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【高校国語】表現と語彙を図解で総まとめ—敬語・慣用句・四字熟語・ことわざ・文法の誤り|武蔵野個別指導塾

敬語の向きを整理する図と、慣用句・四字熟語・ことわざの選択問題で表現を確かめます。ら抜き言葉、二重敬語、修飾の曖昧さも、自作の例文を直しながら学べます。
よくあるのは、職員室前の廊下の長椅子で先生を待ちながら、提出物について尋ねる言葉を考え、「先生が申された」「先生がおっしゃられた」のどちらがよいのか迷うという場面です。丁寧に話したい気持ちはあるのに、敬語らしい形を足すほど判断が難しくなります。ここで確かめたいのは、言葉の長さではなく、動作をする人と敬意を向ける先です。
表現と語彙の学習は、難しい言葉をたくさん覚えるだけでは進みません。「肩の荷が下りる」を喜んだ場面なら何にでも使えるのか、離れた語を修飾すると何通りに読めるのかまで確かめて、初めて自分の言葉として使えます。敬語、慣用句、四字熟語、ことわざ、文法の誤りをそれぞれの仕組みから学び、文脈に合う形を選びましょう。読解問題の選択肢を比べるときにも、記述答案を読み直すときにも、選んだ理由を説明できることが目標です。
この単元で身につけること
- 敬語の種類と働きを区別します。尊敬語は動作の主体を立て、謙譲語は自分側の動作を低めるなどして敬意を示し、丁寧語は聞き手に丁寧に述べる表現だと整理します。
- 慣用句をまとまりで理解します。「手」「肩」などの漢字の印象だけで意味を決めず、その表現が使える状況まで押さえます。
- 四字熟語とことわざを文脈に当てはめます。意味が似ている言葉でも、出来事の順序や評価が異なると適切な答えが変わります。
- 文法の誤りと意味の曖昧さを直します。ら抜き言葉、二重敬語、修飾のかかり方を別々の観点で確かめます。
- 誤りの指摘だけで終わらず、元の文が伝えたい内容を保った修正文を書きます。正しい形に直しても、主語や意図が変わっては十分ではありません。
中学校で学ぶ主語・述語・修飾語の関係や敬語の分類が土台になります。高校では、文単独の形に加えて、話し手、聞き手、話題の人物の関係まで考えて判断する場面が増えます。
基本の考え方
敬語は動作の主体と敬意の向きを分けます
尊敬語は、話題にする人物の動作や状態などを高めて、その人物への敬意を表します。「先生が話す」を「先生がお話しになる」、「先生が言う」を「先生がおっしゃる」とする形です。どちらも動作をする先生を立てています。話し手自身の動作を「私はおっしゃる」とするのは、自分を立ててしまうため適切ではありません。
尊敬語には「いらっしゃる」「召し上がる」「ご覧になる」のような特別な語のほか、「お読みになる」のような「お〜になる」の形、「読まれる」のように「れる・られる」を使う形があります。ただし、「先生が学生に名前を呼ばれる」の「呼ばれる」は、文脈から受身と読めます。「れる・られる」を見つけたという理由だけで尊敬語に決めず、誰が何をする文なのかを先に確かめます。
謙譲語は、基本の3分類では、自分側の動作を低めるなどして敬意を表す言い方として学びます。「私が先生に尋ねる」を「私が先生に伺う」とすると、尋ねるのは私ですが、その動作が向かう先生を立てます。「先生に資料をお渡しする」「先生の説明を拝聴する」も、動作の相手などを立てる例です。相手が自分にしてくれる動作を、機械的に謙譲語へ変えないようにします。
さらに詳しい分類では、動作の向かう先を立てる謙譲語Ⅰと、聞き手に対して自分側の動作を丁重に述べる謙譲語Ⅱ、別名で丁重語を分けます。「先生に伺う」は前者、「私が申す」「私が参る」は後者の例です。「明日、会場へ参ります」は、会場そのものを敬う表現ではありません。3分類で学ぶときも、謙譲語のすべてに、立てる動作の相手が必ずいるとは考えないことが大切です。
丁寧語は、「です」「ます」「ございます」などで聞き手に丁寧に述べます。「先生が読みます」の「ます」は丁寧語ですが、「読む」という動作を尊敬語に変えたわけではありません。「先生がお読みになります」なら、動作の主体を立てる尊敬語と、聞き手に丁寧に述べる丁寧語を組み合わせています。敬語が複数含まれるだけで誤りになるわけではありません。
