
算数が極端に苦手な子(算数障害)への教え方
連載「発達特性・不登校の研究」第7回です。
計算の手順を何度説明しても、少し問題が変わると分からなくなる。指を使うことを注意された子が、机の下でそっと数えている。保護者が「さっきと同じでしょう」と声をかけても、本人にはどこが同じなのか見えていないことがあります。問題数を増やす前に、数や式が何を表しているかを確かめたい場面です。
算数が極端に苦手なときは、数量、数字、計算の手順、文章題の意味を分けて観察します。「算数障害」という言葉だけで家庭が診断するのではなく、限局性学習症の算数に関する困難などを含め、学校や専門家へ具体的に相談します。
この記事では、数を扱う操作を見える形にし、道具から図や式へつなぐ教え方を考えます。読みの支援研究を算数への効果の根拠にはせず、算数の具体策は本人の反応を確かめながら調整する指導案として示します。
途中の考えが見えれば、誤答も指導の資料になります。答えを消す前に、何をしていたか確かめましょう。
一言でいうと(この記事の結論)
途中の操作を共有できれば、説明を足す箇所が見つかります。
- 必要な計算を補助しながら関係を説明する場面も残し、できた説明と練習が必要な操作を両方記録します [1]。
- 正答率だけでなく操作の違いを見る観点です。
- 針を読めない場合でも、示された時刻から時間の関係を考える学習はできます。
- 枠内に書けることと位を理解することを分けて記録し、形式の支援だけで概念の指導を終えないようにします。
- 支援の説明を受ける際には、どの学習領域、どの年齢の研究なのかを確認すると、根拠と実践案の違いが分かります。
- 途中の操作を共有できれば、説明を足す箇所が見つかります。
1. 学びの困りごとはどこで生まれるのか
算数の誤りは、数字の見間違いだけではありません。数の大小が捉えにくい、位の意味が曖昧、計算の途中を保持しにくい、文章から必要な関係を取り出せないなど、異なる場所で起こります。「計算ができない」とまとめる前に、実物なら比較できるか、図なら説明できるか、式になると止まるかを確かめてください。
手順を暗記して答えが出せても、その手順が何を表すかは別に確認が必要です。逆に、数量の意味を説明できても、筆算の位置がずれて答えを間違える場合があります。理解と表記の問題を分ければ、概念を教え直すのか、書く枠や途中式の支援を用意するのかが決めやすくなります。
文章題では、読む技能の負担が算数の理解を隠すことがあります。教師が読み上げたときと、自分で読んだときの反応を比べます。読み上げで解けても、数量関係を教師が補足していないか確認してください。どこまで提示したかを残すことで、算数の支援と読みの支援を混同せず相談できます。
読むことへの研究結果から、数量や計算への指導効果までは判断できません。道具や手順についても、算数障害なら同じ方法が必ず合うとは考えず、課題で確かめる必要があります。数量と記号の対応を確認するための指導上の工夫として試し、本人の説明や誤りの変化から使いやすさを見ます。合わない方法を続ける理由に、診断名を使わないでください。
数量を確かめる際には、正解を言えたかだけでなく、物の並びが変わっても同じ関係を説明できるかを見ます。迷ったら、どの違いに注目したかを聞き、教える内容を選びます。
SLDや注意欠如多動症(ADHD)のある学生を扱った研究では、自己効力感と自己調整学習が成績差を統計的に媒介したと報告されています(Sharabi et al.・2025 [1])。算数に取り組む際も、本人が使える方法を選び、進み具合を確認できるかという観点を持てます。ただし、特定の計算手順や具体物の有効性を直接示した研究ではなく、自信を持たせれば数量の困難が解決するという意味でもありません。
本人が「算数は全部無理」と言う場合は、教科全体の評価を変えようと説得する前に、扱える課題を確かめます。図形なら説明できる、物を分ける操作なら分かるなど、確認できた内容を起点にします。得意な活動を苦手の埋め合わせにするのではなく、どの表し方が本人に伝わるかを知る材料にしてください。
誤りを確認する課題と新しい内容を学ぶ課題は分けて計画します。難しい計算の点検だけで授業が終わると、本人が数量について考える機会が不足します。必要な計算を補助しながら関係を説明する場面も残し、できた説明と練習が必要な操作を両方記録します。
