電話 0422-27-7828チャットで質問無料相談を予約

武蔵野個別指導塾の特徴

【物理】熱力学第一法則を図解で総まとめ—内部エネルギー・仕事・定積 定圧 等温 断熱・熱効率|武蔵野個別指導塾

【物理】熱力学第一法則を図解で総まとめ—内部エネルギー・仕事・定積 定圧 等温 断熱・熱効率のアイキャッチ 武蔵野個別指導塾
X LINE Facebook

熱を加えても温度が上がらない理由を、内部エネルギーと仕事の収支から読み解きます。4種類の状態変化を整理し、p-V図の面積と熱機関の効率を求める例題まで順に確かめられます。

よくあるのは、祖父母の家の客間で宿題を開き、「気体に熱を加えたのだから、温度は必ず上がるはず」と考えたところで、等温変化の問題が解けなくなるという場面です。解答には熱を吸収したとあるのに温度は一定で、さらに気体がした仕事まで登場します。熱と温度を同じものとして読んでいると、何がどこへ移ったのかを見失ってしまいます。

この単元では、気体に出入りするエネルギーを熱と仕事に分け、その差が内部エネルギーの変化になることを学びます。熱を受け取ることと、その分を気体の内部に残すことは別です。ピストンを押して外へエネルギーを渡せば、熱を受け取っても温度が変わらない場合があります。

式に数字を入れる前に、気体を囲む境界とエネルギーの向きを決めましょう。それができると、定積・定圧・等温・断熱という名前から、どの量が一定で、どの量が0になるかを選べます。最後はp-V図の面積を使って、熱機関が1周で取り出す仕事と効率まで求めます。

この単元で身につけること

物理基礎で学んだ仕事とエネルギー保存に、気体の状態方程式pV=nRTを組み合わせるのが出発点です。圧力pの単位はPa、体積Vはm³、物質量nはmol、絶対温度TはKで表します。計算では教科書で用いる気体定数R=8.31 J/(mol·K)を使い、数値の答えは有効数字3桁で示します。

基本の考え方

気体を囲んで、入る熱と出る仕事を区別する

調べる対象として選んだ物体や気体を「系」といいます。ここでは、物質が出入りしない容器内の気体を系とします。内部エネルギーUは、気体分子の不規則な運動など、物体内部の微視的なエネルギーの総和です。容器全体を持ち上げたときの位置エネルギーや、容器全体の移動による運動エネルギーとは区別します。

熱は、温度差によって移動するエネルギーです。「気体が熱を持っている」という言い方より、「気体が熱量Qを受け取り、内部エネルギーが変化した」と書く方が、収支が明確になります。温度は熱運動の激しさを表す状態の量であり、エネルギーの移動量である熱量とは単位も意味も違います。

熱力学第一法則は、熱を含めたエネルギー保存則です。気体が熱量Qを受け取り、外部へ仕事Wをすれば、受け取った分から外へ渡した分を引いたものが内部に残ります。したがって、次の関係になります。

ΔU=Q−W、またはQ=ΔU+W

ここでΔU=U₂−U₁は、終状態の内部エネルギーから初状態の内部エネルギーを引いた値です。吸熱ならQは正、放熱ならQは負です。膨張して気体が外部を押すときのWは正、圧縮されて外部から仕事をされるときのWは負です。図1のように、熱の流入と仕事の流出を別々の矢印で描くと、式の引き算の意味を追えます。

図1 気体に入る熱と外へする仕事のエネルギー収支

図1はQ>0、W>0の場合の向きを表しています。矢印の幅はエネルギー量の比ではありません。気体から熱が出る場合にはQを負にし、外部が気体を押し縮める場合にはWを負にして、同じ式を使います。途中で符号の定義を取り替えないことが大切です。

ピストンの仕事とp-V図の面積

断面積Sのピストンを気体が押すとき、圧力pによる力の大きさはF=pSです。圧力が一定でピストンが外向きに距離Δxだけ動けば、気体のする仕事はW=FΔx=pSΔxとなります。体積の増加がΔV=SΔxなので、定圧変化ではW=pΔVです。力と距離から仕事を求める式を、気体の体積変化で書き直したわけです。

