電話 0422-27-7828チャットで質問無料相談を予約

武蔵野個別指導塾の特徴

【高校古典文法】推量の助動詞を図解で総まとめ—む・むず・べし・らむ・けむ・まし・じ・まじ|武蔵野個別指導塾

【高校古典文法】推量の助動詞を図解で総まとめ—む・むず・べし・らむ・けむ・まし・じ・まじのアイキャッチ 武蔵野個別指導塾
X LINE Facebook

「む」を全部「だろう」と訳していませんか。接続の整理図と4つの例題で、主語・時点・文脈から意味を選び、反実仮想や打消の訳し分けまで確かめましょう。

よくあるのは、塾の面談の席で古文の答案を開き、「む」は覚えたはずなのに、現代語訳を直す理由が説明できなくなるという場面です。「われ行かむ」を「私は行くだろう」と訳すと、形だけは整っています。それでも、自分から出発を申し出た場面なら、「私は行こう」と読む方が発言の働きに合います。意味の一覧を暗記することと、その場面に合う意味を選ぶことの間には、もう1つ手順が必要なのです。

推量の助動詞は、まだ確かめていないことについての予想だけでなく、意志、勧め、当然の判断なども表します。名前に「推量」とあるからといって、いつも「だろう」と訳せるわけではありません。誰の行動か、いつのことか、相手に何を伝えようとしているかを確かめると、選択の根拠が見えてきます。

ここでは、短い自作の例文で形と意味を結びつけます。訳語を当てはめて終わるのではなく、「なぜこの意味なのか」を前後の言葉から説明できるところまで進めましょう。

この単元で身につけること

前の単元で学ぶ動詞の活用形と助動詞の接続が、この単元の土台です。動詞が未然形だとわかることと、その後の助動詞が意志だとわかることは別の作業なので、ノートでも「形の根拠」と「意味の根拠」を分けて書くと整理できます。

基本の考え方

接続は前の語、活用形は助動詞自身を見る

助動詞は、ほかの語に付いて意味を添え、活用する付属語です。「行かむ」では、「行か」が四段動詞「行く」の未然形で、「む」が助動詞です。「むは未然形接続」という説明は、前の語に要求する形を述べています。「む」自身が未然形という意味ではありません。文末で言い切る「行かむ」なら、この「む」自身は終止形です。

接続は次の3群に分けます。「む・むず・まし・じ」は未然形接続、「けむ」は連用形接続、「べし・らむ・まじ」は原則として終止形接続です。ただし、最後の群はラ変型の活用をする語には連体形に付きます。「あるべし」は「あり」の連体形「ある」に付いた形で、現代語では「あるはずだ」「あるだろう」などと文脈に応じて訳します。ラ変動詞だけでなく、ラ変型の活用をする助動詞などにもこの例外が関わります。

図1のように、接続は3つの入口として整理できます。意味を選ぶ前に、どの入口からその助動詞へつながるかを確かめてください。終止形の箱の下の注記は、ラ変型だけを別扱いにするためのものです。

図1 直前の活用形から推量の助動詞を三群に整理する図

主な活用も確認します。表の「―」は、高校の標準的な活用表で、その形を用いないものとして扱う欄です。「べし」「まじ」には、後ろに助動詞などが続くときに使う補助活用もあります。

助動詞 未然形 連用形 終止形 連体形 已然形 命令形
む ― ― む む め ―
むず ― ― むず むずる むずれ ―
べし べから べく・べかり べし べき・べかる べけれ ―
らむ ― ― らむ らむ らめ ―
けむ ― ― けむ けむ けめ ―
まし ましか・ませ ― まし まし ましか ―
じ ― ― じ じ じ ―
まじ まじから まじく・まじかり まじ まじき・まじかる まじけれ ―

この表では見やすさのため、補助活用の形も同じ欄に並べています。「べから・べかり・べかる」「まじから・まじかり・まじかる」がそれに当たります。「む・らむ・けむ」は、本文では「ん・らん・けん」と表記されることもあります。文字の違いだけで別の意味を探さず、接続と文中の位置を確かめます。

終止形と連体形が同じものは、形を見ただけでは区別できません。後ろの名詞を修飾するなら連体形と考え、文末でも係り結びなどがないか確認します。「こそ」が結びを支配していれば已然形が求められるため、「む」は「め」、「べし」は「べけれ」となります。意味の知識に加え、文の組み立てを見る必要があります。