一言でいうと
必要な計算を補助しながら関係を説明する場面も残し、できた説明と練習が必要な操作を両方記録します。

2. 家庭での接し方
数え方を隠さなくてよい環境にする
家庭では、指や物を使って数えることを恥ずかしい方法として扱いません。「何を数えているか見せて」と頼み、本人の操作を確認します。避けたいのは、途中の数え方を禁止して暗算だけを求めることです。道具を使った結果から、どの関係が分かっているかを見ます。
生活の場面を使うなら、買い物の合計を急に試験にしないでください。「この分を分ける方法を一緒に考えよう」と相談し、間違えても人前で責められない範囲で行います。日常の失敗が続くときは、練習する場面と大人が支える場面を分けます。
計算の誤りには「どこまで合っているか、途中を残して見よう」と声をかけます。すぐ消してやり直させると、位のずれや手順の抜けを確認できません。速さを競うことや、きょうだいに答えさせて比較することは避けてください。
電卓などを使う場合は、何を確かめる課題なのかを学校と相談します。数量関係を考える場面で計算を補助することと、計算技能を学ぶ場面は区別し、本人にも使う目的を説明します。
計算以外の算数の操作も確かめる
家庭で教材を選ぶときは、同じ計算形式を大量に出す前に、その計算が何を表すかを確認します。物を分ける、まとまりを作る、差を比べるなど、操作を本人が説明できるかを見ます。正しい言葉で説明することが難しければ、物や図を動かしてもらいます。言葉の不足だけから数量の理解がないと判断しないようにします。
数字を書く位置がずれる場合は、方眼や枠が役立つかを試します。ただし、枠が細かすぎて書きにくいこともあるため、見た目が整うことより本人の操作を確認します。桁の位置を確かめられたか、途中で見失わず進められたかを見ます。筆算の誤りを直す場合も、答えだけを書き替えず、位置や手順のどこを変えたかを残してください。
時計や金銭の扱いが難しい場合は、日常の必要と練習を区別します。急いで出発する朝に時計の読み方を試すと、失敗が生活上の衝突になりやすくなります。必要な情報は大人が分かる形で伝え、余裕のある別の場面で技能を確認します。生活を送るための補助を、練習が終わるまで使わせない条件にしないでください。
文章題で止まったら、登場する量と求める量を別々に示します。特定の言葉があれば必ず足すなどの近道だけを教えると、場面が変わったときに判断しにくくなります。本人が描いた図のどこに量があるかを指してもらい、関係を確認します。計算はできているのに式を選べない場合、その違いを教師へ伝えてください。
家庭で説明が行き詰まったら、その問題を保留してかまいません。親が別の手順を次々に出すより、どの操作まで分かったかを残して授業へ戻します。本人には保留した理由と確認する相手を伝えます。「算数は親も苦手だから仕方ない」と可能性を閉じず、家庭で教えきれない内容を指導者の仕事として相談してください。
家庭で使える問いを計算の段階に合わせる
やってよいことは、数の名称と量を結び直すことです。食器を人数分並べる場面で、足りない分を指してもらい、それを数字で表します。親が先回りして合計を言うのではなく、「この数字はどの分を表している」と尋ねます。生活の手伝いに乗り気でないときは教材で行い、家事の参加まで算数の成績で評価しません。
引き算の説明では、取り去る場面と差を比べる場面を区別して見せます。「引くという字があるから引き算」と教えることは避けます。残る量を数える問題なら「取った後に残ったものはどこ」、差を求めるなら「対応させた後で余ったものはどこ」と言います。式が同じでも操作の意味を示すと、文章題への橋ができます。
宿題を助ける親同士で手順が違う場合は、本人が今学校で使っている見本を手元に置きます。もっと速い方法へ急に変えることは避け、「今日はこの見本と同じ書き方で、分からない所を残そう」と伝えます。家庭で教えた方法を誤りとして隠さず、教師に見てもらえば、次の説明で比較する材料になります。
数量の困りごとを調べるために、並べ方だけを変える課題を使えます。同じ数の札を広く並べた列と狭く並べた列で、どちらが多いか尋ねます。長さを数の多さと取り違えるなら、札を対応させて数える説明へ戻します。別の数を出して暗記を試す前に、何を基準に比べたかが分かる課題を選ぶのです。
