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【化学】化学平衡を図解で総まとめ—平衡定数・ルシャトリエの原理・圧平衡定数・平衡の計算|武蔵野個別指導塾

反応が続いていても濃度が変わらない理由を速度の図から読み取り、平衡定数、条件変更による移動、分圧と解離度の計算を4つの例題で順に確かめましょう。
よくあるのは、コンビニのイートインで化学の問題集を開き、「平衡になったら反応は止まる」と書いた答えを消したあと、では何が変わらなくなるのか説明できず、次の計算にも進めなくなる場面です。問題文には「一定温度」「密閉容器」「平衡に達した」と並びます。どの言葉が計算の条件なのか見えないまま公式を探すと、最初に入れた物質量をそのまま平衡定数の式に代入しがちです。
化学平衡は、反応の進む向き、反応の速さ、物質の量を分けて考えると整理できます。まず、見た目の変化がなくても両方向の反応が続くことを確かめます。そのうえで、反応式の係数から量の増減をそろえ、平衡時の濃度や分圧を求めます。条件を変えたときの判断と、数値を出す計算がつながれば、暗記した矢印に頼らず理由を添えて答えられます。
この単元で身につけること
- 可逆反応と平衡状態を区別します。両方向に進みうる反応のうち、正反応と逆反応の速さが等しくなった状態が平衡です。
- 平衡定数の式を反応式から作ります。生成物を分子、反応物を分母に置き、それぞれの濃度を反応式の係数に対応する累乗にします。
- 初めの量、変化した量、平衡時の量を順に整理します。未知数を1つ決め、係数比に従ってすべての物質の増減を表します。
- ルシャトリエの原理で平衡移動を判断します。濃度、圧力、温度のどれを変えたのかを確かめ、触媒の効果とは分けて考えます。
- 気体の分圧から圧平衡定数を求めます。解離度を使う問題では、解離によって気体の全物質量も変わることに注意します。
化学基礎で学んだ物質量と反応式の係数比、および前の単元の反応速度が、この単元の土台です。式を作る段階では厳密な値を保ち、最後に問題の数値に合わせて有効数字をそろえます。以下の数値問題は与えられた量だけで解けるため、原子量や気体定数の数値を使う必要はありません。
基本の考え方
平衡では何が等しくなっているのでしょうか
同じ条件のもとで、反応物から生成物へ進む反応と、その逆向きの反応がともに起こりうる反応を可逆反応といいます。反応式に書いた左から右への反応を正反応、右から左への反応を逆反応と呼び、両方向の矢印「⇄」で表します。たとえば、気体の水素とヨウ素からヨウ化水素ができる反応は、すべて気体として扱える条件で次のように書けます。
H₂ + I₂ ⇄ 2HI
初めにH₂とI₂だけを入れた密閉容器を考えます。反応開始時にはHIがないため、HIからH₂とI₂を生じる逆反応は起こりません。正反応が進んでHIが増えると逆反応も起こり、その速さが大きくなります。一方、反応物が減るにつれて正反応の速さは小さくなり、やがて両者が等しくなります。
正反応と逆反応の速さが等しく、各物質の濃度が時間とともに変わらなくなった状態が化学平衡です。分子の反応そのものは続いているので、動的平衡ともいいます。図1のように、等しくなるのは両方向の反応の速さです。正反応も逆反応も速さが0になる、という意味ではありません。

図1は単純な可逆反応についての模式的な速度変化で、時間と速さを相対的な尺度で表しています。赤の正反応と青の逆反応は、同じ正の値へ近づきます。曲線が近づいたところで濃度の変化が見えなくなっても、反応物と生成物の濃度が等しいとは限りません。たとえば、浴槽に入る水量と出る水量が等しければ水位は一定ですが、水が動かなくなったわけではない、という区別に似ています。このたとえが表すのは増減のつり合いであり、化学平衡では密閉された系の中で両方向の反応が起こります。
