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【高校古典文法】断定・比況・願望・打消の助動詞を図解で総まとめ—なり・たり・ごとし・まほし・たし・ず と識別|武蔵野個別指導塾

「なり」の単語の切れ目、願望の接続、打消の活用を3枚の図と例題で整理します。受身・尊敬・自発・可能や使役まで、前後の語を根拠に訳し分ける手順を確かめましょう。
よくあるのは、朝のホームルーム前の教室で古文の小テストを見直し、「なり」をすべて「〜である」と訳したために、鳥の鳴き声を伝える文まで不自然になってしまうという場面です。意味の一覧は覚えているのに、どの意味を選ぶのかが決まりません。隣の文の「ず」が「ぬ」に変わると、今度は完了の助動詞との区別も気になります。
この迷いをほどくには、文字を見てすぐ訳語を当てる前に、単語の切れ目と接続を確かめます。同じ「なり」でも、助動詞の場合と、動詞や形容動詞の一部の場合があります。また、「まほし」と「たし」はともに願望を表しますが、直前の語に求める活用形は異なります。
ここで扱うのは、断定・比況・願望・打消に加えて、受身や使役を表す助動詞です。種類の多さに押されず、「何につくか」「自分は何形か」「文中で何を付け加えるか」の3点を分ければ、根拠を持って現代語訳を組み立てられます。以下の例文は学習用に作った短文です。
この単元で身につけること
- 単語の切れ目を確かめます。「静かなり」を形容動詞1語と捉えるなど、助動詞を探す前の区切りを身につけます。
- 接続から候補を絞ります。「まほし」は未然形、「たし」は連用形というように、意味が似ていても形の条件が違うことを説明できるようにします。
- 活用形を前後に分けて判断します。「読まぬ人」の「読ま」は未然形、「ぬ」は連体形です。直前の語の形と助動詞自身の形を混同しないことが目標です。
- 訳語を文脈に合わせます。「る・らる」の受身・尊敬・自発・可能を、動作主や打消の有無などと照らして検討します。
- 複数の助動詞を順に読み解きます。「読ませず」のような形を、動作・使役・打消に分け、誰が誰に何をさせないのかまで捉えます。
動詞の未然形・連用形・終止形・連体形・已然形・命令形という6つの活用形と、形容詞・形容動詞の活用が、この単元の土台です。活用表を丸暗記したかどうかだけでなく、文中の形を基本形に戻せるかを確かめて進みましょう。
基本の考え方
接続と活用は別々の問いです
助動詞は、他の語について意味を加え、自身も活用する付属語です。「読まず」は「読む」という動作を打ち消します。このとき「ず」の接続を問われたら未然形接続と答えますが、「ず」自身の活用形を問われたら、その文中の位置を見なければ答えられません。接続は直前を見る問い、活用形はその語が文の中でどう働くかを見る問いです。
図1のように、最初に単語を区切り、接続を調べてから意味を選びます。意味から先に決めると、現代語で自然に聞こえる訳に引っ張られて、古文の形の違いを見落とします。ただし、形だけで意味まで必ず1つに決まるわけでもありません。最後に文脈へ戻るところまでを一組にします。

断定の「なり」は、体言、つまり名詞などと、活用語の連体形につきます。「これは文なり」は「これは手紙である」です。「文」という体言に断定が加わっています。「ここにあるは、昨日読みし文なり」は「ここにあるのは、昨日読んだ手紙である」です。どちらも、何であるかを言い定める働きがあります。
断定の「たり」は体言につき、「〜である」と訳します。「彼は国の長たり」は「彼は国の長である」です。一方、「書きたり」の「たり」は「書く」の連用形「書き」についているので、完了・存続の助動詞です。「書いてしまった」「書いてある」など、文脈で訳します。同じ表記でも、体言につく断定と連用形につく完了・存続は区別します。
次の表は、断定の2語と、比較に必要な伝聞・推定の「なり」を並べたものです。「—」は通常の活用表でその欄に形を立てないことを示します。伝聞・推定の「なり」には、断定にある「なら」「に」「なれ」という形のすべてが同じようにそろうわけではありません。
| 助動詞 | 未然形 | 連用形 | 終止形 | 連体形 | 已然形 | 命令形 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| なり・断定 | なら | なり・に | なり | なる | なれ | なれ |
