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元素記号の覚え方—語呂、カード、書かずに覚える手順|武蔵野個別指導塾

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水兵は気体、リーベは金属、僕は金属でない固体。語呂の切れ目は分類の切れ目でもあります。20個の記号をペンなしで思い出す手順を、次の通学の電車で試してください。

水兵リーベ僕の船、七曲がりシップスクラークか。よく使われるこの語呂の1行で、原子番号1から20までの元素が番号の順に出てきます。音と記号の対応は次の表で全部です。右端の欄は、常温でその元素がどんな姿でいるかの分類です。

語呂の音 記号 名前 番号 常温での分類
水 H 水素 1 気体
兵 He ヘリウム 2 気体
リー Li リチウム 3 金属
ベ Be ベリリウム 4 金属
僕(ぼ) B ホウ素 5 金属でない固体
僕(く) C 炭素 6 金属でない固体
の N 窒素 7 気体
の O 酸素 8 気体
船(ふ) F フッ素 9 気体
船(ね) Ne ネオン 10 気体
七 Na ナトリウム 11 金属
曲 Mg マグネシウム 12 金属
がり Al アルミニウム 13 金属
シ Si ケイ素 14 金属でない固体
プ P リン 15 金属でない固体
ス S 硫黄 16 金属でない固体
ク Cl 塩素 17 気体
ラー Ar アルゴン 18 気体
ク K カリウム 19 金属
か Ca カルシウム 20 金属

語呂に入っていないのに、中学の理科の実験でよく顔を出す元素があと10個あります。音では拾えないので、実験の場面ごと持って帰ります。

名前 記号 会う場面 番号 常温での分類
マンガン Mn 二酸化マンガンで酸素を発生させる実験 25 金属
鉄 Fe 硫黄と熱して硫化鉄を作る実験 26 金属
銅 Cu 加熱して黒い酸化銅にする実験 29 金属
亜鉛 Zn 塩酸に入れて水素を発生させる実験 30 金属
銀 Ag 酸化銀を熱すると白っぽい銀が残る実験 47 金属
ヨウ素 I デンプンを青紫色に変えるヨウ素液 53 金属でない固体
バリウム Ba 水酸化バリウムと硫酸の中和でできる白い沈殿 56 金属
金 Au さびにくい金属の代表 79 金属
水銀 Hg 常温で液体の金属 80 金属
鉛 Pb 車のバッテリーに使う鉛蓄電池 82 金属

よくあるのは、通学の電車でつり革につかまった朝という場面です。右手はつり革、左の肩にはかばん、混んでいてノートは開けません。1時間目の後に元素記号の小テストがあるのに、手元にあるのは揺れる床と、窓に映った自分の顔だけです。「覚えたはずなのに、Mgの次が出てこない」。次の駅までの3分で、紙もペンも使わずに20個を通せるかどうか。その3分を勉強の時間に変える手順が、この先にあります。

一覧の読み方

最初の表は、上から下へ原子番号の順に並んでいます。語呂が運んでいるのはこの順番で、記号そのものを教えてくれるわけではありません。音と記号の関係には3つの種類があり、ここを見分けると表の読み方が変わります。

1つ目は、音が記号の読みをなぞっている場所です。20個のうち18個がこれにあたります。「リー」はLi、「ベ」はBe、「ふ」はF、「ね」はNe、「プ」はP、「ス」はSです。「の」がNとOの2個分なのは、ローマ字でnoと書いてみれば納得できます。「クラーク」は英字でClarkと書けば、Cl・Ar・Kがそのまま並びます。

2つ目は、名前を経由する場所です。「水」は音ではなく意味を使っていて、水素を呼び出してからHにたどり着きます。3つ目は、音が何も助けてくれない場所です。「がり」とAlの間につながりはありません。ここだけは語呂から離れて、「13番はアルミニウム、1円玉の金属」と直接覚えます。同じ後半を「名前あるシップスクラークか」と唱える語呂もよく使われていて、こちらは「ある」がAlを指します。その代わり、Mgの手がかりは「まえ」に変わって弱くなります。どちらを使うかは、自分がつまずく場所で決めてください。

