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中学受験の算数で暗記すべき数—3.14の段、平方数、分数と小数の表をいつ覚えるか|武蔵野個別指導塾

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3.14×16を筆算せず50.24と書ければ、円の問題の1分が浮きます。3.14の段、11〜20の平方数、分母2・4・5・8の分数と小数を何年生で覚えるか、1日5〜10分の練習と保護者の読み上げ方まで載せています。

中学受験の算数で暗記すべき数は、3枚の表に収まります。1枚目は3.14×1〜9と、円の問題でよく使う3.14の倍数(×12・×15・×16・×18・×20・×24・×25・×36)。2枚目は11×11から20×20までの平方数と25×25。3枚目は分母が2・4・5・8の分数と小数です。覚える時期の目安は、4年生で分数と小数(分母2・4・5)と11〜15の平方数、5年生で3.14の段と分母8の分数と16〜20と25の平方数、6年生は新しい数を足さずに使う練習と覚え直しです。練習は1日5〜10分で、1枚の表に2〜3週間をかけます。進め方は「表を作る」「声に出す」「隠して言う」「問題で使う」「週末に通す」の5つの段です。

よくあるのは、円の面積の問題で、3.14×16の筆算に1分かかった小学5年という場面です。半径4cmの円で、式の「4×4×3.14」まではすぐ書けています。そこから余白に314と16を縦に並べ、1884と314をずらして書き、足して5024。小数点を2けた戻して50.24。答えは合っています。ところが同じページにはあと2問、円の問題が並んでいて、2問目の途中で時計を見たお子さまの手が止まりました。横で丸をつけていた保護者は「式は合っているのに」と言いかけて、言葉をのみこみます。式は合っている。遅れているのは、毎回ゼロから掛け算をしているところです。

なぜそうなるのか

筆算に1分かかること自体は、計算の力が足りないという意味ではありません。教室で家庭学習のノートを見ていると、遅れの理由はたいてい次の4つに分かれます。

1つ目は、同じ数に何度も出会っているのに、毎回はじめての計算として扱っていることです。円の面積は「半径×半径×3.14」、円周は「直径×3.14」。半径が4なら16に、半径が5なら25に、直径が12なら12に、3.14を掛けます。1回のテストの中でも、円とおうぎ形の問題が続けば、同じ形の掛け算が何度も顔を出します。7×8を、毎回7を8回足して出す子はいません。九九として覚えているからです。3.14×16も、九九と同じ棚に置ける数です。

2つ目は、3.14の筆算には、まちがいの入り口がいくつもあることです。314×16を計算して5024を出し、小数点を2けた戻す。この「戻す」で1けたしか動かさずに502.4と書く。繰り上がりの小さな数字を書き忘れる。1884と314をずらす位置を1つまちがえる。どれも力の問題ではなく、手順が長いことの問題です。覚えている数があると、答えの見当にもなります。3.14×16は3×16の48より少し大きいはずなので、502.4と書いた瞬間に「おかしい」と気づけます。

3つ目は、計算の工夫の行き先が、覚えている数だということです。3.14×7+3.14×9は、3.14でまとめると3.14×(7+9)=3.14×16になります。まとめ方を習っても、まとめた先の3.14×16を筆算するなら、手間は思ったほど減りません。表に50.24があれば、工夫は1行で終わります。半径4cmの円を4等分したおうぎ形も同じで、4×4×3.14÷4は、÷4を先にすると3.14×4で12.56です。覚えた数があってはじめて、工夫をする意味が手で感じられます。

4つ目は、分数と小数を行き来する場面で、どちらにそろえるかを迷う時間です。0.375×16を小数のまま筆算すると、3けたの小数の掛け算になります。0.375が3/8だと知っていれば、16÷8×3で6。0.625×24も、5/8×24と読めば24÷8×5で15です。割合や速さの問題では、小数と分数が1つの式に混ざって出てきます。そのとき「この小数は分母8の分数だ」と見えるかどうかで、式の長さが変わります。

