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【高校漢文】訓読の基本を図解で総まとめ—返り点・送り仮名・再読文字・置き字・書き下し文の決まり|武蔵野個別指導塾

レ点から天地点までの読む順序と、再読文字8字の読みを整理。自作例文の書き下しと3枚の図を通して、送り仮名・置き字・仮名に直す語の判断を確かめられます。
よくあるのは、駅前の本屋の参考書の棚で漢文のページを開き、「レ点なら読める」と思った直後に、一・二や送り仮名が重なった行を見て、どの字から声に出せばよいか迷うという場面です。意味のわかる漢字が並んでいるのに、日本語の文にする段階で手が止まります。しかも、答えを見ると漢字がひらがなに変わったり、元の字がなくなったりしていて、単なる並べ替えでは済まないことに気づきます。
この戸惑いは、読む順序を決める作業と、読んだ文を正しい形で書く作業を同時に行おうとすると起こりやすくなります。まず返り点で順序を決め、次に送り仮名をつないで音にし、最後に書き下し文の表記を整えましょう。再読文字や置き字も、それぞれが担う役割を切り分ければ、特別な暗号ではなくなります。短い文から、この3段階を自分で説明できる状態を目指します。
この単元で身につけること
- 白文・訓読文・書き下し文を区別します。元の漢字の並び、読むための手がかりを付けた文、日本語の語順に直した文を混同しないことが出発点です。
- レ点、一二点、上下点、甲乙点、天地点の働きを理解します。記号の種類だけを覚えず、どこまで進んで、どの字へ返るかを追えるようにします。
- 送り仮名と助詞の役割を確かめます。「書を読む」の「を」のように、日本語として語の関係を表す部分にも目を向けます。
- 再読文字を2つの読みの組で覚えます。「未だ」と「ず」が離れて現れても、元は1字の働きだと説明できるようにします。
- 置き字と仮名に直す語を見分けます。読まない字を取り除く判断と、読んだ語をひらがなにする判断を別々に行います。
中学校で学んだ返り点と、日本語の助詞・助動詞の知識が土台になります。古文で学ぶ未然形や連体形も、再読文字の後半を正しくつなぐために使います。すべての漢字の意味を先に暗記する必要はありませんが、順序だけが合っていても語尾が違えば文の意味は変わります。読めたかどうかは、順序・語尾・意味の3点で確かめます。
基本の考え方
白文から書き下し文までの3段階
訓読とは、漢文を日本語の語順と語法に従って読むことです。中国語の文では動詞の後ろに目的語が置かれることが多く、日本語では目的語を動詞の前に置きます。その違いを調整するために、返り点や送り仮名などの訓点を使います。漢字の意味を順番に言うだけでは、だれが何をしたのかを自然な日本語として捉えられない場合があります。
自作の短文「我読書」を見ます。白文は「我読書。」です。訓読文は、元の並びを保ったまま「我」に「ハ」、「読」に「ム」とレ点、「書」に「ヲ」を付けたものです。書き下し文は「我は書を読む。」となり、現代語訳は「私は本を読む。」です。白文は訓点のない文、訓読文は訓点を付けた文、書き下し文は訓読した結果を漢字仮名交じりで書いた文という違いがあります。
以下の横書きの訓読文では、「我ハ 読ム〈レ〉 書ヲ。」のように示します。山括弧内は直前の漢字に付く返り点、カタカナは送り仮名です。実際の縦書きでは、返り点は漢字の左下、送り仮名は右下、読みを示す振り仮名は右側に置きます。横書きの表示でも、山括弧内を声に出して読むわけではありません。再読文字の2つの読みは、その都度分けて説明します。
送り仮名には、活用語の語尾だけでなく、「ハ」「ヲ」など日本語の助詞を示すものもあります。「読ム」の「ム」は「読む」という動詞を完成させ、「書ヲ」の「ヲ」は読む対象を示します。書き下すときはカタカナをひらがなにし、「我は書を読む。」とします。「読む」を「読ム」のまま残すことも、「書ヲ」を「書をを」と二重にすることもありません。
返り点は返る範囲を区切る記号
レ点は、すぐ下の字を先に読んでから上の字へ返ることを示します。図1のように「読」にレ点が付けば、「書」を読んだ後に「読」へ返ります。図の番号は読む順番であり、返り点そのものではありません。「読」の位置が上だから先に読む、という見た目の判断をやめることが最初の一歩です。