また、「速さが等しい」と比較する量もそろえる必要があります。上の反応でHIは係数が2なので、正反応によるHIの生成量はH₂の消費量の2倍です。HIの生成速度とH₂の生成速度を係数の違いを無視して比較するのではなく、同じ物質について両方向の増減を比べるか、係数でそろえた反応速度を比べます。
平衡定数は平衡時の濃度の関係です
物質Xのモル濃度を[X]と書き、単位をmol/Lとします。H₂ + I₂ ⇄ 2HIの平衡状態では、一定温度で次の値が一定になります。濃度で表す平衡定数をKと書き、圧平衡定数と区別するときにはKcと書きます。
K = [HI]² / ([H₂][I₂])
分子の[HI]が2乗なのは、反応式のHIの係数が2だからです。[2HI]と書いたり、2[HI]を置いたりするのではありません。分母ではH₂とI₂の濃度を掛け合わせます。この反応では分子と分母の濃度の次数が同じなので、上の濃度式の単位は打ち消し合います。
ここで代入するのは必ず平衡時の濃度です。最初に入れた量がわかっても、まだ平衡に達していなければ、その時点の濃度比はKとは限りません。同じ温度であれば、異なる量から出発しても、それぞれが平衡に達したときには同じKの関係を満たします。「Kが一定」とは、各濃度そのものがいつでも同じという意味ではありません。
一般に、aA + bB ⇄ cC + dDという反応では、Kは[C]をc乗したものと[D]をd乗したものの積を、[A]をa乗したものと[B]をb乗したものの積で割った形です。係数の文字は反応式に対応しています。反応式を逆向きに書けばKは元の値の逆数になり、係数をすべて2倍にすればKは元の値の2乗になります。したがって、Kを示すときには対応する反応式も必要です。
反応式に純粋な固体や純粋な液体が含まれるとき、それらは通常の平衡定数の式に書き入れません。たとえばCaCO₃(固体)⇄ CaO(固体)+ CO₂(気体)では、両方の固体が共存する条件で、気体のCO₂だけが式に現れます。固体を細かく砕くことで反応速度が変わることと、平衡定数が変わることは別です。固体の一方がすべてなくなった場合まで、同じ共存条件での説明を延長してはいけません。
条件を変えたときは変化を打ち消す方向を考えます
平衡にある系の条件を変えると、その変化の影響を弱める向きに反応が進み、新しい平衡に達します。これをルシャトリエの原理といいます。反応物を加えれば、その反応物を消費する向きが有利になります。生成物を一部取り除けば、その生成物を補う向きが有利になります。ただし「影響を弱める」とは、必ず変更前の濃度に完全に戻るという意味ではありません。
気体では、温度を一定に保って容器の体積を小さくすると圧力が上がります。このとき平衡は気体の物質量の合計が少ない側へ移動します。数えるのは気体の反応式の係数の合計であり、原子の数でも、固体を含めたすべての係数の合計でもありません。両辺の気体の係数の合計が同じなら、体積の変更による平衡移動は起こりません。
温度を上げたときは、熱を吸収する吸熱方向へ平衡が移動します。正反応が発熱反応なら、加熱で逆反応側へ、冷却で正反応側へ移ります。一定温度で濃度や圧力を変えた場合と異なり、温度が変わるとK自体も変わります。正反応が発熱反応なら、温度上昇によってその反応式に対するKは小さくなります。
触媒は、反応の進む経路を変えて正反応と逆反応の両方を速めます。平衡に達するまでの時間は短くなりますが、同じ温度でのKも最終的な平衡組成も変えません。「早くできる」と「平衡時に多く存在する」は別の問いです。温度を上げると反応が速くなるから生成物の平衡量も必ず増える、という判断もできません。
例題で解き方を確かめる
例題1 平衡時の物質量からKを求める
一定温度で、体積2.0 Lの容器中にH₂、I₂、HIが気体として存在し、H₂ + I₂ ⇄ 2HIの平衡にあります。平衡時の物質量はH₂が0.40 mol、I₂が0.40 mol、HIが0.80 molです。濃度で表した平衡定数Kを求めます。
