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英文法の個別指導で塾が担うこと—単元の診断と戻る順番|武蔵野個別指導塾
解説を聞けば解けるのに、一人では手が止まる。その原因を意味・形・再現に分け、戻る単元の選び方と家庭で確かめる手順を整理します。迷ったノートを使い、復習の入口と元の課題へ戻る条件を具体的に相談できる内容です。

英文法の個別指導で塾が担うこと—単元の診断と戻る順番
「全部やり直す」の前に、止まった場所を見る
よくあるのは、塾の受付で、次回の教材を受け取る際に、保護者がお子さまのノートを開き、「答え合わせの後は全部できているのですが」と相談する場面です。赤で書き直したページはきれいです。それでも翌日の宿題になると、同じような文で鉛筆が止まります。お子さま自身も、何がわからないのかを言葉にできず、「英語は最初から苦手だから」と話を終えてしまいます。
このとき、最初の単元から順にやり直すことが、いつも近道になるとは限りません。語句の意味が取れないのか、文の中心が見つからないのか、説明を聞いた直後だけ形を再現できるのか。同じ空欄にも、違う理由があります。困っている場所を分けずに復習量を増やすと、すでにできる問題と、本当に支援が必要な問題が混ざります。
英文法の個別指導で塾が担うのは、その違いを確かめ、戻る範囲と元の課題へ戻る条件を具体にすることです。お子さまに必要なのは、「基礎不足」という大きな判定より、今日扱う小さな課題です。ここではつまずきを見極める観点、自分でも試せる復習の手順、塾と家庭の役割をつなげて考えます。

正解した単元と、使える単元は重ならないことがある
文法問題の正解には、いくつかの道筋があります。文全体の意味から選ぶことも、直前の解説に似た形を探すことも、選択肢を消して残りを選ぶこともできます。答えが同じでも、持っている知識と使い方は同じではありません。したがって、正答数だけを見て「この単元は終了」とすると、文章の中で使うときのつまずきを見落とします。
単元名は教材を整理するには便利ですが、お子さまの頭の中まで同じ仕切りになっているわけではありません。受け身の問題で止まった理由が、受け身の形そのものとは限らないのです。主語が表すものを取り違えた、時を示す語を読めなかった、動詞の形を思い出せなかった、といった可能性があります。「受け身が苦手」という捉え方だけでは、次に何を練習するかが決まりません。
反対に、用語を上手に説明できなくても、意味に合う文を選び、自分の伝えたい内容を書ける場合があります。用語を言えることだけを到達点にすると、実際に使えている力を小さく評価してしまいます。確かめたいのは、説明を覚えたかに加え、その説明が文を読む判断や書く判断を助けているかです。理解度の確認には短い読み取りと短い作文の両方が要ります。
明示的な指導とは、学ぶ形や使い方を言葉にして示す指導です。韓国の英語教育を扱う40研究のメタ分析では、明示的指導は暗示的指導より効果が大きく、とくに文法と語彙の知識で差が見られました(Maeng・2020)。この結果は、つまずきを見つけた後に必要な規則を短く説明する方針を支えます。ただ問題を追加するだけでなく、何を手がかりに判断するかを一緒に整理する理由があります。
書いた英文を直す場面にも、習熟度に応じた判断が必要です。35研究をまとめたメタ分析では、訂正フィードバックは文法の正確さを中程度に高め、習熟度が効果の違いに関わる最も強い調整要因でした(Lim & Renandya・2020)。正しい形を見せるか、誤りの位置を示して考えてもらうかを、いつも同じにする必要はありません。自力で直すための知識があるかを先に確かめることが、指導を選ぶ出発点になります。
ここで取り上げた根拠は韓国の40研究と訂正指導の35研究の集約であり、英語以外を母語とする海外の学習者を対象にした研究を多く含み、年齢・国・参加人数をそろえた日本の中高生の比較ではないため、お子さまが戻るべき単元までは決められません。そこで授業では、研究から得られる指導の考え方と、目の前の答案から得られる情報を組み合わせます。説明をした後に何が変わったかを確かめ、その結果で次の課題を選び直します。
戻る順番は、学年の順番と必ずしも一致しません。今の問題を解くために欠けている部品へ戻り、補ったら元の問題へ戻る。この往復が基本です。文の意味を読む力、形を選ぶ知識、助けなしで使う力を分けると、「できない」が少し具体的になります。お子さまも、英語全体への苦手意識ではなく、次に確かめる一つの判断に向き合いやすくなります。
自分で試せる、戻る場所を探す復習の手順
最初の3分で、迷った問題を一つ選ぶ
