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文法を読解に使う—主語と動詞を見つける|武蔵野個別指導塾
単語の意味は知っているのに英文を読み違えるときは、主語と動詞の組み合わせを確かめます。主語を囲んだ後に説明を戻し、段落の内容まで言い直す手順で、読み違いを本文の根拠から点検できます。

文法を読解に使う—主語と動詞を見つける
単語は読めるのに、話の中身が入ってこない
よくあるのは、通学電車で降車駅の案内を聞き、お子さまが英語の読み物を閉じ、「単語はだいたい知っていたけれど、誰の話かわからなくなった」とつぶやくという場面です。保護者が途中の文を指すと、単語の意味は答えられます。文法の問題集でも、空欄に入れる動詞は選べます。それでも、つながった文章になると、登場人物の行動が入れ替わったり、説明を主張だと思ったりします。
そんなとき、知らない単語を全部書き出すだけでは、読み違いの出発点が残ることがあります。必要なのは、覚えた文法を、目の前の文の意味を決めるために使う練習です。その入口になるのが、主語と動詞の組み合わせを見つけることです。
ただし、主語に線を引けば読解が終わるわけではありません。「何について、何を述べているのか」をつかみ、その理解を前後の文につなぐところまで進みます。読み終えたページ数だけでは見えない、小さな読み違いの直し方から考えていきましょう。

文法の知識が、読むときに働かない理由
文法問題では、考える場所があらかじめ絞られています。空欄の前後を見て、習った規則を当てはめれば答えに届く問題もあります。一方、読解では、どの単語同士を結び付けるかという判断から始まります。単語の意味、文の形、前の文の内容に注意を向けながら読むため、規則を説明できても、その場で使う場所を見つけられないことがあります。
入力処理という考え方は、学習者が読んだり聞いたりした言葉の形を、意味とどう結び付けるかに注目します。形と意味を結ぶ入力活動が文法の取り込みを助けるとする理論は、読む練習を考える手がかりになります(VanPatten・1997)。たとえば、動詞を見つける課題なら、正しい語を囲むだけでなく、その動詞が表す行動や状態を誰に結び付けたかまで確かめます。文法の名前を答える練習から、意味を選び取る練習へ、問いを変えるのです。
主語は「その文で何について述べるか」を示すまとまりです。動詞は、行動だけでなく、状態や変化なども述べます。主語を「行動する人」とだけ覚えると、人以外が主語になる文や、受け身の文で困ります。また、動詞らしい形が見えるたびに文の中心だと決めると、名詞を説明している部分と、文全体で述べている部分を取り違えます。
“The girl near the windows reads quietly.”では、主語のまとまりは「窓の近くにいる女の子」、中心の動詞は「読む」に当たる語です。「窓」という複数の名詞が動詞の近くにあっても、読むのは窓ではありません。近い単語同士を結ぶのではなく、どこまでが主語を説明しているかを見ます。動詞の直前だけを探す読み方から抜け出すための、短い練習になります。
“The book I borrowed was interesting.”には、借りたという内容と、おもしろかったという内容があります。文全体で述べているのは本の感想です。「私が借りた」は、どの本かを説明しています。主語と動詞の組が複数ある文では、それぞれの組がどの範囲を受け持つかを見分ける必要があります。知っている名詞と動詞を順に訳すだけでは、説明の中に入ったまま、文全体の話を見失うことがあります。
一方で、読む時間のすべてを文の分解に使う必要もありません。多読を扱った34研究、計3,942名のメタ分析では、多読を行う群と比較群の差について、効果量d=0.46が報告されています(Nakanishi・2015)。ここで参照する第二言語学習研究の多くは英語以外を母語とする海外の学習者を対象としており、多読を扱った集計の結果から、日本の中高生が主語と動詞に印を付ける練習の効果まで直接導くことはできません。文の仕組みを確かめる時間と、意味を追って読み進める時間の両方を用意する方針につなげましょう。
短い文から段落へ進む、今日の練習
最初は、すでに授業で扱った短い文章を使ってください。内容を知っている文章なら、話の見当を付ける負担を抑えて、文の組み立てに目を向けられます。準備するものは、本文、解説や訳、書き込み用の紙です。解説は伏せておきます。色分けを増やすより、主語には下線、中心の動詞には丸、説明のまとまりには括弧というように、印の役割を決めます。
今日の練習は、準備に2分、文の確認に5分、段落を読む時間に5分、振り返りに3分という区切りで始められます。これは取りかかりやすくするための練習案です。難しい文に出会っても終了時刻を延ばし続けず、その文に印を残して次の授業で尋ねます。短い時間でも、どこを自分で判断し、どこで止まったかが残る形にしましょう。
