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【数学II】式と証明を図解で総まとめ—二項定理・整式の割り算・分数式から等式・不等式の証明まで|武蔵野個別指導塾

【数学II】式と証明を図解で総まとめ—二項定理・整式の割り算・分数式から等式・不等式の証明までのアイキャッチ 武蔵野個別指導塾
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3次式の展開、整式の割り算、分数式、恒等式を順につなぎ、相加平均・相乗平均と絶対値の不等式まで学べます。枝分かれやグラフの図と例題を使い、証明の根拠と等号成立条件を確かめましょう。

よくあるのは、冬期講習の初日に開いたノートで、展開の計算は進められるのに、「すべての実数について成り立つことを証明せよ」の一文で手が止まるという場面です。数を代入すると確かに等しくなります。それでも解答にはならないと言われると、何を付け加えればよいのか見えにくいものです。

式と証明では、計算する力に「その変形は何を根拠にしているか」を重ねます。展開公式や分数式の計算は、答えを出すためだけの道具ではありません。2つの式が同じ値になる理由や、一方が他方以上になる理由を、文字のまま示すための道具でもあります。

読み進めるときは、問題に書かれた条件、変形の根拠、最後に示したい形の3つを意識してください。式の形を整えるところから始め、数を入れなくても成り立つ説明へ進みます。特に、分母を0にしない条件と、不等式で等号が成り立つ条件は、計算の横に残しておきましょう。

この単元で身につけること

数学Iで学んだ展開・因数分解や実数の大小関係が土台です。場合の数で扱った組合せも二項定理につながります。前に習った道具を単独で使うのではなく、計算の目的に合わせて組み合わせることが、この単元の新しい点です。

基本の考え方

3次式の公式と二項定理は「選び方」でつながる

まず、3乗の展開公式を確かめます。実数a、bについて、次の2つが成り立ちます。

(a+b)³=a³+3a²b+3ab²+b³

(a-b)³=a³-3a²b+3ab²-b³

(a+b)³は、(a+b)を3個掛けた式です。各かっこからaかbを1個ずつ選び、選んだ3個を掛けた項をすべて足します。a²bになるのは、bを1個目から選ぶ場合、2個目から選ぶ場合、3個目から選ぶ場合の3通りです。これが係数3の理由です。

図1のように、選択を枝にしてたどると、同じ項を生む道筋が複数あることが見えます。途中の枝のaとbは選んだ項を表し、右端は3回選び終えたときの積を表しています。

図1 各かっこから項を選ぶ経路と同類項の集まり

右端のa²bは3個、ab²も3個です。道筋は8通りありますが、同類項をまとめると4項になります。差の3乗は、この考え方でbの代わりに-bを選ぶ展開です。(-b)²=b²、(-b)³=-b³なので、bを選んだ回数の偶奇で符号が決まります。

逆向きに使う因数分解の公式も整理しましょう。特に、(a+b)³とa³+b³は異なる式です。

a³+b³=(a+b)(a²-ab+b²)

a³-b³=(a-b)(a²+ab+b²)

右辺を展開すると、途中のa²bとab²が打ち消し合います。たとえばx³+8=x³+2³なので、(x+2)(x²-2x+4)と因数分解できます。「3乗の和」を「和の3乗」にしてしまうと、元にはなかった項が加わります。公式を覚える際には、右辺を掛け戻して消える項も一度確かめておくと、符号を判断できます。

この選び方をn個のかっこへ広げたものが二項定理です。nは正の整数とし、(a+b)ⁿの展開でbをr個、aを残りのn-r個から選ぶ項を考えます。その項はaを(n-r)個、bをr個掛けた積で、係数は組合せの数nCrです。rは0からnまで動きます。nCrは、n個の位置からbを選ぶr個の位置を決める方法の数です。

nCr=n!/{r!(n-r)!}で求められ、0!=1と定めます。ここでn!は1からnまでの整数の積を意味する数学記号です。たとえば5C2=(5×4)/(2×1)=10です。係数だけを求めたいときも、文字の次数に加え、2や-1などの数の累乗を掛けることを忘れないようにします。

