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学校推薦型選抜の推薦願の書き方—高校に推薦を頼む用紙で、担任と校長が読むところ|武蔵野個別指導塾

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推薦願の読み手は大学ではなく担任と校長です。大学を「貴学」と呼ばない理由、志望の理由と選んだ理由の書き分け、志望理由書と食い違わせない4項目の照らし方を、下書きの手順とあわせて押さえておきましょう。

推薦願は、大学ではなく自分の高校に「この大学のこの学部へ推薦してください」と頼む用紙です。用紙の名前も欄の並びも高校が決めるので、形の決まりはまず高校の案内に従います。そのうえで、欄の名前がどうであれ、推薦を出す側から見て要るのは次の3つです。

読まれるところ 書くときの芯
どこに出すか 大学名・学部・学科と選抜区分の名前を、募集要項の表記のまま写す
志望の理由 何を学びたいか。その問いが高校の授業や探究のどこから来たか
その大学を選んだ理由 学部の方針や学びの内容の、どの1行に引かれたか

文の芯は、あとで大学に出す志望理由書と同じにします。変えるのは長さだけです。

よくあるのは、志望の理由の欄まで埋めた推薦願が、保護者の署名欄だけ空いたまま食卓の端に3日置かれている、という場面です。本人は「あとは名前を書いてもらうだけ」と思っています。ところが家族が読むと、学部の名前が募集要項と1字違う、専願だとは聞いていない、と話が始まります。署名欄が空いているうちは、まだ用紙ごと直せます。その空欄は、書き終わっていない印であると同時に、見直す時間が残っている印でもあります。

推薦願は、大学ではなく高校の中で読まれる用紙

公募推薦は、条件を満たせば自分ひとりで願書を出せる入試とは違います。令和9年度の入学者選抜について文部科学省が出した実施要項を開くと、学校推薦型選抜は本人の意志だけでは出願できない入試とされています。志願者が「特定の大学・学部等で教育を受けるにふさわしい能力・意欲・適性等を有する」かどうかは、高等学校長が判断します。推薦願は、この判断を高校に始めてもらうための最初の一枚です。

高校によって、この用紙は「推薦願」とも「推薦申込書」とも呼ばれます。名前が違っても、高校に推薦を頼むという役割は変わらないので、学校推薦型選抜の申込書の書き方も、ここから先の考え方でそのまま組み立てられます。欄の名前、並び、締切、提出先、添える物は高校ごとに決まっています。学年で配られた案内と用紙は、受け取った日に写真で残しておくと、締切を聞き直す手間が減ります。

推薦願を出したあと、高校の中では大学へ送る書類が整えられます。調査書は、担任などが原案を作り、校内の委員会で審議したうえで校長が作成します。推薦書は、大学が高校に作成を求める書類で、令和9年度の要項に載っている参考の様式では、宛先が大学の学長で、本文に推薦の理由を書く欄があります。図1のように、推薦願は高校が読むための用紙で、大学に届くのは校長の名で出る書類と、本人が書いて大学へ出す志望理由書などです。

図1 推薦願は高校の中で読まれ、大学へは推薦書と調査書が届く

つまり推薦願の読み手は、大学の先生ではなく自分の高校の先生です。読み手を取り違えると、文の調子がずれます。大学に向けた志望理由書の文をそのまま貼り付けると、高校の先生には「どの区分に出すのか」「その理由は3年間のどこにあるのか」が見えにくい用紙になります。高校の先生が知りたいのは美しい決意表明ではなく、推薦してよいと判断できる材料です。

学校推薦型選抜で担任と校長が推薦願から読み取ること

推薦願を受け取る担任と、推薦を出す校長の側に立つと、確かめたいことは3つに分かれます。

1つ目は、出す先が正確かどうかです。大学は推薦要件をできる限り具体的に決め、募集要項などで示すことになっています。評定、履修した科目、資格など、出願資格の欄に並ぶ条件を、先生は調査書の記録と照らします。照らす相手が1つに決まるように、推薦願には選抜区分の名前、学部、学科、専攻があれば専攻まで、募集要項の表記を1字も変えずに写してください。同じ学部に推薦の区分が2つある大学で略称を書くと、どちらの条件で照らすのかが用紙から読めなくなります。

2つ目は、志望の理由が3年間の記録とつながっているかです。要項によれば、大学は推薦書に、学部のアドミッション・ポリシーに対応する本人の学習歴や活動歴を踏まえた評価を書くよう求めます。評価の軸は学力の三要素、つまり知識・技能と、思考力・判断力・表現力等と、主体性を持って多様な人々と協働しつつ学習する態度です。推薦書を書く側は、授業、総合的な探究の時間、特別活動のどこに志望の根があるのかを知りたいわけです。推薦願に「探究の時間に調べたこと」「その授業で出た問い」と具体的な場所が書いてあれば、先生は推薦の理由を高校の記録で裏づけられます。