| たり・断定 | たら | たり・と | たり | たる | たれ | たれ |
| なり・伝聞推定 | — | なり | なり | なる | なれ | — |
伝聞・推定の「なり」は終止形に接続し、ラ変型の活用をする語には連体形につきます。伝聞は「〜ということだ」「〜そうだ」、推定は主に音や声などを根拠に「〜ようだ」と判断する働きです。「山に鳥鳴くなり」を、鳴き声を聞いて述べた文とすれば、「山で鳥が鳴くようだ」と訳します。ただし、四段動詞「鳴く」は終止形と連体形が同じです。この形だけから断定を排除するのではなく、何を根拠に述べた場面かも確認します。
比況・願望・打消を整理します
比況の「ごとし」は「〜のようだ」と、あるものを別のものになぞらえます。体言・連体形、また助詞「の」「が」につきます。「その雲は雪のごとし」は「その雲は雪のようだ」です。「雪」と同一だと断定するのではなく、白さなどの共通点を捉えて似ていると述べています。
「ごとし」には例示の用法もあり、「〜のような」と具体例を示します。「われらごとき者」は、文脈に応じて「私たちのような者」と訳せます。比況と例示は日本語訳の形が重なるため、訳語だけで機械的に区別しません。似ているものにたとえているのか、同じ範囲の例を挙げているのかを読んで考えます。
願望の「まほし」は未然形に、「たし」は連用形につきます。「花を見まほし」は「花を見たい」、「この文を読みたし」は「この手紙を読みたい」です。「見る」は上一段活用で未然形も連用形も「見」なので、接続の違いを覚えるときには「読ままほし/読みたし」と並べると違いが見えます。どちらも「読みたい」という意味です。自分がしたい願いか、相手などにしてほしい願いかは、願う人と動作する人の関係から補います。
| 助動詞・活用の系列 | 未然形 | 連用形 | 終止形 | 連体形 | 已然形 | 命令形 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| ごとし・基本の形 | ごとく | ごとく | ごとし | ごとき | — | — |
| まほし・本活用 | まほしく | まほしく | まほし | まほしき | まほしけれ | — |
| まほし・補助活用 | まほしから | まほしかり | — | まほしかる | — | — |
| たし・本活用 | たく | たく | たし | たき | たけれ | — |
| たし・補助活用 | たから | たかり | — | たかる | — | — |
「まほし」はシク活用型、「たし」はク活用型です。「ごとし」は形容詞型ですが、基本の表では活用形に欠ける欄があります。「ごとく」に「あり」が結びついた「ごとくあり」などの形を扱う文法書もあるため、基本の形と関連する表現を区別しておきます。願望の補助活用は、さらに助動詞が続く形を読むときに役立ちます。
打消の「ず」は未然形接続で、「〜ない」と訳します。「人来ず」は「人が来ない」、「読まぬ文」は「読まない手紙」です。「ぬ」は打消「ず」の連体形でもあるため、文字だけを見て完了と決めないようにします。
| 系列 | 未然形 | 連用形 | 終止形 | 連体形 | 已然形 | 命令形 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 本活用 | ず | ず | ず | ぬ | ね | — |
| 補助活用 | ざら | ざり | — | ざる | ざれ | ざれ |
「ず」の活用は特殊型として扱います。本活用の未然形「ず」は、連用形・終止形と同じ文字なので、出現位置まで見て判断します。また、補助活用は「ず」と「あり」が結びついてできた系列です。「読まざりけり」は「読まなかったのだなあ」と訳せ、「ざり」は過去・詠嘆の助動詞「けり」につながる連用形です。「ざる」と「ぬ」はどちらも連体形ですが、形が違っても打消という基本の働きは共通します。
受身・尊敬・自発・可能と使役を見分けます
「る・らる」は、ともに受身・尊敬・自発・可能を表します。「る」は四段・ナ変・ラ変の未然形に、「らる」はそれ以外の動詞の未然形につきます。「書く」なら「書かる」、「見る」なら「見らる」です。接続する動詞の種類が違うのであって、「る」なら受身、「らる」なら可能という意味の分担はありません。
受身は、主語が他者の動作を受けることです。「子、親にほめらる」は「子どもが親にほめられる」です。尊敬は動作する人を高め、「先生、文を書かる」は、先生を敬う文脈なら「先生が手紙をお書きになる」です。どちらも現代語で「れる」を使う場合がありますが、古文の意味を答える設問では用法名を区別します。