図1のように、尊敬語では動作の主体、謙譲語Ⅰでは動作の向かう先、丁寧語では聞き手を分けて見ます。矢印はここでは敬意が向かう先を示し、人物の立場の高低を数値化するものではありません。

敬語の選択には、誰に話しているかも関係します。外部の人に自分の家族の動作を述べるなら、家族を自分側として扱い、「母が申しておりました」とする場面があります。ただし、家庭内の会話まで一律に同じ形にするわけではありません。問題文に人物関係や会話の場面が示されている場合、その条件を読み落とさないようにします。
語彙は意味と使用条件を組にして覚えます
慣用句は、複数の語が結びつき、まとまりとして一定の意味を表す言い回しです。「手を焼く」は手が熱くなることではなく、扱いに困ることです。「頭が下がる」は、相手の行為などに感心し、敬服する気持ちを表します。動作の絵を思い浮かべるだけでは、文脈に合う意味にならないことがあります。
「肩の荷が下りる」は、責任や負担から解放されてほっとすることです。「発表の責任者として役目を終え、肩の荷が下りた」なら、負担とその解消が読み取れます。一方、「楽しみにしていた菓子を食べ、肩の荷が下りた」では、その前にどんな負担があったのかが見えません。語の意味を知ることと、その場面で使えることを分けて確かめます。
四字熟語は、4つの漢字がまとまって特定の意味を表す語です。「試行錯誤」は、試みと失敗を重ねながら解決法を見つけようとすること、「臨機応変」は、その場の状況に応じて適切に対応することです。「一長一短」は長所と短所の両方があること、「本末転倒」は根本の大事なことと末のささいなことを取り違えることです。漢字4字ならすべて同じように扱うのではなく、熟語全体で何を指すかを学びます。
ことわざは、経験から得られた教訓や知恵などを短く言い表した言葉です。「急がば回れ」は、急ぐときほど危険な近道より確実な方法を取るほうがよいという教えです。「備えあれば憂いなし」は、普段から準備しておけば、いざというときの心配を減らせるという意味です。どちらも行動の勧めに使えますが、前者は方法の選択、後者は事前の準備に焦点があります。
覚える際は、「意味」「使える状況」「似ているが違う表現」の3点を小さくまとめます。たとえば「試行錯誤」の横には「何度か方法を試す」、「臨機応変」の横には「状況が変わって対応を変える」と書きます。自分で短い用例を作れば、知っているつもりの言葉にも抜けている条件があると気づけます。
文の正しさと伝わりやすさを確かめます
「見れる」「食べれる」「来れる」は、標準的な書き言葉では、それぞれ「見られる」「食べられる」「来られる」とする、いわゆるら抜き言葉です。会話では使われますが、学校の文法問題や改まった文章では標準的な形を選びます。ただし、五段動詞「読む」の可能を表す「読める」は正しい形です。「れる」で終わっている言葉をすべて直すのではなく、元の動詞を見ます。
二重敬語は、1つの語について同じ種類の敬語を重ねる形です。「お読みになられる」は、「お読みになる」という尊敬の形に、さらに尊敬の「られる」を重ねています。基本の修正は「お読みになる」です。一方、「お読みになります」の「ます」は丁寧語なので、この意味での二重敬語ではありません。
また、文法的に成り立っていても、意味が1つに定まらない文があります。「私は走っている弟の友人に声をかけた」では、走っているのが弟なのか友人なのかが曖昧です。修飾語の位置を変えたり、文を分けたりして、読み手が意図を推測しなくてもよい形に整えます。
例題で解き方を確かめる
例題1 尊敬語と謙譲語を人物関係から選びます
生徒が、先生本人に予定を確認しています。次の文のア・イに入る言葉を、それぞれ候補から選びましょう。「先生は明日、この教室にア。私は放課後、先生のところへイ。」アの候補は「いらっしゃいますか/伺いますか」、イの候補は「いらっしゃいます/伺います」です。
- 2つの文の主語を取り出します。前の文は「先生」、後ろの文は「私」です。同じ場所への移動を述べていても、動作の主体が違えば適切な敬語が変わるためです。
- 前の文は先生の動作を立てると判断します。「いらっしゃる」は「行く・来る・いる」の尊敬語で、ここでは先生が教室に来る、またはいる予定を尋ねる言い方になります。
