【中3理科】月と金星・太陽系を図解で総まとめ—満ち欠け・日食・月食から宇宙の広がりまで|武蔵野個別指導塾

月の形と見える時刻を結びつけ、金星の満ち欠けや日食・月食を3枚の図で整理します。位置関係を読む例題から太陽のつくり、惑星の並び、銀河系まで、自分で説明するための手順を確かめましょう。

よくあるのは、部活帰りの校門で白い半月を見つけ、「月は夜に出るはずなのに」と立ち止まる場面です。宿題では上弦の月と答えられても、なぜ夕方の空にあるのかを聞かれると、覚えた形と実際の空がつながらなくなります。月の形だけを暗記していると、時刻や方角が加わった問題で迷いやすくなります。

そこで、まず太陽のある方向と、自分が地球のどこから見ているかを確かめます。月も金星も自分では光らず、太陽の光を反射して見えます。明るい側と観察する方向を別々に考えれば、満ち欠けも見える時間帯も同じ図から説明できます。

多くの教科書では中3で学ぶ範囲です。月から金星、太陽、惑星、銀河系へと視野を広げながら、「光を出す天体」と「照らされて見える天体」を区別していきましょう。

この単元で身につけること

  • 月の満ち欠けを位置関係で説明します。月の明るい半球が、地球からどれだけ見えるかに注目します。
  • 月の形と見える時刻を結びつけます。新月・上弦・満月・下弦について、太陽との方向の違いから南中の時刻を考えます。
  • 日食と月食を区別します。太陽・月・地球の順序だけでなく、どの天体の影に何が入るかを言葉にします。
  • 金星の形と見かけの大きさを読み取ります。地球より内側を公転することから、見える時間帯にも制限があると考えます。
  • 太陽系と銀河系の関係を整理します。太陽の特徴、8つの惑星の順序、恒星と衛星の違いを押さえます。

前に学んだ光の反射と、地球の自転による日周運動が、この単元を理解する土台です。図を読むときは、宇宙から見下ろした配置図なのか、地上から見た空の図なのかも確認します。この視点の区別が、図の左右をそのまま空の東西にしてしまう間違いを防ぎます。

基本の考え方

月の形を変えるのは見る方向です

月は地球のまわりを公転する衛星です。太陽に照らされているのは、通常、月全体のほぼ半分です。その明るい半球を見る角度が公転によって変わり、新月から細い月、上弦の月、満月、下弦の月を経て、再び新月になります。月そのものが膨らんだり欠けたりするわけではありません。

図1は地球の北極側から見た配置です。太陽の光は左から届き、月の左半分が明るく描かれています。周囲の小円は宇宙から見た月の照らされ方で、地上で見える月の形を直接描いたものではありません。地球を出発点にして、それぞれの月の方へ視線を向けることが必要です。

図1 太陽の光の向きと月の公転による満ち欠けの位置関係

左の新月では、明るい側が地球の反対側を向くため、ほとんど見えません。右の満月では明るい側が地球を向き、丸く見えます。上下の位置では、明るい半球の半分が見えるので半月です。図1では公転の順に下側が上弦、上側が下弦です。日本で南の空にある月を正面に見ると、上弦は右側、下弦は左側が明るく見えます。

同じ形に戻る周期は約29.5日です。月が地球のまわりを恒星に対して1周する約27.3日より長いのは、その間に地球も太陽のまわりを進み、太陽との位置関係を戻すには月がさらに進む必要があるためです。満ち欠けの問題では、何を基準に1周を数えているかを区別します。

月の形から時刻を考えます

太陽はおよそ正午に南中します。新月は太陽とほぼ同じ方向にあるので、南中もおよそ正午です。上弦の月は太陽より東へ約90°離れており、太陽より約6時間遅れて、夕方の18時ごろに南中します。満月は太陽と反対方向なので真夜中の0時ごろ、下弦の月は朝の6時ごろに南中します。

昇る時刻・沈む時刻も含めた基本の目安は次の通りです。季節、観測地、月の軌道の傾きで実際の時刻はずれるので、正確な観測予定表としては使いません。

月の形 昇るころ 南中するころ 沈むころ
新月 6時 12時 18時
上弦 12時 18時 0時
満月 18時 0時 6時
下弦 0時 6時 12時

満月は夕方に東から昇るので、ほぼ一晩中見られます。上弦の月は昼過ぎから空にあり、夕方にも見えます。月が昼間にも見える理由は、昼の地上から月の方向を見渡せる配置があるからです。空が明るいことと、月が地平線より上にあることは別の条件です。

