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対数の公式一覧—底の変換と log の計算のしかた|武蔵野個別指導塾

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log₂ 9 × log₃ 8 の答えが 6 に定まる理由は底の変換にあります。積・商・累乗の公式から真数条件、桁数の読み方まで、数を入れて確かめられます。

a は底(a > 0、a ≠ 1)、M と N は真数(どちらも正の数)、r は実数、k は 1 でない正の数です。

名前 公式
定義 aˣ = M ⇔ logₐ M = x
基本の値 logₐ a = 1、logₐ 1 = 0
積 logₐ MN = logₐ M + logₐ N
商 logₐ (M / N) = logₐ M − logₐ N
累乗 logₐ Mʳ = r logₐ M
底の変換 logₐ M = (logₖ M) / (logₖ a)
桁数 n − 1 ≦ log₁₀ N < n(n は正の整数)のとき、N の整数部分は n 桁

よくあるのは、高2の春の放課後、人の減った教室で数学Ⅱのプリントを開いている場面です。log₂ 8 = 3 までは読めました。ところが次の行に log₂ 3 + log₂ 5 が出てきて、足し算なのに足せません。黒板には消し残しの底の 2 が白く浮いていて、窓からは部活の掛け声が入ってきます。ノートの公式は写し間違いかもしれず、スマートフォンで「対数 公式」と打ちます。その指が探しているのは、公式の形と、それを信じてよい理由の二つです。

公式の一覧

対数は数学Ⅱの「指数関数・対数関数」で学びます。log₂ 8 は「ログ 2 の 8」と読み、「2 を何乗すると 8 になるか」という問いに付けた名前です。図1のように、2³ = 8 と log₂ 8 = 3 は同じ事実を別の順に書いただけで、2、3、8 の三つの数はどちらの式にも同じ役で出てきます。

図1 指数の形と対数の形で底と指数と真数が対応する図

書き換えるときは、底の 2 を底の位置に残し、肩に乗っていた指数を log の答えとして外へ出します。log の値はいつも指数です。答えが 3 なら、それは「3 乗」のことだと読んでください。この読み方が身につくと、次の表の公式はただの記号の並びではなくなります。

表の右の列は、2 の累乗を入れて左右が同じになることを確かめたものです。試験中に「あの形で合っていたか」と迷ったら、この小さな数で試せば数十秒で白黒がつきます。

公式 数を入れて確かめる
logₐ MN = logₐ M + logₐ N log₂ (4 × 8) = log₂ 32 = 5、log₂ 4 + log₂ 8 = 2 + 3 = 5
logₐ (M / N) = logₐ M − logₐ N log₂ (32 / 4) = log₂ 8 = 3、log₂ 32 − log₂ 4 = 5 − 2 = 3
logₐ Mʳ = r logₐ M log₂ 8² = log₂ 64 = 6、2 log₂ 8 = 2 × 3 = 6
logₐ M = (logₖ M) / (logₖ a) log₄ 8 = (log₂ 8) / (log₂ 4) = 3 / 2
logₐ k × logₖ a = 1 log₂ 8 × log₈ 2 = 3 × (1 / 3) = 1

4 行目の答えは、4 の 3/2 乗が (√4)³ = 8 になることで確かめられます。表の公式から、すぐに次の形も出てきます。

底が 10 の対数 log₁₀ を常用対数と呼びます。問題文では log₁₀ 2 ≒ 0.3010、log₁₀ 3 ≒ 0.4771、log₁₀ 7 ≒ 0.8451 のような値が与えられ、「=」で書かれることもあります。大きな数の桁を読むのがこの対数の役目で、1 より小さい数については、-n ≦ log₁₀ N < -n + 1 のとき N は小数第 n 位に初めて 0 でない数字が現れる数だと読みます。

式に x が入るときは、log を動かす前に真数の正の条件を書き出します。これを真数条件と呼びます。底に x が入るなら、底の条件も同じように書きます。条件を書いたかどうかで、例題3の答えの数が変わります。