図1 3.14×16を筆算で出す道と、覚えた数で1行で書く道

図1のように、同じ3.14×16でも、筆算の道は「整数のまま掛ける」「小数点を2けた戻す」「答えを書く」の3段を通り、覚えた数の道は1行で終わります。1問で見れば小さな差でも、円の問題が続くページでは、その差が積み重なって、最後の問題を考える時間を削ります。冒頭の5年生が失っていたのは、計算の時間というより、3問目を読む時間でした。

今夜からの手順

用意するのは、白い紙3枚かノートの3ページ、答えの列を隠す細長い紙1枚、鉛筆です。練習の時間は1日5〜10分。表を作る段も、この5〜10分の中で書ける行までにします。学年ごとにどの表から作るかは次の節に書きました。

図2 表を作るから週末に通すまでの5つの段と練習の時間

図2は、5つの段を左から順に並べたものです。「表を作る」から「問題で使う」までの4つは平日に回し、「週末に通す」だけは週に1回です。

表を作る—答えは自分の筆算で出し、使う場面を横に書く

1枚の紙を縦に3列に分けます。左に式、まん中に答え、右に「使う場面」。3.14の段なら、左の列に「3.14×1」から「3.14×9」まで書き、続けて「3.14×12」「3.14×15」「3.14×16」「3.14×18」「3.14×20」「3.14×24」「3.14×25」「3.14×36」と書きます。全部で17行です。

答えはお子さま自身に出させます。×1〜9は、前の行に3.14を足していけば次の行になります。3.14、6.28、9.42と進み、×9で28.26に着きます。倍数の行は、上で作った数を組み合わせます。×12は×10の31.4に×2の6.28を足して37.68。×16は31.4に×6の18.84を足して50.24。×36は×30の94.2に18.84を足して113.04。こうして作ると、表の数が「どこから来た数か」をお子さまが知ったまま覚え始められます。1日目は×1〜9、2日目は倍数の行と、5〜10分で書ける行まで進めれば足ります。

右の「使う場面」の列は短く書きます。×16の横に「半径4の円の面積」、×25の横に「半径5の円の面積」、×12の横に「直径12の円周」。半径か直径かを、ここではっきり書き分けておきます。

平方数の表は、11×11=121から20×20=400までと、25×25=625です。分数と小数の表は、分子を分母で割って出します。1/8=0.125を出したら、3/8はその3つ分で0.375、5/8は0.625、7/8は0.875です。

できた表は、保護者が次の数と照らしてください。

平方数の表には、お子さま本人にもできる確かめ方があります。となりどうしの差を書き出すと、121から144で23、144から169で25、169から196で27と、2ずつ増えていきます。361から400で39になれば最後まで正しく並んでいます。途中で差の並びが崩れたら、その行の筆算がまちがっています。

声に出す—式と答えを1行ずつ続けて読む

作った表を、上から下へ声に出して読みます。「3.14かける16、50.24」と、式と答えをひと息で。小数点の後ろは「てん、に、よん」と1字ずつ読むのが算数のふつうの読み方なので、家の中ではそこにそろえます。日によって読み方が変わると、耳に残る音が2つに割れます。

声に出すのは、1日5〜10分のうち最初の2〜3分です。表の上から下まで2回。2回目は少し速く。声に出すと、読み飛ばした行が自分の耳でわかります。黙って眺めているだけだと、6.28から12.56へ目が飛んで、×3の行を読み落としたことに気づきません。

隠して言う—答えの列を紙で隠し、保護者が順番を崩して読む

細長い紙で、まん中の答えの列を隠します。左の式を見て答えを言い、紙を1行下へずらして確かめる。上から下まで終わったら、次は保護者の番です。保護者は左の列を、順番を崩して読みます。「3.14かける24」「3.14かける7」「3.14かける36」。上から順になら言えても、ばらばらに聞かれると止まる行が出てきます。そこが、まだ覚えていない行です。

止まった行には、お子さまが自分で式の横に小さな点を付けます。点が付いた行は、次の日の最初に回します。見ないで全部の行を言える日が3日続いたら、その表は週末に通す段へ移し、次の表を作る段に進みます。ここまでで1枚あたり2〜3週間、というのが教室で見ている目安です。

