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【数学II】複素数と方程式を図解で総まとめ—虚数単位から解と係数の関係・因数定理・高次方程式まで|武蔵野個別指導塾

【数学II】複素数と方程式を図解で総まとめ—虚数単位から解と係数の関係・因数定理・高次方程式までのアイキャッチ 武蔵野個別指導塾
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i²=-1から複素数の四則計算を整理し、判別式、解と係数の関係、因数定理へ進みます。3枚のグラフと例題で実数解と虚数解を区別し、3次・4次方程式の解き方を確かめましょう。

よくあるのは、雨の日にバス停のベンチで宿題の続きを見直し、x²+1=0の横に「解なし」と書いたところ、解答のx=±iを見て手が止まるという場面です。これまで「2乗して負になる数はない」と習ってきたのですから、急に新しい文字が答えに現れると、前の学習が間違いだったように感じるかもしれません。

変わったのは計算の約束を全部捨てたことではなく、答えを探す数の範囲です。実数の範囲では解がない方程式でも、複素数の範囲では解を表せます。まずはi²=-1という決まりを使い、展開や因数分解をこれまでどおり丁寧に進めれば大丈夫です。

この単元の後半では、解を1つずつ求めずに和や積を扱ったり、割り算を最後までせずに余りを求めたりします。複素数の計算と方程式の解法は別々の暗記ではありません。「どの数の範囲で考えるか」「式をどの形に直すか」を選ぶことで、2次から高次までの方程式をつなげて理解できます。

この単元で身につけること

数学Iで学んだ展開、平方根、2次方程式の解の公式と、整式の割り算が土台になります。計算で止まったときは、新しい用語の暗記よりも、分配法則やマイナスの処理に戻るほうが原因を見つけやすいことがあります。

基本の考え方

実数から複素数へ範囲を広げる

実数xについては必ずx²≧0なので、x²=-1を満たす実数はありません。そこで、2乗すると-1になる数を新しく考え、その1つをiで表して虚数単位と呼びます。最も大切な約束はi²=-1です。iは値がまだ決まっていない普通の文字とは異なり、この性質を持つ数として計算します。

図1のように、実数の座標平面でy=x²+1を描くと、最も低い点は(0,1)で、グラフはx軸と交わりません。この図が示すのは「x²+1=0に実数解がない」ということです。複素数の解iや-iを、この実数の横軸上に置くことはできません。グラフの交点を探す方法と、数の範囲を広げて式を解く方法を区別してください。

図1 実数の範囲では横軸と交わらない放物線

a、bを実数として、a+biと表せる数を複素数といいます。aが実部、bが虚部です。たとえば3-2iの実部は3、虚部は-2であり、虚部を-2iとはいいません。b=0ならa+0i=aなので、実数も複素数に含まれます。b≠0の複素数を虚数、そのうちa=0のものを純虚数といいます。2iは純虚数ですが、3+2iは純虚数ではありません。

複素数の相等は、実部どうし、虚部どうしが等しいことで判断できます。a、b、c、dが実数のとき、a+bi=c+diならa=cかつb=dです。「実数である」という条件があるから、この比較ができます。たとえばa+bi=4-3iならa=4、b=-3と読めます。一方、複素数全体に実数と同じ大小関係は入れず、3+2iが2+iより大きい、といった比較はしません。

正の実数aに対して、√(-a)=√a iと表します。たとえば√(-9)=3iです。ただし「-9の平方根をすべて求める」なら、2乗して-9になる数を両方挙げるので±3iです。記号√(-9)の値と、方程式x²=-9の解を混同しないようにしましょう。根号を含む複素数は、√3iよりもi√3と書くなど、iが根号の外にあることが読み取りやすい形に整えると安心です。

四則計算は展開とi²=-1で整理する

足し算と引き算は、実部と虚部に分けて行います。(a+bi)+(c+di)=(a+c)+(b+d)iです。引き算も同様ですが、かっこの前のマイナスをすべての項に配る必要があります。たとえば(2+3i)-(1-4i)では、2+3i-1+4iと書いてからまとめると、1+7iになります。

かけ算は通常の展開をした後でi²を-1に置き換えます。(a+bi)(c+di)=ac+(ad+bc)i+bd i²=(ac-bd)+(ad+bc)iです。この一般式を丸暗記しなくても、4つの積を書けば導けます。先に実部どうし、虚部どうしだけをかけて終えると、交差する2つの積を落としてしまいます。

a+biに対するa-biを、共役な複素数といいます。虚部の符号だけを変えた組で、積は(a+bi)(a-bi)=a²+b²です。平方の差の公式でa²-(bi)²と書き、i²=-1を使うため、最後は足し算になります。a+bi≠0ならa、bの少なくとも一方が0ではないので、a²+b²>0です。

