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【化学】反応速度を図解で総まとめ—速度の表し方・濃度 温度 触媒の影響・活性化エネルギー|武蔵野個別指導塾

【化学】反応速度を図解で総まとめ—速度の表し方・濃度 温度 触媒の影響・活性化エネルギーのアイキャッチ 武蔵野個別指導塾
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濃度と時間のグラフ、実験表からの速度式、触媒によるエネルギー図の変化を読み解きます。4つの例題で、速度の符号・反応式の係数・濃度の倍率を区別する手順を確かめられます。

よくあるのは、定期テスト前の自習室の白板の前で、濃度が下がるグラフを見ながら「傾きが負なのに、どうして反応速度の答えは正になるのだろう」と手が止まる場面です。隣には「温度を上げると速くなる」「触媒を加えると速くなる」と書いてありますが、どちらも同じ理由なのかは説明できません。公式を覚えていても、何が減り、何が増え、何を比べているのかが曖昧なままだと、計算と説明がつながりにくくなります。

反応速度は、反応がどれくらい進んだかを時間と結びつける量です。濃度の変化を数値で読む見方と、粒子の衝突や反応に必要なエネルギーから考える見方を行き来すると、別々に見えた問題を整理できます。白板の式に単位と物質名を書き足すところから始め、実験表から速度式を求め、触媒の図を説明できるところまで順に確かめましょう。

この単元で身につけること

化学基礎で学んだモル濃度と反応式の量的関係に、「その変化に何秒かかったか」という視点を加える単元です。物質量から濃度へ直す必要がある場合には、まず溶液の体積を L でそろえます。

基本の考え方

濃度の変化を時間で割る

反応物とは反応で消費される物質、生成物とは反応によって生じる物質です。反応の進行を濃度で追うと、反応物の濃度は減少し、生成物の濃度は増加します。ここでは体積が一定の系を考え、時間の単位を s、濃度の単位を mol/L とします。数値を扱うときは、測定した物質と時間の区間を必ずセットにしてください。

ある区間の平均速度は、その区間での変化を均等に進んだものとして表した速さです。反応物 A の平均減少速度は「初めの [A] − 後の [A]」を「後の時刻 − 初めの時刻」で割ります。[A] は A のモル濃度を表す記号です。生成物 B の平均生成速度は「後の [B] − 初めの [B]」を同じ経過時間で割ります。どちらも、減った量または増えた量を正の値で表します。

速度の単位は mol/(L・s) です。これは「1 L 当たりの物質量が、1 s 当たりどれだけ変わるか」という意味になります。濃度だけを時間で割ればよいのではなく、濃度の変化量を割る点が肝心です。初濃度が大きくても、測定中にほとんど変わらなければ、その区間の平均速度は小さくなります。

図1のように、反応物の濃度と時間の関係が曲線になることがあります。紺の曲線上の2点を結んだ赤い線の傾きは、その区間の平均の濃度変化を表します。線が右下がりなので傾きは負ですが、その大きさが反応物の平均減少速度です。横軸でどれだけ時間が進み、縦軸でどれだけ濃度が下がったかをそれぞれ読みます。

図1 反応物の濃度の曲線と二点を結ぶ平均変化の直線

図1では、20 s から60 s の2点を結んでいます。曲線の途中の濃度を赤い直線から読むことはできません。直線は区間全体の変化をまとめたもので、その間ずっと同じ速度で反応したと主張するものではないからです。ある時刻の速度は、その時刻付近のごく短い区間の変化から考え、グラフではその点に引いた接線の傾きの大きさに対応します。平均速度を求める問題で接線を引く必要はありません。

衝突の回数と、反応できる衝突

粒子どうしが出会う反応では、衝突する機会が必要です。同じ温度で反応物の濃度が高くなると、一般に単位体積中の粒子が多くなり、衝突の機会が増えます。ただし、速度が濃度にどのように依存するかは反応によって違います。「濃度が2倍なら必ず速度も2倍」とは限りません。この関係を調べるための式が、後で扱う反応速度式です。

気体では、温度を一定にして体積を小さくすると、反応物の濃度が高くなります。圧力の上昇が速度に影響する理由も、反応に関わる気体の濃度に着目すると整理できます。一方、反応物の量や容器の体積を変えず、反応に関わらない気体を加えて全圧だけを上げても、反応物の濃度は増えません。「圧力を上げた」という言葉だけで判断せず、何の濃度が変わったかを確認します。

