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中学生の国語の家庭学習—漢字の練習のほかに、家で何を読み、何を書くか|武蔵野個別指導塾

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漢字ドリルを3ページ埋めて終わる夜に、教科書の段落を1行にまとめる手順と、辞書で語を三つだけ引く並べ方を足して、授業の日の国語を10〜20分に組み立てます。

漢字の練習のほかに家でやるのは、四つです。教科書の文章を声に出して読むこと、段落ごとに1行でまとめること、読んで止まった語を三つだけ辞書で引くこと、自分の文を3行だけ書くこと。漢字ドリルは字を覚える練習で、文章の中身をつかむ力と自分の言葉で書く力は、文章を読んで書く練習の中でしか育たないからです。四つを毎晩長くやる必要はなく、授業のあった日の10〜20分に、決まった順で並べれば足ります。今夜の最初の一手は、今日の授業で読んだページを開き、1段落だけ声に出して読んで、その段落を1行で書くことです。

よくあるのは、「国語の家庭学習もやっておくように」と言われた中1が、帰ってから漢字ドリルを3ページ埋め、「国語、終わった」とノートを閉じるという場面です。マスは丁寧に埋まり、字もきれいです。やっていないわけではないので、親としても止めにくい。けれど、その夜の机に国語の教科書は一度も開かれていません。今日の授業で読んだ文章の題を聞くと、すぐには出てこない。漢字は進んでいるのに、読むことと書くことが、家の時間に一つも入っていないのです。その3ページのあとに何を足し、どの順で並べるかを、ここから書いていきます。

漢字ドリルだけで終わる夜に、子供の側で起きていること

漢字ドリルの3ページそのものが悪いわけではありません。字の形と読みは、繰り返さなければ身につかないからです。ただ、国の学習指導要領で中1の国語の中身を読むと、漢字は書けることに加えて、文や文章の中で使うところまでが学ぶ中身に入っています。読むことでは、目的に合わせて必要な所に目をつけ、要約すること。語句では、辞書に載っている意味と、文の中での意味の関係に気をつけて使うこと。ドリルだけの夜には、このどれもが入っていません。抜け方はお子さまによって違うので、次の四つのうちどれに近いかを、机の上の様子で見てください。

漢字が文の中に入っていない

ドリルで「確」の字を10回書けても、文の中で「確かめる」と書くときに「確める」と送り仮名を落とすことがあります。マスの中の字は、前後の言葉と切り離されているからです。送り仮名や、同じ読みの別の字の使い分け(「計る」と「測る」のような)は、字を文に入れて書いたときに、初めて間違いとして表に出ます。ドリルが何ページ進んでも、この練習はマスの外でしか積めません。

文章を読む練習が、授業の中にしかない

授業でも教科書の文章は読みます。ただ、先生の説明や友だちの発言を聞きながらの読み方で、自分の速さで最初から最後まで読み通す時間は、思うより短いものです。家で一度声に出すと、どこで区切りを間違えるか、どの語で止まるかが、本人にも親にも聞こえます。黙って読めば読めた気がする所も、声に出すと止まります。そして、読んだ段落を自分の言葉で短く言い直す練習は、授業の中ではそう何度も順番が回ってきません。家でなら、毎晩1段落ずつ積めます。

知らない語を、飛ばしたまま読んでいる

中学の文章には、意味をなんとなくしか知らない語が混じります。飛ばしても話の筋は追えてしまうので、本人は困っていません。けれど、その語が登場人物の気持ちを決めている文や、筆者の言い分を支えている文の中にあると、意味を取り違えたまま先へ進むことになります。授業中に先生が説明した語でも、家でもう一度見なければ、次の週には抜けています。

自分の文を一つも書いていない

漢字ドリルで書くのは字であって、文ではありません。主語と述語がつながっているか、理由を「から」でつなげられるか、意見と理由を分けて書けるか。こうした文の組み立ては、短くても自分で文を書いたときにしか確かめられません。書く量がゼロの日が続くと、授業で意見を書く時間になったとき、1文目から鉛筆が止まります。

図1 漢字ドリルだけの夜に手が付かない四つの練習

図1のように、漢字ドリルの夜は、五つの練習のうち漢字だけに時間が集まった形です。音読、1行まとめ、語句調べ、3行書くの四つは、家では0分のままです。足りないのは長い時間ではありません。残りの四つに入る、小さな入口です。

家でできる手順

授業のあった日の夜に、次の順で並べます。用意する物は、国語の教科書、国語の家庭学習だけに使うノート1冊、国語辞典、鉛筆、付箋の五つです。辞典は紙でも電子でもかまいません。学校から漢字ドリルのページが宿題として出ている日は、それを先に済ませ、この手順は宿題のあとの時間で組みます。

  1. 今日のページを本人に聞いて、付箋を貼る。夕食の前か後に「今日の国語、教科書のどこをやった」と聞き、そのページに付箋を貼ってもらいます。親がページを当てる必要はありません。本人が開いたページが、その夜の材料です。授業が漢字や文法の日で文章を読んでいないなら、いま習っている文章のうち、前の授業で読んだ段落の次の段落を材料にします。

  2. 漢字は5分で区切り、3字を文の中で書く。漢字の時間は5分です。ドリルは2〜3分で止め、残りの時間で、今日書いた字から3字を選び、1字につき短い文を1つノートに書きます。「険」なら「険しい坂を上る」のように、送り仮名まで入る文にするのがこつです。書いたら、送り仮名が合っているかを本人がドリルか教科書で確かめます。親が赤で直すより、本人が見比べて気づくほうが残ります。