- 後ろの文は私が先生のところへ訪問すると判断します。「伺う」は自分側の訪問を低めて訪問先の相手を立てるため、この場面に合います。
- 文全体を読み、誰が動くのかをもう一度確かめます。語だけを置き換える練習にすると、主語の取り違えを見落としやすいためです。
「伺う」のほうが改まって聞こえるという印象だけで、両方を「伺う」にしないようにします。相手に敬意を示そうとしても、相手の動作そのものを自分側の動作として述べる形にすれば、敬意の向きが変わってしまいます。
答え:ア「いらっしゃいますか」、イ「伺います」。
例題2 慣用句と四字熟語を出来事に対応させます
次のア・イに最も適切な言葉を入れましょう。アは「舞台の係を任されて心配していたが、無事に全員の出番を終え、ようやくア。」で、候補は「肩の荷が下りた/手を焼いた/頭が下がった」です。イは「模型が何度も倒れたため、土台の形を変えて試すことを繰り返した。イの末、安定する形を見つけた。」で、候補は「臨機応変/試行錯誤/本末転倒」です。
- アの出来事を「責任があって心配した→役目を終えた」と整理します。感情だけを「うれしい」とまとめず、その原因を残すと慣用句の使用条件と比べられるためです。
- 「肩の荷が下りた」を選びます。「手を焼いた」は扱いに困ること、「頭が下がった」は敬服することなので、負担が解消した場面の結末には合いません。
- イの動作の繰り返しに注目します。「形を変えて試すことを繰り返した」とあるため、何度も試みながら解決へ進む「試行錯誤」が適切です。
- 似た候補を外す理由も述べます。「臨機応変」は状況に応じた対応に重点があり、必ずしも試みと失敗の繰り返しを含まないため、この文では「試行錯誤」のほうが直接対応します。
図2のように、文中の出来事を短く言い換え、その条件を含む表現へつなぎます。語感から候補を選ぶ前に、根拠となる出来事に線を引くと、選択の理由がはっきりします。

答え:ア「肩の荷が下りた」、イ「試行錯誤」。
例題3 ことわざの教訓を読み取ります
「急いで組み立てようとして手順を飛ばすと、やり直しになりやすい。先に説明を読み、順序を守って進めよう」という助言に最も合うことわざを、「急がば回れ/石の上にも三年/二兎を追う者は一兎をも得ず」から選び、その理由を説明しましょう。
- 助言の中心を「急ぐときの方法の選び方」と捉えます。文中に「手順を飛ばす」と「順序を守る」という対照があり、どちらを選ぶかが話題になっているためです。
- 「急がば回れ」の意味を当てはめます。手間を省くより確実な手順を踏むほうが結局よいという点で、この助言と対応します。
- 他のことわざの焦点を確かめます。「石の上にも三年」は辛抱強く続けること、「二兎を追う者は一兎をも得ず」は同時に2つを得ようとしてどちらも得られないことへの戒めです。
- 理由は、この場面の行動と言葉の意味を結んで書きます。「意味が合うから」だけでは、何を読み取ったのかが伝わらないためです。
ことわざは、文中の1語と一致するものを探す問題ではありません。「順序を守る」という動作を、どんな考え方に基づいて勧めているのかまで読むと、初めて適切に選べます。
答え:「急がば回れ」。手順を省いて急ぐより、確実な方法を取るほうが結局よいという助言だからです。
例題4 敬語の重なりとら抜き言葉を直します
「先生がこの作品をお読みになられたら、私も感想を書けます。短い作品なので、今日中に読めると思います。先生の批評も見れるでしょうか。」を、意味を変えずに標準的な書き言葉へ直しましょう。修正が必要な部分だけを答えます。
- 動詞ごとに元の形を確かめます。「読む」「書く」「見る」があり、すべてを同じ形で可能にするわけではないためです。
- 「お読みになられたら」の敬語を分解します。「お読みになる」で尊敬が表されているので、重ねた尊敬の「られる」を除き、「お読みになったら」とします。
- 「書けます」と「読める」はそのままにします。五段動詞「書く」「読む」の可能の形であり、ら抜き言葉ではないためです。
- 「見れる」を「見られる」に直します。上一段動詞「見る」の標準的な可能の形を用いる必要があるためです。