まず、普段使っている教科書、授業のノート、取り組んだ問題集を用意します。新しい教材を増やす前に、直近で間違えた問題か、正解したものの理由を言えない問題を一つ選んでください。解答の書き直しを見る前に、問題だけを別の紙に写します。選択肢がある場合は残して構いませんが、丸や正答を示す印は隠します。
最初の確認では、速さを競わず、考えた跡を残します。解く前に答えが目に入った場合は、そのことも書き添えます。自力で選べた問題と区別しておくと、次に何を確かめるかが明確になります。迷った語には線を引き、決め手になった部分には小さな印を付けます。答えだけを記録すると、正解した理由を後から追えません。「ここまでは読めた」「ここで形が決まらなかった」という境目が、戻る場所を探す材料になります。問題を一つに絞るのは、その境目を丁寧に見るためです。
次の4分で、意味と形を別々に確かめる
選んだ文について、まず「誰が、どうする」「何が、どんな状態か」を日本語で言います。きれいな訳文に整える必要はありません。次に文の中心となる動詞を探し、誰について述べているかを確かめます。最後に、空欄や訂正箇所で迷った形を挙げます。意味が曖昧なまま形だけを選んでいた場合は、この段階で立ち止まります。
たとえば、短い文でも確認する内容は違います。She paints flowers. なら、誰が何をする文かを説明した後で、動詞の形を確かめます。She is tired. なら、動作をしている文なのか、状態を述べている文なのかを考えます。語の意味を調べたら判断できた場合と、語の意味を知っても文の中心がわからない場合では、復習先を分けます。
自分で確かめる問いは、「意味を言えるか」「形を選んだ理由を言えるか」「答えを見ずに書けるか」の三つです。全部を一度に達成しようとせず、それぞれに、できた、迷った、助けが必要、と言葉で記録します。正解でも理由に迷ったなら、その迷いを消さずに残してください。それは次の学習で扱える具体的な情報です。
読み取りの確認では、日本語訳と解答が一致しただけで終えず、文中のどの語からそう考えたかを指します。たとえば時を表す語が決め手だったなら、その語を隠すと判断できるかも考えます。手がかりがなくなれば決められない問題もあるので、無理に答えを出す必要はありません。何が書かれていれば判断できるかを知ることも、文法を読む力の一部です。
5分だけ、必要な説明へ戻る
意味が取れない場合は、まず語句の意味と、主語・動詞の対応を確認します。意味は取れるのに時制が選べない場合は、出来事がいつのことかを整理します。意味も時も説明できるのに動詞の形が出ない場合は、その形の練習へ戻ります。この順番は全員共通の進級表ではありません。自分の問題で、どの判断から止まったかに合わせて選びます。
教材の使い方も目的で分けます。教科書では、その形が使われる短い文と場面を読みます。ノートでは、授業中に示された決め手を一つ探します。問題集では、同じ判断を使う短い問題を選びます。どの教材でも、該当する説明だけを開くようにすると、復習が終わりなく広がるのを防げます。読む範囲を先に決め、読んだ後は必ず閉じます。
説明を自分の言葉で一行にすると、写しただけかどうかが見えます。「主語を見て動詞を決める」と書いたら、どの主語のとき、どの形にするのかまで言ってみます。言葉にできなければ説明をもう一度読みます。用語が思い出せないだけなら、文のどこを見るかを指さしても構いません。判断の手がかりが残ることを優先します。
戻り先を決めるときには、問題の難しさを一つずつ減らす方法も使えます。知らない語の意味を添える、長い修飾部分をいったん外す、文の中心だけにする、という順に条件を変え、どこで判断できるようになるかを見ます。短くすればできるなら、その形を初めて習うところまで戻る必要があるとは限りません。長い文の中で必要な部分を取り出す練習が、次の候補になります。
次の5分で、元の問題と少し違う問題を解く
説明を閉じたら、最初に選んだ問題をもう一度解きます。その後、同じ規則を使う別の短い問題に進みます。最初と同じ答えを覚えているだけかを確かめるためです。問題集の同じページに似た問題があれば利用し、なければ教科書の例文の主語や時を変えてみます。ただし、自分で作った問題の答えに迷ったら、無理に丸を付けず相談用に残します。
たとえば、She paints flowers. で主語と動詞の関係を確かめたなら、They paint flowers. に変えたとき、どこが変わり、なぜ変わるかを説明します。変える場所を一つに絞ると、何を理解したかを確かめやすくなります。主語も時も動詞も同時に変えると、間違えた理由がまた混ざってしまいます。
答え合わせでは、間違いを消して完成した文だけを残す必要はありません。元の答えの横に修正を書き、「主語を見直した」「時の語に気づいた」「形を調べた」と短く添えます。正解を見て直せたのか、自分で気づいて直せたのかも分けます。自分で直せた問題は、最初から正解した問題とは違う形で、学習が進んだ証拠になります。