「む・むず」と「べし」は発言の働きで選ぶ

「む」の意味は、推量・意志・勧誘・適当・仮定・婉曲の6つに分けて学びます。推量は「だろう」、意志は「しよう」、勧誘は「一緒にしよう」、適当は「するのがよい」が基本の訳です。相手を誘っているのか、相手だけに行動を勧めているのかによって、勧誘と適当を区別します。

自分の行動を自分で決める場面なら意志が有力です。相手と一緒に行動しようと声をかけるなら勧誘が考えられます。第三者や自然の様子を予想するなら推量が有力です。ただし、「一人称なら必ず意志」という機械的な規則ではありません。自分の身に起こる、自分では決められないことを予想する場合もあるためです。

仮定と婉曲は、名詞を修飾する形などで現れます。「道を知らむ人に問へ」は、道を知る人がいると仮定する文脈なら「もし道を知っている人がいるなら、その人に尋ねよ」と訳せます。これが仮定です。「心に思はむことを記せ」は「心に思うようなことを書き記せ」と訳せ、断定をやわらげて名詞にかける婉曲の例になります。名詞が続くことは有力な手掛かりですが、それだけで常にどちらかへ決められるわけではありません。

「むず」も、推量・意志・勧誘・適当など、「む」とほぼ同じ方向の意味を表します。ただし、仮定・婉曲は「む」に比べて用例が少なく、まず推量や意志を中心に文脈を確かめます。「われ行かむず」を出発の決意として言うなら「私は行こう」と訳します。「むず」を見たら、打消の「ず」があると考えて分けないでください。「むず」で1つの助動詞です。

「べし」の6用法は、次のように発言の役割から整理すると使いやすくなります。推量と当然、適当と命令の境界が文脈によって近づく場合もあるため、訳語だけを暗記するのではなく、何を判断しているのかをつかみます。

用法 基本の訳 判断の手掛かり
推量 だろう・にちがいない 事情から出来事を予想する
意志 しよう・するつもりだ 自分の行動を決める
可能 できる 能力や状況が行動を許す
当然 はずだ・べきだ 道理や義務に照らして判断する
命令 せよ 相手に強く実行を求める
適当 するのがよい 相手にふさわしい行動を勧める

現代語の「べき」は当然の意味になじみがありますが、古文の「べし」はそれだけではありません。たとえば、浅い川なので渡れるという状況なら「渡るべし」は可能として読めます。「渡るべきだ」とすると、川の状態の説明が、渡る義務の説明に変わってしまいます。まず行動の可否を述べる場面なのかを確かめましょう。

また、「べし」の命令は強い指示、適当は助言として読むのが基本です。同じ行動でも、責任者が実行を命じる場面と、友が助言する場面では発言の力が違います。話し手と聞き手の関係、直前の依頼や命令、後の反応が、意味を絞る材料になります。

時点と現実との関係で読む助動詞

「らむ」は、現在についての推量を表します。離れた場所の友を思い浮かべる「友は今ごろ書を読むらむ」は、「友は今ごろ書物を読んでいるだろう」です。「けむ」は過去についての推量です。「友は昨夜書を読みけむ」は、「友は昨夜書物を読んだだろう」となります。「読む/読み」という直前の形も、「現在/過去」という対象の時点も違います。

目の前の事実について、どうしてそうなのかを推し量ることもあります。「など泣くらむ」は「どうして泣いているのだろう」と訳し、現在の原因推量として読みます。「など泣きけむ」なら「どうして泣いたのだろう」で、過去の原因推量です。疑問語があるかだけでなく、わからないのが出来事そのものなのか、その理由なのかを確かめます。

「らむ・けむ」には伝聞・婉曲の用法もあります。人から聞いた内容を受けて名詞にかけるときなどに、「とかいう」「ような」、過去なら「たとかいう」「たような」と訳します。たとえば「昔住みけむ家」は、伝え聞いた内容なら「昔住んでいたとかいう家」、ぼかした言い方なら「昔住んでいたような家」です。連体形だから自動的に伝聞と決めず、情報を誰から得たのかまで読みます。

「まし」の代表的な意味は反実仮想です。これは、現実と違う条件を思い描き、「もしそうだったら、こうだろうに」と述べることです。「翼あらましかば、空を飛ばまし」は、「もし翼があったなら、空を飛ぶだろうに」と訳します。実際には翼がないという状況での発言です。「あら」はラ変動詞「あり」の未然形、「飛ば」は四段動詞「飛ぶ」の未然形で、どちらにも「まし」が付きます。