割り算では、分母と分子に分母の共役な複素数をかけます。たとえば1/(1+i)=(1-i)/((1+i)(1-i))=(1-i)/2です。分母が0の場合には割れないという決まりは、複素数でも同じです。「共役をかける」は値を勝手に変える操作ではなく、0でない数について分子と分母に同じ数をかけ、同じ値を読みやすい形に直す操作です。

iの累乗にも規則があります。i、i²=-1、i³=-i、i⁴=1と進むので、その先は4回ごとに同じ値を繰り返します。たとえばiの6乗はi⁴×i²=-1です。高い累乗が出てきても、指数を4で割った余りに着目すれば、i、-1、-i、1のどれかに整理できます。

方程式を解くための3つの道具

実数係数の2次方程式ax²+bx+c=0では、a≠0として判別式をD=b²-4acと置きます。D>0なら異なる2つの実数解、D=0なら1つの実数の重解、D<0なら異なる2つの虚数解を持ちます。D<0のときは、解の公式をx=(-b±i√(-D))/(2a)と書けます。ここで-D>0なので、√(-D)の中は正の実数です。

2つの解をα、βとすると、解と係数の関係はα+β=-b/a、αβ=c/aです。重解の場合はα=βとして同じ関係が成り立ちます。理由は、ax²+bx+c=a(x-α)(x-β)=ax²-a(α+β)x+aαβと展開し、xの係数と定数項を比較できるからです。解が虚数でも、この展開の仕組みは変わりません。

さらに、整式P(x)をx-kで割った商をQ(x)、余りをrとすると、P(x)=(x-k)Q(x)+rです。1次式で割るので余りは定数になります。ここへx=kを代入するとP(k)=rが得られます。これが剰余の定理です。P(k)=0なら余りが0なので、x-kはP(x)の因数になります。この特別な場合が因数定理です。

「P(k)=0」と「P(x)がx-kで割り切れる」は両方向に成り立ちます。代入で解の候補を探す作業が、そのまま因数を探す作業になるわけです。ただし、x+2で割るなら代入する値は-2です。2次式で割る場合の余りは一般に1次以下の式なので、1回の代入だけで定数の余りを求める方法をそのまま使うことはできません。

例題で解き方を確かめる

例題1 複素数の四則計算をまとめて扱う

z=2+3i、w=1-2iとします。z+w、z-w、zw、z/wを、それぞれ実部と虚部がわかる形で求めましょう。同じ2つの数でも、加減と乗除では使う整理の仕方が変わります。

  1. 加減は同じ種類の項をまとめます。z+w=(2+1)+(3-2)i=3+iです。z-w=2+3i-1+2i=1+5iとなります。引き算ではw全体にマイナスがかかるので、虚部の符号も変えます。
  2. 積は4つの項に展開します。zw=2-4i+3i-6i²です。i²=-1を代入すると、2-i+6=8-iとなります。-6i²が+6になるところを独立した1行にすると、符号を確認しやすくなります。
  3. 商は分母1-2iの共役1+2iをかけます。z/w=((2+3i)(1+2i))/((1-2i)(1+2i))です。分母は1²+2²=5、分子は2+4i+3i+6i²=-4+7iなので、z/w=-4/5+(7/5)iとなります。

答え:z+w=3+i、z-w=1+5i、zw=8-i、z/w=-4/5+(7/5)iです。

商の確認には、求めた値にwをかけてzへ戻るかを調べます。((-4+7i)/5)(1-2i)=(-4+8i+7i-14i²)/5=(10+15i)/5=2+3iです。割り算をもう一度同じ手順で行うより、逆のかけ算で確かめると、途中の誤りを見つけやすくなります。

例題2 判別式が負の2次方程式を解く

x²-4x+13=0を複素数の範囲で解きましょう。実数解の有無を判定するだけでなく、解を具体的に表すことが問いの目的です。

  1. a=1、b=-4、c=13と読み、D=(-4)²-4×1×13=16-52=-36と計算します。D<0なので、異なる2つの虚数解を持つと見通せます。
  2. 解の公式に代入します。x=(4±√(-36))/2=(4±6i)/2です。√(-36)=6iと直すことで、実数の平方根だけを使う形から複素数の形へ進めます。
  3. 分子の両方の項を2で割り、x=2±3iと整理します。平方完成でもx²-4x+13=(x-2)²+9なので、(x-2)²=-9からx-2=±3iとなり、同じ解が得られます。

答え:x=2+3i、2-3iです。

代入すると、(2+3i)²=4+12i+9i²=-5+12iです。したがって(-5+12i)-4(2+3i)+13=0になります。もう一方も虚部の符号が逆になって0になります。実数係数の2次方程式で虚数解が出ると、解の公式の±によって、このような共役な組になることも確かめておきましょう。