固体と溶液、固体と気体の反応は、主に固体の表面で進みます。同じ質量の固体でも、細かく分かれているほど外部に触れる表面積が大きくなり、反応が速くなることがあります。固体の量を増やすことと、同じ量の固体の表面積を増やすことは別の変更です。粒の大きさの効果を調べるなら、固体の種類や質量、溶液の濃度、温度などをそろえて比較します。

衝突しても、すべてが反応につながるわけではありません。反応物から生成物へ変化する途中には、エネルギーの高い状態を通る必要があります。そのために必要なエネルギーの障壁を、活性化エネルギーといいます。衝突時の粒子の向きなども関わるので、粒子が触れれば必ず結合が組み替わるという理解は避けましょう。

温度を上げると粒子の熱運動が激しくなり、活性化エネルギーの障壁を越えられる粒子の割合が増えます。一般に反応速度が増す理由は、衝突回数の変化だけでは説明しきれません。「速く動くから」までで止めず、「反応に必要なエネルギーをもつ粒子の割合が増す」とつなげます。加熱によって活性化エネルギーそのものが低くなった、と説明するのは誤りです。

反応速度式は実験から決める

温度などの条件を一定にすると、反応速度 v を濃度で表せる場合があります。例えば v = k[A][B] という式は、A と B の各濃度に比例することを表します。k は反応速度定数と呼ばれ、その反応の温度や触媒の有無などに依存します。同じ条件で濃度だけを変える比較では、k を共通の値として扱います。

速度式が v = k[A][B]² なら、B の濃度は2回掛けます。A だけを2倍にすると速度は2倍、B だけを2倍にすると速度は4倍です。A と B の両方を2倍にした場合は、2 × 4 = 8倍になります。まず各物質の影響を別々に求め、最後に掛け合わせると、倍率の足し算をしてしまう誤りを防げます。

速度式の濃度に付く指数は、全体の化学反応式の係数から機械的に決めるものではありません。化学反応式は、反応前後の物質量の割合を示しますが、反応が途中でどのような段階を通るかまでは示さないからです。反応が進む道筋を反応機構といい、途中に複数の段階があると、進みにくい段階が全体の速さを強く左右することがあります。高校段階では、まず実験表の比較から速度式を読み取れるようにします。

触媒は、全体として自身は消費されずに反応速度を変える物質です。途中の段階では反応に関わっても、別の段階で再び生じます。反応を速める触媒は、活性化エネルギーの小さい別の経路を可能にします。反応物と生成物が同じなら、それらのエネルギー差は触媒を加えても変わりません。食物中の成分の変化などを考えるときも、温度を変えた効果と触媒の効果を分けて説明することが出発点です。

例題で解き方を確かめる

例題1 濃度の表から平均減少速度を求める

体積一定の条件で、反応物 A の濃度が20 s に0.081 mol/L、60 s に0.049 mol/L でした。この区間の A の平均減少速度を、有効数字2桁で求めてください。時刻は区間を指定する値として扱います。

  1. 測定区間を決めます。20 s から60 s までなので、経過時間は60 − 20 = 40 s です。反応開始からの60 s を分母にすると、濃度の差を取った区間と一致しなくなります。
  2. 減少した濃度を求めます。0.081 − 0.049 = 0.032 mol/L です。減少速度を正で示すため、初めの濃度から後の濃度を引きます。
  3. 変化量を経過時間で割ります。0.032 ÷ 40 = 0.00080 mol/(L・s) となります。単位も mol/L を s で割った形にして、何の変化を求めたかを最後まで残します。

答え:A の平均減少速度は8.0 × 10⁻⁴ mol/(L・s) です。

図1の赤い線は、この区間の2点を結んでいます。グラフを読む場合にも計算の順序は同じで、縦の変化を横の変化で割ります。0.049 ÷ 60 のように「ある時刻の濃度÷その時刻」を求めても、反応で減少した量を表せません。求めるものが平均速度なら、出発点と終点の両方が必要です。