問題で使う—解いた問題で使った行に印を付ける

覚えた数は、問題の中で使ってはじめて手になじみます。円やおうぎ形の問題を解いたら、使った数の行の右端に印を付けます。半径5cmの円の面積なら、式は「5×5×3.14」で、3.14×25の行を使って78.5。直径12cmの円の円周なら「12×3.14」で37.68。計算の工夫の練習で3.14×7+3.14×9が出たら、まとめて3.14×16にして50.24。分数と小数の表なら、0.625×24を5/8×24と読み替えて15です。

式は省かせません。「5×5×3.14=78.5」と、式を書いてから覚えた数を入れる。この順を守ると、覚えた数は式の代わりにならず、式の最後の1手を速くする道具にとどまります。

何週間たっても印が付かない行は、その数を使う問題にまだ出会っていないか、使える場面で筆算に戻ってしまっているかの、たいていどちらかです。後のほうなら、その問題を1問だけ解き直し、覚えた数で書き直します。

週末に通す—できた表を1回ずつ、隠して言う

週末の1回は、できあがった表をすべて、1枚ずつ隠して言います。平日に点の付いた行も、ここでもう1回確かめます。かける時間は平日と同じ5〜10分。3枚そろってからも、この段だけは入試の前まで続けます。週末に止まった行は、翌週の平日の最初に戻します。表を作る段まで戻るのではなく、隠して言う段に戻すだけです。

学年と時期で変わるところ

図3は、4年生から6年生までに、どの表をどこで作るかの目安です。

図3 4年生から6年生までに作る表の順番と6年生の過ごし方

4年生は、分数と小数(分母2・4・5)と、11×11から15×15の平方数から始めます。分数を小数に直す計算、つまり分子を分母で割る計算ができるようになってから作るのが目安です。この時期の平方数は、正方形の面積の問題と、2けたの掛け算の筆算の練習を兼ねます。3.14の段は、円の単元に入るまで急いで作りません。意味を知らないまま覚えた3.14×16は、使う場面が来るまでに抜けていきます。

5年生は、3.14の段の年です。円の単元に入る時期は通っている教室の進み方で違うので、作り始めるのは、その単元の授業が始まった週にそろえます。早く円に入っている場合は、4年生のうちに前へ動かします。同じ年に、分母8の分数と小数と、16×16から20×20と25×25の平方数を足します。表が3枚そろうのは、5年生の終わりごろが目安です。

6年生は、新しい表を足しません。図3の6年生の欄のとおり、週末に通す段を毎週続け、問題で使う段の量を増やします。過去の入試問題を解く時期に入っても、解いた問題で使った行に印を付けることは、そのまま続けます。

ふだんの週は、平日の1日5〜10分と週末の1回です。教室の確認テストや模試の前の週は、新しい表を始めず、点の付いた行だけを集めて隠して言います。長い休みは、学校と教室の予定で長さが違います。休みの日数で計画を組まず、「この休みの間に次の1枚を作り終える」のように段で決めます。6年生の夏も、週末に通すのは週1回のまま。増やすのは問題で使う量です。

よくある失敗と直し方

表を壁に貼って、眺めるだけになる

表をトイレの壁や冷蔵庫に貼り、毎日目に入っているから覚えたはず、という形です。なぜそうなるかというと、答えが見えている状態では、思い出す手間が一度も起きないからです。見えている数は「知っている気がする数」で、テストの余白に自分で書ける数とは別物です。直し方は、貼った表のそばに、答えの列を隠す紙をクリップで1枚留めておくことです。眺めるだけの日でも、1行だけは隠して言う。家の人が通りがかりに紙を1行ずらして「これは」と聞くだけでも、表は眺める物から思い出す物に変わります。

語呂合わせを、表の全部の行に付ける

語呂合わせは、うまくはまると強い道具です。ところが全部の行に付けると、数を思い出すたびに、まず語呂を思い出し、それを数に戻す2段の手間になります。語呂の文が数より長くなり、似た語呂どうしがぶつかって、どれがどの数かわからなくなることもあります。直し方は、語呂を「隠して言う段で3日続けて止まった行」だけに絞ることです。1枚の表に2〜3個まで。作るのはお子さま本人で、保護者は作るのを手伝わず、聞き役に回ります。人に作ってもらった語呂は自分の言葉ではないぶん、いざというときに出てきにくいからです。

