
武蔵野個別指導塾の特徴
三平方の定理—公式と直角三角形の辺の比、距離の求め方|武蔵野個別指導塾

どの辺を c にするかで止まる人へ。a² + b² = c² を正方形の並べ替えで納得し、1 : 2 : √3 の対応から直方体の対角線 13 cm まで、鉛筆を動かして確かめていきましょう。
直角三角形で、直角をはさむ 2 辺を a、b、直角の向かい側にある辺(斜辺)を c とすると、必ず次の式が成り立ちます。
a² + b² = c²
斜辺を求めるなら c = √(a² + b²)、斜辺以外の辺を求めるなら a = √(c² − b²) です。特別な直角三角形の辺の比は 1 : 1 : √2(45度、45度、90度)と 1 : 2 : √3(30度、60度、90度)。座標の 2 点 (x₁, y₁) と (x₂, y₂) の距離は √((x₂ − x₁)² + (y₂ − y₁)²) で求まります。
よくあるのは、夏期講習の中3の教室の窓際という場面です。西日がプリントの右半分を白く飛ばし、その白いところに斜めの線が引かれた三角形がある。x を求めなさいと書いてある。式の形は覚えているのに、どの辺を c にするのかで鉛筆が止まり、休み時間にスマートフォンで検索する。その数十秒のために答えを先に置きました。ここから先は、次の問題で同じ場所に止まらないための話です。
公式の形と文字の意味
三平方の定理はピタゴラスの定理とも呼ばれ、学年でいえば中3の内容です。式の中の 3 つの文字には、次の役割があります。
| 文字 | 何を表すか | 図での見つけ方 |
|---|---|---|
| a | 直角をはさむ辺の 1 つ | 直角の印に接している |
| b | 直角をはさむもう 1 つの辺 | 直角の印に接している |
| c | 斜辺 | 直角の印の向かい側にあり、3 辺でいちばん長い |
a と b は入れ替えてもかまいません。入れ替えられないのは c だけです。だから問題を見たら、最初にするのは計算ではなく、直角の印を探して、その向かいの辺に色をつけること。図1のように、三角形がどちらを向いていても、斜辺が底に寝ていても縦に立っていても、斜辺は直角の向かい側にあります。

この定理は逆向きにも使えます。3 辺の長さが a² + b² = c² を満たす三角形は、c を斜辺とする直角三角形です。これを三平方の定理の逆といい、直角の印が描かれていない図で「ここは直角だ」と言い切る根拠になります。2 乗の和がぴったり合う整数の組は、そのまま直角三角形の辺の比として使えます。
| 辺の比 | 確かめの計算 | 2 倍した組 |
|---|---|---|
| 3 : 4 : 5 | 9 + 16 = 25 | 6 : 8 : 10 |
| 5 : 12 : 13 | 25 + 144 = 169 | 10 : 24 : 26 |
| 8 : 15 : 17 | 64 + 225 = 289 | 16 : 30 : 34 |
| 7 : 24 : 25 | 49 + 576 = 625 | 14 : 48 : 50 |
3 辺を同じ数倍しても形は変わらないので、6 : 8 : 10 も 15 : 20 : 25 も 3 : 4 : 5 の仲間です。問題に 5 と 12 が並んでいたら、計算の前に 13 が見えるようになると、途中の 2 乗の計算を短くできます。
角が決まっている直角三角形には、もう 2 つ決まった比があります。
| 三角形 | 3 つの角 | 辺の比 | 各辺の向かいの角 |
|---|---|---|---|
| 直角二等辺三角形 | 45度、45度、90度 | 1 : 1 : √2 | 1 と 1 は 45度、√2 は 90度 |
| 正三角形を半分にした形 | 30度、60度、90度 | 1 : 2 : √3 | 1 は 30度、2 は 90度、√3 は 60度 |
どちらの比も、いちばん大きい数が斜辺です。√2 はおよそ 1.41 で 1 より大きく、√3 はおよそ 1.73 で 2 より小さい。この大小が、後で効いてきます。
なぜこの形になるのか