整式の割り算と分数式では「元へ戻す」を習慣にする

整式Aを0でない整式Bで割ると、商Qと余りRを用いてA=BQ+Rと表せます。余りは0であるか、Bより次数が低い整式です。たとえば2次式で割った余りは1次式以下、1次式で割った余りは定数になります。余りの次数が割る式以上なら、まだ割り算を続けられるということです。

筆算では、まず最高次の項同士を割り、商の最初の項を決めます。その項を割る式全体に掛け、割られる式から引きます。残った式について同じ操作を繰り返します。x³+2x-1のようにx²の項がない式では、x³+0x²+2x-1として同じ次数の列をそろえると、引き算の位置を間違えにくくなります。

数の割り算と違って、余りを正にする決まりはありません。商と余りを求めたら、BとQを掛けてRを足し、Aへ戻るか確かめます。割り算を完了させる条件は、余りの符号ではなく次数です。

分数式は、分子・分母に整式を含む分数の形の式です。分母が0になる値では定義されません。たとえば(x²-1)/(x-1)はx≠1という条件をもち、分子を因数分解すると、(x-1)(x+1)/(x-1)=x+1となります。ただし、右端がx+1になっても、元の式を扱う限りx≠1という条件は残ります。

約分で消せるのは共通の因数です。和の一部分ではありません。加減では分母をそろえ、乗法では分子同士・分母同士を掛けます。除法は割る分数式の逆数を掛けますが、割る式自身も0でないことが必要です。たとえば(1/x)÷{(x-1)/(x+2)}では、元の分母からx≠0、-2、割る式が0にならない条件からx≠1が必要です。結果が(x+2)/{x(x-1)}となっても、x=-2を使えるようにはなりません。

通分の例として、x≠1、-1のとき、1/(x-1)-1/(x+1)=2/(x²-1)です。分母を(x-1)(x+1)にそろえると、分子は(x+1)-(x-1)=2になります。後ろの分子全体を引くので、かっこを付けることが計算の要点です。

恒等式と証明では「どの値について成り立つか」を読む

方程式は、等式を成り立たせる未知数の値を求めるものです。一方、恒等式は、考えている範囲のすべての値で成り立つ等式です。2x+1=5はx=2のときだけ成り立ちますが、(x+1)²=x²+2x+1はすべての実数xで成り立ちます。同じ等号でも、問題の要求は異なります。

整式同士の恒等式では、同じ次数の係数がそれぞれ一致します。これが係数比較法です。たとえばax+b=3x-2がxについての恒等式なら、a=3、b=-2です。また、計算しやすい値を代入する数値代入法も使えます。ただし、数個の値で一致したという事実だけを、一般の等式の証明に置き換えることはできません。代入で係数の候補を求めたら、それを元の式に戻して恒等式になることを確かめると確実です。

等式L=Rを証明するときは、Lを変形してRに到達する方法、両辺をそれぞれ同じ式に変える方法、L-R=0を示す方法があります。たとえばa+b+c=0という条件のもとなら、c=-(a+b)を代入して文字を減らせます。証明したい結論を最初から成り立つものとして使わず、与えられた条件や既にわかっている式から進めましょう。

不等式L≧Rでは、L-R≧0を示すのが基本です。実数の平方は0以上なので、差が(a-b)²のような形になれば理由がはっきりします。実数a、bについてa²+b²-2ab=(a-b)²≧0ですから、a²+b²≧2abです。等号成立条件は(a-b)²=0、すなわちa=bです。

相加平均・相乗平均の関係は、a≧0、b≧0のとき、(a+b)/2≧√(ab)という形で使います。左辺が相加平均、右辺が相乗平均です。(√a-√b)²=a+b-2√(ab)≧0から導け、等号が成り立つのはa=bのときです。数の符号の条件を確認してから使い、最後に等号成立条件を調べるところまでを1組にします。