数が先に出て、式を書かなくなる

半径4cmの円の円周を聞かれて、50.24と書く。これがいちばん怖い失敗です。正しくは直径が8cmなので、8×3.14で25.12。なぜ起きるかというと、「4の円なら50.24」と、問題の形ごと数を覚えてしまうからです。覚えた数が速く出るほど、式を考える前に手が答えを書いてしまいます。直し方は、問題で使う段で決めた順を崩さないことです。まず「直径×3.14」「半径×半径×3.14」と式を言葉で書き、そこに数を入れ、最後に覚えた数を使う。表の「使う場面」の列に半径か直径かを書き分けておいたのは、この失敗を止めるためです。

よくある質問

暗記の表は、印刷された物と手で書いた物のどちらがいいですか

手で書いた物をすすめます。答えを自分の筆算で出したという手ごたえが、数を思い出す手がかりになるからです。印刷された表を使うなら、1行ずつ筆算で確かめてから使ってください。もう1つ、表には外すときがあります。見ないで全部言える日が3日続いた表は、壁や机の前から外し、ノートの最後のページに移します。貼りっぱなしの表は、そのうち部屋の景色になり、誰も見なくなります。外した表は、週末に通すときだけ開けば足ります。

語呂合わせは、何年生から使っていいですか

4年生のうちは、語呂を作るより声に出すほうを先にします。4年生で作る分数と小数や11〜15の平方数は行の数が少なく、声に出して隠して言うだけで足りることが多いからです。語呂を考え始めるのは、行の多い3.14の段に入る5年生からで十分です。反対に、6年生の秋より後は新しい語呂を作りません。語呂を作る時間は、問題で使う段に回したほうが入試に近い練習になります。

算数は考える教科なのに、数を暗記する必要はありますか

覚えるのは、考える時間を残すための数です。どの公式を使うか、どこで3.14でまとめるかを考えるのはお子さま自身で、そこは表では代われません。表が受け持つのは、考えた後の掛け算だけです。そのうえで、覚えないほうがよい数もあります。1/3や1/6、1/7のように、小数に直すと割り切れずに続く分数は、小数で覚えず、分数のまま式に使います。0.333と途中で切った数を覚えると、答えが少しずつずれていきます。3.14の倍数も、表の17行より先を増やし続けないでください。表に無い倍数が出たら、表の数を組み合わせるか、筆算で出せば足ります。

保護者が手を貸すなら

保護者の役は、隠して言う段で左の列を読む人です。夕食の前や、お風呂が沸くまでの5〜10分で足ります。読むときは「3.14かける25は」と短く。3秒待って出てこなければ、責めずに紙をずらして答えを見せ、次の行へ進みます。「昨日も言えなかったよね」は飲みこんでください。止まった行に点を付けるのは、お子さま本人に任せます。

見守る線は、表を作る段の筆算に手を出さないことです。まちがった数が書かれていても、すぐには直しません。平方数なら差の並びで、3.14の段なら保護者が上の数と照らしたうえで「この行、もう1回筆算してみて」とだけ伝えます。自分で見つけて直した行は、忘れにくい行になります。

個別指導で確かめること

3.14の倍数を何度もまちがえる場合は、表に戻る前に、小数の掛け算の筆算で小数点を打つ位置まで戻って確かめます。分数と小数の表で迷う場合は、分数が「分子÷分母」の答えだというところまで戻ります。表の数は言えるのに問題で使えない場合は、式を言葉で書くところから、1問ずつ解き直します。どこで止まっているかは、表に付いた点の位置と、問題の余白に残った筆算を並べると見えてきます。

まとめ

半径4cmの円で、3.14×16の筆算に1分かかっていた5年生の手元には、式を書く力はもうそろっていました。欠けていたのは、16を見て50.24と書ける1行だけです。表を1枚作り、答えの列を隠して言い、使った行に印を付ける。その1行が書けるようになった日から、円の問題で浮いた1分は、次の問題を読むために使えます。

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