/T より角速度は π rad/s で、求める時刻の位相は π/4 rad です。
- 変位を微分して v=−Aω sinωt、さらに微分して a=−Aω² cosωt を得ます。ラジアンでの cos の変化率が −sin であり、位相が毎秒 ω ずつ進むため ω を掛けます。加速度の式は a=−ω²x とも書け、つり合いの位置へ向くことがわかります。
- 微分を使わずに速度を確かめるには、対応する円運動を見ます。円周上の速さは1周の距離を周期で割った 2πA/T=Aω です。反時計回りの接線方向の速度を x 軸へ分けると −Aω sinωt になります。円運動の中心向き加速度の大きさは (Aω)²/A=Aω² なので、その x 成分も −Aω² cosωt です。
- sin(π/4)=cos(π/4)=√2/2 を各式に入れます。変位は正、速度と加速度は負です。物体は正の側にいながら原点へ向かい、その向きに加速していると読めます。位置が正だから速度も正だと決めないことが大切です。
答え:変位は 0.141 m、速度は −0.444 m/s、加速度は −1.40 m/s² です。
周期の半分や4分の1の時刻も確かめると、式の意味が見えます。端では速度が0で、つり合いの位置では速さが最大です。加速度の大きさは端で最大になり、つり合いの位置では0になります。三つの量の最大値は、同じ時刻にそろうわけではありません。
例題3 速度の直線グラフから変位を求める
直線上を動く物体の初速度が 2.00 m/s、一定の加速度が 1.00 m/s² です。時刻0の位置を x=0 として、3.00 s 後の速度と、その間の変位を求めましょう。

図2のように、速度のグラフは時刻0で 2 m/s、時刻3 s で 5 m/s を通る直線です。横軸と線の間の台形を、長方形と三角形に分けて考えられます。図中の目盛りは読みやすい整数表記で、問題文の数値の精度は保って計算します。
- 一定の加速度はグラフの一定の傾きに対応します。v=v₀+at に数値を入れ、3.00 s 後の速度を求めます。加速度の単位 m/s² に s を掛けると m/s となり、初速度と足せます。
- 台形の面積を、(2.00+5.00)×3.00/2 で計算します。縦軸の m/s と横軸の s の積は m なので、得られるのは速度ではなく変位です。今回の速度はずっと正のため、変位と道のりの数値が一致します。
- 別の確かめ方として、x=v₀t+at²/2 に代入します。これは長方形の面積 v₀t と三角形の面積 at²/2 の和です。微積で表せば、v₀+at を時刻0から t まで積分して同じ式になり、さらに微分すれば元の速度へ戻ります。
答え:3.00 s 後の速度は 5.00 m/s、変位は 10.5 m です。
位置の式には一般に初期位置 x₀ も加わります。速度を知っていても、出発地点がわからなければ絶対的な位置は決まりません。積分で定数が現れることは、物理では「出発地点の情報が別に必要」という意味をもっています。
例題4 半減する割合から時間を逆算する
半減期が 4.00 h の放射性核種について、未崩壊の原子核の数が、初めの 0.100 倍になるまでの時間を求めます。半減期は未崩壊の原子核の数が半分になる時間です。ここでは多数の原子核の集まりについての減衰を扱います。
- 経過時間を t、半減期を H とし、半減期の何回分かを n=t/H と置きます。残る割合は (1/2)ⁿ です。H ごとに 1/2 を掛けるため指数になり、各回に同じ個数を引く計算にはなりません。n は単位をもたない数です。
- (1/2)ⁿ=0.100 を、2ⁿ=10 と書き換えます。指数 n を取り出すため、10を底とする常用対数を使います。log₁₀a は「10を何乗すると a になるか」を表す数で、a は正です。底が同じ指数の掛け算で指数が加わることから、log₁₀(2ⁿ)=n log₁₀2 が得られます。
- n=log₁₀10/log₁₀2 として計算し、t=nH に戻します。時間の単位は H に合わせて h です。対数を使わない確認では、3回の半減後の割合が 1/8、4回後が 1/16 なので、求める時間は半減期の3回分と4回分の間にあるはずです。