例題で解き方を確かめる

例題1 展開と二項定理で係数を求める

  1. (2x-1)³を展開し、(2) (x+2)⁵の展開式におけるx²の係数を求めます。最初は公式をそのまま当てはめ、次は必要な項だけを選びます。
  1. (1)ではa=2x、b=1として、差の3乗の公式に当てはめます。(2x)³-3(2x)²×1+3(2x)×1²-1³です。2xをひとまとまりにするのは、係数の2も累乗されるからです。
  2. 各項を計算すると、8x³-12x²+6x-1となります。係数は2³=8、-3×2²=-12、3×2=6の順に決まります。
  3. (2)では、5個のかっこのうち2個からxを、残る3個から2を選びます。x²の項を作るために必要な選択がこれで決まるので、全体を展開する必要はありません。
  4. xを選ぶ位置は5C2=10通りで、数の積は2³=8です。したがってx²の項は10×8×x²=80x²となります。

答え:(1) 8x³-12x²+6x-1、(2) x²の係数は80です。

(2)で10と答えてしまった場合、選び方の数は正しく数えられています。残りのかっこから何を選んだかを戻って確認してください。また、x=1を(1)の元の式と展開後に代入すると、どちらも1になります。この確認は計算ミスを探す手掛かりになりますが、1つの値での一致だけで展開公式を証明したことにはなりません。

例題2 整式を割って商と余りを求める

2x³+3x²-x+5をx²+x-1で割ったときの商と余りを求めます。2次式で割るので、余りの次数が1以下になったところで止めます。

  1. 最高次の項を割ると、2x³÷x²=2xです。商に2xを立て、割る式に掛けると2x³+2x²-2xとなります。最初の3次の項を消すための操作です。
  2. 元の式からその式を引きます。(2x³+3x²-x+5)-(2x³+2x²-2x)=x²+x+5です。後ろの式の全項を引くので、-x-(-2x)=xになります。
  3. 残りの最高次を割るとx²÷x²=1です。商に1を加え、x²+x+5からx²+x-1を引くと6が残ります。定数6は割る式より次数が低いので、ここで終わります。
  4. (x²+x-1)(2x+1)+6を展開すると、2x³+3x²-x+5に戻ります。余りの次数の条件と掛け戻しの両方を満たすので、商と余りが確定します。

答え:商は2x+1、余りは6です。

途中のx²+x+5を余りとしてはいけません。割る式と同じ2次なので、まだ1回割れます。逆に、最後の6をさらにx²で割って商に6/x²を入れることもしません。ここで求めているのは、商と余りがともに整式になる割り算です。

例題3 分数式の恒等式で定数を決める

x≠1、-1の範囲で、(3x+1)/(x²-1)=A/(x-1)+B/(x+1)が恒等式となる定数A、Bを求めます。1つの分数式を、より簡単な分母をもつ分数式の和に表す問題です。

  1. x²-1=(x-1)(x+1)と因数分解します。右辺を通分すると、分子がA(x+1)+B(x-1)になります。同じ分母にそろえることで、比較すべき部分が見えます。
  2. 許されたxでは分母は0でないので、両辺にx²-1を掛けます。3x+1=A(x+1)+B(x-1)=(A+B)x+(A-B)です。
  3. xの係数と定数項を比較し、A+B=3、A-B=1を得ます。2式を足せば2A=4なのでA=2、続いてB=1です。
  4. 候補を元の右辺に戻すと、2/(x-1)+1/(x+1)={2(x+1)+(x-1)}/(x²-1)=(3x+1)/(x²-1)です。許されたすべてのxで一致することを確かめられました。

答え:A=2、B=1です。

分母を払った後は整式同士の恒等式なので、そこにx=1、-1を代入して係数を決めることもできます。ただし、元の分数式にその値を代入することとは区別します。係数比較で候補を得て掛け戻す方法なら、使えない値を途中で混同しにくくなります。

例題4 相加平均・相乗平均で最小値を証明する

x>0のとき、x+4/xの最小値と、そのときのxを求めます。「いくつか計算した中では小さそう」から進んで、それ未満にはならない根拠を示します。

  1. x>0なので、xも4/xも正です。相加平均・相乗平均を適用できる条件を、最初に確かめます。
  2. x+4/x≧2√{x×(4/x)}=2√4=4です。積が一定の4になる2つの項に分けられているため、xによらない下限が得られます。
  3. 等号成立条件はx=4/xです。x>0のもとで両辺にxを掛けるとx²=4で、許される解はx=2です。
  4. 実際にx=2を代入すると、2+4/2=4になります。すべての値が4以上であり、その4を取れるので、4は最小値です。