「ましかば〜まし」のほか、「未然形+ば〜まし」「せば〜まし」なども反実仮想の目印です。ただし「まし」は、ためらいの意志や実現しにくい願望にも使われます。「いかにせまし」は、行動を決めかねているなら「どうしようか」と訳します。条件が書かれていない文を、必ず反実仮想だと押し切らず、前後に省略された条件があるか、迷いや願いを述べているかを調べます。

「じ」は打消推量と打消意志です。第三者の行動を予想する「友は来じ」は「友は来ないだろう」、自分の決意を述べる「われは行かじ」は「私は行くまい」です。どちらも単に「ない」という事実を述べるのではなく、予想または意志を打ち消しています。

「まじ」は、打消推量・打消意志・不可能・打消当然・禁止を表します。「じ」と共通する2つの意味に加えて、「できない」「べきでない」「してはいけない」を候補に入れます。「まじ」は「べし」と対にして整理できますが、意味の数を無理に同じにそろえる必要はありません。相手の行動を禁じる場面では禁止、能力や状況から行動が成り立たない場面では不可能です。

例題で解き方を確かめる

例題1 自分の決意と未来の予想を分ける

次の2つの文の「む」の意味と活用形を答え、現代語訳を示しましょう。Aは、誰が手紙を書くかを相談し、話し手が引き受けた場面です。Bは、曇った空を見て翌日の天気を予想した場面です。

A「われ文を書かむ。」 B「明日は雨降らむ。」

  1. 「む」の直前を調べます。Aの「書か」は「書く」、Bの「降ら」は「降る」の未然形なので、どちらも「む」の接続に合います。形の確認を先にすると、意味の印象だけで助動詞を決めずに済みます。
  2. 主語と場面を確かめます。Aは話し手が自分の行動を引き受けているため意志です。Bは自然の出来事を予想しているため推量です。雨は話し手が意図して降らせるものではないからです。
  3. 文中の位置を見ます。どちらも文末で言い切り、係り結びもないので終止形です。未然形接続という性質と、助動詞自身の終止形を混同しないようにします。

Aの「文」はここでは手紙です。現代語訳はAが「私が手紙を書こう」、Bが「明日は雨が降るだろう」となります。自分の決意を述べるAを「書くだろう」と訳すと、相談に対する申し出であることが弱まります。

答え:Aは意志・終止形「私が手紙を書こう」、Bは推量・終止形「明日は雨が降るだろう」です。

例題2 「べし」を可能と読む根拠を探す

川を前にした旅人が、水の浅さを確かめて言った文です。「べし」の意味と接続を答え、全文を訳しましょう。

「この川は浅ければ、歩みて渡るべし。」

  1. 「べし」の直前を調べます。「渡る」は四段動詞の終止形と同じ形で、ここでは終止形接続の「べし」に続いています。「渡る」が連体形とも同形である点に注意し、接続の決まりから確定します。
  2. 理由を示す部分を訳します。「浅けれ」は形容詞「浅し」の已然形で、「浅ければ」は「浅いので」です。ここでは「ば」が、まだ起きていない条件ではなく、確かめた状態を理由として示しています。
  3. 理由と後半の関係を考えます。川が浅いことは、徒歩で渡れる条件になります。旅人に渡る義務があるとは述べていないので、可能の「できる」を選びます。

全文は「この川は浅いので、歩いて渡ることができる」です。浅さだけでいつでも可能と決めるのではなく、今回は旅人が渡れるかどうかを判断する場面であることも根拠にします。状況説明と発言の目的がそろうと、訳に理由が付きます。

図2のように、接続を確かめた後、主語・時点・場面をまとめて見てから訳を決めます。最後に訳を原文へ戻して、原文にない義務や意志を付け足していないか確認するのが、この問題の仕上げです。