3つ目は、ほかの受験とぶつからないかです。国公立の推薦は、国立大学協会と公立大学協会の2027年度の実施要領で、1人が1つの年度に受けられる推薦は1つの大学・学部に限られています。私立は、専願か併願可かを大学ごとに募集要項で決めています。推薦願にほかの出願を書く欄が無くても、一般選抜を含めて出す予定の大学は、担任に口頭で伝えておくほうが話が早く進みます。

この3つは、どれも「推してよいか」を決めるための材料です。上手な文より先に、照らせる事実が要ります。推薦願の欄が小さいのは、飾りを書く場所が無いという意味でもあります。

学校推薦型選抜の「選んだ理由」と「志望の理由」を分けて書く

推薦願に、志望の理由とその大学を選んだ理由を書く欄があるなら、2つは別の問いとして書きます。志望の理由は「なぜその学問か」、選んだ理由は「なぜほかの大学ではなく、そこか」です。この2つを「貴学で〇〇を学びたい」の一文で済ませると、どちらの欄も同じ文で埋まり、先生には区別がつきません。ちなみに「貴学」は大学に宛てた文で使う呼び方です。推薦願の読み手は高校なので、大学名と学部名をそのまま書くほうが通じます。

志望の理由は、きっかけ、調べたこと、学びたい問いの順に置くと短くまとまります。説明のための例で比べます。

直した方は、先生が調査書の総合的な探究の時間の記録と照らせます。弱い方は、誰が書いても同じ文になるので、照らす相手がありません。

選んだ理由は、学部が公表している言葉に根を置きます。要項は、アドミッション・ポリシーに抽象的な「求める学生像」だけを書くのではなく、高校までにどんな力を培ってほしいか、何をどの程度学んできてほしいかを、できる限り具体的に書くよう大学に求めています。学部の組織や教育研究の内容と特色を、大学案内や説明会で伝えるよう努めることも求めています。その方針や学びの内容の中から自分に響いた1行を探し、その1行と自分の経験を結びます。

図2のように、左の欄は自分の側の話、右の欄は大学の側の話です。両方が同じ芯でつながっていれば、読む先生は2つの欄を1本の筋として受け取れます。

図2 志望の理由は自分の側、選んだ理由は大学の側から書く

推薦願を出す時期と、下書きを3回直す手順

締切は高校が決めます。推薦願を受けてから高校が調査書と推薦書を整えるので、高校の締切は大学の出願の締切より手前にあると考え、日付は高校の案内で確かめます。2027年度入試の推薦の出願は2026年11月1日から受け付けが始まり、高3のいまは区分ごとに出願の期間が進んでいます。これから出す区分があるなら、高校の締切を今週のうちに担任に聞いてください。高2なら、今年の動きが来年の目安になります。令和9年度の要項のもとでは、大学は入試の基本の事項を2026年5月27日から7月31日の間に発表し、推薦の募集要項は出願の前に読める形で出ました。来年の日付は、来年の要項と大学の発表で確かめます。

下書きは3回に分けて直します。

  1. 1回目: 募集要項の推薦要件の欄と学部の方針の文を横に置き、欄の大きさを気にせず書き出す。
  2. 2回目: 欄に収まるまで削る。削る順は、飾りの形容詞、誰にでも言える一般論、きっかけの説明の重なり。
  3. 3回目: 担任に見せ、言われた所を直して清書する。

日数の組み方を、説明のための数で示します。高校の締切まで12日あるなら、1回目に4日、2回目に3日、担任に見せて直すのに4日、清書と家族の署名に1日で、ちょうど12日です。担任の手が空くのを待つ日が出るので、3回目にはいちばん長く日を取っておきます。

保護者の欄に何を書くかは、高校の案内どおりにします。署名の前に家で話しておきたいのは、私立なら専願かどうか、国公立なら推薦は1つの大学・学部に限られること、そして合格して入学の手続をしたあとの約束です。要項は、2027年3月31日までに入学を辞退した人には授業料などを原則として返すよう大学に求めていますが、推薦に合格して大学と在学契約を結んだ人はその原則の外に置かれます。実際の扱いは、大学の入学手続の案内で確かめます。

志望理由書と食い違わせないための照らし方

推薦願を受けて高校が作る推薦書と、本人が書いて出す志望理由書は、大学で同じ志願者の書類として並びます。推薦願で「福祉を学びたい」と伝え、志望理由書で「まちづくりを学びたい」と書けば、大学の手元には向きの違う2本の話が届きます。要項は、学校推薦型選抜では本人が書いた資料をプレゼンテーションなどで積極的に使うよう大学に求めているので、ずれは試験の場で尋ねられることもあります。