答え:最小値は4で、そのときx=2です。

図2のように、曲線y=x+4/xは直線y=4より下に出ず、(2,4)で接しています。点(1,5)と(4,5)も示していますが、2点で値が同じだからといって、曲線全体がx=2に関して左右対称ということではありません。

図2 正の範囲で四以上になる曲線と等号成立の点

図2は最小値の位置を見通す助けになります。すべてのx>0について4以上である根拠は、手順2の不等式です。別の証明として、x+4/x-4=(x²-4x+4)/x=(x-2)²/x≧0も使えます。分子が平方で0以上、分母が正なので、商も0以上だと判断できます。

この別解でも、等号成立条件は分子が0になるx=2です。平方だけを見て終わらず、分母の符号まで確認する点が大事です。条件をx≠0だけに変えると、負のxも入るため、同じ証明で最小値4とは言えません。

つまずきやすいところと直し方

誤り1 和の中の項を約分してしまう

誤った書き方は、(x+2)/x=2です。分子にも分母にもxが見えるので消したくなりますが、分子のxは和の一部です。約分は共通因数で分子・分母全体を割る操作なので、この消し方はできません。

正しい書き方は、x≠0のとき、(x+2)/x=x/x+2/x=1+2/xです。これに対してx(x+2)/xなら、分子全体がxの倍数なので、同じ条件のもとでx+2へ約分できます。消す前に「分子全体を積で書けるか」と確かめると、見た目だけで判断せずに済みます。

等式の両辺を文字で割るときも、その文字が0でないことが必要です。たとえばa(a-b)=0から両辺をaで割ってa=bだけを得ると、a=0の場合を失います。正しくはa=0またはa=bです。式を短くする操作が、許された場合を削っていないか点検しましょう。

誤り2 下限を出しただけで最小値と決める

誤った書き方は、「x>0だからx+1≧2√x。よって最小値は2√x」です。右辺の2√xもxに応じて変わるので、一定の最小値を求めたことにはなりません。また、等号が成り立つ場所があっても、それだけで全体の最小値だとは言えません。

どこが違うかは、x=1/4で確かめられます。このときx+1=5/4なので、等号が成立するx=1での値2より小さくなります。相加平均・相乗平均そのものは正しいのに、読み取った結論が誤っている例です。

正しくは、x>0ならx+1>1で、xを0に近づければ値は1にいくらでも近づくものの、1にはなりません。この範囲では最小値は存在しません。例題4では下限が一定の4で、しかも実際に達成できたため最小値と言えました。不等式で押さえた値が一定か、等号成立条件が元の範囲に入るかを順に確認します。

誤り3 絶対値はいつでも足し算に分けられると思う

誤った書き方は、実数a、bについていつでも|a+b|=|a|+|b|とすることです。絶対値は数直線で0からの距離を表しますが、反対方向への移動は打ち消し合います。a=3、b=-5なら、左辺は|-2|=2、右辺は3+5=8で、一致しません。

図3のように、0から3まで進んでから左へ5進むと、到着点は-2です。上の2本の矢印は移動を順番に分けて示し、下の矢印は0から到着点への直接の移動を示しています。矢印の上下の位置には数の大小の意味はなく、横方向だけが数直線の尺度です。

図3 反対向きの移動と到着点までの距離の違い

正しい関係は、|a+b|≦|a|+|b|です。三角不等式と呼ばれ、実数a、bすべてについて成り立ちます。証明するには、両辺が0以上であることを確認したうえで、平方の差を考えます。

(|a|+|b|)²-|a+b|²=2(|ab|-ab)≧0

ここでは|ab|≧abを使っています。0以上の数同士では、平方の大小と元の数の大小が一致するので、求める不等式が従います。等号成立条件は|ab|=ab、すなわちab≧0です。a、bが同符号のときに加え、どちらかが0の場合も含めます。「同符号」とだけ書くと、0を含む場合が説明から抜けることがあります。