例題2 係数から生成速度と生成量を求める

過酸化水素の分解を、2H₂O₂ → 2H₂O + O₂ と表します。体積が0.50 L で一定の溶液について、ある40 s の区間の H₂O₂ の平均減少速度は8.0 × 10⁻⁴ mol/(L・s) でした。同じ区間の O₂ の平均生成速度と、生成した O₂ の物質量を求めてください。O₂ の生成速度は溶液の単位体積当たりで表し、生成した O₂ をすべて数えるものとします。

  1. 反応式の係数を確認します。H₂O₂ が2 mol 消費されると O₂ が1 mol 生じるので、同じ時間での物質量の変化は2:1です。体積一定なら、同じ体積で割って表した速度の比も2:1になります。
  2. O₂ の平均生成速度を求めます。8.0 × 10⁻⁴ ÷ 2 = 4.0 × 10⁻⁴ mol/(L・s) です。H₂O₂ の係数が2だから O₂ の速度も2倍、とするのではなく、どちらが多く変化するかを反応式に戻って判断します。
  3. 速度に体積と時間を掛けます。4.0 × 10⁻⁴ × 0.50 × 40 = 8.0 × 10⁻³ mol です。単位の L と s が消えて mol が残るので、物質量を計算したことが確かめられます。

答え:O₂ の平均生成速度は4.0 × 10⁻⁴ mol/(L・s)、生成量は8.0 × 10⁻³ mol です。

気体の O₂ について、溶液中に溶けている O₂ の濃度だけを測ったと解釈しないようにしましょう。この問題は発生した総量を溶液体積当たりに直しています。気体の体積から物質量を求める問題なら温度や圧力などの条件が必要ですが、ここでは速度から直接 mol を求められるため、気体のモル体積などの定数は使いません。

また、反応全体の進行を共通の値で表したい場合は、H₂O₂ の減少速度を係数2で割った値と、O₂ の生成速度を係数1で割った値を対応させます。この共通の速度は4.0 × 10⁻⁴ mol/(L・s) です。問題文が「H₂O₂ の減少速度」と定義しているのか、「係数で割った反応速度」と定義しているのかを、記号 v を使う前に確かめます。

例題3 実験表から反応速度式を決める

A と B が関わる反応について、同じ温度・同じ触媒条件で次の初濃度と初速度が得られました。初速度とは、反応開始直後の速度です。速度式は v = k[A]ᵐ[B]ⁿ と表せ、m、n は0、1、2のいずれかとします。m、n、k を求め、[A] = 0.30 mol/L、[B] = 0.20 mol/L のときの初速度も求めてください。

測定 [A] (mol/L) [B] (mol/L) v (mol/(L・s))
Ⅰ 0.10 0.10 2.0 × 10⁻⁴
Ⅱ 0.20 0.10 4.0 × 10⁻⁴
Ⅲ 0.10 0.20 8.0 × 10⁻⁴
  1. B が同じⅠとⅡを比較します。A の濃度が2倍で速度も2倍なので、m = 1です。一度に1種類の濃度だけが変わる組を選ぶと、その物質の影響だけを取り出せます。
  2. A が同じⅠとⅢを比較します。B の濃度が2倍で速度は4倍なので、n = 2です。2の2乗が4になる関係を使い、v = k[A][B]² と決まります。
  3. Ⅰの値を代入します。k = (2.0 × 10⁻⁴) ÷ (0.10 × 0.10²) = 0.20 です。速度の単位を濃度の3乗の単位で割るので、k の単位は L²/(mol²・s) となります。
  4. 求めた式に新しい濃度を代入します。v = 0.20 × 0.30 × 0.20² = 0.0024 mol/(L・s) です。Ⅰに比べて A が3倍、B が2倍なので、速度が3 × 4 = 12倍という確かめ方もできます。

答え:m = 1、n = 2、k = 0.20 L²/(mol²・s)、初速度は2.4 × 10⁻³ mol/(L・s) です。

初濃度で比較するのは、反応が進むにつれて濃度が変わり、別々の時点では条件をそろえにくくなるからです。表に示された同じ種類の速度を比べる必要があり、ある測定の初速度と、別の測定の長い区間の平均速度を混ぜてはいけません。k の単位もすべての速度式で共通ではなく、濃度に掛かる指数によって変わります。