答え:初めの 0.100 倍になるまでの時間は 13.3 h です。
対数に入れたのは原子核の数の比であり、単位のある時間そのものではありません。指数の中の t/H も時間どうしの比です。指数や対数の式を立てるときは、単位をもたない割合に直してから扱うと、異なる時間単位の混在も防げます。
つまずきやすいところと直し方
誤り1 速度グラフの高さを加速度と考える
誤った書き方は「速度のグラフが横軸より上だから加速度は正」です。どこが違うかというと、グラフの高さは速度そのものであり、加速度は速度が増えるか減るかを表す傾きです。速度が正でも、右下がりなら加速度は負になります。
正しい書き方は「速度の符号は高さ、加速度の符号は傾きから決める」です。位置のグラフを読む場合は、今度は高さが位置、傾きが速度になります。グラフの形だけで意味を決めず、まず縦軸の量を声に出して読むと混同を減らせます。
面積にも同じ注意があります。速度と時刻のグラフが横軸より下にある区間は、変位への寄与が負です。往復運動の道のりを求めるときは、負の部分の面積も大きさを取って加えます。全区間の符号付き面積が0でも、まったく動いていないとは限りません。
誤り2 度の数値をそのまま sinθ≈θ に入れる
誤った書き方は「角度 10.0° は小さいから sin10.0°≈10.0」です。どこが違うかというと、sinθ≈θ の右辺に入れるのはラジアンで測った数値です。sin は −1 から1までの値なので、右辺が10になる時点でおかしいと気付けます。
正しい書き方は「10.0°=π/18 rad に直してから、sin(π/18)≈π/18 とする」です。3桁で書くと右辺は 0.175、左辺は 0.174 ですが、実際の近似誤差は丸める前の値で比べます。この例で、sinθ の値を基準とした相対誤差は 0.510%です。相対誤差とは、値の差の大きさを基準の値で割ったものです。

図3のように、θ が0に近いところで y=sinθ と y=θ は近づきます。しかし、正の角度が大きくなると、直線のほうが正弦曲線より上へ離れていきます。したがって「小さい角なら常に正確」ではなく、どの程度の精度が必要かで使える範囲が変わります。グラフの横軸は rad で、縦軸は単位をもたない数です。
この近似の理由は単位円でも説明できます。0<θ<π/2 では、扇形の面積を内側と外側の三角形の面積で挟むと sinθ<θ<tanθ が得られます。cosθ<sinθ/θ<1 と書き直せるため、θ が0に近づいて cosθ が1に近づくと sinθ/θ も1に近づきます。負の小さい角にも、sin の符号の対称性から同じ近似が使えます。
長さ ℓ の単振り子では、円弧に沿うつり合いの位置からの変位 s は ℓθ です。接線方向の重力成分 −mg sinθ を小さい角度で −mgθ と近似すると、接線方向の運動方程式は a≈−(g/ℓ)s となります。これを単振動の a=−ω²s と比べれば、ω≈√(g/ℓ)、周期 T≈2π√(ℓ/g) が導けます。大きく振る場合まで同じ近似が成り立つとはいえません。
誤り3 指数の減少を一定量の引き算にする
誤った書き方は「半減期を2回過ぎると、初めの半分を2回引くので0になる」です。どこが違うかというと、2回目に半分になるのは初めの量ではなく、1回目の後に残った量です。基準となる量が毎回変わります。
正しい書き方は「2回の半減後は初めの (1/2)²=1/4」です。最初の量を N₀ とすれば、1回後 N₀/2、2回後 N₀/4、3回後 N₀/8 と表にできます。この並びを時間の式へ広げたものが N/N₀=(1/2)ⁿ、n=t/H です。
対数の式でも、log₁₀(a+b) を log₁₀a+log₁₀b としてはいけません。対数で足し算になるのは、a>0、b>0 のときの積 ab です。log₁₀(ab)=log₁₀a+log₁₀b は、指数の掛け算の規則を逆から読んだ関係です。何の逆算なのかへ戻れば、似た形の式を区別できます。
練習問題
練習1
大きさ 12.0 N の力が、x 軸の正方向から反時計回りに 60.0° を向いています。x 軸は右向き、y 軸は上向きです。x 成分と y 成分を求め、どちらの成分が大きいかも図の形から説明してください。