自発は意志で起こすのでなく、自然にそうなることです。「昔のこと思ひ出でらる」は「昔のことが自然と思い出される」です。「思ふ」「思ひ出づ」など心の働きを表す語は、自発を考える手がかりになります。可能は「〜できる」で、古文では打消を伴って不可能を表す用例が多くあります。ただし、打消があるだけで必ず可能と決めず、文全体が能力や状況上の可否を述べているかまで読みます。
使役の「す・さす・しむ」は「〜させる」と訳します。「す」は四段・ナ変・ラ変の未然形に、「さす」はそれ以外の動詞の未然形に接続します。「しむ」は動詞などの未然形に広く接続します。「親、子に文を読ます」は「親が子どもに手紙を読ませる」です。親は読ませる側、子どもは実際に読む側です。助動詞を見つけたら、動作をする人も組にして考えましょう。
これらには尊敬の用法もあります。特に「す・さす・しむ」に尊敬の「給ふ」などが続く表現では、全体で主語への高い敬意を表す場合があります。ただし、後ろに敬語があっても、使役の動作主を敬っている場合はあり得ます。「給ふ」があるという1点で決めず、別の人に何かをさせる文なのかを確認します。
| 助動詞 | 未然形 | 連用形 | 終止形 | 連体形 | 已然形 | 命令形 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| る | れ | れ | る | るる | るれ | れよ |
| らる | られ | られ | らる | らるる | らるれ | られよ |
| す | せ | せ | す | する | すれ | せよ |
| さす | させ | させ | さす | さする | さすれ | させよ |
| しむ | しめ | しめ | しむ | しむる | しむれ | しめよ |
いずれも下二段型です。「読ませず」なら「読ま/せ/ず」と区切り、「せ」は使役「す」の未然形と判断します。「す」が「せ」になっても、使役という働きは保たれます。表の形を文の区切りに戻して使うことが、活用を覚える目的です。
例題で解き方を確かめる
例題1 同じ「なり」の所属を判断します
次の4文の「なり」を、断定の助動詞、伝聞・推定の助動詞、動詞の一部、形容動詞の一部に分けましょう。Bは鳴き声を聞いて述べた文とします。
A「これは文なり。」(これは手紙である。) B「山に鳥鳴くなり。」(山で鳥が鳴くようだ。) C「子は大人になりぬ。」(子どもは大人になった。) D「庭は静かなり。」(庭は静かである。)
- まず基本形に戻し、単語の境界を調べます。Cは「なる」という動詞の連用形「なり」、Dは「静かなり」という形容動詞の終止形です。「なり」という文字があることと、助動詞「なり」があることを分けるためです。
- AとBは直前の語を調べます。Aの「文」は体言なので断定です。Bの「鳴く」は四段動詞で、終止形と連体形が同じため、この段階で意味を決めきらないことが必要です。
- Bに示された場面を確かめます。鳥の鳴き声を聞いて、その存在や動作を判断しているので推定です。誰かの話を伝える場面なら伝聞を検討します。設問にある条件も、本文と同じく根拠になります。
図2のように、初めから2種類の助動詞だけで争わせず、まず動詞・形容動詞の一部を除きます。「なる」はラ行四段活用で、「なら・なり・なる・なる・なれ・なれ」と活用します。「静かなり」は「静かならず」「静かなる庭」のように語全体で活用するナリ活用の形容動詞です。この違いを確かめると、CとDを断定と誤認しにくくなります。

答え:Aは断定の助動詞、Bは推定の助動詞、Cは動詞「なる」の連用形、Dは形容動詞「静かなり」の活用語尾です。
例題2 似た意味でも接続を変えます
「読む」に「まほし」と「たし」をそれぞれ続け、「読みたい」を表す形を作りましょう。また、「その雲は雪のごとし」の「ごとし」を、体言「雲」を修飾するように活用させ、「雪のような雲」という連語を作りましょう。
- 「読む」がマ行四段活用であることを確かめます。未然形は「読ま」、連用形は「読み」です。願望の意味だけで答えを作ると、この母音の違いを取り落とすからです。
- 「まほし」には未然形、「たし」には連用形を接続させます。すると「読ままほし」「読みたし」になります。前者の「まま」は誤記ではなく、「読ま」の末尾と「まほし」の先頭が並んだものです。