一二点は、下の一の付いた字まで読み進み、そこから二の付いた字へ返る合図です。途中に返り点のない字があれば、それも上から順に読みます。「読二 新 書一」という配置なら、「新・書・読」の順です。一の字だけを先に拾って「書・読・新」とするのではありません。返り点は、途中の字を省略する記号ではないのです。
返る範囲が重なると、内側の処理を終えてから外側へ返る必要があります。そのために、一二点の外側では上下点、さらに外側では甲乙点、その外側では天地点を使います。ここでいう内側とは、先に読み終える小さなまとまりのことです。次の表は、返り先を含めた基本の順序です。
| 返り点の組 | 返るときの基本の順 | 働きを捉える目印 |
|---|---|---|
| レ | 直下の字から上の字へ | すぐ隣の順序を入れ替えます |
| 一・二 | 一から二へ | 間の語を読んでから返ります |
| 上・下 | 上から下へ | 一二点を含むまとまりを外から囲みます |
| 甲・乙 | 甲から乙へ | 上下点を含むまとまりを外から囲みます |
| 天・地 | 天から地へ | 甲乙点を含むまとまりを外から囲みます |
点が増える場合には、一・二・三、上・中・下、甲・乙・丙、天・地・人などの順に返ります。原文の上から「上、下」と並ぶとは限らず、返る側の下点が上方に、返り始める上点が下方に置かれます。「上下」という名前と紙の上の位置を同じだと考えないようにしましょう。
練習用の記号列を上から「ア〈地〉、イ〈乙〉、ウ〈下〉、エ〈二〉、オ〈一〉、カ〈上〉、キ〈甲〉、ク〈天〉」と並べると、読む順は「オ・エ・カ・ウ・キ・イ・ク・ア」です。まずオからエへ返って一二点を処理し、カからウへ返って上下点を処理します。その後、キからイ、クからアと外側を順に閉じます。これは語の意味を持たない順序確認用の列です。甲乙点や天地点でも、新しい読み方が加わるのではなく、返る範囲が広がると捉えられます。
なお、一とレが組み合わさるなど、複数の点が同じ場所に示される場合もあります。その場合はレ点による直近の返読を先に処理してから、より外側の返読へ進みます。複雑な文で点の名前だけを頼りに一気に飛ぶと、内側の字を読み残します。読んだ字に小さく順番を振り、未読の字がどこに残っているかを確かめる方法が有効です。
再読文字・置き字・仮名にする語を区別する
再読文字は、1字を最初と後の2回に分けて読む文字です。最初に副詞のように読み、後で助動詞などとして読みます。たとえば「未読書」は「未だ書を読まず。」で、「未」を「いまだ」と読んでから「書を読ま」へ進み、最後に同じ「未」を「ず」と読みます。現代語訳は「まだ本を読んでいない。」です。
| 文字 | 最初の読みと後の読み | 基本となる意味 |
|---|---|---|
| 未 | いまだ〜ず | まだ〜しない |
| 将 | まさに〜んとす | 今にも〜しようとする、〜しようとする |
| 当 | まさに〜べし | 当然〜すべきだ、きっと〜だろう |
| 応 | まさに〜べし | 当然〜すべきだ、きっと〜だろう |
| 宜 | よろしく〜べし | 〜するのがよい |
| 須 | すべからく〜べし | ぜひ〜しなければならない |
| 猶 | なほ〜ごとし | ちょうど〜のようだ |
| 盍 | なんぞ〜ざる | どうして〜しないのか、〜してはどうか |
表は代表的な読みの組です。「当」「応」の「べし」は文脈に応じて当然・推量などを判断し、常に命令だと決めつけません。「将」は、後半の「んとす」まで読んで初めて、これから起こることや意志を表せます。「須」の「すべからく」を「すべて」と訳すのも誤りです。「ぜひそうする必要がある」という意味を、後半の「べし」と組にして捉えます。
「未」は動詞の未然形に「ず」を続けるので、「読む」なら「読まず」です。「将」の「んとす」も未然形に続き、「読まんとす」となります。「当・応・宜・須」の「べし」は原則として終止形に続き、ラ変型の語では連体形に続きます。「読むべし」のように、動詞の形まで確認しましょう。「猶」は比況の「ごとし」へつながるため、名詞なら「〜のごとし」となる形をよく用います。「盍」の「ざる」は打消の助動詞「ず」の連体形で、勝手に文末を「ざり」に変えません。