太陽から宇宙へ広げます

太陽は自ら光と熱を出す恒星です。目に見える表面を光球といい、温度は約6000 ℃です。黒点は周囲より温度が低いため暗く見えますが、冷たい穴ではありません。黒点が日ごとに位置を変えることは、太陽が自転している手がかりです。外側には高温で薄い大気のコロナが広がり、縁から炎のように突き出す現象をプロミネンスといいます。

太陽系の8惑星は、太陽に近い順に水星・金星・地球・火星・木星・土星・天王星・海王星です。水星から火星までは岩石を主成分とする地球型惑星で、比較的小さく密度が大きいという特徴があります。木星以遠は巨大惑星で、木星・土星は主に水素やヘリウム、天王星・海王星は水などの成分を多く含みます。中学校では外側の4惑星を木星型惑星としてまとめることがあります。

惑星のまわりを公転する天体が衛星です。太陽系には小惑星や彗星などもあり、惑星だけでできているのではありません。彗星は太陽に近づくとガスやちりを放出し、尾を生じることがあります。太陽系が属する恒星などの大集団が銀河系で、夜空の天の川は銀河系を内側から見た姿です。宇宙には銀河系以外にも多数の銀河があります。

例題で解き方を確かめる

例題1 夕方に南中する月

18時ごろ、南の空の高い位置に半月が見えました。基本の時刻の目安を用いて、月の名前と沈む時刻を答えましょう。

  1. 太陽の南中を12時ごろと置きます。月が太陽より何時間遅れて南中したかを知るためです。
  2. 18 – 12 = 6で、差は約6時間です。地球は約24時間で360°自転するので、1時間あたり360 ÷ 24 = 15°、6時間では15 × 6 = 90°に相当します。
  3. 太陽の約90°東側にある半月は上弦の月です。基本の目安では南中から約6時間後に沈むので、18 + 6 = 24より、答えは上弦の月、沈むのは0時ごろです。

「半月だから上弦」と決めると、下弦を除けません。形に加えて時刻を使うことが決め手です。また、24時と翌日の0時は同じ境目を表すので、日付をまたぐ答えにも注意します。

例題2 金星の形と大きさ

図2のAとBの金星では、地球から見てどちらの見かけの直径が大きく、どちらが細く欠けますか。図は公転面を上から見た模式図で、地球は下側にあります。右側の円は、それぞれの位置から見込まれる形と大きさの違いを示しています。

図2 地球と金星の距離による見かけの大きさと形の違い
  1. 地球と金星を結ぶ線の長さを比べます。金星そのものの直径は変わらないので、近いAの方が大きく見えます。
  2. 金星から太陽へ向かう方向を確かめます。金星も太陽に向く半球だけが照らされるからです。
  3. 地球から明るい側がどれだけ見えるかを考えます。Aでは暗い側を多く見るため細く、Bでは明るい側を多く見るため丸に近くなります。答えは、大きいのも細く欠けるのもAです。

金星は地球より内側の軌道を公転します。このため地球から見て太陽から大きく離れた方向へは行かず、真夜中の南の空には見えません。日没後の西の空に見えるときはよいの明星、日の出前の東の空に見えるときは明けの明星と呼びます。同じ金星でも、公転によって太陽との方向の関係が変わります。

よいの明星は、空の上では太陽より東側にあります。そのため太陽が沈んでも、金星はまだ西の空に残ります。「太陽の東側」と「西の空」は基準が異なり、矛盾しません。図2は距離と形を読むための図なので、A・Bの紙面上の左右だけから、東の空か西の空かを決めないようにします。

例題3 食が起こる並び

太陽・地球・月がこの順にほぼ一直線に並び、月が地球の影に入りました。現象の名前と、このときの月の満ち欠けを答えましょう。

  1. 光をさえぎる天体を探します。真ん中にある地球が太陽の光をさえぎっています。
  2. 影に入る天体を確かめます。月が地球の影に入る現象なので月食です。
  3. 地球から見た太陽と月の方向を比べます。反対方向なので、満ち欠けの位置としては満月です。答えは月食、満月です。

月食で暗くなる月と、ふだんの細い月では、暗くなる理由が違います。並びを書くだけで終わらず、「地球の影に月が入る」と説明すれば、原因まで答えたことになります。

例題4 天体の仲間分け

太陽・地球・月を恒星・惑星・衛星に分類し、太陽系と銀河系のどちらが大きなまとまりか答えましょう。

  1. 自ら光を出している天体を選びます。この3つでは太陽が恒星です。
  2. 何のまわりを公転するかを確かめます。地球は太陽のまわりを公転する惑星、月は地球のまわりを公転する衛星です。
  3. まとまりの包含関係を考えます。太陽系は銀河系の一部なので、大きなまとまりは銀河系です。