この説明では、摩擦などを無視し、ピストンがゆっくり動いて気体の圧力と外部から押す圧力がほぼつり合う場合を考えます。このように各瞬間を平衡状態に近い状態とみなせる変化を、準静的な変化といいます。以下のp-V図の経路も、この条件のもとで扱います。大きく圧力の異なる場所へ急に広がる場合に、気体の圧力をそのままpΔVへ代入することはできません。

p-V図は、横軸を体積V、縦軸を圧力pにしたグラフです。一定の圧力を表す水平線の下には、高さp、幅ΔVの長方形ができます。その面積pΔVが仕事です。圧力が変わるときも、細かい体積変化ごとに小さな長方形の仕事を足すと、経路と体積軸の間の面積に近づきます。曲線の仕事もこの考え方で読めるため、積分の計算を使わずに意味を理解できます。

右へ進む膨張では仕事が正、左へ進む圧縮では負です。縦線は体積が変わらないので仕事は0になります。図の上で囲まれた領域が見えても、それが1回の膨張の仕事なのか、1周分の仕事なのかを区別してください。1周分では、膨張側の正の面積と圧縮側の負の面積を足します。

4種類の変化とモル比熱をつなぐ

理想気体の内部エネルギーは温度だけで決まります。特に単原子分子理想気体では、分子1個の平均の並進運動エネルギーを全分子について足すと、U=3nRT/2となります。物質量が一定ならΔU=3nRΔT/2です。単原子という条件を外しても同じ係数になるわけではありません。ここで扱う数値例は、必要な箇所で単原子分子理想気体と明示します。

定積変化は体積一定の変化です。壁が動かないのでW=0となり、第一法則からQ=ΔUです。定圧変化は圧力一定の変化です。温度が上がると気体は膨張し、受け取った熱の一部を仕事として外へ渡します。したがって、温度上昇が同じなら定積変化より多くの熱が必要です。

モル比熱は、物質1 molの温度を1 K上げるために必要な熱量です。体積一定の条件でのモル比熱を定積モル比熱Cᵥ、圧力一定での値を定圧モル比熱Cₚといいます。単位はいずれもJ/(mol·K)です。定積ではQ=nCᵥΔT=ΔUとなるので、単原子分子理想気体のCᵥは3R/2です。

定圧では状態方程式からpΔV=nRΔTとなります。これをQ=ΔU+Wに入れると、nCₚΔT=nCᵥΔT+nRΔTです。同じ温度上昇について比較すれば、Cₚ=Cᵥ+Rが得られます。単原子分子理想気体ではCₚ=5R/2となり、定圧と定積の差Rは、膨張の仕事に必要な分に対応しています。

一方、等温変化では温度が一定です。理想気体ならΔU=0なのでQ=Wとなり、吸収した熱をすべて同じ変化の仕事へ回すことができます。ただし、気体は膨張して別の状態へ移っているので、この1過程だけで運転を繰り返す熱機関ができたことにはなりません。

断熱変化では、外部との熱のやり取りがなくQ=0です。断熱材で熱が移りにくくした場合などが対応し、第一法則はΔU=−Wとなります。断熱膨張では気体が仕事をした分だけ内部エネルギーが減り、理想気体の温度は下がります。断熱圧縮では外部から受けた仕事によって温度が上がります。「熱を加えない」と「温度を変えない」は、同じ条件ではありません。

変化 一定または0になる量 第一法則からいえること
定積 Vが一定、W=0 Q=ΔU
定圧 pが一定 Q=ΔU+pΔV
等温 Tが一定、理想気体のΔU=0 Q=W
断熱 Q=0 ΔU=−W

表の条件は、理想気体で体積変化による仕事だけを考える場合の整理です。また、Cᵥを一定とみなせる理想気体なら、ΔU=nCᵥΔTは定積以外の変化でも使えます。内部エネルギーの差は両端の温度で決まるからです。しかし、熱量をQ=nCᵥΔTと書けるのは定積の場合です。この2つの式の適用条件を分けておきましょう。

例題で解き方を確かめる

例題1 吸熱と仕事の符号から内部エネルギーを求める

ある気体が外部から6.00×10² Jの熱を受け取り、膨張して外部に2.00×10² Jの仕事をしました。内部エネルギーの変化を求めます。次に、同じ大きさの仕事を外部からされながら1.50×10² Jの熱を放出した場合も考えます。この2つは別々の過程です。

  1. まず文章を符号つきの量に直します。最初の過程では吸熱なのでQ=+6.00×10² J、気体がした仕事なのでW=+2.00×10² Jです。符号を先に決めると、式の中で「外へ出るから」と再び符号を変える誤りを防げます。
  2. ΔU=Q−Wへ入れます。ΔU=6.00×10²−2.00×10²=4.00×10² Jです。熱として入ったエネルギーの一部が仕事として出て、残りが気体の内部に蓄えられました。
  3. 後半では、放熱なのでQ=−1.50×10² J、外部から仕事をされたのでW=−2.00×10² Jとします。ΔU=−1.50×10²−(−2.00×10²)=5.00×10¹ Jです。熱が外へ出ても、それより大きなエネルギーが仕事として入れば内部エネルギーは増えます。