書き下し文では、再読文字の最初の読みを「未だ」「将に」「当に」「応に」「宜しく」「須らく」「猶ほ」「盍ぞ」のように漢字を残して表し、後の読みは「ず」「んとす」「べし」「ごとし」「ざる」のようにひらがなにします。「猶ほ」の「ほ」は歴史的仮名遣いです。声では「なお」と読んでも、書くときに「猶お」とはしません。同じ字でも別の用法で使われることがあるため、表の字を見つけただけで必ず再読すると決めず、訓点と文脈を確認します。
一方、置き字は、訓読で直接には読まない字です。「於・于・乎・而・矣・焉」などが置き字となることがありますが、同じ字がいつも置き字になるわけではありません。「乎」が文末の疑問の助詞として「か」と読まれる場合もあります。置き字かどうかは、その文での用法から判断します。
直接読まないことと、意味や文の働きがないことも別です。場所を示す「於」は、日本語では後ろの名詞に付ける「に」などによって関係を表します。書き下し文からその漢字が消えても、場所の関係まで消してよいのではありません。これに対して「之」が助詞の「の」を表す場合は、実際に「の」と読むので置き字ではなく、仮名に直す語です。「不」のように打消の助動詞「ず」と読む字も、ひらがなにします。字を消す場合と、読みを仮名で残す場合を分けましょう。
例題で解き方を確かめる
例題1 レ点と送り仮名をつなぐ
次の自作の文を書き下し、現代語訳を示します。「我」は「われ」、「書」は「しょ」と読みます。
白文:我読書。
訓読文:我ハ 読ム〈レ〉 書ヲ。
- 原文の並びに沿って「我」を読みます。返り点がないので、ここで後ろへ飛ぶ必要はありません。送り仮名を合わせると「我は」です。
- 「読」のレ点を見て、すぐ下の「書」を先に読みます。動作の対象を先に置くことで、日本語の「何を読む」という順序を作れるからです。「書ヲ」は「書を」とします。
- 「読」へ返り、「読む」で文を閉じます。動詞を最後に置いたら、漢字だけでなく送り仮名もつないで、文として自然か確かめます。
書き下し文を作る途中では、「我・書・読」という漢字の順だけをメモしてもかまいません。ただし答案はそれで完成ではありません。「は」「を」「む」と句点まで整えます。現代語訳では「我」を「私」、「書」を「本」と言い換えられますが、書き下し文では元の語を基本として残します。図1の矢印は、このうち「書」から「読」へ返る部分を表しています。
答え:書き下し文「我は書を読む。」/現代語訳「私は本を読む。」
例題2 一二点の途中にある字を読む
次の自作の文を書き下します。「新書」はここでは「新しい本」の意味で、「新しき書」と読みます。
白文:我読新書。
訓読文:我ハ 読ム〈二〉 新シキ 書ヲ〈一〉。
- 「我は」を読み、「読」に二が付いていることを確かめます。二は返って読む字の目印なので、その場では動詞をまだ読みません。
- 下へ進み、「新しき」「書を」を読みます。一が付く「書」までの途中にある「新」を飛ばすと、「新しい」という修飾が抜けるためです。
- 一の「書」から二の「読」へ返ります。「新しき書を」というまとまりを読み終えてから、「読む」をつなぎます。
「新しき」は古典の形容詞の連体形で、「書」を修飾しています。書き下し文を「新しい本を読む」とすると意味は近くても、現代語訳へ変わっています。現代語訳は「私は新しい本を読む。」ですが、書き下し文では訓読の形を保ちます。
ここで返る範囲がもう1段外へ広がる場合も見ておきましょう。図2では、上から並ぶ記号を「ア〈下〉、イ〈二〉、ウ〈一〉、エ〈上〉」としています。意味のある漢文ではなく、2組の返り点を追うための図です。「ウ→イ」で内側の一二点を読み終え、その後「エ→ア」で外側の上下点を読み終えます。

図2のように読むと、全体の順序は「ウ・イ・エ・ア」です。「下」の付いたアを最後に残すのは、イからエまでを先に読む指示があるからです。ここで「上の字から始める」という思い込みを持ち込むと、外側の指示が失われます。一二点まで読めた人は、内側のまとまりをいったん1つの塊として捉えると、上下点も追いやすくなります。
答え:書き下し文「我は新しき書を読む。」
例題3 再読文字の後半まで読む
次の自作の文を書き下し、現代語訳を示します。「未」の最初の読みは「いまだ」、後の読みは「ず」です。
白文:未読書。
訓読文:未〈レ〉 読マ〈レ〉 書ヲ。未には、初読の「いまダ」と再読の「ず」の読みを付けます。
- 「未」をまず「未だ」と読みます。再読文字は、返り点で後回しにする部分があっても、最初の読みを先に出すからです。