- 反応式から式を作ります。HIの係数が2なので、K = [HI]² / ([H₂][I₂])です。数字を入れる前に形を決めれば、係数を掛け算にしてしまう誤りを防げます。
- それぞれの物質量を容器の体積で割ります。[H₂] = 0.40 / 2.0 = 0.20 mol/L、[I₂] = 0.20 mol/L、[HI] = 0.80 / 2.0 = 0.40 mol/Lです。濃度の式なので、molからmol/Lへそろえます。
- 平衡時の濃度を代入します。K = 0.40² / (0.20 × 0.20) = 4.0です。分子も分母も濃度の2乗なので、単位が打ち消されることも確かめます。
答え:K = 4.0です。
この問題では、偶然にもmolの値をそのまま入れても同じ数値になります。分子と分母に入る体積の因子が同じ回数で、打ち消し合うためです。しかし、すべての平衡反応でそうなるわけではありません。N₂O₄ ⇄ 2NO₂では濃度の次数が左右で違うので、体積を省略すると誤答になります。基本は毎回、求める定数が濃度と分圧のどちらを使うものか確かめることです。
例題2 初めの量から平衡時の量を求める
例題1と同じ温度で、体積2.0 Lの容器にH₂とI₂をそれぞれ1.0 mol入れます。初めにHIはありません。すべて気体としてH₂ + I₂ ⇄ 2HIの平衡に達したとき、各物質の物質量を求めます。この温度でK = 4.0とします。
- 消費されたH₂をx molと置きます。係数比が1:1:2なので、I₂もx mol減り、HIは2x mol増えます。未知数を物質ごとに別々に置く必要はありません。
- 初めの量に増減を反映します。平衡時はH₂が(1.0 − x) mol、I₂が(1.0 − x) mol、HIが2x molです。どの量も負にできないので、今回は0 < x < 1.0です。
- 体積で割ってKの式に入れます。[H₂] = (1.0 − x) / 2.0、[I₂]も同じ、[HI] = 2x / 2.0です。したがって4.0 = 4x² / (1.0 − x)²となります。
- 範囲に注意して方程式を解きます。xも1.0 − xも正なので、平方根を取ると2.0 = 2x / (1.0 − x)です。整理してx = 0.50となり、平衡時の物質量を元の式に戻します。
答え:H₂は0.50 mol、I₂は0.50 mol、HIは1.0 molです。
図2のように、減少量と生成量には必ず反応式の係数比が反映されます。赤い棒がH₂とI₂の減少量、青い棒がHIの生成量です。棒の長さは変化量の大きさを表しており、HIの増加が各反応物の減少の2倍になっています。

図2からは、HIが1.0 molできたからH₂も1.0 mol使った、とはいえないことが読み取れます。最後に濃度を計算し直すと、H₂とI₂は0.25 mol/L、HIは0.50 mol/Lです。K = 0.50² / (0.25 × 0.25) = 4.0となり、条件に戻せます。方程式が解けたところで終えず、平衡の式と物質量の非負性の両方を確かめると、計算の根拠が閉じます。
例題3 アンモニア合成の平衡移動を判断する
N₂(気体)+ 3H₂(気体)⇄ 2NH₃(気体)の正反応は発熱反応です。平衡にあるこの系について、温度一定で体積を小さくする、体積一定で温度を上げる、温度と体積を一定にしてNH₃を一部取り除く、温度と体積を一定にして触媒を加える、という4つの変更をそれぞれ別々に行います。NH₃を生成する向きへ平衡が移るものを選びます。
- 圧縮では気体の係数を数えます。左辺は1 + 3 = 4、右辺は2です。体積を小さくして圧力を上げると、気体の物質量が少なくなる右向きへ移動します。