さらに、||a|-|b||≦|a-b|という形も導けます。a=(a-b)+bとして三角不等式を使えば|a|-|b|≦|a-b|、aとbを入れ替えれば|b|-|a|≦|a-b|です。両方向をまとめると、絶対値を付けた差を押さえられます。式の中に絶対値が複数あっても、何の距離を比べているかに戻ると整理しやすくなります。

練習問題

練習1

  1. x³-27を因数分解してください。(2) (x-2)⁴の展開式のx²の係数を求めてください。3乗の差では公式の積を掛け戻し、二項定理では-2を何回選ぶかを確かめましょう。

練習2

x³+2x²+3x+4をx²+1で割ったときの商と余りを求めてください。筆算の各段階で引く式をかっこで囲み、最後に「割る式×商+余り」を計算してください。

練習3

x≠2、-2の範囲で、(5x+2)/(x²-4)=A/(x-2)+B/(x+2)が恒等式となるA、Bを求めてください。通分した分子をxの係数と定数項に分けて比べます。

練習4

  1. a、bが実数のとき、a²+b²+2≧2(a+b)を証明し、等号成立条件を求めてください。(2) a=4、b=-1のとき、|a+b|と|a|+|b|を求め、三角不等式の等号が成り立つか確かめてください。

答えと解説

練習1の答えは、(1) (x-3)(x²+3x+9)、(2) 24です。(1)は27=3³として、3乗の差の公式を使います。展開するとx³+3x²+9x-3x²-9x-27=x³-27となります。(2)は4個のうち2個からx、残り2個から-2を選ぶので、係数は4C2×(-2)²=6×4=24です。負の項を2回選ぶため、係数は正です。

練習2の答えは、商x+2、余り2x+2です。まずx³を消すためにx(x²+1)=x³+xを引くと、2x²+2x+4が残ります。さらに2(x²+1)=2x²+2を引けば、2x+2です。(x²+1)(x+2)+(2x+2)=x³+2x²+3x+4と戻り、余りは1次なので条件を満たします。

練習3の答えは、A=3、B=2です。通分後の分子はA(x+2)+B(x-2)=(A+B)x+2(A-B)ですから、A+B=5、2(A-B)=2となります。これを解き、3(x+2)+2(x-2)=5x+2と確かめます。A-B=2としてしまった場合は、定数項に掛かっていた2を落としています。

練習4の(1)は、左辺から右辺を引くと、a²-2a+1+b²-2b+1=(a-1)²+(b-1)²≧0です。したがって求める不等式が成り立ちます。0以上の2つの平方の和が0になるには両方が0である必要があるので、等号成立条件はa=b=1です。(2)は|4+(-1)|=3、|4|+|-1|=5で、3<5です。ab=-4<0なので、等号成立条件も満たしません。

次の単元へのつながりと家庭での確かめ方

整式の割り算は、方程式で因数や余りを調べる学習につながります。恒等式の係数比較は、未知の係数を含む関数を決める場面でも使います。また、「平方は0以上」という発想は、関数の最大・最小や図形の長さを比べる問題に進んでも役立ちます。

家庭で5分ほど確かめるなら、1つ目は例題2の商と余りだけを見て、元の整式を復元する練習です。割り算をもう一度するのとは異なる向きで、符号や項の抜けを探せます。2つ目は例題4のx>0を指で押さえ、「この条件をどこで使ったか」「等号はどこで成り立つか」を声に出す確認です。計算結果だけでなく、理由を言葉にする時間にします。

個別指導では、通分が止まる場合は数の分数の引き算まで、証明が止まる場合は実数の平方が0以上になる理由まで戻って確かめます。保護者がお子さまのノートを見る際も、正答の数だけでなく、分母の条件や等号成立条件が添えられているかを見ると、理解が進んだ箇所を具体的に見つけられます。

まとめ

証明で手が止まったら、書き出す式を1つ選び、その横に使える条件を置いてみましょう。左辺から始めるのか、両辺の差を取るのかが決まれば、展開や因数分解には目的が生まれます。計算を終えた後は、最初に許した値を途中で失っていないか、最後の等号を実際に達成できるかを読み直します。

数値を入れて得た一致は手掛かりであり、条件を保った式変形こそが、すべての値について言い切る根拠です。

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