例題3 解を求めずに解の式の値を出す

2x²-3x+4=0の2つの解をα、βとします。α²+β²と1/α+1/βを求め、さらにα+1、β+1を解とする、最高次の係数が1の2次方程式を作りましょう。個々の解が必要かどうかを、計算を始める前に判断する例題です。

  1. 解と係数の関係から、α+β=3/2、αβ=2です。αβ≠0なので、α、βはどちらも0ではありません。この確認によって、逆数を使ってよいことがわかります。
  2. α²+β²=(α+β)²-2αβと変形します。値を入れると(3/2)²-2×2=9/4-4=-7/4です。また1/α+1/β=(α+β)/(αβ)なので、(3/2)/2=3/4となります。どちらも解の和と積に直してから代入します。
  3. 新しい解の和は(α+1)+(β+1)=α+β+2=7/2です。積は(α+1)(β+1)=αβ+(α+β)+1=2+3/2+1=9/2です。和をS、積をTとすれば、求める方程式はx²-Sx+T=0なので、x²-(7/2)x+9/2=0となります。

答え:α²+β²=-7/4、1/α+1/β=3/4、方程式はx²-(7/2)x+9/2=0です。

2乗の和が負になることを見て、計算ミスだと決めつけないでください。元の方程式の判別式は9-32=-23で、α、βは実数ではありません。実数について成り立つ「2乗は0以上」を、虚数にまで広げて使うことはできません。新しい方程式は、元の方程式のxをx-1に置き換えて2(x-1)²-3(x-1)+4=2x²-7x+9とする方法でも確認できます。

例題4 因数定理で3次方程式の次数を下げる

x³-2x²+x-2=0を複素数の範囲で解きましょう。P(x)=x³-2x²+x-2と置きます。3次の解の公式を探すのではなく、1次式の因数を見つけて2次方程式へ戻します。

  1. 定数項-2の約数から、整数解の候補として±1、±2を調べます。この式は最高次の係数が1なので、整数解があれば定数項の約数です。P(1)=-2、P(-1)=-6、P(2)=8-8+2-2=0より、x-2を因数に持つとわかります。
  2. P(x)をx-2で割ります。先頭のx³から商のx²を立て、x²(x-2)=x³-2x²を引くとx-2が残ります。次に商の1を立てて1(x-2)を引くと余りは0です。したがってP(x)=(x-2)(x²+1)となります。
  3. 積が0なら少なくとも一方の因数が0です。x-2=0からx=2、x²+1=0からx=±iを得ます。実数解を1つ見つけた段階で終えず、残った2次式の解まで調べることが必要です。

答え:x=2、i、-iです。

図2のように、y=x³-2x²+x-2のグラフはx軸と(2,0)で交わります。実数xに対してx²+1は常に正なので、積の符号はx-2の符号と一致し、実数の交点はここだけです。残りの解i、-iは、この実数の座標平面で交点として見えるものではありません。

図2 因数分解した三次式の実数解を表す交点

この例では、x³-2x²+x-2=x²(x-2)+(x-2)と項をまとめても因数分解できます。因数定理は、まとめ方がすぐ見えない式でも使える道具です。なお、整数解が必ずあるとは限りません。候補が外れ続けたら、整数だけを探し続けず、式の形から置き換えや共通因数を検討します。

つまずきやすいところと直し方

誤り1 負の数の根号をそのまままとめる

誤った書き方は、√(-4)×√(-9)=√36=6です。実数の平方根で使った√a×√b=√(ab)を、aとbがともに負の場合へ、そのまま持ち込んでいるところが違います。この積の公式を使うときは、実数の範囲ではa≧0、b≧0という条件を伴います。

正しい書き方は、√(-4)×√(-9)=(2i)(3i)=6i²=-6です。負の数の平方根が出たら、まず正の数の平方根とiに分けてから計算します。√((-4)×(-9))=6と、√(-4)×√(-9)=-6は別の値であり、根号の位置を勝手に動かすことはできません。

誤り2 判別式が負なら解が存在しないと書く

誤った書き方は、x²+1=0について「D=-4<0だから解なし」とだけ結論づけることです。どの数の範囲で解を探すかが抜けています。問題が実数解を尋ねていれば「実数解なし」で正しいですが、複素数の範囲で解く場合はそれで終わりません。

正しい書き方は、「実数解はないが、複素数の範囲ではx=±i」です。図3のように、y=x²-1、y=x²、y=x²+1を比べると、x軸との交点は2個、1個、0個です。これは順にD>0、D=0、D<0に対応します。中央のx=0は重解であり、異なる実数解が2つあるわけではありません。