- 「雲」は体言なので、その直前で修飾する「ごとし」を連体形「ごとき」にします。「雪のごとき雲」が「雪のような雲」に当たります。「ごとし」が何につくかと、「ごとし」自身が何形になるかを別々に考えるための操作です。
この問題では「ごとし」の直前に助詞「の」が残ります。後ろが体言になったからといって、前の「の」を消す必要はありません。前との接続と後ろへの働きをそれぞれ確かめれば、連語全体を正しく組み立てられます。
答え:「読ままほし」「読みたし」「雪のごとき雲」です。
例題3 打消の活用形を後ろから決めます
「読ま( )文」(読まない手紙)、「読ま( )ば、内容を知らず」(読まないので、内容を知らない)の括弧に、「ず」の本活用を入れましょう。後者は確定条件として理由を表す文とします。
- 直前の「読ま」が未然形であることを確認します。どちらも打消「ず」がつく条件を満たしますが、それだけでは括弧内の形を決められません。
- 1つ目の後ろは体言「文」です。体言を修飾するので「ず」は連体形「ぬ」になります。「読まぬ文」が答えです。
- 2つ目の「ば」は、ここでは理由を表す確定条件です。已然形に接続するため、「ず」の已然形「ね」を選び、「読まねば」とします。仮定条件か確定条件かという設問の指定を使う必要があります。
「読まざれば」も同じく打消の已然形を使った形ですが、これは補助活用なので、今回は本活用という条件に合いません。また、「読まぬ」の「ぬ」は直前が未然形なので打消です。完了「ぬ」なら連用形に接続し、「読みぬ」(読んでしまった)となります。
答え:1つ目は「ぬ」(連体形)、2つ目は「ね」(已然形)です。
例題4 使役と打消を順に読みます
「親、子に文を読ませず」を単語に区切り、助動詞の基本形・活用形・意味を答え、現代語訳しましょう。親が子どもに手紙を読むことを許さない場面とします。
- 「読む」を探し、四段活用の未然形「読ま」を取り出します。動詞の活用の範囲を先に確定すると、残りを助動詞として調べられます。
- 続く「せ」を使役「す」の未然形と判断します。「す」は四段動詞の未然形につき、後ろの「ず」は未然形を求めるからです。「せ」には連用形もありますが、今回は後ろの「ず」が形を決めます。
- 文末の「ず」は打消の終止形です。まず「子どもに読ませる」という使役のまとまりを作り、それを打ち消して「読ませない」と訳します。親自身が読まないという意味にしないため、動作の担当を確認します。
全体の区切りは「親/子/に/文/を/読ま/せ/ず」です。本文で省かれた助詞を現代語訳では補い、「親が」を主語にします。使役では、実際の読み手を示す「子に」と、文全体の主語「親」の役割が違う点に注意しましょう。
答え:「せ」は使役「す」の未然形、「ず」は打消「ず」の終止形で、訳は「親が子どもに手紙を読ませない」です。
つまずきやすいところと直し方
誤り1 「なり」の直前が連体形なら断定と決めます
誤った書き方は、「『あるなり』は『ある』が連体形だから、必ず断定」です。違う点は、伝聞・推定の「なり」もラ変型の語には連体形に接続することです。「あり」の連体形「ある」だけでは、2種類を一方に決められません。
正しい書き方は、「『ある』はラ変動詞『あり』の連体形であり、断定と伝聞・推定の両方を候補に残し、文脈を確認する」です。鳥の声が聞こえる、他の人から知らせを受けた、といった根拠の違いを読みます。終止形と連体形が同じ四段動詞でも同様です。識別とは、早く1つに決めることではなく、決めるための条件をそろえることです。
誤り2 打消の意味なら「ず」をどこでも使います
誤った書き方は、「読まず人」を「読まない人」の意味で使うことです。違う点は、体言「人」を直接修飾する位置に、打消の終止形を置いていることです。正しい書き方は「読まぬ人」、または補助活用を使う「読まざる人」です。
図3のように、体言の前なら連体形、理由を示す「ば」の前なら已然形と、後ろに続く語に合わせます。「ず」が未然形接続という決まりは「読ま」の形を決めるものであり、「ず」自身を未然形にする指示ではありません。「未然形接続だから全部未然形」と答えてしまったときは、矢印を直前の語と助動詞に分けて書くと修正できます。

誤り3 「る・らる」をすべて受身で訳します
誤った書き方は、「昔のこと思ひ出でらる」を「昔のことが誰かに思い出される」と訳し、動作主を勝手に補うことです。違う点は、自然に記憶が浮かぶという自発の意味を見落とし、原文にない相手を作っていることです。正しい書き方は「昔のことが自然と思い出される」です。