なぜこの形になるのか

積が和になるのは、指数法則を log の言葉に訳しただけだからです。logₐ M = x、logₐ N = y と置くと、定義から M = aˣ、N = aʸ です。掛けると MN = aˣ × aʸ = aˣ⁺ʸ となり、指数どうしが足されます。これを対数の形に戻せば logₐ MN = x + y、つまり logₐ MN = logₐ M + logₐ N です。

図2は、上の段に 2 の累乗を、下の段にその指数を並べたものです。上の段で 1 を 4 倍し、さらに 8 倍して 32 に着く動きは、下の段で 0 から 2 進み、さらに 3 進んで 5 に着く動きとぴったり重なります。掛け算の世界を一段下へ写すと足し算になります。対数の公式の正体はこれです。

図2 2の累乗の段と指数の段を並べ掛け算が足し算に写る図

商と累乗も同じ手順で出ます。商は M / N = aˣ ÷ aʸ = aˣ⁻ʸ なので logₐ (M / N) = x − y です。累乗は Mʳ = (aˣ)ʳ = aʳˣ から logₐ Mʳ = rx = r logₐ M と読めます。基本の値も、logₐ 1 = 0 は a⁰ = 1 の、logₐ a = 1 は a¹ = a の言い換えにすぎません。

底の変換だけは、もう一歩進みます。logₐ M = x と置くと M = aˣ です。この両辺について、底が k の対数をとると logₖ M = logₖ aˣ = x logₖ a となります。a ≠ 1 なので logₖ a は 0 ではなく、この数で割ることができます。こうして x = (logₖ M) / (logₖ a) が得られます。M を k に置き換えれば logₐ k = (logₖ k) / (logₖ a) = 1 / logₖ a です。分母を払うと、表の最後の行の logₐ k × logₖ a = 1 が出てきます。

条件にも理由があります。底が 1 だと、1 は何乗しても 1 なので、log₁ 5 には答えがなく、log₁ 1 は答えがどの数でも成り立ってしまいます。底が負だと、(-2) の 1/2 乗が実数にならないように、指数を実数全体に広げられません。正の底 a をどんな実数乗しても結果は正なので、真数の位置に 0 や負の数が来ることもありません。

例題で使い方を確かめる

例題1 2 log₃ 6 − log₃ 12 の値を求めます

  1. 係数の 2 を真数の肩に上げて、2 log₃ 6 = log₃ 6² = log₃ 36 とします。商の公式が使えるのは係数のない log どうしだからです。
  2. 底がそろったので商の公式でまとめ、log₃ 36 − log₃ 12 = log₃ (36 / 12) = log₃ 3 とします。log₃ 6 も log₃ 12 も単独では整数になりませんが、まとめれば真数が割り切れるからです。
  3. 定義で読みます。「3 を何乗すると 3 か」の答えは 1 です。

答えは 1 です。

例題2 log₂ 9 × log₃ 8 の値を求めます

  1. 底を 2 にそろえ、log₃ 8 = (log₂ 8) / (log₂ 3) = 3 / log₂ 3 とします。底が違う log は、そのままでは同じ土俵で計算できないからです。
  2. もう一方を累乗の公式で開き、log₂ 9 = log₂ 3² = 2 log₂ 3 とします。log₂ 3 の形を作れば、手順 1 の分母と向かい合わせにできるからです。
  3. 掛けて、2 log₂ 3 × 3 / log₂ 3 = 6 とします。log₂ 3 の値を知らなくても、上下で消えるので答えが整数に定まります。

答えは 6 です。

例題3 方程式 log₂ x + log₂ (x − 2) = 3 を解きます

  1. 真数条件を先に書きます。x > 0 かつ x − 2 > 0 より、x > 2 です。一つにまとめた後の式からは、この条件が読み取れなくなるからです。
  2. 左辺を積の公式でまとめ、右辺の 3 を log₂ 8 と書いて、log₂ x(x − 2) = log₂ 8 とします。両辺を同じ底の log にそろえれば、真数どうしを比べられるからです。
  3. 真数を比べて x(x − 2) = 8、x² − 2x − 8 = 0、(x − 4)(x + 2) = 0 より、x = 4 または x = -2 とします。log が消えて、解き慣れた二次方程式に変わったからです。
  4. 手順 1 の x > 2 と照らして x = -2 を捨てます。x = -2 では元の式の log₂ x が意味を持たないからです。
  5. x = 4 を元の式に入れて、log₂ 4 + log₂ 2 = 2 + 1 = 3 を確かめます。捨てる判断が正しかったかを、最後に数で確かめるためです。

