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【中学公民】日本国憲法と基本的人権を図解で総まとめ|武蔵野個別指導塾

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三つの基本原理と人権の分類を身近な例から整理し、憲法改正の流れと公共の福祉を図で読み取ります。用語問題から理由を説明する問題まで、答えに至る手順を示すので、人権の分類で迷わなくなります。

よくあるのは、図書館の閲覧席で公民の問題集を開き、「教育を受ける権利」を自由権と社会権のどちらに入れるか迷う場面です。勉強する自由だから自由権だと思っても、答えは社会権です。用語だけを並べて覚えると、同じ「権利」という言葉の中で、何を保障するのかが見えにくくなります。

この単元では、「誰が政治を決めるのか」「国家の力にどんな限界があるのか」「一人ひとりの生活をどう支えるのか」を分けて考えます。憲法は遠い政治の話だけではありません。意見を発表すること、差別を受けずに暮らすこと、学ぶ機会を得ることにもつながっています。条文の番号を思い出す前に、守ろうとしている人の姿を思い浮かべると、初めて見る事例でも権利の名前と理由を結びつけられます。

この単元で身につけること

前の単元で学ぶ対立と合意、効率と公正の考え方は、社会のきまりをつくる土台です。ここではさらに、多数で決める場合でも守るべき人権があることを学びます。

基本の考え方

人権思想から立憲主義へ

人権とは、人が生まれながらに持つ、人間らしく生きるための権利です。支配者から特別に許されるものではない、という考え方が近代の市民革命を支えました。イギリスの権利章典は1689年、アメリカ独立宣言は1776年、フランス人権宣言は1789年です。王の権力の制限や自由・平等の主張が進みましたが、当初からすべての人に平等な政治参加が実現したわけではありません。

産業の発達とともに、貧困や厳しい労働条件が問題になりました。自由を認めるだけでは、病気や失業で生活できない人を支えきれません。1919年のドイツのワイマール憲法は、社会権を保障した憲法として知られます。1948年には国際連合で世界人権宣言が採択され、人権の保障は国際社会共通の課題としても位置づけられました。

憲法によって国家権力を制限し、人々の権利を守る考え方が立憲主義です。日本国憲法は国の最高法規であり、これに反する法律などは効力を持ちません。普通の法律と同じように「国民が守るきまり」とだけ覚えると、権力を行使する側を縛る役割を見落とします。

三つの基本原理と天皇の地位

日本国憲法は1946年11月3日に公布され、1947年5月3日に施行されました。公布は広く知らせること、施行は効力を生じさせることです。基本原理は、国民主権、基本的人権の尊重、平和主義の三つです。図1のように、三つを上下関係のない柱として捉えましょう。

図1 三つの基本原理が支える日本国憲法の柱

国民主権とは、国の政治のあり方を最終的に決める権力が国民にあることです。国民は代表者を選ぶなどして政治に参加します。天皇は日本国と日本国民統合の象徴であり、その地位は主権者である国民の総意に基づきます。国政に関する権能を持たず、内閣の助言と承認によって国事行為を行います。例えば、国会が指名した内閣総理大臣を任命します。「指名」と「任命」の主語を分けると、政治を決める権力との違いがわかります。

基本的人権の尊重は、一人ひとりを個人として大切にし、侵すことのできない権利を保障する原理です。平和主義について、第9条は国際紛争を解決する手段としての戦争と武力による威嚇・行使を放棄し、戦力の不保持と交戦権の否認を定めています。政府は、自衛のための必要最小限度の実力は禁じられた戦力に当たらないと説明し、自衛隊を設けています。自衛隊と憲法の関係には、その説明を支持する考えと、第9条との整合性を問題にする考えがあります。条文の内容、政府の説明、議論を分けて読みます。

人権を保障する働きで分類する

平等権は、法の下の平等を保障し、不合理な差別を認めない権利です。性別や出身などを理由に不当に扱われないことが関わります。全員にいつも同じ対応をするだけで平等になるとは限らず、障害のある人が参加できるように必要な配慮を行うことも平等の実現につながります。

自由権には、思想・良心、信教、表現、学問などの精神の自由、居住・移転や職業選択、財産権などの経済活動の自由、不当に拘束されない身体の自由があります。社会権には、健康で文化的な最低限度の生活を営む生存権、教育を受ける権利、勤労の権利、労働三権があります。労働三権は、労働組合をつくる団結権、使用者と話し合う団体交渉権、ストライキなどを行う団体行動権です。