練習2
振幅 0.100 m、周期 4.00 s の単振動が、時刻0に正の端から始まります。1.00 s 後の変位、速度、加速度を求めてください。位相を先に求め、0になる量は三角関数の正確な値から判断しましょう。
練習3
ある物体の速度が、0から 4.00 s の間に 3.00 m/s から −1.00 m/s へ一定の割合で変化します。加速度、この間の変位、道のりを求めてください。速度が0になる時刻でグラフを分けることが、道のりを計算する手がかりです。
練習4
半減期が 5.00 h の放射性核種があります。未崩壊の原子核の数が初めの 0.300 倍になるまでの時間を求めてください。途中では log₁₀0.300/log₁₀0.5 を丸めずに扱い、半減期1回分と2回分の間に入るかを確かめましょう。
答えと解説
練習1:x 成分は 6.00 N、y 成分は 10.4 N です。12.0 cos60.0° と 12.0 sin60.0° をそれぞれ計算します。矢印が水平よりも鉛直に近いので、y 成分のほうが大きくなります。角度の見た目による予想と計算結果を合わせると、成分の取り違えを発見できます。
練習2:変位は 0 m、速度は −0.157 m/s、加速度は 0 m/s² です。角速度は π/2 rad/s、位相は π/2 rad となるので、cos の項は正確に0、sin の項は1です。0は数学的に決まる値として表しています。つり合いの位置を負の向きに通過する瞬間で、速さは最大です。
練習3:加速度は −1.00 m/s²、変位は 4.00 m、道のりは 5.00 m です。加速度は (−1.00−3.00)/4.00 で求めます。3.00 s で速度が0となり、それまでの正の三角形の面積は 4.50 m、その後の負の部分の面積の大きさは 0.500 m です。変位では差を、道のりでは和を取ります。
練習4:時間は 8.68 h です。n=log₁₀0.300/log₁₀0.5 として、t=5.00n h を計算します。残る割合の 0.300 は、1回の半減後の 0.5 と2回の半減後の 0.25 の間なので、時間も 5.00 h と 10.0 h の間に入ります。対数の値がどちらも負であるため、比は正になります。
次の単元へのつながりと家庭での確かめ方
ベクトルの成分は電場や磁場の向きの計算へ、三角関数と位相は波や交流へつながります。グラフの面積という見方は、力と時間から力積を、力と変位から仕事を求める場面でも使います。ただし、同じ形のグラフでも面積の意味は軸によって変わります。次に測定値からグラフを描くときにも、傾きと面積の単位を添える習慣が役立ちます。
家庭では、まず5分で、紙に斜めの矢印と直交する二つの軸を描いてみましょう。角度を測る側を x 軸から y 軸へ変え、矢印を変えずに成分の式を書き直します。sin と cos が入れ替わっても同じ成分になると説明できれば、図と式がつながっています。
もう一つは、5分で練習3の速度グラフを描き、横軸より上と下を別々に塗る方法です。それぞれの面積に単位を書き、変位と道のりで足し方が違う理由を言葉にします。保護者の方がお子さまと確かめる場合も、答えの数値だけでなく、どの面積を数えたかを聞くと理解した部分が見えます。
個別指導では、式変形で止まったのか、軸の選択で止まったのかを分けて確かめます。必要なら直角三角形の辺の比や一次関数の傾きまで戻り、そこから元の物理量と単位へつなぎ直します。
まとめ
計算が最後まで進んでも、矢印の向きや単位が合わなければ、現象を表す答えにはなりません。反対に、式の形を一度忘れても、成分の三角形、時間あたりの変化、グラフの面積へ戻れば、必要な関係を作り直せます。
sin を使った理由や負号の意味を、一つずつ図の中で指せるようにしてみましょう。近似なら成り立つ条件まで言葉にすることで、答えが通用する範囲も見えてきます。物理の式は、その一文字に対応する向き・変化・量を図で指せてこそ、自分で使える道具になります。
本気になった日が、入塾の日。
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