ただし、心の働きを表す動詞なら必ず自発というわけでもありません。見直すときは、誰かから動作を受けるのか、自然に起きるのか、動作主を敬っているのか、できるかどうかを述べているのかの順に問い直します。現代語の「れる・られる」にも複数の意味があるため、そのまま置き換えるだけでは判断を保留したままです。訳した後に用法名も言える状態にしておきましょう。
練習問題
練習1
「彼は国の長たり」(彼は国の長である)と「庭に花咲きたり」(庭に花が咲いている)の「たり」について、意味と直前の語の形を答えましょう。後者は現在の庭の状態を述べる文とします。
練習2
「この文を読みたし」(この手紙を読みたい)の願望を「まほし」で表し直しましょう。さらに、「読みたし」の「たし」を活用させ、「読みたい手紙」に当たる「読み( )文」を作りましょう。
練習3
「読まぬ文」(読まない手紙)と「文を読みぬ」(手紙を読んでしまった)の「ぬ」の基本形・意味・活用形を答えましょう。また、「読まねば、内容を知らず」(読まないので、内容を知らない)の「ね」の活用形を答えましょう。
練習4
A「子、親にほめらる」(子どもが親にほめられる)、B「昔のこと思ひ出でらる」(昔のことが自然と思い出される)、C「この重き石は、一人にては動かされず」(この重い石は、1人では動かすことができない)、D「先生、文を書かる」(先生が手紙をお書きになる)について、「る・らる」の意味をそれぞれ答えましょう。Cは力が足りず動かせない場面、Dは先生を敬う場面です。
答えと解説
練習1の答えは、前者が断定で、直前は体言「長」、後者が存続で、直前は四段動詞「咲く」の連用形「咲き」です。同じ「たり」でも接続が違います。後者を完了でなく存続とする根拠は、咲く動作の終了よりも、花が咲いた状態を述べるという条件です。
練習2の答えは、「この文を読ままほし」と「読みたき文」です。「まほし」は未然形接続なので、動詞も「読み」から「読ま」に変えます。「たき」は「たし」の連体形で、「文」を修飾します。意味の置換と活用の変更を分けて確かめましょう。
練習3の答えは、「読まぬ」の「ぬ」が打消「ず」の連体形、「読みぬ」の「ぬ」が完了「ぬ」の終止形です。「ね」は打消「ず」の已然形です。前の語で助動詞の種類を識別し、後ろの体言や文末という位置で活用形を判断します。
練習4の答えは、Aが受身、Bが自発、Cが可能、Dが尊敬です。Cは「動かさ/れ/ず」と区切り、「れ」は可能「る」の未然形です。「動かす」というサ行四段動詞の末尾を含めて「動かさ」なので、「さ」を使役の助動詞と取り違えないようにします。可能を打ち消すことで、文全体は不可能を表します。
次の単元へのつながりと家庭での確かめ方
この単元で身につけた接続の確認は、助詞「ば」の条件表現や、係り結びを学ぶときにも使います。「ぬ」「ね」「ざる」を見て打消に戻せれば、否定されている動作の範囲がつかめます。敬語の単元では、「る・らる」と「す・さす・しむ」の尊敬を、動作主の特定と結びつけて読み直します。
家庭では、5分でできる確かめ方を2つ用意できます。1つ目は、「読む」を紙に書き、「ず」「まほし」「たし」を1つずつつなぐことです。できた形を読み上げ、動詞の未然形と連用形の違いを説明します。2つ目は、例題1の4文の訳を隠し、「なり」がどの単語に属するかに線を引くことです。正解の名称だけでなく、その区切りになる理由を1文で言ってみましょう。
個別指導では、接続の誤りが続くときは動詞の活用に、助動詞を切り出せないときは自立語と付属語の区別まで戻って確かめます。保護者の方がお子さまの学習を見る場合も、意味をすぐ教えるより、「前の語は何形だったか」と聞くと、どこから確認すればよいかが見えます。
まとめ
助動詞の識別で答えが割れたときは、その違いがどこから生まれたかを探せます。単語を区切る段階なのか、接続なのか、文脈なのかを言葉にできれば、解答を見て終わりにせず、自分の読みを修正できます。「なり」が2文字だからといって、その判断まで短い暗記語だけで済むわけではありません。
訳文の滑らかさは、原文の形に戻って確かめてこそ支えられます。助動詞の正解には、選んだ意味だけでなく、その意味を選べる根拠が必要です。
本気になった日が、入塾の日。
お子様の教育、迷ったら「丸投げ」してください。必ず、期待以上の結果で返します。武蔵野で育む、武蔵境で学ぶ。
電話は年中無休。365日、24時間、お電話可能。