答えは x = 4 です。

例題4 6²⁵ は何桁の整数かを求めます(log₁₀ 2 = 0.3010、log₁₀ 3 = 0.4771 とします)

  1. 6 = 2 × 3 と分けて、log₁₀ 6 = 0.3010 + 0.4771 = 0.7781 とします。与えられているのが 2 と 3 の値だけだからです。
  2. 累乗の公式で log₁₀ 6²⁵ = 25 × 0.7781 = 19.4525 とします。とても書き切れない大きさの数でも、log にすれば掛け算 1 回で済むからです。
  3. 19 ≦ 19.4525 < 20 より 10¹⁹ ≦ 6²⁵ < 10²⁰ と読み替えます。10¹⁹ は 1 の後ろに 0 が 19 個並ぶ 20 桁の数で、10²⁰ は 21 桁の最小の数だからです。

答えは 20 桁です。

図3は手順 3 を数直線に置いたものです。赤い点が 19 と 20 の間にあるとき、数そのものは 20 桁の範囲に入ります。「log の整数部分に 1 を足すと桁数」と覚える人もいますが、図を描いておけば 1 を足し忘れません。

図3 log の値が19と20の間にあり20桁と読める数直線

小数部分にも情報があります。0.3010 < 0.4525 < 0.4771 なので 6²⁵ は 2 × 10¹⁹ と 3 × 10¹⁹ の間にあり、最高位の数字は 2 です。実際に計算すると 28430288029929701376 で、20 桁、先頭は 2 です。逆に (1 / 2)²⁰ のような小さい数なら、常用対数は 20 × (-0.3010) = -6.02 で、-7 ≦ -6.02 < -6 より小数第 7 位に初めて 0 でない数字が現れます。実際の値は 0.00000095… です。

まちがえやすいところ

真数の中の足し算をほどいてしまう

誤った書き方は log₂ (M + N) = log₂ M + log₂ N です。公式が言っているのは「積の log が log の和になる」ことで、真数の中の足し算については何も言っていません。M = N = 4 を入れると、左辺は log₂ 8 = 3、右辺は 2 + 2 = 4 で食い違います。正しくは log₂ M + log₂ N = log₂ MN で、log₂ (M + N) はそれ以上ほどけません。場面の log₂ 3 + log₂ 5 が足せないように見えたのも、まとめる先が log₂ 15 だと気づけば終わります。

累乗の位置を読み違える

誤った書き方は (log₂ 8)² = 2 log₂ 8 です。前に出せる指数は、真数に付いている指数だけです。log 全体の 2 乗は、log の値を 2 回掛けることを表します。正しくは log₂ 8² = 2 log₂ 8 = 6 で、(log₂ 8)² = 3 × 3 = 9 とは別の数です。括弧の位置を確かめてから手を動かしてください。

変形で解を落とす

誤った書き方は、方程式 log₂ x² = 2 を 2 log₂ x = 2 と変形して x = 2 だけを答えるものです。元の式の真数は x² なので、x = -2 でも x² = 4 となって正しく意味を持ちます。一方、図4のグラフは y 軸の右側にしかありません。log₂ x と書いた瞬間に、x < 0 の解を捨てる宣言をしたことになります。

図4 y = log₂ x のグラフが x > 0 の側にだけある図

正しくは定義に戻り、x² = 2² = 4 より x = 2 または x = -2 とします。どちらを入れても log₂ 4 = 2 で成り立ちます。累乗の公式で前に出したいなら、2 log₂ (x の絶対値) = 2 と書きます。式を変形したら、そのたびに真数条件の範囲が変わっていないかを見てください。図4の曲線が (1, 0) を通ることからは、log₂ 1 = 0 も目で確かめられます。