手で納得できる証明は、面積の並べ替えです。直角をはさむ辺が a と b の直角三角形を 4 枚用意し、1 辺が a + b の正方形の枠に入れます。図2の左の置き方では、4 枚の斜辺が内側を囲み、1 辺 c の四角形が残ります。枠の辺の上では 3 つの角が一直線に並び、直角三角形の直角以外の 2 つの角は足すと 90度 なので、この四角形の角は 180度 − 90度 = 90度 です。定規がなくても正方形だと言えます。

図2の右は、同じ 4 枚を 2 組の長方形に寄せた置き方です。今度は 1 辺 a の正方形と 1 辺 b の正方形が残ります。枠の大きさは同じ。中に置いた三角形も同じ 4 枚。それなら、残った部分の面積も同じでなければなりません。左の残りは c²、右の残りは a² + b²。これで a² + b² = c² です。
同じことは計算でも確かめられます。図2の左で、枠全体の面積を 2 通りに書きます。
(a + b)² = c² + 4 × (ab / 2)
a² + 2ab + b² = c² + 2ab
両辺から 2ab を引けば a² + b² = c² です。展開の公式を知っていれば、試験中に余白で復元できます。
辺の比も別の公式ではありません。図3の左のように 1 辺 1 の正方形を対角線で半分に切ると、直角をはさむ 2 辺がどちらも 1 の三角形ができ、斜辺は √(1² + 1²) = √2 になります。右のように 1 辺 2 の正三角形を頂点からまっすぐ切ると、底辺が 1、斜辺が 2 の三角形ができ、高さは √(2² − 1²) = √3 です。正三角形の 60度 は下の角にそのまま残り、上の角だけが半分の 30度 になります。1 辺を 2 で始めたのは、半分にしたときに分数を出さないためです。

2 点間の距離の式も、同じ定理を座標の上で使っただけです。2 点を結ぶ線を斜辺と見て、横と縦の線を足して直角三角形を作る。横の長さが x 座標の差、縦の長さが y 座標の差です。差を 2 乗するので、引く順番を逆にしても答えは変わりません。立体でも、直角三角形を 2 回見つければ届きます。縦 p、横 q、高さ r の直方体の対角線は √(p² + q² + r²) です。数学Ⅱの図形と方程式にも、数学Cの空間の座標にも、同じ形の式が出てきます。
例題で使い方を確かめる
例題は易しい順に 4 問です。どの問題でも、最初の手順は同じで、直角と斜辺を決めることです。
例題 1 斜辺ではない辺を求める
斜辺が 6 cm、他の 1 辺が 4 cm の直角三角形で、残りの辺の長さを求めましょう。
- c に入れる数を決めます。斜辺は 6 cm なので c = 6 です。最初にここを決めるのは、入れ間違えると後の計算がすべて無駄になるからです。
- 残りの辺を x として x² + 4² = 6² と書きます。x は直角をはさむ辺なので、2 乗の和の側に置きます。
- x² = 36 − 16 = 20 と整理します。x² だけを左に残すのは、次に平方根をとるためです。
- x = √20 = 2√5 とします。長さは正の数なのでマイナスの解は考えません。√ の中の 4 は 2 として外へ出します。
答え: 2√5 cm(およそ 4.47 cm で、斜辺の 6 cm より短く、つじつまが合います)
例題 2 正三角形の高さと面積を比で求める
1 辺が 6 cm の正三角形の高さと面積を求めましょう。
- 頂点から底辺へ垂線を引きます。正三角形はこの線で左右に等しく分かれ、30度、60度、90度の直角三角形が 2 つできるからです。
- 比の 1 : 2 : √3 に長さを対応させます。斜辺の 6 cm が比の 2 にあたるので、比の 1 は 3 cm です。1 か所の対応が決まれば、残りの辺はすべて同じ倍率で決まります。
- 高さは比の √3 にあたるので 3 × √3 = 3√3 cm です。60度の向かいの辺が高さになっています。
- 面積は 6 × 3√3 ÷ 2 = 9√3 cm² です。底辺は半分に切る前の 6 cm に戻します。面積を求めたいのは元の正三角形だからです。