計算中に考える仕事が重なると、意味が分かっていても失敗します。繰り上がりを覚えながら数字を書き、次の位へ移る課題なら、繰り上がりを紙へ残すことで負担を分けられます。補助を書いた答案と補助なしの答案を比べると、概念の説明が要るのか、途中の情報を保つ助けが要るのかを相談できます。正答率だけでなく操作の違いを見る観点です。
一言でいうと
正答率だけでなく操作の違いを見る観点です。
3. 個別指導での教え方
実物、図、式のつながりを言葉にする
教師は、物を動かした操作と式の記号が対応する場所を示します。実物でできた後、いきなり式だけへ移さず、図にした場合に何が同じかを確認します。道具を片づけることを進歩の唯一の基準にせず、本人が数量関係を説明できるかを見てください。
たとえば、筆算で桁がずれる生徒がいると、教師は机に位ごとの札を並べて答案と比べます。教師は答えの誤りを指すだけでなく、札の位置と数字の位置がずれた箇所を示します。具体物を触る活動が目的ではなく、表記の意味を確かめるために使います。
問題は見た目の似たものだけでなく、同じ数量関係を別の文で表したものも扱います。どの言葉を見て演算を選んだかを聞き、特定の単語だけで式を決めていないか確かめます。迷ったら図へ戻り、登場する量の関係を一緒に示します。
位取りと繰り上がりを交換の操作で教える
位の理解には、同じ大きさの札を使ってまとまりを作り、そのまとまりを別の札へ交換する課題を用意します。教師がまとまりの札を置いた理由を説明し、本人にも同じ交換を行ってもらいます。色だけで桁を区別すると、色を外した途端に迷うことがあります。札に位の名称も記し、色、位置、名称のどれを頼りにしたかを確かめます。
交換をした後の筆算では、具体物の変化と途中の数字を線で結びます。繰り上がりを書く欄が、ただの決まりではなく交換したまとまりを残す欄だと示します。書き込む位置だけ覚えた場合は、別の数で交換する操作へ戻ります。教師が数を動かしながら生徒が写すだけの活動から、どこを交換するか本人が決める活動へ進めます。
繰り下がりは、上の位から分けてもらう操作を先に見せます。途中で元の札が残ったまま下の位にも札を足すと、全体の量が増えてしまいます。交換前後で総量が同じことを確かめ、書き直した数字が何を記録するかを説明します。「借りる」と呼ぶ場合も、後から返す数ではないことを具体物で示し、言葉の比喩だけで理解させません。
掛け算、割り算、分数を同じ図へ押し込まない
掛け算では、まとまりの中の数とまとまりの数を別に記します。本人が物を全部数えて答えを出せたら、次に同じ大きさのまとまりを囲みます。式の各数がどちらを指すかを確認し、並びを変えた問題でも同じ関係を示せるかを見ます。九九の表を使う間も、掛け算の意味を考える課題を続けられます。
割り算では、同じ人数へ配る場面と、同じ数ずつ袋へ入れる場面を扱います。教師は答えの単位を最初から埋めず、何を数えた答えかを本人に示してもらいます。配った物の数と袋の数を取り違えたら、物を動かして再現します。文章の最後だけ読み直すより、式の答えが何を表すかを説明する練習になります。
分数を教える際は、全体に当たるものを最初に示します。同じ分数でも、全体の大きさが違えば実際の量が違います。切り分けた部分の数だけに注目しているなら、等しく分けられているかを比べる課題を足します。面積の図だけが分かりにくければ長さで示し、使う表現を選びます。図を描けることと数直線上の位置を理解することも分けて扱います。
文章題で式を選ぶ前に関係を描く
文章題の数字すべてを丸で囲ませても、関係が分かったことにはなりません。何を求めるのかを先に言葉や印で残し、既知の量と未知の量を図へ置きます。関係のない数が混じる問題では、なぜ使わないかを説明します。式を書く前の図を残せば、読み違い、関係の取り違え、計算ミスのどこへ戻るかが分かります。
「合わせて」「多い」などの言葉だけで演算を決める癖があるなら、同じ言葉を含む別の関係を並べます。比較の相手より多い量を求める場合と、差を求める場合を図で比べます。ひっかけ問題として失敗させず、文章のどこで求める量が決まるかを教師が説明します。本人が下線を引いた場所を根拠に式を選べたかを見ます。
