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学校推薦型選抜の人数制限と校内選考—公募でも推薦がもらえないことはあるか|武蔵野個別指導塾

公募推薦でも校長の推薦がなければ出せず、大学が1校あたりの人数を決めていれば高校の中で選ばれることがあります。出願資格の欄で上限を読み、外れたときの総合型と一般選抜の道まで先に並べておけます。
公募推薦でも、推薦がもらえないことはあります。学校推薦型選抜は出身高校の校長が推薦して初めて願書を出せる入試で、本人が受けたいと思うだけでは出願の入口に立てません。さらに、大学が募集要項に「1つの高校から推薦できる人数」を書いていれば、希望者がその数を上回った高校では、校内で誰を推薦するかを選ぶことになります。2027年度入学者選抜(令和9年度)の公募推薦は、2026年11月1日から出願の受付が始まっていて、高3にとってはいま目の前で動いている話です。
| 推薦を左右するもの | 中身 | 確かめる所 |
|---|---|---|
| 校長の推薦 | 推薦が無ければ出願できない | 高校(担任・進路指導) |
| 高校ごとの上限 | 置くかどうかと人数は大学が決める。全国共通の数は無い | 募集要項の出願資格(推薦要件)の欄 |
| 1人あたりの推薦の数 | 国公立は1年に1つの大学・学部。私立は大学と高校の決まりしだい | 両協会の実施要領・募集要項・高校 |
| 校内で選ぶ基準と時期 | 高校が決める | 高校の進路の案内 |
よくあるのは、同じ大学を志望する友人と廊下ですれ違う朝、という場面です。進路指導室の前の掲示板に、公募推薦の校内の申し込みの締切が貼り出されています。募集要項の出願資格の欄の端には、1つの高校から推薦できる人数が小さな字で書かれていました。友人が同じ学科を考えていることは、夏の面談の帰りに聞いて知っています。「おはよう」とだけ言って、二人とも掲示板の話はしません。推薦は、大学の門より先に、毎日歩く校舎の中で一度ふるいにかけられる入試です。
公募推薦でも、校長の推薦がなければ出願できない
「公募」という言葉から、条件さえ満たせば自分の判断で出せる入試を思い浮かべる人は少なくありません。けれども公募推薦の「公募」は、大学が出身校を指定せず、どの高校からの推薦でも受け付けるという意味です。出願の入口には、どの場合でも出身高校の校長の推薦が立っています。
2027年度入試に向けて文部科学省が出した令和9年度の実施要項を開くと、学校推薦型選抜は、校長の推薦を土台にし、調査書を中心の資料に据えて評価する入試として書かれています。続けて要項は、この入試を、志願者の意志だけでは出せず、その大学・学部で学ぶにふさわしい力と意欲があるかを校長が見きわめる仕組みだと説明します。だから大学には、推薦の要件をできるだけ具体的に決めて募集要項に載せるよう求めています。同じ文部科学省のQ&Aには、学校推薦型選抜を「学校長の推薦がなければ受験できない」入試と言い表した答えもあります。
推薦は口約束ではなく、紙に残ります。要項に載っている推薦書のイメージ例には、学校名と校長名の欄があります。推薦理由の欄に入るのは、大学の求める学生像(アドミッション・ポリシー)に照らして、本人がこれまで何を学び何に打ち込んだかから見た学力の三要素の評価です。高校は名前を貸すのではなく、評価を書いて大学へ差し出す立場に立ちます。評価を書けるだけの材料がそろわない生徒について、高校が推薦を見送ることは起こりえます。
総合型選抜は、この入口の形からして違います。同じ要項は総合型を、志願者が自分の意志で出願できる公募制の入試として位置づけています。図1のように、総合型は出すかどうかを本人が決めて大学へ向かい、公募推薦は途中に「校長の推薦」という関門が一つ挟まります。推薦がもらえるかどうかという不安は、ちょうどこの一つの関門から生まれています。

人数制限は2つの向きで読む——高校ごとの上限と、1人あたりの数
「学校推薦型選抜 人数制限」と調べる人の悩みには、向きの違う二つの決まりが混ざっています。一つは、1つの大学に同じ高校から何人まで推薦できるかという、高校ごとの上限です。もう一つは、1人の生徒がいくつの大学に推薦してもらえるかという、1人あたりの数です。図2のように、二つは決める人も、読む書類も違います。
高校ごとの上限は大学が決めます。1校から推薦できる人数には、文部科学省の要項にも両協会の要領にも数の決まりがありません。上限を置くかどうかも、置くなら何人にするかも、大学が推薦の要件の一つとして決めて募集要項に書きます。数は大学ごと、年ごとに違い、全国共通の目安はありません。読むのは募集要項の出願資格(推薦要件)の欄で、拾う点は三つです。上限があるか。あるなら、大学全体・学部・学科のどの単位で数えるのか。同じ大学の別の推薦の区分と人数を合わせて数えるのか、別々に数えるのか。ここを曖昧にしたまま校内の申し込みに進むと、自分の希望が上限の内側にあるのか外側にあるのかを読み違えます。