覚え方と忘れたときの戻り方

積・商・累乗の公式を忘れたら、3 手で戻ります。logₐ M = x と置き、M = aˣ と書き換え、指数法則で計算して log に戻します。指数法則さえ残っていれば、どの公式も 1 分かからずに作り直せます。「掛けると指数が足される」から積は和に、「割ると指数が引かれる」から商は差になり、覚える量は実質一つです。

底の変換は「元の底は分母に下りる」と言葉で持っておきます。上下が不安になったら log₄ 16 で試します。(log₂ 16) / (log₂ 4) = 4 / 2 = 2 で、4² = 16 と合います。逆に書くと 1 / 2 になって合いません。

語呂で覚える公式ではありません。常用対数の値も、おおよそなら自分で作れます。2¹⁰ = 1024 は 10³ に近いので 10 log₁₀ 2 ≒ 3、よって log₁₀ 2 ≒ 0.3 です。3⁴ = 81 は 80 = 2³ × 10 に近いので 4 log₁₀ 3 ≒ 3 × 0.3 + 1 = 1.9 となり、log₁₀ 3 ≒ 0.475 です。問題文で与えられる 0.4771 にかなり近く、答えの桁が合っているかを確かめるには十分です。

練習問題

手を動かす前に、それぞれ何の公式を使う問題かを一言で書いてから始めてください。

  1. log₃ 5 × log₂₅ 27 の値を求めてください。
  2. 方程式 log₃ (x + 2) + log₃ (x − 4) = 3 を解いてください。
  3. 12³⁰ は何桁の整数ですか。log₁₀ 2 = 0.3010、log₁₀ 3 = 0.4771 とします。

答えと解説

1 番の答えは 3 / 2 です。27 が 3 の累乗なので底を 3 にそろえます。log₂₅ 27 = (log₃ 27) / (log₃ 25) = 3 / (2 log₃ 5) です。25 = 5² だから、分母に log₃ 5 の 2 倍が現れます。掛けると log₃ 5 × 3 / (2 log₃ 5) = 3 / 2 で、log₃ 5 は消えます。

2 番の答えは x = 7 です。真数条件は x + 2 > 0 かつ x − 4 > 0 で、合わせて x > 4 です。左辺をまとめると log₃ (x + 2)(x − 4) = 3 なので (x + 2)(x − 4) = 3³ = 27 です。展開して整理すると x² − 2x − 35 = 0、(x − 7)(x + 5) = 0 より x = 7 または x = -5 です。x > 4 を満たすのは x = 7 だけです。入れてみると log₃ 9 + log₃ 3 = 2 + 1 = 3 で成り立ちます。

3 番の答えは 33 桁です。12 = 2² × 3 なので log₁₀ 12 = 2 × 0.3010 + 0.4771 = 1.0791 です。30 倍すると 32.373 で、32 ≦ 32.373 < 33 より 10³² ≦ 12³⁰ < 10³³ です。10³² は 33 桁の最小の数で、12³⁰ はその範囲に入ります。

次に確かめる公式

指数法則は、log の変形で迷ったときに戻る先で、分数の指数や負の指数まで使えるかを確かめるときに開きます。等比数列の公式は、「何年で 2 倍を超えるか」のように n が指数の位置にある不等式で、両辺の常用対数をとるときに使います。微分の公式は、数学Ⅲで log x を微分するときに使い、底が e でない対数は底の変換で e にそろえてから当てはめます。

個別指導では、log の式で止まった生徒とまず 2 の累乗を 2¹⁰ まで書き、aˣ × aʸ の計算ができるかまで戻って確かめます。つまずきの根が log の手前の指数にあることは珍しくありません。

まとめ

表を何度読んでも、log₂ 3 + log₂ 5 の前で手が止まる日は来ます。そのときは余白に aˣ = M と書いてください。積が和になるのも、底が分母に下りるのも、真数が正に限られるのも、全部その 1 行から出てきます。log は、肩の上の指数を前に引き出して読むための記号にすぎません。

読んで終わりにするか、ここから変えるか。

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