過去・条件の形も含めて直すことに注意します。「お読みになられたら」から何となく数文字を削ると、活用が崩れることがあります。まず基本の形を「お読みになる」と確かめ、それを文に合わせて「お読みになったら」と変えると、意味を保てます。
答え:「お読みになられたら」→「お読みになったら」、「見れる」→「見られる」。
つまずきやすいところと直し方
誤り1 丁寧そうな形を重ねます
誤った書き方:「先生がおっしゃられました。」
どこが違うか:「おっしゃる」自体が「言う」の尊敬語なのに、さらに尊敬の「られる」を重ねています。敬意の強さを、敬語の数で決めようとしたことが原因です。「先生が申されました」と言い換えるのも、先生自身の発言を立てるこの場面では適切ではありません。
正しい書き方:「先生がおっしゃいました。」これで先生の動作への敬意と、聞き手への丁寧さを表せます。尊敬語を1つ選んだ後、その語の活用と文末を整える順序で書き直します。
ただし、敬語が連続していれば何でも誤りというわけではありません。「お読みになっていらっしゃる」は「読む」と「いる」という別々の語を敬語にした連結で、単純な二重敬語と区別します。また、「お召し上がりになる」など、二重敬語の形でも慣用として定着しているものがあります。基本形の練習では「召し上がる」を使うと明快ですが、選択問題では慣用の有無も考慮し、「二重なら例外なく誤り」とは覚えないようにします。
誤り2 可能の形を見た目だけで判断します
誤った書き方:「明日は早く来れるので、この続きも見れます。」
どこが違うか:「来る」「見る」の可能を標準的に表す形から「ら」が抜けています。「来る」はカ行変格活用であり、単純に語尾を「れる」へ変える扱いにはできません。「見れる」が会話で耳慣れていることと、書き言葉の規範に合うことは分けて考えます。
正しい書き方:「明日は早く来られるので、この続きも見られます。」一方、「この本なら読めます」の「読めます」は直しません。五段動詞の可能動詞まで「読まれます」にすると、受身や尊敬など別の解釈を招き、元の意味を保てなくなります。
「られる」は可能以外にも受身・尊敬・自発を表すことがあるため、形を直した後にも意味を読み返します。たとえば「私はその映像を見られます」は見ることが可能だと伝えますが、「先生がその映像を見られます」は文脈によって尊敬とも可能とも読めます。必要なら「先生はその映像をご覧になります」として、尊敬の意味を明確にできます。
誤り3 修飾語を置けば相手にも同じ意味で伝わると思います
誤った書き方:「私は走っている弟の友人に声をかけた。」を、友人が走っていると明確に伝える文として使います。
どこが違うか:「走っている」が「弟」にかかる読みと、「弟の友人」全体にかかる読みが残ります。文そのものが必ず非文法的というわけではありませんが、誰が走っているかを明示するという目的には合っていません。
正しい書き方:「弟の友人が走っていたので、私はその友人に声をかけた。」と文の構造を変えます。弟が走っていることを伝えたいなら、「走っている弟がいた。私はその弟の友人に声をかけた」と分けることもできます。語順だけで無理に処理せず、元の内容を保つ修正を選びます。
図3のように、同じ修飾語でも結びつける語が変わると、走る主体が変わります。添削では「読みづらい」とだけ言うより、修飾先を2通り示すと、どこを直すべきかを具体的に説明できます。

入試では、敬語の誤用を選ぶ問題、語句を空欄に入れる問題、慣用句の意味を選ぶ問題、修飾の曖昧さを解消する問題などとして出されます。「正しいもの」か「適切でないもの」かという指示も先に確かめます。形の誤りと文脈上の不適切さを分けて考えると、知っている表現なのに誤答として選ばれる理由がわかります。
練習問題
練習1 人物に合う敬語を選びます
生徒が先生本人に話しています。「先生が先ほどア資料を、私もイ。」のアを「ご覧になった/拝見した」、イを「ご覧になりました/拝見しました」から選びましょう。私が見るのは、先生から示された資料です。動作の主体と敬意を向ける先も確認しましょう。
練習2 慣用句と四字熟語を選びます
ア「壊れやすい道具の扱いに困り、作業の間ずっとア。」には「手を焼いた/肩の荷が下りた」のどちらが合いますか。イ「屋外での活動を予定していたが、突然の雨に合わせて室内の活動へ切り替えた。イに対応した。」には「試行錯誤/臨機応変」のどちらが合いますか。