例題4 エネルギー図から触媒の効果を読む

図2は、同じ反応の触媒なしと触媒ありの経路を模式的に示したものです。縦軸は反応式1回分、すなわち反応の進行1 mol 当たりの相対的なエネルギーで、単位は kJ/mol とします。反応物は40、生成物は10、触媒なしの山の頂上は100、触媒ありの山の頂上は70です。正反応の活性化エネルギー、逆反応の活性化エネルギー、反応エンタルピーをそれぞれ求めてください。

図2 触媒の有無による反応経路と活性化エネルギーの違い
  1. 正反応の出発点を選びます。反応物の40から山を越えるので、触媒なしは100 − 40 = 60 kJ/mol、触媒ありは70 − 40 = 30 kJ/mol です。縦軸の0からの高さではなく、出発点との差を取ります。
  2. 逆反応の出発点を選びます。生成物の10から同じ山を逆向きに越えるので、触媒なしは100 − 10 = 90 kJ/mol、触媒ありは70 − 10 = 60 kJ/mol です。矢印の向きが変われば出発点も変わります。
  3. 反応エンタルピーを求めます。生成物から反応物を引いて10 − 40 = −30 kJ/mol です。触媒によって山は低くなっても両端の高さは同じなので、この値は変わりません。

答え:正反応の活性化エネルギーは60から30 kJ/mol、逆反応は90から60 kJ/molとなり、反応エンタルピーはどちらも−30 kJ/molです。

図2の横軸は反応の進行を表す模式的な軸で、時間ではありません。山までの横の長さを見て「触媒ありなら何秒短縮できる」と計算することはできません。また、活性化エネルギーが半分になっても速度が単純に2倍になるわけではありません。この図で判断できるのは、同じ温度で反応しやすい経路ができることと、反応前後のエネルギー差が変わらないことです。

つまずきやすいところと直し方

誤り1 減少したから速度も負にする

誤った書き方は「A の減少速度 = (0.049 − 0.081) ÷ 40 = −8.0 × 10⁻⁴ mol/(L・s)」です。この式が示すのは濃度変化の向きを含めた平均の変化率であり、正の量として尋ねられた減少速度の書き方とは違います。「減少」という言葉ですでに向きを指定していることを確かめます。

正しい書き方は「A の平均減少速度 = (0.081 − 0.049) ÷ 40 = 8.0 × 10⁻⁴ mol/(L・s)」です。記号だけで覚え直すよりも、表の高い濃度と低い濃度に印を付け、減った分を正の数で書く練習が役立ちます。生成速度なら、後の濃度から初めの濃度を引くと正になります。

誤り2 反応式の係数をそのまま指数にする

誤った書き方は「反応式で A の係数が2だから、速度式には必ず [A]² が入る」です。係数は消費・生成される物質量の割合であり、指数は濃度を変えたときに速度がどう変わるかを示すものです。両者は答えている問いが違うため、反応式だけから速度式を確定することはできません。

正しい書き方は「他の条件をそろえた実験で、A の濃度を2倍にしたときの速度の倍率から指数を決める」です。図3は、例題3の速度式について、一方の濃度だけを変えたときの倍率を表しています。A だけなら直線、B だけなら曲線になり、濃度2倍の位置で速度の倍率はそれぞれ2と4になります。

図3 濃度の倍率に対する反応速度の倍率の違い

図3の横軸と縦軸はどちらも倍率なので、単位はありません。基準の濃度を1とした比較であり、横軸の2を2 mol/L と読まないようにします。式の平方を見落としたときは、基準の濃度を具体的に2倍にして、掛け算の因子がいくつ増えるかを一つずつたどると直せます。

誤り3 加熱と触媒を同じ説明にする

誤った書き方は「加熱でも触媒でも、活性化エネルギーが小さくなるから速くなる」です。加熱では、同じ反応経路について障壁を越えられる粒子の割合が増えます。触媒では、活性化エネルギーの小さい別の経路が可能になります。温度と経路という異なる条件を、一つの言葉で済ませてしまっている点が問題です。

正しい書き方は「温度上昇は反応できる粒子の割合を増やし、触媒は反応が通る経路を変える」です。図2に戻り、触媒を加えても反応物と生成物の高さが動いていないことも確かめます。発熱反応であっても山を越える必要があるため、「熱を出す反応なら必ずすぐ進む」という結論も成り立ちません。反応のエネルギー差と速さを別々に読む習慣が必要です。