照らす項目は4つです。要項は、大学入学希望理由書や学修計画書を使う大学に、なぜ入りたいか、入ってから何をどんな計画で学ぶか、卒業の先に何を見ているかを書かせるとしています。この3つを志望理由書の側の物差しにし、学部と学科の名前を1つ足します。

照らす項目 食い違いの例
学部・学科の名前 推薦願は略称、志望理由書は正式な名前
学びたい問い 推薦願は「人の流れ」、志望理由書は「古い建物の保存」
きっかけの出来事 推薦願は部活動、志望理由書は探究の時間
卒業後の目標 推薦願は研究の道、志望理由書は地元の役所

やり方は単純です。2枚を並べ、4項目にあたる語に同じ色の印を付けます。片方にしか印が付かない語があれば、消すか、もう片方に足します。図3のように、推薦願と志望理由書を真ん中の4項目でつないでおけば、推薦願を受けて高校が作る推薦書も、志望理由書と同じ向きにそろいやすくなります。

図3 推薦願と志望理由書を4つの項目で照らす

ずれを防ぐ手早い順番は、先に「芯の3行」を作ることです。学びたい問い、そのきっかけ、その大学を選んだ1行。この3行から推薦願を短く、志望理由書を長く書き分ければ、2つは同じ話の長さ違いになります。推薦願を先に出す時期でも、3行さえ決まっていれば、あとの志望理由書で迷いません。

よくある質問

推薦願と推薦申込書は別の書類ですか

高校に推薦を頼む用紙であれば、名前が違うだけで役割は同じです。どちらの名前で呼ぶか、どの欄を置くかは高校が決めています。迷ったら、配られた用紙に書かれた名前で担任に尋ね、提出先と締切を同じ場で確かめてください。

推薦願と志望理由書に同じ文を書いてもよいですか

芯は同じにして、文は欄に合わせて書き分けてください。推薦願は高校の先生が推薦を出すかを決めるための短い文、志望理由書は大学に向けた長い文です。別の大学のために書いた文を使い回すと、学部の方針に結びつけた1行が合わなくなります。

推薦願を出したあとで志望先を変えたくなったら

変えられるか、いつまでならよいかは高校の決まりです。思い立った日に担任へ相談してください。推薦書は出す大学に宛てて作る書類なので、出す先が変われば高校の側の書類も作り直しになります。国公立に推薦で出すなら、1つの年度に受けられる推薦は1つの大学・学部だけという決まりも重なります。

「推薦入学辞退願」は推薦願と関係がありますか

名前は似ていますが、向きが逆の別の書類です。国立大学協会と公立大学協会の実施要領では、国公立の推薦に合格したあと特別な事情で辞退するとき、推薦した出身学校長が2027年2月17日までに大学へ出し、許可を得た場合に限って辞退が認められます。本人が高校に推薦を頼む推薦願とは、出す人も宛先も違います。

確かめる順番

今週のうちに、次の順で進めます。

  1. 高校の案内で、用紙の名前、締切、提出先、添える物を確かめる(担任・進路指導)。
  2. 出す大学の募集要項で、出願資格と推薦要件の欄、選抜区分の正式な名前を書き写す(大学)。
  3. 学部のアドミッション・ポリシーと学びの内容から、選んだ理由に使う1行を選ぶ(大学が公表している文)。
  4. 学びたい問い、きっかけ、選んだ1行の「芯の3行」を書き、推薦願の下書きの1回目を作る(本人)。
  5. 家族と、専願かどうか、ほかの出願、合格後の手続の約束を話し、保護者の欄の扱いを決める(家庭)。
  6. 削った下書きを担任に見せ、言われた所を直す(担任)。
  7. 志望理由書と4つの項目で照らし、片方にしかない語を消すか足してから清書する(本人)。

迷う所が出たら、募集要項の中身は大学の入試の窓口に、用紙の決まりは高校に聞きます。聞く相手を取り違えないことが、締切前の数日を守るいちばんの近道です。

個別指導で確かめること

教室では、推薦願の下書きを募集要項の推薦要件と並べて読み、選抜区分の名前の写し間違いや、志望の理由と選んだ理由が同じ文になっている所に印を付けます。志望理由書と4つの項目で照らす作業も、書いた本人と一緒に声に出して行い、面接で推薦願の一行を聞かれたときに自分の言葉で言い直せるかをその場で確かめます。用紙の形の決まりは高校の指示が先で、そこを変える手伝いはしません。

まとめ

推薦願の良し悪しは、高校の先生が「この学部なら推せる」と言える事実を、どれだけ短く手渡せるかで決まります。区分の名前を1字も違えずに写し、志望の理由を3年間の記録に、選んだ理由を学部の1行につなぎ、志望理由書と同じ芯で通す。空いたままの署名欄は、その照らし合わせを家族と一度やり直すために残された余白です。

読んで終わりにするか、ここから変えるか。

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