答え:最初はΔU=+4.00×10² J、後半はΔU=+5.00×10¹ Jです。

例題2 同じ温度上昇を定積と定圧で比べる

1.00 molの単原子分子理想気体の温度を3.00×10² Kから3.40×10² Kへ上げます。定積で温めた場合と、定圧で温めた場合のΔU、W、Qをそれぞれ求めます。モル比熱はこの温度範囲で一定とみなします。

  1. 温度差をΔT=4.00×10¹ Kと求めます。内部エネルギーの変化には温度そのものではなく、その差を使うからです。途中の丸めを避け、R=8.31をそのまま用います。
  2. 両方に共通するΔUを求めます。ΔU=3nRΔT/2=3×1.00×8.31×40.0/2=498.6 Jなので、答えは4.99×10² Jです。同じ物質量の同じ気体で温度差が等しいため、経路が違ってもこの値は共通です。
  3. 定積ではW=0です。第一法則からQ=ΔUとなり、熱量は4.99×10² Jになります。ここでは壁を押しても動かないため、力を及ぼしていることだけでは仕事は発生しません。
  4. 定圧ではW=nRΔT=332.4 J、Q=498.6+332.4=831.0 Jです。よってW=3.32×10² J、Q=8.31×10² Jとなります。丸めた数どうしを先に足すと最後の桁がずれる場合があるので、丸めは答えの段階で行います。

答え:ΔUは両方とも+4.99×10² J、定積はW=0 J・Q=+4.99×10² J、定圧はW=+3.32×10² J・Q=+8.31×10² Jです。

例題3 断熱膨張による温度低下を求める

1.00 molの単原子分子理想気体が、3.00×10² Kの状態から断熱膨張し、外部へ2.49×10² Jの仕事をしました。内部エネルギーの変化と、膨張後の温度を求めます。断熱という語を見て「温度一定」と置かないことが、この問題の最初の判断です。

  1. 断熱条件をQ=0と書きます。仕事は気体が外部にしたのでW=+249 Jです。熱量を求める比熱の式から始めるより、先に第一法則でエネルギーの変化を確定させます。
  2. ΔU=−W=−249 Jです。気体は外部へエネルギーを渡し、その分だけ内部エネルギーを失いました。負の値は計算ミスではなく、減少を表しています。
  3. ΔU=3nRΔT/2をΔTについて解きます。ΔT=2ΔU/(3nR)=−498/24.93 Kであり、有効数字3桁で−2.00×10¹ Kです。最後の温度は、丸める前の温度差を使って300−498/24.93=280.024… Kと求めます。

答え:ΔU=−2.49×10² J、膨張後の温度は2.80×10² Kです。

例題4 長方形の循環過程から熱効率を求める

単原子分子理想気体が図2のA→B→C→D→Aを準静的に巡ります。圧力は低い方が1.00×10⁵ Pa、高い方が3.00×10⁵ Pa、体積は小さい方が1.00×10⁻³ m³、大きい方が3.00×10⁻³ m³です。各区間で熱の出入りがあり、熱を受け取る区間の熱量を合計してQᵢₙとします。1周の仕事と熱効率を求めます。

図2 長方形の循環過程と一周で取り出す仕事の面積

図2の網掛けに相当する淡い色の部分は、膨張で取り出す仕事から圧縮に必要な仕事を差し引いた面積です。体積の目盛りの1は1.00×10⁻³ m³、圧力の目盛りの1は1.00×10⁵ Paを表すので、目盛り1×1の面積は1.00×10² Jになります。

  1. 各区間の仕事を求めます。A→BとC→Dは定積なのでW=0です。B→Cは定圧膨張なのでW=3.00×10⁵×2.00×10⁻³=6.00×10² J、D→Aは定圧圧縮なのでW=1.00×10⁵×(−2.00×10⁻³)=−2.00×10² Jです。1周の正味の仕事は4.00×10² Jとなります。
  2. 内部エネルギーをpVで表します。pV=nRTとU=3nRT/2からU=3pV/2なので、物質量や各状態の温度を個別に求めなくてもΔUを計算できます。A、B、C、DのpVは順に100 J、300 J、900 J、300 Jで、ΔUは各区間で300 J、900 J、−900 J、−300 Jです。
  3. Q=ΔU+Wで各区間の熱量を求めます。A→Bは+300 J、B→Cは+1500 J、C→Dは−900 J、D→Aは−500 Jです。したがって吸熱量の合計はQᵢₙ=1.80×10³ J、放熱量の大きさの合計はQₒᵤₜ=1.40×10³ Jとなります。
  4. 熱効率ηをη=W正味/Qᵢₙで求めます。η=400/1800=0.222…なので、η=0.222、百分率では22.2%です。分母に使うのは受け取った熱の総量であり、吸熱と放熱の差ではありません。