練習問題

練習1 区間と単位をそろえる

体積一定の溶液で、反応物 X の濃度が10 s に0.090 mol/L、50 s に0.070 mol/L でした。この区間の平均減少速度を有効数字2桁で求めてください。時刻は区間を指定する値として扱い、途中に濃度の変化量と経過時間を書いてください。

練習2 反応式の係数を使う

2H₂O₂ → 2H₂O + O₂ の反応で、H₂O₂ の平均減少速度が1.2 × 10⁻³ mol/(L・s) でした。同じ区間の O₂ の平均生成速度を求めてください。生成速度は溶液の単位体積当たりで表し、体積は一定とします。

練習3 濃度を同時に変える

同じ温度・同じ触媒条件で v = k[A]²[B] が成り立つ反応があります。[A] を元の2倍、[B] を元の半分にしたとき、速度は元の何倍になりますか。また、同じ式で k = 0.50 L²/(mol²・s)、[A] = 0.20 mol/L、[B] = 0.10 mol/L のとき、v を求めてください。

練習4 山の高さと出発点を区別する

反応物の相対エネルギーが20 kJ/mol、生成物が50 kJ/mol の反応を考えます。触媒なしの山の頂上は100 kJ/mol、触媒ありの山の頂上は80 kJ/mol です。正反応の活性化エネルギーをそれぞれ求め、反応エンタルピーが触媒によって変わるかを答えてください。エネルギーは例題4と同じ基準で表します。

答えと解説

練習1の答えは5.0 × 10⁻⁴ mol/(L・s) です。減少量は0.090 − 0.070 = 0.020 mol/L、経過時間は50 − 10 = 40 s なので、0.020 ÷ 40 で求めます。分母を50 s にすると測定区間がずれます。

練習2の答えは6.0 × 10⁻⁴ mol/(L・s) です。H₂O₂ の減少と O₂ の生成の割合は2:1なので、1.2 × 10⁻³ を2で割ります。反応式を「2 mol 減る間に1 mol 増える」と言葉に直すと、倍率の向きを確かめられます。

練習3の答えは2倍、v = 2.0 × 10⁻³ mol/(L・s) です。倍率は2² × (1/2) = 2で、濃度を代入すると0.50 × 0.20² × 0.10 = 0.0020となります。倍率を足すのではなく、速度式で掛け合わされている因子の変化として扱います。

練習4の答えは、触媒なしが80 kJ/mol、触媒ありが60 kJ/mol で、反応エンタルピーは変わりません。正反応では20を出発点にして100 − 20、80 − 20を求めます。反応エンタルピーは50 − 20 = +30 kJ/mol で、生成物の方が高い吸熱反応です。

次の単元へのつながりと家庭での確かめ方

次に化学平衡を学ぶときには、正反応と逆反応の速度を比べます。外から見て濃度が変わらない状態でも、両方向の反応が同じ速さで続いている場合があります。「変化が見えないから反応が止まった」と判断しないために、ここで学んだ速度という見方が必要です。触媒は両方向の反応を速めますが、同じ温度での平衡の組成を変えるものではありません。

家庭では、5分間でできる確かめ方を2つ試せます。1つ目は、例題1の濃度と時刻だけを紙に書き、答えを隠して分子と分母を言葉で説明することです。「減少した濃度」「経過した時間」を自分で書けるかを確認します。2つ目は、山形のエネルギー図を描き、正反応と逆反応の出発点に別々の印を付けることです。触媒の経路を描き足した後も、両端の高さが変わっていないかを見ます。薬品や加熱を使う必要はありません。

個別指導では、速度の式で止まったときに、濃度の引き算、時間の区間、反応式の係数のどこまで理解できているかを分けて確かめます。お子さまが公式は言えても説明で止まる場合にも、まず答えの数値より「どの物質が、どの時間に、どれだけ変わったか」を言葉にできるところまで戻ります。

まとめ

白板に書いた速度の数値には、測定した物質と区間が隠れています。そこを言葉にすると、濃度が下がる線から正の減少速度を求める理由が見えてきます。さらに、実験表は濃度の影響を、エネルギー図は反応経路の違いを伝えていると区別できれば、計算と説明を同じ根拠で確かめられます。

答えの横に物質名と条件を書き添える一手間が、係数を使う場面と指数を使う場面を分けます。反応速度の理解は、数字を出した瞬間ではなく、その数字がどの変化の速さなのかを説明できたところで確かになります。

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