手順1は、文全体を一度読んでから、中心の動詞の候補を探すことです。 最初から単語を細かく区切らず、誰や何の話かを大まかにつかみます。その後、時制を表す動詞や、助動詞を伴う部分に注目します。進行形や受け身などでは、意味を表す語だけを切り離さず、動詞のまとまりとして見ます。否定の語があれば、それも含めて意味を確かめます。
“The students have not finished their work.”なら、完了を表す助動詞、否定の語、過去分詞をまとめて確かめます。「生徒たちは作業を終えた」と読むと、否定が抜けています。「まだ終えていない」と言えたら、本文のどこがその意味を支えているかを指します。動詞を一語だけ見つけて終わらず、時制や否定を含めた内容へ戻る練習です。
ここで使う教材は、習った文法が入っている短文です。解説の詳しさも選ぶ目安になります。正解の訳しか載っていない場合は、なぜその語が中心なのかを授業で補ってもらえるよう、迷った場所を残します。すべての動詞らしい形に同じ丸を付けると、かえって関係が見えなくなるので、中心の候補が決められない文には疑問符を付けておきます。
手順2は、その動詞に対応する主語のまとまりを探すことです。 「誰が、何が、その行動や状態に結び付いているか」と尋ねます。中心になる名詞だけでなく、その名詞を説明する部分を含めて、どこまでが主語かを確かめます。まず短い骨組みを言い、次に説明を足すと、読み違いを探しやすくなります。先ほどの窓の文なら、「女の子が読む」を押さえてから、女の子の位置と読み方を戻します。
ただし、主語を動作主と同じものにしないことが肝心です。“The window was broken by a boy.”では、主語は窓ですが、割る行為をしたのは少年です。主語と動詞のまとまりを押さえたら、「何がどうなったか」と「誰がそうしたか」を分けて答えます。この答え分けによって、印は正しく付いたのに、意味は逆に受け取っているというずれを見つけられます。
疑問文や命令文に出会ったら、平叙文と同じ位置に主語があると決めつけないようにします。疑問文では助動詞などが主語より前に出ることがあり、命令文では相手を表す主語が通常は書かれません。「文の最初の名詞が必ず主語」という探し方を続けると、こうした形で行き詰まります。最初の練習では平叙文を中心にし、慣れたら既習の疑問文と命令文を加えましょう。文の種類を確かめてから、誰について何を尋ねているか、誰に何を求めているかを言います。書かれていない主語を無理に探すより、文が果たしている役割まで確かめることが必要です。
手順3は、説明のまとまりをいったん括弧に入れ、あとで戻すことです。 名詞の後ろに続く説明などで中心が見えにくいときに使います。括弧は、そこを読まなくてよいという意味ではありません。文全体の骨組みを見つけるために、扱う順番を一時的に変える印です。説明を戻した後、「どの人か」「どんな物か」「いつのことか」が最初の理解からどう詳しくなったかを言います。
借りた本の文なら、まず「その本はおもしろかった」を確かめ、次に「私が借りた本だった」と戻します。そのうえで、借りたのは誰か、おもしろかったのは何かを別々に答えます。主語と動詞の組を正しく囲めたことと、その組が表す内容を理解したことを、同じ答え合わせで確かめられます。括弧が増えすぎたら、もっと短い文へ戻ってください。
手順4は、文の前半と後半の関係を確かめることです。 “When the rain stopped, we left.”では、雨がやんだという出来事と、私たちが出発したという出来事があります。どちらにも主語と動詞の組がありますが、前半は後半が起きた時を示します。主語と動詞を拾ったら、二つの内容が並列なのか、理由なのか、条件なのかと問い直します。すべてを「そして」でつなぐと、文章が伝える関係を変えてしまいます。
手順5は、印を付けた文を段落へ戻して読むことです。 文だけを抜き出して終えると、誰を指す代名詞か、なぜその出来事が述べられたかが置き去りになります。前後の文を含めて読み、同じ人物が続くところと、話の中心が変わるところを確かめます。「この段落は何について、何を伝えたか」を日本語で短く言ってください。全文の訳を再現する必要はありませんが、誰の行動なのかは省かずに言います。
段落の説明が曖昧になるときは、登場する人物や物を紙の左側に書き、その横に本文が述べる行動や状態を短く並べてみます。同じ人物を指す代名詞は、新しい人物として増やさず、元の名前に結び付けます。そのうえで、出来事の順序や理由を言葉でつなぎます。本文に書かれていることと、自分が想像して補ったことを混ぜないために、それぞれの説明がどの文に対応するかを確かめてください。文ごとの主語は取れたのに話がまとまらない場合には、この整理が、文をまたいで見直す場所を示します。内容を説明できた後は紙を閉じ、本文だけでも同じつながりを追えるか読み直します。