解いた後は、計算を再び全部する前に、答えの量が場面に合うかを考えます。分けた袋の数なのに物の総数より多くなっていないか、差なのに比べた量より大きくなっていないかを図へ戻って点検します。概算が難しい子には具体物を使えます。正解を教師に聞く以外の点検方法を、課題ごとに教えることが目標です。
補助を残す範囲と次に教える技能を決める
練習問題を選ぶ際は、位、演算、文章の長さを同時に難しくしません。どの変更で止まったかが分かるよう、今扱っている技能以外の条件をなるべくそろえます。慣れた後に表現を変えて使えるかを試し、できなければ新しい条件の説明を足します。問題を減らすだけでなく、難しさをどこへ置くかを教師が設計します。
単位の取り違えがあるときは、数字だけを式へ移さず、長さ、時間、物の数などの名称も図へ残します。異なる単位の量を足していないかを本人と点検します。単位を最後に付ける飾りと扱わず、何を数えたかを示す情報として教えます。
時計の課題では、時刻を読むことと、経過した時間を求めることを分けます。時計の図から数直線へつなぎ、出発と到着を置いて間の長さを示します。針を読めない場合でも、示された時刻から時間の関係を考える学習はできます。
一言でいうと
針を読めない場合でも、示された時刻から時間の関係を考える学習はできます。

4. 学校・医療・塾の連携
学校へ相談するときは、計算の答案と、本人が数えたり説明したりした様子をセットで伝えます。文章を読んでもらうと解けるのか、道具を使っても関係が分からないのかなど、支援による違いがあると指導の焦点を絞れます。
塾では、学校と異なる計算手順を導入する前に、本人が混乱しないか確認します。別の方法を教える場合は、どの場面で使うのか、既存の方法とどうつながるのかを説明し、家族にも伝えます。方法の多さをそのまま支援の豊かさと考えないでください。
学習の困難が続く場合は医療機関や学校の相談窓口へ相談し、評価と指導上の調整を検討します。診断の判断は専門家に委ね、家庭と塾は誤りの特徴や試した支援を記録します。
相談資料には、暗算、筆算、具体物、読み上げでの取り組みを区別した例を添えます。すべての問題を集めるより、つまずきが違う答案を選ぶ方が教師は次の課題を用意しやすくなります。本人が見せたくない答案を隠れて渡すことは避け、何を調べてもらうための資料かを説明します。点数への弁明ではなく、説明の方法を変える相談です。
学校とは、授業中の補助と評価時の条件を分けて話します。計算の習得を確かめる試験なのか、数量関係の理解を確かめる課題なのかで、道具の扱いを相談する焦点が変わります。家庭で電卓を使えたという事実だけで試験でも使えると約束せず、担当者へ尋ねます。塾ではその回答に合わせ、補助のある学習と技能の練習を組み直します。
限局性学習症(SLD)の算数に関する困難を相談する際には、計算の正誤に加えて、これまでどんな説明と練習を受けたかを整理します。習っていない内容と、教わっても繰り返し難しい操作を分けると、次に確認する課題が明確になります。困難の原因や診断を家庭や塾だけで決めず、医療機関や学校の相談窓口へ観察をつなぎます。
共有する計画には、数の関係を理解する課題と、計算手順を使う課題を別に載せます。関係の課題で九九表を使ったなら、その条件で説明できたことを記録します。次の授業では表の使い方が安定しているかを見ながら、必要な計算の事実を取り出して練習します。表を取り上げてから考えさせる計画では、内容の学習まで止まりかねません。
筆算や途中式のために枠を用意する場合は、本人がその枠の意味を理解しているか確認します。枠内に書けることと位を理解することを分けて記録し、形式の支援だけで概念の指導を終えないようにします。
一言でいうと
枠内に書けることと位を理解することを分けて記録し、形式の支援だけで概念の指導を終えないようにします。
5. よくある誤解
Q 指を使うのは早くやめさせるべきですか
今どの計算に使い、どこで困るかを確認します。使うことを禁止するだけでは、別の方法は身につきません。数量関係を図や式で確かめる練習を用意し、本人が使いやすい手段を増やします。人前で恥ずかしいと感じているなら、使う場所や別の道具も相談してください。