人権を実現する仕組みも必要です。政治に参加する参政権、国や地方公共団体に希望を述べる請願権、裁判を受ける権利などがあります。公務員の不法な行為による損害について賠償を求める国家賠償請求権も、人権を守るための権利です。名前とともに、どの相手に何を求める権利なのかを押さえます。

例題で解き方を確かめる

例題1 原理と天皇の行為を区別する

「政治のあり方を最終的に決める権力は国民にある」という原理を答えましょう。また、「天皇は自分の判断で内閣総理大臣を選ぶ」という説明の誤りを直しましょう。

  1. 「最終的に決める権力」を探します。主権の意味に当たる表現なので、誰が持つかを確かめます。
  2. 権力を持つ主体を読み取ります。問題文では国民なので、答えは国民主権です。
  3. 指名と任命を分けます。天皇の役割を、政治上の選択をする役割と取り違えないためです。

答えは「国民主権」と、「国会の指名に基づき、天皇が内閣総理大臣を任命する」です。天皇の国事行為には内閣の助言と承認が必要です。「象徴」という用語だけで終えず、決定の主体を説明できるようにしましょう。

例題2 権利の分類を理由とともに答える

次の中心となる権利を、自由権・社会権から選びましょう。アは「自分の考えを文章で発表する」、イは「家庭の経済状況にかかわらず、教育を受ける機会を保障される」です。

  1. 行動の目的を捉えます。同じ「自分のための権利」でも、保障の働きは異なるからです。
  2. 干渉を受けずに行動することか、生活や学習の条件を支えることかを考えます。日常語の「自由」という響きだけで決めないためです。
  3. 分類に具体的な権利名を添えます。何を根拠に選んだかが明らかになります。

アは自由権のうち表現の自由、イは社会権のうち教育を受ける権利です。学習に関する事例でも、研究内容を国家に強制されないという話なら学問の自由が中心になります。場面の名前だけでなく、どのような保障を求めているかを読みましょう。

例題3 憲法改正の条件を読む

図2に示された条件を確かめます。国会の発議に必要な賛成と、国民投票で承認に必要な賛成は、それぞれどの範囲を基準に数えるのでしょうか。

図2 国会の発議から国民の承認と公布への順序
  1. 左の2つの箱を別々に読みます。発議には、衆議院・参議院それぞれの総議員の3分の2以上の賛成が必要だからです。
  2. 国民投票の箱では基準を切り替えます。国会議員の賛成割合を、そのまま国民投票に使わないためです。
  3. 最後の公布の主体を確認します。天皇が国民の名で公布しますが、天皇が改正の可否を決めるのではありません。

答えは「各議院の総議員の3分の2以上」と「国民投票の有効投票総数の過半数」です。有効投票総数は賛成票と反対票の合計で、無効票は含みません。図2では両議院からの線が発議へ合流しており、両方で条件を満たす必要があると読めます。

数の練習として、有効投票が100票なら、賛成50票では足りず、51票以上が必要です。「過半数」は半分を超える数だからです。改正には、社会の変化に合わせて条文を改めるべきだという考えも、権力を制限する働きを重視して慎重に検討すべきだという考えもあります。手続きの説明と、個々の改正案への賛否は別に考えます。

例題4 公共の福祉を使って説明する

公園で意見を伝える集会を開く人と、大きな音で生活に支障が出ると訴える近隣住民がいます。「人数の多い側の希望をそのまま通せばよい」とは言えない理由を説明しましょう。

  1. 両側の守りたいものを書きます。一方の希望だけを読むと、対立している権利を見落とすからです。
  2. 時間や音量などの調整を考えます。全面的な禁止以外に、双方の権利を尊重する方法がないか探すためです。
  3. 必要性と制限の程度を確かめます。目的があっても、過度に自由を制限してよいとは限らないからです。

解答例は「集会・表現の自由と住民の生活の双方を尊重する必要があり、多数の希望だけで一方の権利を無視できないから」です。具体的な調整には状況に応じた検討が必要であり、人数だけで決める問題ではありません。