図2 接続と文脈を確かめて訳を選び直す判断の手順図

答え:「べし」は可能で終止形接続、訳は「この川は浅いので、歩いて渡ることができる」です。

例題3 「らむ・けむ」で見えない時間を区別する

遠くにいる友の暮らしを想像しています。AとBの助動詞の意味と接続を答え、訳の時間の違いを説明しましょう。

A「友は今、里にあるらむ。」 B「友は昨日、里にありけむ。」

  1. 助動詞をまとまりで取ります。Aは「らむ」、Bは「けむ」です。どちらも最後の「む」だけを切り出さないようにします。まとまりが変わると、接続も意味も違ってしまうからです。
  2. 直前の形を確かめます。Aの「ある」はラ変動詞「あり」の連体形です。「らむ」は原則終止形接続ですが、ラ変型には連体形に付きます。Bの「あり」は「けむ」が連用形接続なので、連用形と判断します。
  3. 推量の対象を確かめます。Aは「今」の所在、Bは「昨日」の所在です。Aを現在推量、Bを過去推量とし、訳にもその違いを残します。

Aは「友は今、里にいるだろう」、Bは「友は昨日、里にいただろう」です。「あり」は終止形も連用形も同じ形なので、文字だけでは決まりません。後続する「けむ」の接続が、活用形の根拠になります。

また、どちらも話し手が友の所在を確定しているわけではありません。Bを「里にいた」と言い切ると、過去は表せても推量が消えます。時点と確実さの両方を訳に残してください。

答え:Aは現在推量・ラ変の連体形接続「友は今、里にいるだろう」、Bは過去推量・連用形接続「友は昨日、里にいただろう」です。

例題4 現実と違う条件を組み立てる

舟がないため川を渡れない人の言葉です。「ましか」「まし」の活用形と、後半の「まし」の意味を答え、全文を訳しましょう。

「舟あらましかば、川を渡らまし。」

  1. 条件と結果を分けます。「舟あらましかば」が条件、「川を渡らまし」が結果です。まず大きく分けると、何を仮に変え、何が変わると考えているかが見えます。
  2. 「まし」の形を調べます。前半は助動詞「まし」の未然形「ましか」に「ば」が付いた形です。後半は文末の終止形「まし」です。「ましか」には已然形もありますが、この反実仮想の条件の形では未然形です。
  3. 現実と照らします。実際には舟がないと示されているので、条件は現実と食い違います。後半は反実仮想と判断し、「もし〜なら、〜だろうに」の形で訳します。

訳は「もし舟があったなら、川を渡るだろうに」です。「舟があるので、川を渡るだろう」では、現実にはない舟を、あるものとして説明してしまいます。文法の形と問題文の状況の両方から確かめることで、この反対向きの誤訳を避けられます。

答え:「ましか」は未然形、「まし」は終止形で反実仮想、訳は「もし舟があったなら、川を渡るだろうに」です。

つまずきやすいところと直し方

誤り1 主語だけを見て意味を固定する

誤った書き方は、「主語が話し手なら『む』は必ず意志」です。どこが違うかというと、主語が話し手であっても、発言が決意なのか予想なのかはまだ決まらない点です。自分の運命や、自分の体に起こることを推し量る発言もあります。また、主語が省略されていることも多く、近くにある人物名をそのまま主語とするのも危険です。

正しい書き方は、「主語が話し手で、自分の行動を決めているなら意志が有力」です。意味を記すときには、「申し出ている」「誘っている」「天気を予想している」のように、場面を表す言葉を1つ添えましょう。人称は意味を絞る手掛かりであり、場面を読まなくてよいという合図ではありません。

誤り2 「じ」と「まじ」を同じ接続にする

誤った書き方は、「『行くじ』は、行かないだろうという意味」です。どこが違うかというと、未然形接続の「じ」を、四段動詞「行く」の終止形に付けている点です。正しい書き方は「行かじ」で、現代語訳は文脈により「行かないだろう」または「行くまい」です。

一方、「まじ」は原則終止形接続なので「行くまじ」という形になります。自分の決意なら「行くまい」、移動できない事情を述べるなら「行くことができない」などと訳します。図3のように、否定の方向は共通していても、入口となる形と意味の範囲は違います。表記が1文字増えただけだと考えず、別の助動詞として扱ってください。

図3 じとまじの接続と打ち消す意味の範囲を比べる図

誤り3 「ましかば」の「ば」をいつも理由にする

誤った書き方は、「『舟あらましかば』は、舟があったので」です。どこが違うかというと、「ましか」をすぐ已然形と決め、実際に舟があったという説明へ変えている点です。「ましか」は未然形と已然形が同じ形なので、活用表の1つの欄だけで決められません。