答え: 高さ 3√3 cm、面積 9√3 cm²
例題 3 座標の 2 点間の距離を求める
図4の左の 2 点 A(1, 2) と B(5, 5) の距離を求めましょう。続けて、C(-3, 4) と D(2, -8) の距離も求めます。

- 横の長さを x 座標の差で出します。AB では 5 − 1 = 4 です。図に直角三角形を描き足すのは、2 点を結ぶ線を斜辺にするためです。
- 縦の長さを y 座標の差で出します。AB では 5 − 2 = 3 です。横と縦は座標軸に平行なので、この 2 本は直角に交わります。
- AB = √(4² + 3²) = √25 = 5 です。3 : 4 : 5 の組がそのまま現れました。
- CD でも同じ順に進めます。横は 2 − (-3) = 5、縦は -8 − 4 = -12 です。マイナスが出ても、2 乗すれば (-12)² = 144 と正の数になるので、長さの計算には困りません。CD = √(25 + 144) = √169 = 13 です。
答え: AB = 5、CD = 13
例題 4 直方体の対角線を求める
縦 3 cm、横 4 cm、高さ 12 cm の直方体で、図4の右の赤い線(対角線)の長さを求めましょう。
- 底面の対角線を先に出します。√(3² + 4²) = √25 = 5 で 5 cm です。立体のままでは斜辺が見えないので、まず平面に落とします。
- 底面の対角線、高さ、赤い線の 3 本でできる三角形を見つけます。高さの辺は底面に垂直で、底面上の線とは直角に交わるので、この三角形は直角三角形です。
- 赤い線が斜辺なので √(5² + 12²) = √169 = 13 です。5 : 12 : 13 の組が出てきました。
- 1 本の式にまとめると √(3² + 4² + 12²) = √(9 + 16 + 144) = √169 = 13 です。途中の 5 は 2 乗に戻るので、3 つの 2 乗を足すだけで同じ答えに届きます。
答え: 13 cm
まちがえやすいところ
どれも、公式を知らないから起きる誤りではありません。知っているから勢いで書いて起きる誤りです。
斜辺を、足す側に入れる
問題は「斜辺が 5 cm、他の 1 辺が 3 cm の直角三角形で、残りの辺を求める」です。
- 誤った書き方: 3² + 5² = x² より x = √34
- どこが違うか: 斜辺の 5 を、2 乗して足す側に入れています。√34 はおよそ 5.83 で、斜辺の 5 cm より長くなります。斜辺より長い辺は直角三角形にありません。答えが出たら斜辺と比べる、その 1 秒でこの誤りは見つかります。
- 正しい書き方: x² + 3² = 5² より x² = 25 − 9 = 16、x = 4
√ を項ごとに外す
2 辺の 2 乗を足す計算を急いで、√ と 2 乗をまとめて消してしまう誤りです。
- 誤った書き方: √(3² + 4²) = 3 + 4 = 7
- どこが違うか: √ は足し算の上で分けられません。7 は直角の頂点を通って回り道をした長さで、まっすぐ行く斜辺が回り道と同じ長さになるはずがありません。
- 正しい書き方: √(3² + 4²) = √(9 + 16) = √25 = 5
1 : 2 : √3 の最後の √3 を斜辺と読む
問題は「30度、60度、90度の直角三角形で斜辺が 8 cm のとき、他の 2 辺を求める」です。
- 誤った書き方: 比の 1 にあたる長さを k として 8 = √3 × k と置き、短い辺を 8 ÷ √3 とする
- どこが違うか: 比の並びの最後を斜辺と思い込んでいます。√3 はおよそ 1.73 で 2 より小さいので、斜辺にあたるのは 2 です。比は書かれた順ではなく、大きさの順に読みます。図3の右で、赤い線に 2 と書いてあるとおりです。
- 正しい書き方: 2 × k = 8 より k = 4。30度の向かいの辺は 4 cm、60度の向かいの辺は 4√3 cm
覚え方と忘れたときの戻り方