練習後の答え合わせにも順番があります。まず、自分が付けた印と解説を比べます。次に、意味を取り違えた原因を探します。最後に、印のない本文でもう一度内容を言います。訳が自然に聞こえたという理由だけで正解にせず、その訳を支える主語と動詞が本文にあるかを指で示してください。本文を指せないときは、話の流れから当てた可能性が残ります。
教材は3つの役割で使います。教科書では既習の短文を取り出し、主語と動詞に印を付けたあと、元の段落へ戻して意味をつなぎます。長文問題集では同程度の未読の段落を選び、訳を覆ったまま人物と行動の関係を説明します。スラッシュ用ノートには迷った文だけ写し、意味のまとまりの境に斜線を入れ、解説と照合したあと斜線なしでも読めるか試します。単語ごとに切らず、主語の説明や動詞のまとまりを途中で分断していないかを見てください。読む量を増やす日には、理解に余裕のある文章を選び、迷わない文への書き込みを省きます。
自分で確かめる観点も、分けて持つと役立ちます。「誰がどうしたかを言えるか」「その根拠を本文で指せるか」「印や訳を隠しても言えるか」の3点です。さらに、別の文でも同じ説明ができれば、その判断を持ち運べたことになります。できなかった場合は、文章全体に苦手の印を付けず、主語の範囲、動詞のまとまり、文同士の関係のどこで迷ったかを記録します。
ノートには、長い反省を書く必要はありません。「近くの名詞を主語にした」「受け身なのに行動する側だと思った」「説明の中の動詞で止まった」と、次に見る場所が決まる短い言葉を残します。振り返りの時間には、そのメモを見て、次回の注意点を一つ選びます。「もっと集中する」だけで終えるより、読む最中に取り出せる合図を作れます。

個別指導では、読み違えた道筋を一緒に確かめる
個別指導で最初に見るのは、正答か誤答かだけではありません。お子さまに短い文を読んでもらい、どこを主語だと考え、何を動詞として受け取ったかを聞きます。同じ不自然な訳でも、単語の意味を知らなかった場合と、説明の範囲を取り違えた場合では、戻る場所が違います。答えを直す前に、本人の読み方が見える時間を取ります。
塾が持つのは、この原因の切り分けと、次に取り組む文の選択です。主語が長くなると迷うお子さまには、まず説明部分が短い文を用意します。動詞のまとまりを途中で切るお子さまには、時制や受け身など、必要な形へ戻ります。主語と動詞は取れるのに段落の説明ができない場合は、代名詞や接続表現へ焦点を移します。毎回すべての文法を復習すると、当面の課題がぼやけてしまいます。
指導の場では、講師が初めから正しい線を引くと、その線をたどる作業だけが残りがちです。そこで、まずお子さま自身に判断してもらいます。迷ったときも、すぐに主語を教えるのではなく、「その動詞で述べているのは何のことか」「今読んでいる部分は何を説明しているか」と、確認する場所を絞ります。答えを聞く前に考え直せた箇所を、次の課題に反映させます。
説明を受けた直後に読めた文と、助けなしで読めた文は、記録を分けます。授業の終わりに似た構造の別の文を出し、同じ手順を使えるかを見ます。次の授業では、印を付けるように言わずに読んでもらい、迷ったところで自分から構造を確かめるかも見ます。主語と動詞を探す技術を、課題として指示された場面から、必要な場面で選べる技術へ育てます。
進み具合は、「主語を見つけた数」だけで表さないようにします。短い主語なら自力で読めるのか、説明が入っても対応する動詞へ戻れるのか、受け身でも人物関係を逆にしないのかを残します。さらに、文単位の理解が段落の説明に使えたかを確認します。問題の難しさが変われば正答数も変わるため、どんな助けが必要だったかを添えると、前回との違いが伝わります。
保護者への連絡は、読解に合わせて「読み違いが起きた場所」「授業で使えた手がかり」「次に自力で確かめること」をつなぎます。たとえば、主語の説明部分を短く示すと中心の動詞を選べたなら、その支えがあったことまで伝えます。「長文が苦手でした」「文法を復習しました」だけでは、家庭で何を待てばよいかが見えません。変化を確かめる場所が絞られていれば、次の連絡にも続きができます。
家庭が持つのは、学習する時間と、止まった場所を持ち帰れる余地です。保護者がすべての訳を調べて採点する必要はありません。本人が選んだ文について、「誰の何の話だったの」と尋ね、話せたら本文のどこでそう読んだかを示してもらいます。説明が止まったら、該当箇所に印を付けて塾へ渡します。問い詰めずに終えられる形にしておくと、わからない文を隠す理由を減らせます。