練習3 ことわざの意味を説明します
「発表前に予備の資料と道具を用意しておいたので、道具が使えなくなっても落ち着いて対応できた。」に合うことわざを「備えあれば憂いなし/急がば回れ」から選び、選んだ理由を1文で説明しましょう。単に「準備がよかった」とせず、準備とその後の出来事の関係を書きます。
練習4 文を直します
次の3つを直しましょう。ア「先生がお帰りになられました。」は敬語の重なりを解消します。イ「この窓から景色が見れます。」は標準的な書き言葉にします。ウ「私は赤い帽子の妹の友人を見かけた。」は、妹の友人が赤い帽子をかぶっていると明確に伝える文にします。
答えと解説
練習1の答え:ア「ご覧になった」、イ「拝見しました」。見る主体は前半では先生、後半では私です。前半は先生の動作を立て、後半は先生から示された資料を見る自分の動作を謙譲語で述べます。「私もご覧になりました」では自分の動作を尊敬語にしてしまいます。
練習2の答え:ア「手を焼いた」、イ「臨機応変」。アは扱いに困っている最中なので、負担が解消した意味の「肩の荷が下りた」は合いません。イは雨という状況の変化への対応です。試みと失敗を繰り返したとは書かれていないので、「試行錯誤」を選ぶ根拠はありません。
練習3の解答例:「備えあれば憂いなし」。事前に予備を用意していたことで、道具が使えない事態にも慌てず対応できたからです。「急がば回れ」を選ぶには、急ぐ方法と確実な方法の対照などが必要ですが、この文の中心は事前の準備です。
練習4の解答例:ア「先生がお帰りになりました。」、イ「この窓から景色が見られます。」、ウ「妹の友人が赤い帽子をかぶっているのを、私は見かけた。」。ウは読点だけに頼らず、帽子をかぶる人を節の主語として書くことで明確にできます。「赤い帽子の妹」と読めるつながりを解き、帽子をかぶる主体を友人に定めます。
答え合わせでは、選んだ語だけでなく理由も見直します。選択肢が当たっていても、「敬語として丁寧だから」「良い意味だから」としか言えなければ、人物関係や語の使用条件をもう一度確かめます。修正文は複数成立することがありますが、元の意味を保ち、指定された曖昧さや誤りを解消していることが条件です。
次の単元へのつながりと家庭での確かめ方
表現と語彙を学ぶと、現代文では人物の態度や筆者の評価を言葉から捉えやすくなります。小論文や記述答案では、修飾の曖昧さを取り除き、自分が意図した関係を読み手に伝えるために役立ちます。古典の敬語へ進む際にも、動作の主体と敬意の対象を分ける考え方が土台になりますが、現代語の語形をそのまま古語に当てはめないことが必要です。
家庭では、まず5分で、1つの動作を先生と自分を主語にして書き分けます。「先生が読む」「私が先生の文章を読む」を敬語にし、どちらの人物へ敬意が向くのかを声に出して説明します。言い換えた文の主語に丸を付ければ、途中で人物を取り違えていないかも見えます。
もう1つは、5分で慣用句か四字熟語を1つ選び、使える場面と使えない場面を1文ずつ作る方法です。「一長一短」なら長所だけを書く文では不十分で、短所も含める必要があります。保護者がお子さまの文を読む場合も、正解を先に伝えるより「どの言葉がその意味に合うのか」と根拠を尋ねると、理解している範囲を確かめられます。
個別指導で誤用を確かめる際には、敬語の一覧に戻る前に、その文の主語と動作の相手まで戻って整理します。語彙の選択で迷う場合は、意味の暗記だけを増やすのではなく、本文中のどの出来事と結びつけたのかを確認します。
まとめ
文を直すときは、書いた本人には通じている意味を、初めて読む人も同じように受け取れるかが試されます。敬語を減らすだけで人物関係が明確になることもあれば、短い修飾語を1つの節へ書き換えることで、動作の主体が初めて定まることもあります。覚えた語を使ったという満足から一歩進み、その語が必要な理由を文の中に見つけましょう。表現の正確さは、読み手に人物関係や意味のつながりを取り違えさせない、言葉の選択に宿ります。
本気になった日が、入塾の日。
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