図3 判別式の符号による放物線と横軸の関係

グラフで数えられる交点は実数解を表します。虚数解も含めた解の種類を答えるときには、交点の個数からさらに判別式の意味へ言葉をつなげましょう。図3の3つの式はいずれも実数係数です。Dの正負によるこの分類は、実数係数の2次方程式について使っています。

誤り3 因数の符号と代入する値を同じにする

誤った書き方は、「P(x)をx+2で割った余りはP(2)」です。剰余の定理は、割る式が0になる値を代入するため、x+2=0の解である-2を使う必要があります。x+2という見た目のプラスだけを見て、代入する値も+2にしてはいけません。

正しい書き方は、P(x)=(x+2)Q(x)+rにx=-2を代入してr=P(-2)です。たとえばP(x)=x³-2x²+x-2なら、P(-2)=-8-8-2-2=-20なので、x+2では割り切れません。2x-1で割る場合も、余りはP(1/2)です。「割る式=0を先に解く」と書き添えると、符号にも係数にも対応できます。

練習問題

ここからは答えを隠して、最初に使う決まりを1つ書いてから解いてみましょう。計算の長さよりも、数の範囲や割る式の形に応じて、手順を選べるかを確かめます。

練習1

(3-i)/(1+i)と√(-8)×√(-2)を計算してください。商はa+biの形に整理し、根号の積はiを用いる途中式も書きましょう。

練習2

x²+2x+5=0を複素数の範囲で解いてください。また、2つの解をα、βとして、解と係数の関係からα²+β²を求めてください。

練習3

実数mについてP(x)=x³+mx+2とします。P(x)をx-1で割った余りが5となるmを求めてください。そのmのとき、P(x)をx+1で割った余りも求めてください。

練習4

x⁴+3x²-4=0を複素数の範囲で解いてください。x²を1つの文字とみて因数分解し、最後にxの値へ戻すところまで書きましょう。

答えと解説

練習1の答えは、1-2iと-4です。商は分子と分母に1-iをかけ、(3-i)(1-i)/2=(3-4i+i²)/2=(2-4i)/2=1-2iとなります。根号の積は(2√2 i)(√2 i)=4i²=-4です。商は(1-2i)(1+i)=3-iで、元の分子に戻ることを確認できます。

練習2の答えは、x=-1±2i、α²+β²=-6です。D=2²-4×1×5=-16なので、解の公式からx=(-2±4i)/2=-1±2iを得ます。α+β=-2、αβ=5より、α²+β²=(-2)²-2×5=-6です。解の実部が-1だからといって、和を-1と読まないようにしてください。

練習3の答えは、m=2、余りは-1です。P(1)=1+m+2=m+3=5からm=2となります。これを代入したP(x)=x³+2x+2についてP(-1)=-1-2+2=-1です。余りが0ではないため、x+1はこのP(x)の因数ではありません。

練習4の答えは、x=1、-1、2i、-2iです。t=x²と置くとt²+3t-4=(t-1)(t+4)=0なので、t=1、-4です。x²=1からx=±1、x²=-4からx=±2iとなります。複素数の範囲で解いているので、t=-4を途中で捨ててはいけません。実数解だけを尋ねられた場合には、x²≧0からt≧0という条件を付けて考えます。

次の単元へのつながりと家庭での確かめ方

複素数の四則計算は、数学Cで複素数を平面上の点として扱う学習につながります。また、因数定理で式の次数を下げる考え方は、関数のグラフの交点を求めるときにも役立ちます。解と係数の関係で式を整理する経験は、文字を含む条件の処理にもつながります。

家庭で5分ほど使うなら、確かめ方は2つあります。1つ目はx²+4=0について、「実数の範囲」と「複素数の範囲」で答えを書き分けることです。実数解はなく、複素数の範囲では±2iであると、理由も一緒に説明できるか見てください。2つ目は例題4の因数分解を展開して元の式に戻し、P(2)=0も確かめることです。展開と代入の両方で同じ結論を確認できます。

個別指導では、i²の置き換えで止まるのか、その前の展開や分数計算で止まるのかを分けて確かめます。お子さまのノートを見るときも、答えの正誤だけでなく、どの行で符号が変わったかをたどると、戻るべき計算が具体的になります。

まとめ

x²+1=0の前で「解なし」と書いたノートには、まず「実数の範囲では」と補えます。その一言によって、これまでの学習を保ったまま、iを使う新しい計算へ進めます。難しく見える3次式も、代入で因数を見つければ、すでに扱える2次式にほどけていきます。

途中式の余白には、公式の名前だけでなく、その操作が使える理由を残してみましょう。分母は0でないか、係数は実数か、今求めているのは実数解だけか。その条件を確かめる習慣が、複雑な式を読む支えになります。方程式の答えは、解を探す数の範囲まで書いて初めて確定します。

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