【中2理科】動物のからだのはたらきを図解で総まとめ—消化・呼吸・血液の循環・刺激と反応|武蔵野個別指導塾

消化管・血液の循環・反射の経路を3枚の図で整理します。消化酵素の実験や血液量の計算を通して、器官の名前と役割を結びつければ、暗記の量はぐっと減らせます。

よくあるのは、部活帰りの自転車置き場で理科の小テストを見直し、「肺動脈には酸素の少ない血液が流れる」という答えに首をかしげる場面です。動脈という名前から酸素が多いと考えると、肺のまわりだけ例外のように見えてしまいます。けれども、血管の名前を決める基準は、酸素の量ではなく心臓に対する流れの向きです。

この単元には器官の名前がたくさん出てきます。ただ、名前を別々に覚えるだけでは、食べたものが筋肉の活動に使われるまでのつながりが見えません。「何を受け取り、どこへ渡すか」を追うと、消化・呼吸・循環は一続きのしくみとして読めます。

さらに、目や皮膚が刺激を受け取ってから筋肉が動くまでは、物質とは別に、神経を通る信号がつながっています。物質の通り道と信号の通り道を分け、矢印の出発点と到着点を説明できるようにしていきましょう。

この単元で身につけること

  • 消化と吸収を区別します。食物を吸収できる物質に分解する段階と、小腸の壁を通って取り込む段階を分けて説明します。
  • 肺と細胞の役割を結びつけます。肺での気体の交換と、細胞が酸素を使ってエネルギーを取り出す呼吸を区別します。
  • 血液の流れをたどります。心臓の4つの部屋、肺循環、体循環をつなぎ、血液の成分の役割も押さえます。
  • 不要な物質の行き先を追います。二酸化炭素や尿素が、どの器官を経て体外へ出るのかを説明します。
  • 刺激から反応までを説明します。感覚器官、神経、筋肉の順序と、意識して起こす反応と反射の違いを読み取ります。

細胞のつくりや植物の呼吸で学んだ「生物は細胞でできており、細胞の活動にはエネルギーが必要」という考えが土台です。多くの教科書では中2で学ぶ内容で、ヒトを中心に各器官のつながりを確かめます。器官の位置を答えるだけでなく、その器官の前後で何が変わるかも考えてみてください。

基本の考え方

消化は分解、吸収は取り込みです

食物が通る消化管は、口、食道、胃、小腸、大腸、肛門の順につながっています。歯でかみくだくことや胃の運動は、食物を細かくしたり消化液と混ぜたりするはたらきです。さらに、消化液に含まれる消化酵素が、養分を吸収されやすい物質へ分解します。

だ液のアミラーゼはデンプンを麦芽糖などに分解します。デンプンの消化はその後も進み、最終的にブドウ糖になります。タンパク質は胃液のペプシンなどによって分解が進み、最終的にアミノ酸になります。脂肪はすい液のリパーゼなどによって、脂肪酸とモノグリセリドに分解されます。消化酵素には、それぞれはたらく相手が決まっているという特徴があります。

肝臓でつくられる胆汁は、胆のうにたくわえられ、小腸へ送られます。胆汁は脂肪を細かな粒にし、消化酵素がはたらきやすくしますが、消化酵素を含みません。図1のように、肝臓やすい臓からは消化液が送られ、食物そのものがこれらの器官を通るわけではありません。

図1 食物が通る消化管の順序と消化液が届く経路

小腸の内側には多数の柔毛があり、表面積を大きくして効率よく吸収します。ブドウ糖とアミノ酸は柔毛の毛細血管に入り、まず肝臓へ運ばれます。脂肪酸とモノグリセリドは柔毛で吸収されたあと再び脂肪となり、主にリンパ管に入って、のちに血液へ合流します。水や無機物は、大きな養分のように消化されなくても吸収されます。大腸でも水などが吸収され、吸収されなかったものが便として出ます。

肺と血液が細胞の呼吸を支えます

吸った空気は気管、枝分かれした気管支を通り、肺の中の肺胞に届きます。肺胞は小さな袋で、まわりを毛細血管が取り囲みます。多数の肺胞で表面積を広くし、薄い壁を通して酸素を空気側から血液側へ、二酸化炭素を血液側から空気側へ移します。肺が酸素をつくったり、二酸化炭素を酸素に変えたりするわけではありません。

息を吸うときは横隔膜が収縮して下がり、肋骨も動いて胸の内部の容積が大きくなります。それに伴って肺が広がり、空気が入ります。安静に息を吐くときは横隔膜などがゆるみ、容積が小さくなって空気が出ます。肺そのものが筋肉の力でふくらむ、と考えないようにしましょう。

細胞は血液から受け取った養分と酸素を使い、生命活動に必要なエネルギーを取り出します。この細胞の呼吸で二酸化炭素などが生じます。血液中の赤血球はヘモグロビンを含み、主に酸素を運びます。白血球は体内に侵入した細菌などを排除し、血小板は出血時に血液を固めることに関わります。液体の成分である血しょうは、養分や不要な物質などを運びます。