明るく見えるかどうかだけで恒星を選んではいけません。金星は非常に明るく見えても、太陽光を反射する惑星です。分類の基準を「明るさの印象」から「光の出どころと公転の相手」に置き換えましょう。

つまずきやすいところと直し方

月の満ち欠けは地球の影だと思う

「地球の影が月を隠すから半月になる」という考え方は、ふだんの満ち欠けと月食を混同しています。図1の上弦や下弦の位置では、月は地球の影に入っていません。正しくは、月の照らされた半球を斜めから見るため、一部分だけ明るく見えます。

図3のように、日食では月の影が地球に届き、月食では地球の影に月が入ります。図は影の中心部分である本影を簡略化したもので、大きさや距離の比は実際とは異なります。日食の位置は新月、月食の位置は満月ですが、月の公転面が地球の公転面に対して傾いているので、毎月は起こりません。

図3 日食と月食で光をさえぎる天体と影に入る天体の違い

金星が丸いときほど大きいと思う

「明るい部分が多いほど大きく見える」という考え方では、形と直径を混ぜています。図2のBは丸に近くても地球から遠く、円全体の見かけの直径は小さくなります。正しくは、大きさは主に距離、満ち欠けは太陽・金星・地球の位置関係で別々に判断します。

細い金星を見たら、まず欠けた部分も含めた円を思い浮かべます。その円の直径を比べると、「明るい面積が小さい」と「天体が小さく見える」の違いを整理できます。金星と地球が近づく側では、全体として大きく、細く欠けた姿になります。

太陽系と銀河系を同じものだと思う

「太陽系は星が全部集まったもの」という考え方では、太陽のまわりのまとまりと、恒星の大集団を区別できていません。正しくは、太陽系が銀河系の中にあり、銀河系の外にも別の銀河があります。ノートに大きな枠を描いて銀河系、その中に小さく太陽系と書くと関係が見えます。

また、宇宙の距離に使う光年は時間の単位ではありません。光が1年間に進む距離を表す長さの単位です。「年」が入る言葉でも、何を測っているのかを定義で確認します。

練習問題

練習1

基本の目安で、0時ごろに南中する月の名前と、昇る時刻を答えましょう。太陽との方向の関係も説明します。

練習2

太陽・月・地球の順に並び、月の影が地球に届きました。現象の名前と月の満ち欠けを答えましょう。

練習3

同じ金星を時期を変えて観測すると、一方は大きく細い形、もう一方は小さく丸に近い形でした。地球に近い方と、日没後の西の空に見える金星の呼び名を答えましょう。

練習4

太陽から遠い順に火星・地球・金星を並べます。また、太陽の黒点が暗く見える理由を答えましょう。

答えと解説

練習1の答えは満月、18時ごろです。太陽と反対方向にあるため、太陽が西に沈むころに東から昇り、約6時間後に南中します。

練習2の答えは日食、新月です。地球から見て月が太陽の手前に位置し、太陽の一部または全部を隠します。

練習3では大きく細い方が近く、呼び名はよいの明星です。見かけの直径は距離から、呼び名は見える時間帯と方角から判断します。

練習4の順序は火星・地球・金星です。黒点は周囲の光球より温度が低いので、周囲との比較で暗く見えます。

次の単元へのつながりと家庭での確かめ方

太陽が出す光は地球の表面を温め、植物の光合成にも使われます。天体の学習は、天気の変化や自然界のエネルギーの流れを考える土台にもなります。

家庭では5分ほどで、次の2つを確かめられます。1つ目は、机の上で固定したLEDライトを白い球に当て、球のまわりから照らされた部分を見る方法です。光源を直視せず、目の位置だけを変えて満ち欠けを比べます。2つ目は、紙に太陽と地球、4つの位置の月を描き、各位置へ南中の時刻を書き込む方法です。太陽からの光と地球からの視線を別の線にします。

太陽や太陽の近くの金星を、肉眼・双眼鏡・望遠鏡で直接探してはいけません。個別指導で確かめるときも、名前の暗記へ戻る前に、光の進む方向と見る位置を区別できるかまで戻ります。

まとめ

空に見える形は、天体の性質だけでなく、見る場所によって決まります。答えを迷ったとき、名前を順番に思い出すよりも、図に太陽からの光と地球からの視線を引く方が、理由のある判断につながります。書いた線を使って「なぜその形なのか」を一文で説明できれば、別の向きの図にも対応できます。半月の輪郭を説明する最初の一本は、月の縁ではなく、太陽から届く光の線です。


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