正しい書き方は、この反実仮想の文では「もし舟があったなら」です。後ろの「まし」と、実際には舟がないという場面を合わせて判断します。ただし、条件文をすべて反実仮想とするのも誤りです。普通の仮定は、実現するかもしれない条件も表せます。現実との食い違いを読み取れるかが、反実仮想を説明する要点になります。

練習問題

各問では、まず助動詞に印を付け、次に接続の根拠と意味の根拠を分けてメモしてください。例文の訳は答えと解説で確かめられます。訳語だけが合っていても、場面の説明と矛盾していないかを見直しましょう。

練習1

話し手が、仕事を引き受けると決めて言います。「われ、この文を書かむず。」の「むず」の意味・活用形を答え、全文を訳しましょう。

練習2

友人を自分と一緒に花見に誘います。「ともに花を見む。」の「む」の意味を答え、勧誘と適当の違いが伝わるように訳しましょう。

練習3

Aは話し手自身の決意、Bは行動を禁じる指示です。A「われはこのことを語らじ。」、B「このこと、人に語るまじ。」の助動詞の意味を答え、それぞれ訳しましょう。直前の動詞の活用形も答えてください。

練習4

昨日友が泣いていたことは知っていますが、その理由がわかりません。「友は昨日、など泣きけむ。」の「けむ」の意味・活用形・接続を答え、全文を訳しましょう。

答えと解説

練習1の答えは、意志・終止形で、「私が、この手紙を書こう」です。「書か」は四段動詞「書く」の未然形です。「むず」は文末で言い切っており、自分が引き受けるという場面から意志を選びます。「む」と「ず」に分けて「書かないだろう」とすると、発言の向きが逆になります。

練習2の答えは、勧誘で、「一緒に花を見よう」です。「見」は上一段動詞「見る」の未然形で、「む」に続きます。話し手も行動に加わることと、「ともに」という言葉が根拠です。「あなたが花を見るのがよい」と相手だけに勧める適当の訳にすると、今回の誘い方が伝わりません。

練習3の答えは、Aが打消意志で「私はこのことを話すまい」、Bが禁止で「このことを、人に話してはいけない」です。Aの「語ら」は四段動詞「語る」の未然形、Bの「語る」は終止形です。Aは自分の決意、Bは相手への指示という違いが、意味の違いになります。「じ」に禁止の用法を付け足して覚えないようにしましょう。

練習4の答えは、過去の原因推量・終止形・連用形接続で、「友は昨日、どうして泣いたのだろう」です。「泣き」は四段動詞「泣く」の連用形です。泣いたこと自体はわかっていて、その原因を推し量っているため、単なる過去推量よりも具体的に過去の原因推量と答えます。「など」はここでは「どうして」という疑問を表し、例示の「など」ではありません。

次の単元へのつながりと家庭での確かめ方

推量の助動詞を読めると、物語の人物が予想していることと、語り手が事実として述べていることを分けやすくなります。次に敬語や主語の省略を学ぶときも、誰の意志なのかを特定する作業につながります。和歌の読解では、「まし」があるために、目の前の情景から実現しない願いへ視点が移ることもあります。

家庭では、5分でできる確かめ方を2つ試せます。1つ目は例題1のAとBを読み、助動詞の前の形に線を引いてから、「意志」「推量」を選んだ理由を1文ずつ書く方法です。2つ目は例題3の訳だけを見て、現在なら「らむ」、過去なら「けむ」を選び、直前の「あり」の形まで元に戻す方法です。意味だけでなく接続も再現できるかを確かめられます。

個別指導では、意味を外した原因が文脈にあるのか、そもそも「ある」「あり」を区別できていないのかを確認します。必要なら動詞の活用まで戻り、どの段階から読み直せば理由のある答えに変わるかを探ります。

まとめ

推量の助動詞を1つ読み違えると、同じ行動が予想にも決意にも命令にも変わります。訳す前に小さな語の形を確認することは、人物の言葉を丁寧に受け取るための準備です。正解した後も、前後のどの言葉がその意味を支えているかまで指させれば、次の文でも使える読み方として残ります。

「行くだろう」と「行こう」の間には、出来事を見通す人と、自分で引き受ける人の違いがあります。助動詞の訳し分けは、人物の決断を他人事にしないための読解です。

本気になった日が、入塾の日。

お子様の教育、迷ったら「丸投げ」してください。必ず、期待以上の結果で返します。武蔵野で育む、武蔵境で学ぶ。

電話は年中無休。365日、24時間、お電話可能。

お電話 チャットで質問チャット