- 「読」のレ点に従い、「書を」を読んでから「読ま」へ返ります。最後に打消の「ず」が続くため、「読む」という終止形にはしません。
- 「未」へ返り、後半の「ず」を読みます。これで「未だ〜ず」という組が完成し、まだ動作が実現していないことを表せます。
「未だ書を読む。」では、後半の打消が失われています。「未だ書を読むず。」では、打消の意味は入っていても、助動詞の接続が崩れています。まず「未だ〜ず」の枠を確保し、その中に「書を読ま」を入れると、意味と文法の両方を確認できます。原文の「未」が1字だからといって、書き下し文に1か所しか対応させない必要はありません。
答え:書き下し文「未だ書を読まず。」/現代語訳「まだ本を読んでいない。」
例題4 置き字の働きを助詞へ移す
次の自作の文を書き下し、置き字を答えます。「在」は「あり」、「家」は「いへ」と読みます。この文の「於」は場所を示し、直接には読みません。
白文:我在於家。
訓読文:我ハ 在リ〈二〉 於 家ニ〈一〉。
- 「我は」を読み、「在」の二を確認します。「在」を読む前に、どこにいるのかを示す部分を先に読むためです。
- 置き字の「於」を直接読まず、「家に」を読みます。「於」の示す場所の関係が、「家」に付く助詞「に」によって日本語に表されるからです。
- 一から二へ返って「在り」と読みます。書き下し文では「於」の字を残さず、送り仮名をひらがなに直します。
ここで「家於在り」のように原文の全字を残すと、置き字の扱いを誤ります。一方、「我は家在り。」では「に」が抜け、場所の関係が日本語で表されません。現代語訳は「私は家にいる。」です。書き下し文の「在り」は古典の表現として保ち、訳す段階で現代の「いる」へ直します。
答え:書き下し文「我は家に在り。」/置き字「於」。
つまずきやすいところと直し方
誤り1 返り点の付く字だけを拾う
誤った書き方は、例題2を「我は書を読む新しき。」とする形です。一の字から二の字へ返ることだけに注目し、その途中にある「新」を後へ残しています。返り点のない字は、読む順序の指示から外れているのではなく、上から下へ進む基本の順序で読みます。
正しい書き方は「我は新しき書を読む。」です。直すときは、原文の「我・読・新・書」のそれぞれに読む順の番号「1・4・2・3」を振ります。番号が飛ばず、同じ番号もなければ、まず漢字の読み落としを防げます。その後に送り仮名をつなぐと、順序の誤りと語尾の誤りを別々に修正できます。
誤り2 再読文字を1回しか読まない
誤った書き方は「未だ書を読む。」です。「未だ」という最初の読みだけで処理を終えており、「まだ読んでいない」の打消が文末にありません。再読文字は、同じ音を2回繰り返す文字でもありません。「未だ未だ」と読むのでなく、初めと終わりに異なる働きを持たせます。
図3のように、「未だ→書を→読ま→ず」の4段階を追います。最初と最後が同じ「未」に対応する点を色で示しています。図3を指でたどりながら、「ずが付くので読まになる」と口に出せれば、再読と活用の関係まで確認できます。

正しい書き方は「未だ書を読まず。」です。再読文字を見つけたら、後半の読みを文のどこで使うかまで予定してから進みます。「将」なら「将に〜んとす」、「須」なら「須らく〜べし」というように、表の左右をばらばらに覚えないことが修正の要点です。
誤り3 読んだ漢字を全部そのまま残す
誤った書き方は、自作の白文「友之書」を「友之書」とそのまま答案に写す形です。このまとまりの訓読文は「友 之 書」で、之には「の」という読みを付けます。之はここでは所属を表す助詞として読むので、書き下し文ではひらがなにします。現代語訳は「友人の本」です。
正しい書き下しは「友の書」です。ただし、「之」という字を見たらどんな場合でも仮名にするという覚え方にはしません。代名詞として「これ」と読む場合には、漢字の「之」を残します。字の形ではなく、この文で助詞なのか、代名詞なのかという働きで判断します。
同様に、否定の「不」を「ず」と読む場合はひらがなに直します。書き下し文の見直しでは、助詞・助動詞の働きをする漢字、置き字、再読文字の後半を順に探しましょう。返り点を写さない、歴史的仮名遣いを保つ、句読点を整えるという表記の確認も必要です。動詞の「言ふ」を現代仮名遣いの「言う」に変えるなど、読みやすさのために勝手に現代語化しないようにします。