循環は受け渡しと回収のしくみです

心臓は筋肉の収縮で血液を送り出します。戻ってきた血液を受け取る部屋が心房、送り出す部屋が心室で、右心房・右心室・左心房・左心室の4つに分かれています。弁は血液の逆流を防ぎます。全身へ送り出す左心室は、特に壁の筋肉が厚くなっています。

毛細血管からしみ出した血しょうの一部は組織液となり、細胞のまわりを満たします。細胞は組織液を介して物質を受け渡しします。不要な物質のうち二酸化炭素は肺から出ます。タンパク質の利用などで生じる有害なアンモニアは肝臓で尿素に変えられ、血液で腎臓へ運ばれます。腎臓は尿素などをこし出し、必要な物質や水の多くを血液に戻して尿をつくります。尿は輸尿管を通ってぼうこうにたまり、尿道から出ます。便の排出と、血液中の不要な物質の排出は分けて考えます。

例題で解き方を確かめる

例題1 だ液のはたらきを実験から読む

同じ濃さと量のデンプン液を2本の試験管に入れ、Aにはうすめただ液、Bには同量の水を加えました。約40 ℃で同じ時間保ったあと、別々に取った液にヨウ素液を加えると、Aは青紫色にならず、Bは青紫色になりました。だ液のはたらきを説明しましょう。

  1. 変えた条件を探します。だ液の有無だけを変え、温度や時間をそろえたのは、結果の違いをだ液の作用と結びつけるためです。
  2. 試薬が何を調べるか確かめます。ヨウ素液の青紫色はデンプンの存在を示すので、甘さやブドウ糖を直接調べているのではありません。
  3. 結果を比べます。Bにはデンプンが残り、Aでは検出されなくなったため、だ液によってデンプンが分解されたと考えられます。

答えは「だ液に含まれるアミラーゼがデンプンを分解した」です。この結果だけで「ブドウ糖ができた」とまでは断定できません。また、Bを置くことで、温めるだけでは同じ結果にならないことを確かめられます。実験は学校などの指示に従い、だ液や薬品を扱った液は口に入れず、試料や器具を人と共用しません。

例題2 肺を出た血液をたどる

図2で、肺を出た血液が全身へ向かい、再び肺へ戻るまでの経路を答えましょう。また、肺静脈と肺動脈のうち、酸素を多く含む血液が流れるのはどちらでしょうか。図は位置や大きさを再現したものではなく、流れる順序を示しています。

図2 肺と全身を結ぶ血液の流れと心臓の部屋
  1. 肺から矢印をたどります。血液は肺静脈、左心房、左心室、大動脈を通って全身へ進みます。途中の部屋を省かないと、心房と心室の役割も確認できます。
  2. 全身からの戻り道をつなぎます。大静脈、右心房、右心室、肺動脈、肺の順です。心臓と肺の間が肺循環、心臓と全身の間が体循環です。
  3. 気体の交換の前後を比べます。肺で酸素を受け取った直後なので、酸素が多いのは肺静脈です。全身で酸素を渡した血液が流れる肺動脈では、酸素は比較的少なくなります。

動脈は心臓から出る血管、静脈は心臓へ戻る血管です。一方、動脈血・静脈血という区別は、酸素を多く含むか少なく含むかに着目します。答えを書くときは「静脈なのに」ではなく、「肺から戻るので肺静脈、酸素を受け取ったので動脈血」と理由を分けます。

例題3 心臓が送り出す血液量を求める

ある条件で、左心室が1回の拍動で送り出す血液量を60 mL、1分間の拍動数を75回とします。左心室が1分間に送り出す血液量は何mL、何Lでしょうか。この値は計算のための条件で、誰でも一定という意味ではありません。

  1. 1回あたりの量を確認します。求めるのは1分間の合計なので、60 mLに1分間の回数をかけます。
  2. 60 × 75 = 4500より、答えは4500 mLです。同じ1分間について量をそろえて計算しています。
  3. 1000 mL = 1 Lを使い、4500 ÷ 1000 = 4.5より4.5 Lに直します。単位を変えても表している量は同じです。

これは左心室を通って送り出された量です。同じ血液が体内を繰り返し循環するため、体内にある血液の総量を求めたことにはなりません。左右の心室を足して2倍にする必要もありません。

例題4 音を聞いて手を動かす経路

合図の音を聞き、自分で判断して手を挙げました。耳、大脳、感覚神経、運動神経、筋肉を使い、信号が伝わる基本の順序を説明しましょう。実際の経路の細かな中継は省いて考えます。

  1. 刺激を受け取る器官を決めます。刺激は音なので、出発点は感覚器官である耳です。
  2. 判断する場所までをつなぎます。耳で受け取った刺激の信号は感覚神経を通り、大脳へ伝わります。自分で判断する反応なので大脳を入れます。
  3. 筋肉までをつなぎます。大脳からの命令は運動神経を通って筋肉へ届き、筋肉が収縮して手を動かします。