計算そのものは単純です。たとえば募集要項に「1校につき2人まで」とあったとして、同じ高校で3人が同じ学科を希望すれば、少なくとも1人は推薦を受けられません。反対に、上限が書かれていないか、希望者が上限の数に収まっていれば、人数を理由に外れることはありません。
1人あたりの数は、国公立と私立で決まり方が違います。国立大学協会と公立大学協会の2027年度の実施要領は、どちらも、1人の志願者が1つの年度に受ける推薦を、共通テストを課すものと課さないものを合わせて1つの大学・学部に限っています。要領が認めている例外は、同じ大学・学部の同じ募集単位で、共通テストを課さない推薦に不合格だった人を、その後の共通テストを課す推薦に推薦し直す場合です。国立と公立をまたいで2つの推薦を受けられるかは、どちらの要領にも書かれていないので、出身高校と大学の募集要項で確かめます。私立では、専願か併願可かを大学が募集要項に書き、何校まで推薦を出すかには高校の扱いも関わります。

上限を超えると校内選考になる——公募推薦で高校に聞く4つのこと
希望者が上限を上回れば、高校の中で誰を推薦するかを決めます。これが公募推薦での校内選考です。指定校推薦にも同じ呼び名の手続きがありますが、ここで扱うのは、大学が決めた人数の枠を高校の中で割り振る場面に限ります。
学校推薦型選抜の校内選考の基準と時期は、高校が決めます。文部科学省の要項にも、国立大学協会や公立大学協会の要領にも、高校の中での選び方の決まりは書かれていません。先輩の年にどう決まったかを聞いても、今年の自分の高校に当てはまるとは限らないということです。確かめる相手は、担任と進路指導の担当です。
聞くことは四つに絞れます。
- 校内の申し込みの締切と、出す用紙。推薦書と調査書は高校が用意する書類なので、校内の締切は大学の出願の締切より前に置かれます。大学の締切だけを手帳に書いていると、校内の締切を見落とします。
- 選ぶときに何を見るのか。高校が示している範囲で、そのまま聞きます。示されていないことを推し量って動くより、示されていることを正確に聞くほうが速く確かです。
- 結果がいつ出るのか。外れたときに次の手を打てるかどうかは、この日付で決まります。
- 外れたとき、同じ年にほかの大学の推薦へ回れるのか。国公立は1人1年に1つの大学・学部なので、外れた大学のかわりに別の国公立を頼むなら、その大学の出願期間と高校の手続きに間に合うかが問題になります。私立をいくつ頼めるかは、高校の扱いしだいです。
高2のうちなら、高校の進路の資料や説明会で、例年いつ頃に校内の申し込みがあるのかを聞いておけます。来年度の要項はまだ出ていないので、来年の数字は来年の要項で確かめるしかありません。それでも申し込みの時期の見当がつくだけで、夏休みに志望理由と活動の記録をまとめておく段取りが組めます。
公募推薦をもらうには——大学の要件と高校の判断の両方にそろえる
学校推薦型選抜で推薦をもらうには、二本の線を同時に越える必要があります。一本は大学が募集要項に書いた出願資格の線、もう一本は高校が推薦を出せると判断する線です。
大学の線は、読めば見えます。要項によれば、大学は重く見る教科や科目を名指しして、その単位を取っていることや評定が一定の水準に届いていることを、出願の条件に組み込めます。全体の評定平均だけでなく、特定の教科の条件、資格や検定の条件、卒業見込みであることなど、出願資格は何行にもわたって並んでいることがあります。1行でも欠ければ、校内の申し込みの前に止まります。評定の基準は大学ごとに違い、他人の数字は物差しになりません。手元の募集要項の出願資格の欄に、自分の数字を一つずつ書き込んで照らしてください。
高校の線は、読むだけでは見えません。ただ、推薦書の推薦理由の欄に何が入るかを思い出すと、準備の向きは決まります。そこに入るのは、求める学生像と結びつけて、本人の学びと活動の歩みを評価した文です。なぜその学部なのか、高校で何に取り組んできたのかを高校が知らなければ、その評価は書けません。調査書についても、要項は大学に、各教科の学習成績の状況の欄だけでなく、ほかの記載事項まで生かすよう求めています。
だから、推薦をもらうために本人ができることは具体的です。志望理由の下書きを、校内の締切より前に担任へ見せておく。活動の記録を、日付と役割と続けた期間が入った形にまとめて渡す。アドミッション・ポリシーのどの一文に自分が重なるのかを、自分の言葉で言える状態にしておく。2027年度入試の要項は、推薦でも志望する分野への意欲と適性を面接で評価することを原則にしました。書類に書いたことを自分の口で説明できるかどうかは、高校が推薦を決める前にも、大学の面接の日にも効いてきます。面接の扱いは、募集要項の評価方法の欄で区分ごとに確かめます。
推薦がもらえないときの道——総合型・一般選抜・別の大学
校内で外れた、あるいは高校が推薦を出せないと判断した。学校推薦型選抜の推薦がもらえないとわかった日は、落ち込む時間を一晩と決めて、翌朝には暦を開きます。道は三つあります。