つまずきやすいところと直し方

公共の福祉は国の都合ではありません

「公共の福祉なら、国が必要と言えば人権を自由に制限できる」と覚えるのは誤りです。公共の福祉は、互いの人権を尊重し、衝突する権利を調整するための考え方です。「社会のため」という言葉だけで制限が正当になるわけではありません。

図3のように、どちら側にも守られるべき権利があります。直すときは「誰の、どの権利が関わるか」を先に書き、その後で調整方法を考えましょう。少数者の権利も、多数決で簡単に取り除けるものではありません。

図3 互いの権利を尊重して調整する公共の福祉

新しい人権はすべて条文にあるわけではありません

「新しい人権は、憲法にその名前が追加された権利」とするのは誤りです。情報化や環境問題などを背景に、従来の条文の考え方から保障を求められるようになった権利です。第13条の幸福追求権などが根拠として考えられています。

私生活をみだりに公開されないプライバシーの権利、政治や行政などの情報を得る知る権利、良好な環境で暮らす環境権、自分の生き方に関わる事柄を決める自己決定権などを学びます。ただし、具体的な内容や法的な保障のあり方は同一ではありません。知る権利を考えるときも、他人の個人情報をすべて公開してよいわけではなく、プライバシーとの調整が必要です。

権利は義務を果たした褒美ではありません

「義務を果たした人だけに人権がある」という理解は誤りです。基本的人権は、生まれながらに持つ権利です。国民の三大義務には、子どもに普通教育を受けさせる義務、勤労の義務、納税の義務がありますが、権利と交換する条件ではありません。

特に「教育を受ける義務」と書き間違えないようにします。子どもにとっては教育を受ける権利であり、保護する子どもに普通教育を受けさせるのが保護者の義務です。主語を補えば、似た言葉でも立場の違いがはっきりします。

練習問題

練習1 日本国憲法の公布日と施行日を、西暦の年月日で答えましょう。また、国家権力を憲法で制限して人権を守る考え方を何といいますか。

練習2 「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」の名前と分類を答えましょう。「労働組合が使用者と労働条件を話し合う権利」の名前も答えましょう。

練習3 憲法改正の国民投票で、賛成48票、反対47票、無効5票だったとします。賛成は承認に必要な数に達していますか。基準になる票数を示して説明しましょう。

練習4 行政の情報公開を求めるとき、他人の私生活の情報まで無条件に公開すべきではない理由を、2つの権利名を使って説明しましょう。

答えと解説

練習1 公布は1946年11月3日、施行は1947年5月3日です。考え方は立憲主義です。知らせる日と効力が生じる日を区別します。

練習2 生存権で、社会権に分類します。労働条件を話し合う権利は団体交渉権です。団結権は労働組合をつくる権利なので、活動の内容で区別します。

練習3 達しています。有効投票は48+47=95票で、その半分は47.5票です。48票はそれを超えています。無効票を含めた100票の半分とは比べません。

練習4 解答例は「知る権利を保障するとともに、私生活をみだりに公開されないプライバシーの権利も守る必要があるから」です。権利名を挙げるだけでなく、双方を尊重する理由まで書きます。

次の単元へのつながりと家庭での確かめ方

次に学ぶ国会・内閣・裁判所の仕組みは、憲法の原理を実際の政治で働かせるためのものです。権力を分ける理由や、裁判所が法律などの憲法適合性を判断する意味も、人権を守る役割とつながります。

家庭では5分で、まず身近な行動を1つ挙げ、関わる権利とその理由を説明してみましょう。次に図2を隠し、国会の発議、国民の承認、天皇の公布を矢印でつなぎ、必要な条件を書き足します。個別指導で分類に迷う場合は、用語の暗記へ戻る前に、事例の誰が何を保障されるのかまで戻って確かめます。保護者がお子さまの説明を聞くときも、正誤だけでなく「そう考えたのは文のどこか」を尋ねると理解の位置が見えます。

まとめ

権利の名前を書けても、具体的な対立の場面で相手の権利を見落とせば、憲法の働きを十分に説明できません。答案を見直すときは、権利を持つ人、保障する内容、政治を決める主体が文に入っているかを確かめましょう。条文と暮らしを往復して読むことで、用語が判断の根拠に変わります。多数の賛成が集まる場面でも、一人の人権を守る基準は必要です。

本気になった日が、入塾の日。

お子様の教育、迷ったら「丸投げ」してください。必ず、期待以上の結果で返します。武蔵野で育む、武蔵境で学ぶ。

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