- 加熱では反応熱に注目します。正反応が発熱なので、熱を吸収する逆反応が有利になり、平衡は左向きへ移動します。反応速度の増加とは区別します。
- NH₃を取り除いた場合は、減らした成分を補う向きを考えます。右向きの反応が進み、新しい平衡に達します。ただし、NH₃の量が変更前まで必ず回復するわけではありません。
- 触媒については最終状態が変わるかを確かめます。触媒は両方向の反応を速めるため、すでに平衡にある系の組成を変えません。
答え:温度一定で体積を小さくする場合と、温度・体積一定でNH₃を一部取り除く場合です。
この反応のKの式は[NH₃]² / ([N₂][H₂]³)です。温度一定で体積を半分にした直後は、まだ反応による組成変化が起こる前なので、各濃度が2倍になります。分子は4倍、分母は16倍となり、この比は元のKの1/4です。その後、NH₃が増え、N₂とH₂が減る右向きの変化によって、再びKと等しくなります。原理による判断を濃度式からも確かめられる例です。
例題4 解離度から分圧と圧平衡定数を求める
気体のN₂O₄が一部解離して、N₂O₄ ⇄ 2NO₂の平衡になります。解離とは、1つの粒子が複数の粒子に分かれることです。初めに純粋なN₂O₄を1.0 mol入れたところ、解離度αが0.20となり、平衡時の全圧Pは1.2 × 10⁵ Paでした。各気体の分圧と圧平衡定数Kpを求めます。気体は理想気体として扱います。
解離度αは、初めの物質量のうち、解離した分の割合です。物質量を物質量で割るので単位はなく、0から1までの値になります。また、混合気体の全圧に各成分が寄与する圧力を分圧と呼びます。同じ温度・体積の理想気体では、ある成分の分圧は、全圧にその成分の物質量の割合を掛けて求められます。
- 解離した量を求めます。N₂O₄は1.0 × 0.20 = 0.20 mol解離します。係数比が1:2なので、残るN₂O₄は0.80 mol、生成するNO₂は0.40 molです。
- 平衡時の全物質量を求めます。0.80 + 0.40 = 1.20 molです。分圧に使う割合の分母は初めの1.0 molではなく、この合計です。
- 全圧に各成分の割合を掛けます。N₂O₄の分圧は1.2 × 10⁵ × 0.80 / 1.20 = 8.0 × 10⁴ Pa、NO₂の分圧は1.2 × 10⁵ × 0.40 / 1.20 = 4.0 × 10⁴ Paです。
- 圧平衡定数の式に入れます。各成分の分圧をp(N₂O₄)、p(NO₂)とすると、Kp = p(NO₂)² / p(N₂O₄)です。計算すると(4.0 × 10⁴)² / (8.0 × 10⁴) = 2.0 × 10⁴ Paです。
答え:p(N₂O₄) = 8.0 × 10⁴ Pa、p(NO₂) = 4.0 × 10⁴ Pa、Kp = 2.0 × 10⁴ Paです。
ここでのKpは、分圧をPaで代入する高校化学の表し方に合わせています。この反応では圧力の2乗を圧力で割るため、単位はPaです。Kpの数値は採用する圧力単位に対応するので、途中でPaと別の圧力単位を混ぜてはいけません。濃度式のKも、濃度の次数が分子と分母で違えば単位が残ります。
初めのN₂O₄をn molとすれば、平衡時のN₂O₄はn(1 − α) mol、NO₂は2nα mol、合計はn(1 + α) molです。したがって、分圧はそれぞれP(1 − α) / (1 + α)と2Pα / (1 + α)になります。これを式に入れると、Kp = 4α²P / (1 − α²)です。初めの量nが消えることまで確認すると、全圧と解離度の関係を読み取れます。
濃度で表すKcと分圧で表すKpには、理想気体の状態方程式によるつながりがあります。濃度をc、絶対温度をT、気体定数をRとすると、単位をそろえたp = cRTが使えます。N₂O₄ ⇄ 2NO₂ならKp = Kc × RT、H₂ + I₂ ⇄ 2HIならRTの因子が打ち消されてKp = Kcです。一般には、生成物側の気体の係数の合計から反応物側の合計を引いた数だけ、RTの因子が残ります。Rの圧力・体積の単位と、pやcの単位をそろえることが前提です。