答えの基本は「耳 → 感覚神経 → 大脳 → 運動神経 → 筋肉」です。脳とせきずいを中枢神経といい、そこから枝分かれする神経を末しょう神経といいます。感覚神経と運動神経は、信号が中枢へ向かうか、中枢から出るかで区別します。

つまずきやすいところと直し方

「胆汁にも消化酵素がある」と考える

誤った考え方は、消化を助ける液ならすべて消化酵素を含む、というものです。胆汁は脂肪を細かい粒にしますが、酵素によって別の物質へ分解するはたらきとは違います。正しくは「胆汁は消化酵素を含まず、脂肪の消化を助ける」と説明します。つくる器官は肝臓、たくわえる器官は胆のうという区別も、名前の似かよりに頼らず押さえます。

「反射では脳に情報が届かない」と考える

誤った考え方は、熱いものから思わず手を引くとき、脳がまったく関わらないとするものです。手を引く命令は大脳の判断を待たずに出ますが、刺激の情報は脳にも伝わり、熱さや痛みを感じます。図3のように、せきずいから筋肉への経路と、脳へ伝わる経路を分けるのが正しい読み方です。

図3 手を引く反射の経路と脳にも届く刺激の情報

図3は手を引く反射の模式図です。反射は刺激に対して無意識に起こる反応で、すべての反射の中枢がせきずいとは限りません。感覚器官には目、耳、鼻、舌、皮膚などがあり、目の網膜では光を、皮膚では圧力や温度などの刺激を受け取ります。「皮膚が熱さを判断する」とせず、刺激を受け取る場所と情報を処理する場所を分けましょう。

「筋肉は縮む力と伸びる力で骨を動かす」と考える

誤った考え方は、1つの筋肉が自力で伸びて骨を押し戻す、というものです。筋肉は収縮して骨を引く力を出し、骨にはけんを介してつながります。骨と骨のつなぎ目である関節をはさんで、対になる筋肉がはたらきます。

正しくは、ひじを曲げるときには主に上腕の前側の筋肉が収縮し、伸ばすときには主に後ろ側の筋肉が収縮します。一方が収縮するとき、他方はゆるみます。骨格は体を支え、脳や心臓などを保護する役割も担います。神経の命令を受けた筋肉の収縮が、骨を動かすことにつながるのです。

練習問題

練習1

デンプンとタンパク質は、最終的にそれぞれ何に分解されて吸収されますか。また、その2種類の物質は柔毛の毛細血管とリンパ管のどちらに入りますか。

練習2

全身から右心房へ戻った血液が、肺を経て左心室に達するまでを答えましょう。肺で酸素と二酸化炭素が移る向きも説明してください。

練習3

左心室が1回に送り出す量を65 mL、1分間の拍動数を80回とすると、1分間に送り出す量は何Lですか。

練習4

手を引く反射の中枢と、血液から尿素などを取り除き尿をつくる器官を答えましょう。

答えと解説

  1. デンプンはブドウ糖、タンパク質はアミノ酸です。どちらも柔毛の毛細血管に入り、まず肝臓へ運ばれます。
  2. 右心房 → 右心室 → 肺動脈 → 肺 → 肺静脈 → 左心房 → 左心室です。肺胞で酸素は空気から血液へ、二酸化炭素は血液から空気へ移ります。
  3. 65 × 80 = 5200 mLで、5200 ÷ 1000 = 5.2 Lです。1回分と1分間分を区別してから単位を直します。
  4. せきずいと腎臓です。尿素をつくる肝臓、尿を一時的にたくわえるぼうこうとも区別します。

次の単元へのつながりと家庭での確かめ方

細胞に養分や酸素が届くしくみは、生物の成長や生命の維持を考える土台になります。また、食物を取り込み、不要な物質を出す流れは、自然界の物質の循環を学ぶときにもつながります。

家庭ではそれぞれ5分以内で、次の2つを確かめられます。まず、ひじを無理なくゆっくり曲げ伸ばしし、反対の手で上腕の前後に軽く触れて、筋肉の硬さがどう変わるか観察します。次に紙へ「肺・心臓・全身」を書き、酸素を受け取る場所と渡す場所を矢印で結びます。熱い物や針で反射を試す必要はありません。

個別指導では、経路を間違えた場合、まず「心房は受け取る部屋」という役割まで戻って確かめます。名前が言えても向きが曖昧なら、矢印を1本ずつ描くところから整理します。

まとめ

答え合わせで器官名が合っていたら、次はその前後の変化を一言添えてみてください。「小腸」には吸収する物質を、「肺」には気体の移る向きを添えると、知識がつながっているかを確かめられます。保護者の方がお子さまの説明を聞く場合も、名前の数より、矢印の理由に耳を向けると理解の様子が見えます。

からだのしくみを説明する力は、器官の名前の先にある「何が、どこからどこへ」を言葉にするところに表れます。


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