図1 語呂の音と記号の対応を、気体と金属とその他で色分けした図

図1のように、語呂の音の下に記号を置いて右端の欄の分類で色を塗ると、並びの癖が見えてきます。青が常温で気体の8個、橙が金属の7個、緑が金属でない固体の5個で、図の「その他」はこの緑を指します。合わせて20個です。ホウ素とケイ素は金属と非金属の中間の性質をもつので、半金属と呼ばれることもあります。中学のテストでは「金属ではない」と押さえておけば困りません。

番号の欄は、順番を確かめるためのものです。中学の定期テストでまず問われるのは記号と名前の組で、番号そのものが要るようになるのは主に高校の化学からです。語呂を指折り数えれば番号も出るので、番号だけを別に暗記する必要はありません。2つ目の表の番号は小さい順に並べるために入れたもので、手がかりになるのはその左の「会う場面」のほうです。

覚え方

手順は4段です。語呂を塊に切る、カードで組を固める、書かずに思い出す、間隔を広げる。先へ進むほど、手に持つものが減っていきます。

語呂は8つの塊に切る

語呂を一息で唱えて終わりにするのは、もったいない使い方です。切る場所を選ぶと、語呂の中に分類が現れます。

塊 入っている記号 分類
水兵 H He 気体
リーベ Li Be 金属
僕 B C 金属でない固体
の船 N O F Ne 気体
七曲がり Na Mg Al 金属
シップス Si P S 金属でない固体
クラー Cl Ar 気体
クか K Ca 金属

図1の色の並びと見比べてください。気体、金属、金属でない固体の順が、塊ごとに繰り返しています。番号が進むと性質が周期的に変わるという、周期表の「周期」の意味がここにもう顔を出しています。切れ目が言葉の途中に入るのは「クラーク」だけで、「クラー」までが気体、最後の「ク」から金属に変わります。

この8つの塊が頭に入ると、「常温で気体の元素を挙げなさい」と言われたとき、語呂から「水兵」「の船」「クラー」を抜き出すだけで8個がそろいます。文字の数にも癖があります。金属の記号はほとんど2文字で、金属でない固体の記号はほとんど1文字です。語呂の外の10個を足しても、この傾向は変わりません。

初日は「水兵リーベ僕の船」の10個、翌日に「七曲がりシップスクラークか」の10個を足します。リーベはドイツ語で愛のことで、水兵が僕の船を愛しているという物語だと説明されることがよくありますが、物語は飾りなので深追いはしません。声を出せる場所では「水、大きいH。兵、大きいH、小さいe」と、記号の大小まで声に乗せます。

カードは1枚に1組、裏に1語足す

カードは表に名前、裏に記号を書きます。1枚に2組を書くと、片方の答えが目に入って練習になりません。図2のように、裏にはさらに語呂の音と、その元素に触れられる手がかりを1語だけ足します。

図2 カードの表に名前、裏に記号と語呂の音と手がかりを書く例

図2の矢印が、カードの使い方のすべてです。表を見たら、頭の中で答えを言い切ってからめくります。言う前にめくると、答えを眺めただけで終わります。名前から記号の向きで束を1周したら、束ごと裏返して記号から名前の向きでもう1周します。テストは両方の向きで聞いてくるからです。

手がかりの1語は、次の例を土台にしてください。自分の生活で思い当たるものがあれば、そちらに書き替えたほうが残ります。

記号 裏に足す1語 記号 裏に足す1語
H 燃料電池 Na 食塩
He 浮かぶ風船 Mg 燃やすと白い光
Li スマホの電池 Al 1円玉
Be エメラルド Si 半導体
B 耐熱ガラス P マッチ箱の側面
C 鉛筆の芯 S 温泉地の黄色い固まり
N 空気の約8割 Cl プールの消毒
O 空気の約2割 Ar 空気で3番目に多い
F 歯みがき粉 K 肥料
Ne ネオンサイン Ca 卵の殻