つまずきやすいところと直し方
「平衡だから濃度が同じ」と書いてしまう
誤った書き方は「平衡では[H₂] = [I₂] = [HI]」です。どこが違うかというと、速さのつり合いを、存在する量の等しさに置き換えています。例題2ではH₂とI₂が0.25 mol/L、HIが0.50 mol/Lであり、すべて等しくありません。それでも正反応と逆反応の速さは等しくなっています。
正しい書き方は「平衡では正反応と逆反応の速さが等しく、各濃度が時間的に一定」です。「一定」は時間と比べた言葉、「等しい」は別の量と比べた言葉だと考えると区別できます。なお、この例でH₂とI₂が等しいのは、初めの量が等しく、同じ物質量ずつ消費されるからです。平衡そのものが2つの濃度を等しくするわけではありません。
「圧力が上がれば必ず右」と決めてしまう
誤った書き方は「圧力を上げると、どの反応も生成物側へ移動する」です。どこが違うかというと、左右の気体の係数を比べていません。アンモニア合成なら右向きですが、N₂O₄ ⇄ 2NO₂なら左向きです。正しい書き方は「温度一定で圧縮すると、気体の係数の合計が少ない側へ移動する」です。

図3のように、アンモニア合成では反応式1組あたり4個の気体分子が2個になる向きが、圧縮によって有利になります。図3は係数と分子数の対応を示すもので、平衡になれば左側の分子がすべて消えるという意味ではありません。新しい平衡でも反応物と生成物が共存します。丸の配置は原子の個数を表すためのもので、NH₃の立体的な分子の形を示したものではありません。
さらに、圧力の上げ方も確かめます。理想気体として、温度と体積を一定にして反応しない希ガスを加えると、全圧は上がりますが、反応に関わる各成分の分圧は変わりません。この条件では平衡は移動しません。一方、温度と全圧を一定にして希ガスを加えるなら体積が増え、反応成分の分圧が下がるため、気体の係数の合計が多い側へ移ります。「希ガスを加える」だけで判断せず、体積一定か全圧一定かまで読みます。
「解離度をそのまま分圧の割合にする」と誤る
誤った書き方は、例題4で「NO₂の分圧は全圧の0.20倍」とすることです。どこが違うかというと、解離度は初めのN₂O₄に対する解離分の割合であり、平衡時の混合気体に占めるNO₂の割合ではありません。しかも、N₂O₄が1 mol解離すればNO₂は2 mol生じるため、生成量には係数2が必要です。
正しい書き方は「NO₂の物質量の割合は2α / (1 + α)、分圧は全圧にその割合を掛ける」です。分母に入る全物質量まで数えてから計算します。最後に各分圧を足して全圧になるかを確認すると、分母の取り違えに気づけます。解離度、生成した物質量、混合気体中の割合の3つを同じ数として扱わないことが要点です。
練習問題
練習1
H₂ + I₂ ⇄ 2HIについて、ある温度での平衡濃度が[H₂] = 0.10 mol/L、[I₂] = 0.10 mol/L、[HI] = 0.40 mol/Lでした。平衡定数Kを求めてください。また、同じ平衡を2HI ⇄ H₂ + I₂と逆向きに表した場合の平衡定数も求めてください。
練習2
体積1.0 Lの容器にH₂とI₂をそれぞれ0.50 mol入れ、初めにHIはありません。すべて気体で、H₂ + I₂ ⇄ 2HIの平衡に達したときのKは9.0でした。H₂の消費量をx molとして、平衡時の各物質量を求めてください。途中で得たxが初めの量を超えていないかも確かめます。
練習3
N₂ + 3H₂ ⇄ 2NH₃の平衡に対し、温度一定で容器の体積を小さくする場合と、温度・体積一定で反応しない希ガスを加える場合を比べます。気体は理想気体として、それぞれの平衡移動の有無と向き、Kが変わるかどうかを説明してください。