翌日の3分で、助けなしの状態を確かめる
その日の最後には、次に試す問題を決めて閉じます。翌日は解説を先に読まず、残しておいた問題に取り組みます。解けたら理由を短く言い、迷ったら、前日に使った手がかりを思い出せるかを見ます。思い出せなければ、必要な部分だけを読み直して再挑戦します。前日の理解と、翌日の自力での再現を区別するための確認です。
時間は取り組みを区切る目安です。途中で疲れて考えにくくなったら、「意味は取れた、形は未確認」のように現在地を残して終えて構いません。短く終える日も、次にどこから始めるかが決まっていれば、復習をつなげられます。反対に、長く座っていても、何を確かめたかが残らなければ、次回また同じ所から迷いやすくなります。
確認した後に問題を残す方法も決めておきます。すぐに解けたものは普段の学習へ戻し、理由に迷ったものは次回の確認用に印を付け、説明を読んでも進めないものは相談用に分けます。全ての誤答を毎日解き直すと、相談が必要な問題にも一人で長く向き合うことになります。自分で続ける課題と、助けを借りる課題を分けるところまでが、自習の手順です。
記録は、一つの問題につき「止まった判断」「使った手がかり」「次に試すこと」の三つで十分です。翌日もできなければ、そのまま塾へ持っていきます。一人で戻る範囲を広げ続ける必要はありません。「ここを読んだが、ここから先を選べない」と示せれば、相談はすでに具体的になっています。

個別指導では、戻る範囲と戻り終える条件を持つ
塾が最初に持つべきものは、苦手単元の一覧だけではありません。どの課題で、どんな助けがあれば、どこまでできたかという記録です。同じ誤答でも、語句の意味を伝えるだけで解けた場合と、文の組み立てから説明した場合では、次の授業が違います。理解度の確認は点を付けるためだけに行わず、次に出す問題と説明の量を決めるために行います。
確認する課題は、問題形式を少し変えて用意します。選択肢から形を選ぶ、短い文の意味を説明する、伝えたい内容を短く書く、といった課題です。選択問題は解けても書くと止まるなら、理解の不足だけでなく、形を取り出す練習の不足も考えます。どの形式でも意味を取り違えるなら、形を作る練習の前に、誰が何をしているかを確かめます。
戻る範囲は「中学の最初から」ではなく、扱う判断で示します。受け身なら、動作をする側と受ける側を区別できるかを見ます。そこが曖昧なら、能動文の主語と動詞の関係へ戻ります。意味の関係は説明できるのに形が作れないなら、必要な動詞の形を扱います。現在の単元名だけから復習先を固定せず、短い課題の反応で決めます。
たとえば、疑問文の並べ替えができないとき、塾では先に内容に合う普通の文を組み立ててもらいます。そこでも順序が定まらなければ、文の中心の作り方へ戻ります。普通の文は作れるのに質問の形にすると崩れるなら、変える部分に絞って扱います。同じ「疑問文の復習」でも出発点は異なります。つまずきを見極める問いを一つ挟むことで、復習の分量と説明の焦点が変わります。
戻る必要のない部分も示します。語順は安定している、文の意味は読めている、と伝えれば、お子さまは全てを否定されたように受け取りにくくなります。ただし、励ますために根拠なく「大丈夫」と言うのではなく、実際に解いた文や説明できた箇所を添えます。できていることが具体的なら、復習の範囲を小さくする理由も伝わります。
説明の後は、講師の助けを少しずつ減らして確かめます。最初は見る場所を示し、次は問いかけだけにし、最後は何も示さず取り組んでもらいます。ずっと隣で「ここを見て」と言っていれば、授業中の正解は増えても、自宅で同じように使えるかがわかりません。助けが減っても判断できるかを、授業の中で見る必要があります。
復習の終わりも決めておきます。説明を聞いた直後に同じ問題が解けたことだけでは、元の課題へ戻る判断は急ぎません。語句を変えた文でも意味と形を結び付けられるか、次の授業で解説なしに取り組めるか、その知識を元の読解や作文で使えるかを確かめます。毎回全てを同じ日に求めず、次に確かめる項目を明確にして進めます。
予定どおり進まなかったときの扱いも、塾の責任に含まれます。動詞の形を練習しても元の問題で変化がなければ、意味の取り違えが残っていないかを見直します。練習をさらに足す前に、最初の見立てが適切だったかを点検するのです。戻る順番は一度決めたら守り続ける予定表ではなく、答案の変化を見ながら修正する学習の道順になります。
塾が持つのは、理解度の確認、課題の選定、説明と訂正、再確認、計画の修正です。家庭が持つのは、取り組む場所と時間を相談し、実際に取り組めたか、どこで負担が増えたかを伝えることです。保護者が英文法の解説を引き受ける必要はありません。お子さまが「授業ではできたのに」と困ったら、その違いを塾に届けるだけでも、次の確認に役立ちます。