一つ目は総合型選抜です。校長の推薦が要らないので、調査書などの書類は高校に頼むとしても、出すかどうかは自分で決められます。ただし総合型は、出願の受付が2026年9月1日以降、合否の発表が11月1日以降に始まる入試です。11月の時点でまだ出願期間が残っているかは区分ごとに違うので、大学ごとの募集要項で一つずつ確かめます。総合型でも面接による評価が原則になったので、推薦のために書いた志望理由と活動の記録は、そのまま土台に使えます。
二つ目は一般選抜です。私立の一般選抜は、大学ごとの出願期間を自分の表に並べ直します。国公立の一般選抜には共通テストが要ります。2027年1月の共通テストは、願書の受付が2026年9月15日に始まって10月2日に締め切られており、11月になってから新しく申し込むことはできません。すでに出願を済ませていれば、国公立の一般選抜の願書は2027年1月25日から2月3日の間に出します。
三つ目は別の大学の公募推薦です。人数の上限が置かれていない区分や、まだ出願期間の残っている区分を探します。国公立は1人1年に1つなので、別の国公立に推薦を頼むなら、その大学の出願期間と、高校がもう一度推薦の手続きを組めるかが鍵になります。私立の推薦は、専願か併願可かを募集要項で読み、高校の扱いを担任に確かめます。
どの道を選ぶにしても、推薦を当てにして止めていた教科の勉強は、この日から戻します。外れたのは、その大学への関門の一つが閉じたということで、あなたの3年間の評価が終わったということではありません。
よくある質問
評定の条件を満たしていれば、公募推薦は必ずもらえますか
いいえ。募集要項の出願資格は、大学が願書を受け付ける最低の線です。その線を越えたうえで、校長が推薦するかを判断し、大学が高校ごとの上限を決めていれば、校内で選ばれることも要ります。条件を満たしているとわかったら、次は担任に校内の申し込みの手順を聞いてください。
同じ大学を志望する友人がいると、どちらかしか推薦されないのですか
そうなるのは、上限が決まっていて、同じ高校の希望者がその数を超えたときです。上限が置かれていない場合や、希望者が上限に収まる場合は、人数の面では二人とも推薦を受けられます。何人が同じ大学を希望しているかは本人には見えないので、推し量るより、校内の申し込みを期限までに出すことを先にしてください。
校内で選ばれなかったら、その年はもう推薦を受けられませんか
そうとは限りません。外れたのはその大学への推薦で、別の大学の公募推薦なら、出願期間が残っていて高校が推薦の手続きをできる限り、道は残っています。国公立は1人1年に1つの大学・学部と決まっているので、どこに推薦を使うかを担任と決め直します。
人数制限が募集要項に見当たらないときはどうしますか
出願資格(推薦要件)の欄、出願書類の欄、推薦書の様式の注意書きの順に読み直します。それでも見つからなければ、大学の入試の窓口に問い合わせて確かめます。書いていないことを「制限なし」と決めつけず、返ってきた答えを担任にも伝えておくと、校内の手続きが早く進みます。
確かめる順番
今週やることを順に並べると、図3のようになります。
- 募集要項の出願資格(推薦要件)の欄を開き、高校ごとの上限の有無と、数える単位を書き写す。評定や資格の条件の横には、自分の数字を並べて書く。
- 担任と進路指導の担当に、校内の締切と用紙、結果が出る日を聞く。大学の出願の締切と並べ、その間に何日あるかを数える。
- 推薦書の材料として、志望理由の下書きと活動の記録を、校内の締切より前に高校へ渡す。
- 外れたときの道を先に並べる。総合型の出願期間が残っている大学、私立の一般選抜の出願期間、共通テストに出願を済ませているかどうかを、1枚の表にまとめる。
高2の人は、1と2を今年の募集要項と高校の資料で一度試しておくと、来年の要項が出た日に、どの欄を読めばよいかがすぐにわかります。

個別指導で確かめること
教室では、募集要項の出願資格の欄を生徒と一緒に読み、上限と条件を1枚の紙に書き出すところから始めます。校内の締切に間に合うように志望理由の下書きと活動の記録を整えて推薦書の材料として渡せる形にし、面接で書類の一行ずつを自分の言葉で話せるまで練習します。評定の条件に届いているかの計算も、調査書の数字を見ながら一緒に確かめます。校内で外れたときに備えて、総合型と一般選抜の出願期間の表も同じ紙の裏に並べておきます。
まとめ
公募推薦の「公募」は、どの高校からでも頼めるという意味で、誰でも自由に出せるという意味ではありません。人数の上限は募集要項の出願資格の欄に、校内の締切と選び方は自分の高校にあります。推薦がもらえるかどうかを決める最初の扉は、大学の門ではなく、毎朝すれ違う友人と同じ廊下の先に付いています。
読んで終わりにするか、ここから変えるか。
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