語呂の外の10個は、2つ目の表の「会う場面」をそのまま裏に写します。作るカードは30枚で足ります。自分の手で書く時間も練習の一部なので、できれば手書きにしてください。

書かずに覚える手順

ここからが、つり革の時間です。ノートに10回書く勉強は、手本が目の前にあるので、頭は写しているだけになりがちです。テスト用紙の横に手本はありません。だから早い段階で、何も見ずに頭の中から引っ張り出す練習に切り替えます。ペンを持てない電車は、この練習にちょうどよい場所です。

  1. 語呂を黙って1回通します。音ごとに記号の形を思い浮かべ、2文字の記号では「大きい、小さい」と区切ります。
  2. CaからHへ逆に言います。語呂は逆には唱えられないので、記号そのものを引き出すことになります。
  3. 駅に着くたびにお題を替えます。1駅目は気体の8個、2駅目は金属の7個、3駅目は金属でない固体の5個です。
  4. つまった記号は1つだけ覚えておき、電車を降りてからカードで確かめます。
  5. その日の夜に1回だけ、20個を紙に書きます。大文字と小文字の形を、ここで目で確かめます。

書かずに覚えるとは、最後まで書かないという意味ではありません。テストは書いて答えるものなので、形の確認は夜の1回に集めます。かかるのは5分ほどです。ご家庭で手伝うなら、夕食の支度の合間に名前を1つ言い、お子さまに記号を答えてもらうだけで十分です。順番どおりに聞かず、「塩素」の次に「ヘリウム」のように飛ばして聞くと、語呂に頼らずに出せているかどうかがすぐにわかります。

思い出す間隔を広げていく

覚えた直後は、何度やっても簡単に出てきます。手応えはあるのに、次の日には抜けている。そこで、図3のように思い出す日の間をだんだん広げます。当日、翌日、3日後、7日後、14日後です。少し忘れかけたころに引っ張り出すほうが、頭に力がかかります。

図3 思い出す日を当日から14日後まで広げ、つまったら翌日へ戻す図

図3の赤い矢印は、つまったカードの戻り先です。7日後につまったカードは翌日へ戻し、できたカードだけを次の日付へ送ります。輪ゴムで束を分け、一番上に次に見る日を書いた紙をはさんでおくと、管理に頭を使わずに済みます。テストまで5日しかないなら、当日、翌日、3日後、テスト前日と詰めます。間隔が縮んでも、毎回何も見ずに始めることだけは変えません。

テストでの出方

元素記号だけで大問になるのは、主に中学2年の化学の最初の定期テストです。その後、記号は化学式や反応式の部品に変わります。CuOと書くにはCuとOを別々に知っている必要があり、2Mg + O₂ → 2MgOと書くにはMgの大小を間違えるわけにいきません。中学3年のイオンでは、Na⁺やCl⁻の形でもう一度出てきます。高校入試でも、記号だけを単独で問う形より、式の中に溶けた形で問われるほうが目立ちます。問われ方を3つに分けて、自作の例題で確かめます。

例題1 書き取り

次の元素の記号を書きなさい。(1)マグネシウム (2)塩素 (3)カリウム (4)ケイ素。また、(5)Alの名前を書きなさい。

答えは(1)Mg (2)Cl (3)K (4)Si (5)アルミニウムです。MGやCLと書くと、元素を知っていても点になりません。書き取りの点を分けるのは暗記の量ではなく、2文字目を小さく書く手の癖です。

例題2 分類

次の6つのうち、常温で気体のものをすべて選びなさい。Na、N、Cl、Ca、C、Ne

答えはN、Cl、Neです。NaとCaは金属、Cは金属でない固体です。問題を作る側は、NとNa、CとCaのように形の似たものをわざと隣に置きます。語呂を塊で覚えていれば、NとNeは「の船」、Clは「クラー」に入っているので、迷う時間がありません。