家庭学習が進まなかったときも、まず分量と課題の入り口を見直します。最初の問題から一人では着手できなかったのか、始められたが時間が足りなかったのかで対応が違います。前者なら授業とのつながりを、後者なら課題の量や区切りを調整します。提出の有無だけを確認して終えると、指導側が直せる条件までお子さまの意欲の問題にしてしまいます。
進み具合の連絡には、扱った単元名に加えて、判断の変化を載せます。「主語を示せば動詞を選べる状態から、自分で主語を見つけて選ぶ状態へ進んだ。次は文章の中で同じ判断を確かめる」という形です。これなら、保護者も授業のページ数以外の変化を捉えられます。まだ助けが必要な点も、次の課題と一緒に伝えれば見通しになります。
連絡を受けた家庭からは、「翌日は自分で始められた」「説明を開いたまま取り組んだ」「問いの意味がわからず止まった」といった事実を返してもらいます。保護者がお子さまの理解を判定し直す必要はありません。授業で観察した姿と家庭での姿が違うとき、その差を次の確認に使います。課題を持ち帰って終わりにせず、家での取り組みが次の授業の選び方に反映されることが、連絡の役割です。
相談の際は、きれいに清書したノートより、最初の答えと迷った跡の残る紙が役立ちます。間違いを責める材料ではなく、何を省き、何を説明するかを決める材料になるからです。お子さまにも記録を見てもらい、「次はここを一人でできるようにする」と合意します。計画が講師だけのものにならず、自分の学習として説明できる形を目指します。
英文法の個別指導について、よくある疑問
Q. 基礎が弱いなら、最初のページから全部やり直すべきですか
広い範囲で文の意味や形が結び付いていない場合は、まとまった復習が必要なこともあります。ただ、現在の誤答だけで、その範囲までは決められません。短い読み取りや作文で確かめ、できている部分と助けが必要な部分を分けます。復習を始める前に、どこへ戻る理由があるのか、何ができたら元の課題へ戻るのかを確認してください。目的が見えると、前の単元を扱う時間も現在の学習につながります。
Q. 解説を聞くとわかるのに、家で解けないのは集中力の問題ですか
その様子だけから、集中力が原因とは決められません。授業中は講師の問いかけや解く順番が手がかりになり、自宅ではその手がかりがなくなることがあります。塾では説明を閉じ、助けを減らして取り組む時間を設けます。家庭では、どこまで自力で進み、何を見たら再開できたかを残してください。「また忘れた」という一言より、止まった箇所が伝わる記録の方が、次の授業を変える材料になります。
Q. 復習すると、学校で進む内容に追いつけなくなりませんか
現在の課題と無関係に戻る範囲を広げると、両方が負担になります。そこで、今の学習で必要な判断を補う復習と、現在の単元に触れる学習をつなげます。今の問題が解きやすくなったかを途中で確かめ、変化が乏しければ戻り先を見直します。宿題も、新旧の課題をただ足すのではなく、何を減らすかまで塾と相談してください。復習したページ数だけでなく、元の課題で使えたことが、進み方を考える目印になります。
次の一問に、戻った理由が見えるようにする
英文法の復習では、古い単元へ戻ること自体を目標にしないようにします。今の課題のどの判断を助けるために戻るのかが見えれば、お子さまも学び直す意味を持てます。説明を読んだ、問題を解いた、その後に助けなしで使えた。この違いを小さく記録することから、次の一問の選び方が変わります。
武蔵境で英文法の個別指導を考えるときは、苦手な単元名に加えて、実際に手が止まった問題を相談の入り口にしてください。武蔵野個別指導塾への相談でも、答えとともに残った迷いが、戻る場所を考える手がかりになります。「主語を見直したら、止まっていた問題が解けた」と、お子さまが戻った理由を話せる。復習で補った判断が元の課題に届き、学び直した箇所と今の学習が一本の道でつながります。
参考文献
- Maeng(2020)Modern English Education。明示的指導と暗示的指導を比較した40研究のメタ分析。 https://consensus.app/papers/details/1d51f813264e5a9da03419d6897784e3/
- Lim & Renandya(2020)。書いた英文への訂正と文法の正確さを扱う35研究のメタ分析。 https://consensus.app/papers/details/866c5fde73635e3cae1a001589b62a1d/
本気になった日が、入塾の日。
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