練習問題
練習1 レ点で動詞と目的語を並べ直す
自作の白文「我見山。」を書き下します。訓読文は「我ハ 見ル〈レ〉 山ヲ。」です。「見」は「み」と読みます。書き下し文と現代語訳を答え、原文の「我・見・山」に読む順の番号を付けましょう。
練習2 一二点の間にある修飾語を読む
自作の白文「我見高山。」を書き下します。訓読文は「我ハ 見ル〈二〉 高キ 山ヲ〈一〉。」です。「高」は「たか」と読みます。書き下し文と現代語訳を答え、「高」をどの段階で読むかを説明しましょう。
練習3 将の2つの読みを完成させる
自作の白文「将読書。」を書き下します。訓読文は「将〈レ〉 読マ〈レ〉 書ヲ。」で、将には初読の「まさニ」と再読の「んとす」の読みを付けます。書き下し文と現代語訳を答えましょう。ここでは、今まさに読書を始めようとする場面とします。
練習4 置き字を除き、場所の関係を残す
自作の白文「友在於家。」を書き下します。訓読文は「友ハ 在リ〈二〉 於 家ニ〈一〉。」です。「友」は「とも」、「家」は「いへ」、「在」は「あり」と読みます。於は場所を示す置き字です。書き下し文と現代語訳を答え、仮名の「に」が必要な理由を述べましょう。
答えと解説
練習1の答えは、書き下し文「我は山を見る。」、現代語訳「私は山を見る。」です。原文の並びに付ける番号は「1・3・2」です。「見」のレ点によって「山を」を先に読み、「見る」へ返ります。書き下し文と現代語訳が近い形でも、「我」をどう表すかという違いを確認します。
練習2の答えは、書き下し文「我は高き山を見る。」、現代語訳「私は高い山を見る。」です。「我」を読んだ後、「見」を後回しにして「高き」「山を」と進みます。「高」は一の字へ向かう途中に読むので、山の後へ回してはいけません。原文の並びに付ける番号は「1・4・2・3」で、例題2と同じ構造です。
練習3の答えは、書き下し文「将に書を読まんとす。」、現代語訳「今まさに本を読もうとする。」です。将を「まさに」と初読し、「書を」「読ま」と進んで、将を「んとす」と再読します。「ん」は推量・意志などを表す助動詞「む」に当たる表記で、ここでは提示した「んとす」にそろえます。原文の漢字を再び書いて「将に書を読ま将」とするのではありません。
練習4の答えは、書き下し文「友は家に在り。」、現代語訳「友人は家にいる。」です。於そのものは読みませんが、家が存在する場所であることを「に」で示します。置き字を除く処理と、その働きを日本語の助詞に表す処理の両方が必要です。
次の単元へのつながりと家庭での確かめ方
訓読の基本を身につけると、否定・疑問・反語などの句形で、どの語がどこへ関係するかを追いやすくなります。たとえば「未だ〜ず」の枠が見えれば、否定されている動作の範囲を捉えられます。「盍ぞ〜ざる」は、単に出来事を打ち消すだけでなく、相手に行動を促す問いにもつながります。語順を追う力が、そのまま意味のまとまりを捉える準備になります。
家庭では、5分で次の2つを試せます。1つ目は、例題2の訓読文を写し、解答を隠して読む順の番号だけを付ける方法です。番号が合った後で送り仮名をつなぎ、間違いが順序にあるのか活用にあるのかを分けます。2つ目は、再読文字の表の後半を隠して、「未だ」と見たら「ず」、「将に」と見たら「んとす」と補い、その組を使って例題3か練習3を書き直す方法です。
個別指導では、返り点で止まったのか、目的語を表す「を」がわからないのか、打消の「ず」に続く形で迷ったのかを、短い1文に戻って確かめます。必要に応じて日本語の主語・述語や古文の未然形まで戻ると、漢文のどの操作が難しかったのかが具体になります。
まとめ
長い訓読文に出会ったとき、最初から滑らかに読む必要はありません。「ここで返る」「この字は後でもう一度読む」「この字の働きは助詞に表れる」と、判断を1つずつ言葉にできれば、途中で止まっても読み直せます。答えと違った箇所も、漢字の順序・語尾・表記のどこを直すべきかまで絞れます。
漢文の1字と日本語の1語は、いつも1対1で対応するわけではありません。そのずれを説明できることこそ、訓読を自分の力で読めている証拠です。
本気になった日が、入塾の日。
お子様の教育、迷ったら「丸投げ」してください。必ず、期待以上の結果で返します。武蔵野で育む、武蔵境で学ぶ。
電話は年中無休。365日、24時間、お電話可能。