例題3 番号から考える

原子番号が酸素より3大きい元素の記号と名前を書き、金属か金属でないかを答えなさい。

答えはNa、ナトリウム、金属です。酸素は8番なので11番を探します。高校の化学の入口でよく見る形で、語呂を指折り数える場面です。このとき「の」で指を2本折ります。1本で済ませると番号が1つずつずれて、11番がMgになってしまいます。金属かどうかは、Naが「七曲がり」の塊に入っていることからすぐに答えられます。

まちがえやすいところ

いちばん多いのは、2文字目を大文字で書く誤りです。図4のように、NaはNAでもnaでもありません。ClもCLやclとは書きません。1文字目は必ず大文字、2文字目は必ず小文字で、ここに例外はありません。

図4 2文字目は小文字で書き、CoとCOは別のものを指すことを示す図

図4の下の段が、大小を甘く見られない理由です。Coは金属のコバルト、COは炭素と酸素からできた一酸化炭素で、1文字の大小で金属が気体に化けます。なお、Clの2文字目は小文字のエルです。手書きでは大文字のアイと見分けにくくなるので、大文字のCより少し背を高く、まっすぐ1本で書いてください。

2つ目は、カリウムとカルシウムの取り違えです。語呂の最後の「クか」はKとCaですが、カリウムも「カ」で始まるので、音につられてカリウムをCaと書いてしまいます。ここは音を捨てて長さで覚えます。長い名前のカルシウム(5音)が2文字のCa、短いカリウム(4音)が1文字のKです。窒素のN、ナトリウムのNa、ネオンのNeも混ざりやすいので、カードの束からこの3枚を抜いて並べて比べます。硫黄のSとケイ素のSiも取り違えやすいので、硫黄の読みが「いおう」であることと合わせて確かめておきます。

3つ目は、語呂を頭から唱えないと出てこない状態です。Kを聞かれるたびに「水兵リーベ」と走り出していては、テスト時間が足りなくなるだけでなく、途中で1つ飛ばしても気づけません。語呂は順番を入れるための足場で、乗ったままでは先へ進めません。Caから逆に言えるか、塊の名前を聞いてすぐ記号が出るかで、足場が外れたかどうかを測ります。

確かめの問題

何も見ずに、できれば声に出さず頭の中で答えてから、最後に紙に書いて確かめてください。

  1. 語呂の「僕の船」から出てくる元素記号を、順にすべて書きなさい。
  2. 「七曲がり」に入っている3個の記号を書き、その分類を答えなさい。
  3. 語呂の20個のうち、金属で記号が1文字のものはどれですか。
  4. カルシウムとカリウムの記号をそれぞれ書きなさい。
  5. 一酸化炭素の式とコバルトの記号を書き分けなさい。

答え

  1. B、C、N、O、F、Ne。5音で6個です。「の」がNとOの2個分になります。
  2. Na、Mg、Al。いずれも金属です。
  3. Kです。ほかの6個の金属はすべて2文字です。
  4. カルシウムはCa、カリウムはKです。
  5. 一酸化炭素はCO、コバルトはCoです。

次に覚える一覧

元素記号の一覧は、語呂の外に残る元素を名前と記号で確かめ、高校で足す分の見当をつけるために使います。化学式の一覧は、覚えた記号を組み合わせて物質を書く段階につながります。イオン式の一覧は、記号の右肩に電気の印が付くので、大小の書き分けがもう一度試されます。個別指導では、化学式で手が止まったときは式を直す前に記号の書き取りまで戻り、どの1文字で止まるのかを横で確かめます。

まとめ

テスト用紙の空欄の前では、カードをめくる手は使えず、語呂を頭から唱える時間もありません。鉛筆の音だけが聞こえる教室で頼れるのは、つり革につかまったまま何度も引っ張り出した回数です。今朝の電車でMgの次が出てこなかったのなら、明日もう一度見るカードが1枚決まっただけのことです。

ペンを持てない3分で出せた記号だけが、ペンを持った50分でも出せます。

読んで終わりにするか、ここから変えるか。

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