家庭からの共有も、長い報告でなくて構いません。「動詞は囲めたが、誰の行動かで止まった」「訳を見る前には説明できなかった」など、観察できたことを一つ添えてください。塾はそれを手がかりに、知識の不足なのか、判断する順番の問題なのかを授業で確かめます。家庭に文法の診断まで求めず、教材の調整と説明の責任は指導する側で持ちます。
課題の量を増やす判断にも、この記録を使います。印を付ければ説明できる段階なら、同じ難しさの文で印を減らす練習を続けます。印なしで文の内容を説明でき、段落の中でも人物関係が保たれるなら、説明部分の長い文を少し加えます。長くした途端に崩れる場合は、短い文に戻したときには何ができるかを確認します。一度つまずいたことだけで、学習全体が後退したと決めないためです。保護者にも、今回は文が長くなったために助けを増やした、と課題の条件を伝えます。お子さま自身が「どこまでは一人で読めるか」を言えるようにすると、難しい文章に向かう際にも、頼る箇所を選びやすくなります。
読めるようになってきたら、塾は支えを少しずつ減らします。最初は主語の範囲を一緒に区切り、次は本人が区切って説明し、最後は必要な文だけに印を付けます。簡単な文にも毎回細かい分析を求め続けると、読む目的より印を完成させることが前に出ます。意味を追って進める時間を確保し、困ったときに文法へ戻れる状態を目指します。
武蔵境で学習の相談をするときも、答案の点だけでなく、お子さまが途中まで書き込んだ本文が手がかりになります。消していない丸や括弧には、どこで判断が分かれたかが残っています。きれいに直したノートしか見せられないと思わず、迷いの跡ごと扱えることが、読む練習を組み直す入口になります。
主語と動詞を探す練習についてのQ&A
Q1. 文法用語を全部覚えてから長文に進むべきですか。
必要な用語を、実際の読み方と結び付けて増やしましょう。「主語」「動詞」「説明のまとまり」が指す場所を本文で示せるなら、短い文章で練習を始められます。用語の説明だけを暗記しても、どの語を結び付けるかの判断は別に練習する必要があります。逆に、用語を一切使わずに進めると、どこで迷ったかを伝えにくくなります。今読んでいる文に必要な言葉を使い、その言葉で何が確かめられるかまで押さえてください。
Q2. 主語と動詞が見つかれば、知らない単語は飛ばしてよいですか。
文章の要点が変わる単語かどうかで判断します。骨組みが取れても、中心の動詞の意味を逆に覚えていれば、出来事の理解は変わります。まずわかる範囲で誰と何が関係するかを押さえ、要点を決める語は調べてください。細かな描写なら読み進めてから戻れる場合もあります。構造を使う利点は、単語を調べなくて済むことではなく、何を調べると理解が進むかを選びやすくなることです。語彙と文法を別々の原因として確かめます。
Q3. 線を引くと遅くなるので、速く読む練習だけでよいですか。
意味を正確に取れる文では、線を省いて読み進めて構いません。一方、同じ種類の文で人物関係を取り違えるなら、その部分だけ立ち止まって確かめます。練習では印を使って判断を見える形にし、次に印なしで読む段階を設けてください。速さを見るときも、読み終えた後に段落の内容を言えるかを合わせて見ます。目が行末まで進んだことと、話がつながったことを区別すれば、急ぐ前に整えたい部分が絞られます。
読み直す場所がわかると、次の文章へ進める
文法を読解に使うとは、文法の名前を文章の上に並べることではありません。主語と動詞を結び、説明を戻し、前後の文との関係を確かめて、書かれている内容を受け取ることです。今日読む文のうち、意味に迷った一文を選び、「何について、何を述べた文か」を言ってみてください。止まった場所は、次の練習を決める材料になります。
保護者がお子さまの変化を見るときも、読む量に加えて、読み違いに気付いた後にどこへ戻れたかに目を向けてみてください。「読むのは窓ではなく女の子」と本文のまとまりをたどれれば、取り違えた関係を修復できます。自分の読みを本文の言葉で確かめ直す力は、初めての文章にも持ち運べる道具です。
参考文献
- VanPatten(1997)入力処理と、形と意味を結び付ける文法指導の理論。 https://consensus.app/papers/details/b9e49ef8d43856ae95718b2c3f017660/
- Nakanishi(2015)多読の効果に関するメタ分析。TESOL Quarterly。 https://consensus.app/papers/details/9076e79f88295a089e1ab4c1996df078/
本気になった日が、入塾の日。
お子様の教育、迷ったら「丸投げ」してください。必ず、期待以上の結果で返します。武蔵野で育む、武蔵境で学ぶ。
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