答え:1周の正味の仕事は4.00×10² J、熱効率は0.222(22.2%)です。

熱機関は、熱を受け取り、その一部を仕事として取り出しながら、作動する物質が元の状態に戻る動作を繰り返す装置です。元の状態に戻ると1周のΔUは0なので、第一法則からW正味=Qᵢₙ−Qₒᵤₜとなります。したがってη=1−Qₒᵤₜ/Qᵢₙとも書けます。Qₒᵤₜは「放出した量の大きさ」なので正の値であり、各区間の符号つきQとは定義が違います。

熱力学第二法則によれば、1つの熱源から受け取った熱をすべて仕事に変え、それ以外に変化を残さず循環する熱機関は作れません。通常の熱機関には低温側への放熱が必要で、熱効率は1より小さくなります。これは第一法則の収支だけから導かれる制限ではありません。等温膨張でQ=Wになることと、1周の熱効率が1になることを分けて考えましょう。

つまずきやすいところと直し方

「された仕事」を、そのまま正のWにする

誤った書き方は「外部から仕事をされたのでW>0、ΔU=Q−W」です。どこが違うかというと、この式のWは気体が外部にした仕事として定義されているのに、途中から外部が気体にした仕事へ意味を変えています。正しい書き方は「外部からされた仕事の大きさがAなら、W=−A、ΔU=Q+A」です。

教科書や問題によっては、「外部が気体にした仕事」をW′と定義し、ΔU=Q+W′と書きます。W′=−Wなので、これは同じ法則です。プラスの式とマイナスの式を丸暗記するより、問題文で仕事の主語を囲み、自分が使う記号の定義を横に書いてから代入すると混乱を減らせます。

等温変化と断熱変化を同じ曲線にする

誤った書き方は「断熱だから温度が変わらず、pV=一定」です。どこが違うかというと、断熱が指定しているのは熱量Q=0であり、温度差ΔT=0ではありません。正しくは「断熱膨張ではW>0、ΔU<0、理想気体の温度は下がる」です。等温膨張では、温度を保つために仕事と同じ量の熱を受け取ります。

図3 同じ初状態からの等温膨張と断熱膨張の圧力差

図3の赤い等温曲線と紺の断熱曲線は、同じ初状態から始まっています。軸のV₀とp₀は初状態の体積と圧力で、V/V₀とp/p₀は初状態を1とした比です。単原子分子理想気体を準静的に膨張させた場合を描いており、同じ体積まで膨張した時点では、断熱の方が圧力が低くなります。断熱では温度も下がるため、p=nRT/Vの分子と分母の両方が圧力を下げる方向へ変わるからです。数式を追加で覚えなくても、この順序は説明できます。

等温曲線上ではpVが一定ですが、断熱曲線上では膨張に伴ってpVも小さくなります。グラフの下の面積は仕事なので、図3の同じ体積範囲では等温膨張の方が気体のする仕事が大きいことも読み取れます。曲線の高さだけを温度と呼ぶことはできませんが、同じ体積で比較すれば、圧力の大小が温度の大小と対応します。

内部エネルギーが元に戻るから仕事も0とする

誤った書き方は「1周してΔU=0だから、QもWも0」です。どこが違うかというと、第一法則が示すのはQとWの差が0ということであり、それぞれが0とは限りません。正しい書き方は「1周の正味のQと正味のWは等しい」です。例題4では、熱の収支も仕事の合計も4.00×10² Jになります。

内部エネルギーは状態だけで決まり、仕事や熱量は途中の経路にもよります。図2では、AからCへA→B→Cと進む仕事は6.00×10² Jですが、A→D→Cと進む仕事は2.00×10² Jです。どちらもΔUは1.20×10³ Jで共通でも、必要な熱量はそれぞれ1.80×10³ Jと1.40×10³ Jになります。終点が同じなら全部同じと考えず、両端で決まる量と経路で決まる量を分ける練習になります。

練習問題

以下はすべて体積変化による仕事だけを考え、仕事の符号は例題と同じ定義を使います。まず各問の余白にQ、W、ΔUのうち何が与えられているかを書き、値を求めた後に、その正負を文章で説明してみましょう。