道具で分かった関係を図へ表せるか確認し、難しければ実物へ戻れます。道具を外す期限だけを先に決めないでください。
Q 九九を覚えれば算数の困難は解決しますか
計算の事実を使えることと、問題の数量関係を理解することは別です。覚える練習が必要な場合も、何を求める式かを教える時間を残します。暗記の不足だけで説明せず、文章の理解や位の扱い、途中式の記録も確認します。本人がどの段階なら説明できるかが教材選びの材料になります。
同じ計算を含む問題でも場面が変わると迷う場合は、量の関係を図へ示す練習を別に用意します。
Q 読みの支援研究が算数の教え方にも使えますか
読みへの介入効果を、そのまま算数への効果として示すことはできません。読みの負担が文章題に関係する場合には、その部分の支援を考える参考になります。数量や計算への工夫は、本人の反応を見て検討し、必要なら専門家へ相談します。異なる学習領域の研究を同じ根拠として扱わないことが大切です。
支援の説明を受ける際には、どの学習領域、どの年齢の研究なのかを確認すると、根拠と実践案の違いが分かります。
一言でいうと
支援の説明を受ける際には、どの学習領域、どの年齢の研究なのかを確認すると、根拠と実践案の違いが分かります。
6. いま使える区切り
算数で止まったときは、答えの前に、本人が何を数え、どう表そうとしたかを見てください。物、図、言葉、式をつなぐ説明があれば、単なるやり直しとは違う学習を用意できます。道具を使えることも、必要な援助を選ぶ技能として扱います。
暗算できることを、理解していることの代わりにしません。
家庭で全部を教え直す必要はありません。誤りが残る答案と、支援を変えたときの反応を学校や塾へ持っていきましょう。何を練習し、何を補助で支えるかを分ければ、計算の苦手さだけで考える内容を狭めない学習計画を作れます。
次に間違えた問題は、答えを消す前に教師へ見せる候補として残しておきます。途中の操作を共有できれば、説明を足す箇所が見つかります。
一言でいうと
途中の操作を共有できれば、説明を足す箇所が見つかります。
この記事で言えないこと
- 研究記述は掲載要約の範囲であり、原著全文の再確認はしていない。
- 算数障害に対する数量理解・具体物・図式指導の直接的介入研究はSPECに未掲載。Sharabi et al.(2025)は学習者の自己効力感・自己調整の関連の参考
当塾の立場
塾に来なくても、家庭でできること
- 数え方を隠さなくてよい環境にする
- 計算以外の算数の操作も確かめる
- 家庭で使える問いを計算の段階に合わせる
それでも個別指導を使う理由
- 実物、図、式のつながりを言葉にする。授業内で手順を試し、家での再現条件を残す [1]。
- 位取りと繰り上がりを交換の操作で教える。本人の反応を次の課題の形へ返す。
- 掛け算、割り算、分数を同じ図へ押し込まない。家庭だけで監督を増やさず、教材側を直す。
塾を検討するときは、次のように聞いてみてください。
- 止まった操作を、どう観察して教材を変えますか
- 家庭へ渡す指示は、教師がいなくても始められますか
- 学校との役割分担を、どう文書に残しますか
まとめ
- 必要な計算を補助しながら関係を説明する場面も残し、できた説明と練習が必要な操作を両方記録します [1]。
- 正答率だけでなく操作の違いを見る観点です。
- 針を読めない場合でも、示された時刻から時間の関係を考える学習はできます。
- 枠内に書けることと位を理解することを分けて記録し、形式の支援だけで概念の指導を終えないようにします。
- 支援の説明を受ける際には、どの学習領域、どの年齢の研究なのかを確認すると、根拠と実践案の違いが分かります。
- 途中の操作を共有できれば、説明を足す箇所が見つかります。
出典
本文中の番号に対応します。抄録・公式案内に直接あたって確認した範囲を挙げています。
- 【根拠】Sharabi et al.(2025), Learning Disabilities Research & Practice. https://consensus.app/papers/details/57b38a11153f51cfb39776cf325dafcd/
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