この定理で忘れやすいのは、式より比の対応です。暗記の量を増やさなくても、30 秒で描き直せる図を 2 つ持っていれば足ります。
- 1 辺 1 の正方形を描いて対角線を引きます。√(1² + 1²) = √2 で、1 : 1 : √2 が戻ります。
- 1 辺 2 の正三角形を描いて半分に切ります。√(2² − 1²) = √3 で、1 : 2 : √3 が戻ります。60度が下に残ることも図で見えます。
- 式の形そのものが不安なら、3 : 4 : 5 を入れてみます。9 + 16 = 25 が成り立つ向きが正しい向きで、いちばん長い 5 が 1 つだけの側に来ます。
√ の値には、よく使われる語呂があります。√2 = 1.41421356… は「ひとよひとよにひとみごろ」、√3 = 1.7320508… は「ひとなみにおごれや」です。全部覚えなくてかまいません。1.41 と 1.73 までで、答えが斜辺より長くなっていないかの確認には足ります。
練習問題
図を描いてから解いてください。答えは下にあります。
- 30度、60度、90度の直角三角形で、斜辺が 14 cm です。残りの 2 辺の長さを求めましょう。
- 2 点 P(-1, 3) と Q(5, -5) の距離を求めましょう。
- 底面が 1 辺 8 cm の正方形で、底面以外の 4 本の辺がどれも 9 cm の正四角錐があります。高さを求めましょう。
答えと解説
練習 1 の答えは 7 cm と 7√3 cm です。斜辺の 14 cm が比の 2 にあたるので、比の 1 は 7 cm です。30度の向かいの辺が 7 cm、60度の向かいの辺が 7 × √3 = 7√3 cm になります。7√3 はおよそ 12.12 で、14 より短いことも確かめられます。
練習 2 の答えは 10 です。横は 5 − (-1) = 6、縦は -5 − 3 = -8 です。√(6² + (-8)²) = √(36 + 64) = √100 = 10 と計算します。6 : 8 : 10 は 3 : 4 : 5 の 2 倍の組です。
練習 3 の答えは 7 cm です。正四角錐の頂点から底面へ下ろした垂線は、底面の正方形の中心(対角線の交点)に届きます。底面の対角線は比の 1 : 1 : √2 から 8√2 cm なので、中心までの長さはその半分の 4√2 cm です。高さを h とすると、斜辺が 9 cm の直角三角形ができ、h² + (4√2)² = 9² です。(4√2)² = 32 なので h² = 81 − 32 = 49、h = 7 となります。どの直角三角形を使うかを決めるところが、この問題の本体です。
次に確かめる公式
- 余弦定理(数学Ⅰ): 直角でない三角形で、2 辺と間の角から残りの辺を求めるときに使います。角が 90度 なら三平方の定理に戻る形です。
- 三角比の相互関係 sin²θ + cos²θ = 1(数学Ⅰ): sin と cos の片方から、もう片方を求めるときに使います。
- 円錐の体積 (1 / 3)πr²h(中学): 母線と底面の半径から高さを出して、体積を求めるときに使います。
個別指導では、止まった問題の図を生徒自身に描き直してもらい、直角の印と斜辺を指させるかを先に見ます。そこで止まらないのに答えが合わないなら、√20 = 2√5 のような平方根の整理まで戻って確かめます。
まとめ
窓際で止まった鉛筆は、公式を知らなかったのではありません。式を書く前に、どの辺が斜辺かを決めていなかっただけです。正方形でも、座標の 2 点でも、直方体でも、探すものは同じ直角で、色をつける場所は同じ向かいの辺です。直角の向かいに色がついた瞬間、この定理の問題は半分解けています。
読んで終わりにするか、ここから変えるか。
武蔵境駅徒歩30秒、講師1人に生徒1人の完全1対1。授業のあいだ、先生は隣を離れません。いまの詰まりを、無料相談でそのまま話してください。
本気になった日が、入塾の日。
お子様の教育、迷ったら「丸投げ」してください。必ず、期待以上の結果で返します。武蔵野で育む、武蔵境で学ぶ。
電話は年中無休。365日、24時間、お電話可能。