練習1

気体が外部から3.60×10² Jの仕事をされ、同時に1.20×10² Jの熱を放出しました。QとWの符号を明示し、内部エネルギーの変化を求めてください。温度が必ず下がると判断してよいかも、単原子分子理想気体の場合について答えてください。

練習2

0.500 molの単原子分子理想気体を、体積一定で2.00×10¹ Kだけ温めます。必要な熱量と気体のする仕事を求めてください。また、同じ気体を同じ温度差だけ定圧で温めるとき、必要な熱量は何倍になるでしょうか。

練習3

理想気体が等温膨張し、外部に4.50×10² Jの仕事をしました。ΔUとQを求めてください。次に、別の理想気体が断熱膨張して同じ大きさの仕事をした場合のΔUを求め、温度が上がるか下がるかを答えてください。

練習4

ある熱機関は1周で2.40×10³ Jの熱を受け取り、1.80×10³ Jの熱を外部へ放出します。1周の正味の仕事と熱効率を求めてください。この循環をp-V図に描いたとき、正味の仕事が正になる一般的な単純閉曲線の巡り方も答えてください。

答えと解説

練習1:Q=−1.20×10² J、W=−3.60×10² J、ΔU=+2.40×10² Jです。ΔU=−120−(−360)と計算します。単原子分子理想気体ならΔU=3nRΔT/2なのでΔT>0となり、温度は上がります。放熱だけに注目して温度低下を決めることはできません。

練習2:Q=1.25×10² J、W=0 J、定圧で必要な熱量は定積の1.67倍です。定積の熱量は0.500×3×8.31×20.0/2=124.65 Jで、最後に3桁に丸めます。定圧では207.75 J、すなわち2.08×10² Jとなり、比はCₚ/Cᵥ=5/3です。比を求めるときも丸める前の値を使います。

練習3:等温ではΔU=0 J、Q=+4.50×10² Jです。断熱ではQ=0 J、ΔU=−4.50×10² Jとなり、温度は下がります。どちらも膨張によって同じ仕事をしますが、そのエネルギーを外部からの熱で補うか、内部エネルギーの減少で賄うかが違います。

練習4:正味の仕事は6.00×10² J、熱効率は0.250(25.0%)、巡り方は時計回りです。仕事は2400−1800=600 J、効率は600/2400で求めます。横軸V、縦軸pの図では、時計回りの循環で高い圧力側の膨張の仕事が低い圧力側の圧縮の仕事の大きさを上回ります。

次の単元へのつながりと家庭での確かめ方

熱の学習で身につけた「系を選んでエネルギー収支を立てる」という手順は、電流による発熱や電磁誘導でも役立ちます。力学の仕事と熱を別々の暗記事項にせず、どの仕方でエネルギーが境界を通るかに注目すると、分野が変わっても同じ保存則を使えます。

家庭では、5分でできる紙上の確認を2つ試せます。1つ目は、紙に気体を表す四角を描き、「吸熱」「放熱」「膨張」「圧縮」の言葉を順に置いて、対応するQとWの正負を書き込む方法です。その都度、エネルギーが入るのか出るのかを声に出すと、式の符号と文章の意味が結びつきます。

2つ目は、方眼紙に長方形のp-V図を描き、時計回りと反時計回りの両方で仕事の符号を調べる方法です。面積の大きさが同じでも、巡る方向によって仕事の符号が反転する理由を説明します。加熱や密閉容器の操作は必要なく、図と矢印だけで確かめられます。

個別指導で解答を確かめるときは、符号が崩れたなら「誰が誰に仕事をしたか」へ、pΔVがつながらなければ力×距離の仕事へ戻ります。お子さまのノートを見る保護者の方も、正解かどうかに加えて、QとWの定義が書かれているかを見ると、次に確かめる場所を見つけやすくなります。

まとめ

熱を受け取ること、温度が上がること、外部へ仕事をすることは、それぞれ別の出来事です。解答の最初に系と符号を定めれば、第一法則は出来事どうしをつなぐ式になります。さらに、温度で内部エネルギーを、p-V図の面積で仕事を確かめると、式と図の両方から答えを点検できます。

「温めたのに温度が上がらない」という疑問にも、どこへエネルギーが移ったかという答えがあります。熱力学の符号は、気体の境界をエネルギーがどちらへ通ったかの記録です。

本気になった日が、入塾の日。

お子様の教育、迷ったら「丸投げ」してください。必ず、期待以上の結果で返します。武蔵野で育む、武蔵境で学ぶ。

電話は年中無休。365日、24時間、お電話可能。

お電話 チャットで質問チャット