練習4
純粋なN₂O₄から出発してN₂O₄ ⇄ 2NO₂の平衡に達しました。全圧P = 1.0 × 10⁵ Pa、Kp = 5.0 × 10⁴ Paです。理想気体として、解離度αと両成分の分圧を求めてください。Kp = 4α²P / (1 − α²)を使い、最後に有効数字2桁で答えます。
答えと解説
練習1の答えは、正向きのK = 16、逆向きのK = 0.063です。正向きは0.40² / (0.10 × 0.10) = 16となります。逆向きに書くと分子と分母が入れ替わるので1 / 16 = 0.0625です。有効数字2桁にすると0.063になります。反応式の向きを変えてもKをそのまま使うことはできません。
練習2の答えは、H₂が0.20 mol、I₂が0.20 mol、HIが0.60 molです。平衡時の量は順に0.50 − x、0.50 − x、2xなので、9.0 = 4x² / (0.50 − x)²です。正の平方根を使うと3.0 = 2x / (0.50 − x)となり、x = 0.30です。0 < x < 0.50を満たし、平衡濃度を代入しても0.60² / (0.20 × 0.20) = 9.0になります。
練習3の答えは、圧縮では右向きへ移動し、温度・体積一定での希ガス添加では移動しない、です。圧縮では反応成分の分圧がすべて上がり、気体の係数の合計が4から2になる向きが有利になります。希ガス添加では反応成分の分圧が変わりません。どちらも温度は変わらないため、Kは変化しません。
練習4の答えは、α = 0.33、p(N₂O₄) = 5.0 × 10⁴ Pa、p(NO₂) = 5.0 × 10⁴ Paです。式を整理するとα² = Kp / (4P + Kp) = 1 / 9となり、割合なので正の値α = 1 / 3を採用します。丸める前のαを使えば、両成分の物質量の割合はいずれも1 / 2です。分圧の和は全圧と一致し、分圧から計算したKpも与えられた値に戻ります。
次の単元へのつながりと家庭での確かめ方
化学平衡の考え方は、弱酸や弱塩基の電離、溶けにくい塩の溶解、緩衝液などの理解につながります。見かけの変化がなくても粒子の移動は続き、平衡時の濃度には決まった関係があります。扱う物質がイオンに変わっても、反応式を書く、量の増減をそろえる、平衡濃度を式に入れるという順序は共通です。
家庭での5分の確認には、まず例題2の解答を閉じ、白紙に初めの量、増減、平衡時の量を3行で書く方法があります。xに対してなぜHIだけが2x増えるのかを声に出して説明します。もう1つは、例題3の4つの条件変更について、平衡の移動方向とKの変化を別々の欄に書く方法です。答えを見てから納得するだけでなく、自分の説明に「一定温度」や「気体の係数」が入っているか確かめます。
個別指導では、平衡の式の前に、molからmol/Lへの換算と、反応式の係数に沿った増減まで戻って確かめます。お子さまの学習を見守る際も、計算の速さより「このxは何の量か」を説明できるかが、理解を確かめる手がかりになります。
まとめ
問題の余白には、公式だけでなく「いつの量か」「何を一定にしたか」を残しておくと、解答を自分で点検できます。初めの1.0 molと平衡時の1.0 molは、数字が同じでも役割が違います。全圧が上がる操作も、圧縮と希ガス添加では反応成分への影響が違います。その違いを反応式と条件から読み取れると、未知数の置き方にも移動方向の説明にも根拠が生まれます。
化学平衡の答案を支えるのは、右か左かの暗記ではなく、変えた条件とつり合い直す量を結ぶ一文です。
本気になった日が、入塾の日。
お子様の教育、迷ったら「丸投げ」してください。必ず、期待以上の結果で返します。武蔵野で育む、武蔵境で学ぶ。
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