  3. 今日のページから1〜2段落を音読する(3分)。声は小さくてかまいません。止まった語、読み違えた語の横に、鉛筆で小さな点を打ちます。この点が、手順5の材料になります。親は台所から聞こえる所にいれば十分で、止まっても口を挟まず、段落の終わりまで読ませます。途中で直すと、本人は止まった語ではなく、親の声のほうを覚えてしまうからです。

  4. 段落ごとに1行でまとめる(5分)。音読した段落に番号を振り、段落ごとに「この一文がなければ話が通じない」という文に線を引きます。線を引いた文を自分の言葉に直して、ノートの1行に収まる長さで書きます。教科書の文をそのまま写すのではなく、言い方を変えるのが練習の中身です。説明文なら、その段落が筆者の意見の段落か、例や理由の段落かを、行の頭に「意見」「例」「理由」と書き添えます。物語なら、誰が、何をして、どう変わったかの三つが入れば1行になります。

    例えば、次のような段落があったとします。「駅前の自転車置き場は、朝の8時を過ぎるといっぱいになる。遅れて来た人は、歩道の端に自転車を止めていく。そのため、歩く人はよけて通ることになり、車いすやベビーカーでは先へ進めなくなる。置き場を広げるだけでなく、止め方の決まりも考え直すときに来ている。」線を引くのは最後の文です。1行にすると「置き場の広さに加えて、止め方の決まりも見直したほうがよい」となり、行の頭には「意見」と書きます。前の三つの文は、その意見を支える様子の説明なので、線は引きません。

  5. 点を付けた語から三つだけ辞書で引く(4分)。手順3で点を打った語から三つを選んで辞書を引きます。ノートには、語、辞書の意味、この文での意味、自分で作った短い文の四つを1組にして書きます。いちばん大事なのは、辞書に意味がいくつも並んでいるときに、この文に合うのはどれかを選ぶ所です。例えば「明るい」には、光が多いという意味のほかに、性格が朗らかだという意味、ある分野をよく知っているという意味があります。「町の歴史に明るい」の文なら三つ目です。点が三つ未満の日は、授業で先生が説明した語から足します。

  6. 3行だけ書く(3分)。最後に、ノートに3行だけ書きます。題は毎回同じで、「今日の文章で、いちばん引っかかった一文と、その理由」です。1行目にその一文を書き写し、2行目に引っかかった理由を「〜から」で終わる形で書き、3行目に、自分の場合はどうかを書きます。上手な文でなくてかまいません。3行で止めるのは、毎晩続けるためです。長い文章の組み立ては、毎晩の家庭学習とは別の時間にする練習です。ここに持ち込むと、手順全体が止まります。

  7. 週末に、その週の1行を並べて読む(10分)。土曜か日曜に、その週の1行まとめを上から読み直し、同じ文章の段落の1行をつなげて、文章全体を3〜4行で言えるかを試します。語句の組は、意味の欄を手で隠して言えるかを確かめ、言えなかった語にだけ印を付けます。

部活や習い事で時間が取れない日は、10分の形に縮めます。漢字3分、音読2分、1行まとめ5分です。10分の日の漢字は、ドリルを開かずに3字を文の中で書くことだけにします。語句と3行は、その日の分を週末の手順7に1回分だけ足します。縮めるときに削らないのは1行まとめです。読むことと書くことが、一度に入る練習だからです。

図2 20分の日と10分の日の、国語の家庭学習の並べ方

図2のように、20分の日と10分の日で、順番は変えずに長さだけを変えます。図の中の数字は分です。順番が決まっていれば、本人が次に何をするかを自分で決められるので、親が毎晩指示を出さずに済みます。最初の1週間は、手順を書いた紙を机の前に貼っておき、2週目からはその紙を外して、本人が順番を言えるかを見ます。

夕食の会話で親が手伝える所

国語は、夕食の席がそのまま練習の場になる教科です。ただし、食卓を勉強の時間にすると、本人は話さなくなります。質問は一晩に一つまでにし、答えが短くても、そこで切り上げます。

一つ目は、1行まとめを口で言ってもらうことです。「今日読んだ所、ひと言で言うと何の話」と聞きます。30秒で答えられたら、それで十分です。答えに詰まったら、「最初の段落は何の話だった」と段落を一つに絞って聞き直します。ノートに書いた1行と、口で言った1行が違っていてもかまいません。同じ中身を二通りに言えるのは、中身がつかめているからです。

二つ目は、その日に辞書で引いた語を、親が話の中でわざと使ってみることです。本人が「それ、今日調べた」と気づけば、その語は一度、生きた会話の中で使われたことになります。気づかなければ、そのまま流します。覚えているかを試す質問にすると、本人は身構えて、次から引いた語を口にしなくなります。

三つ目は、子供が何かを言い切ったときに、「どうしてそう思った」と一度だけ聞くことです。意見と理由を分けて言う練習で、説明文の段落に「意見」「理由」と書き添えた手順4と同じ頭の使い方です。理由が出てこなくても問い詰めず、「ふうん、そう思ったんだね」で終えます。

親の側からも、その日に読んだ記事や本の一文を、短く話してみてください。「今日読んだ記事に、こんなことが書いてあってね」と一文だけ。子供は、大人も文章を読んで考えていることを、言われるより見て覚えます。

言葉と場面の例

言いがちな言葉を、その場で言い換えられる形にしておきます。矢印の左が言いがちな言葉、右が言い換えです。

場面を一つ。音読の途中で同じ語に二度つかえ、「もういい」と教科書を閉じかけたとき。ここで「最後まで読みなさい」と言うと、その夜の音読はそこで終わります。代わりに「そこ、点を打っておこう。続きからでいいよ」と言います。つかえた語は手順5の材料として残り、本人は止まった所を失敗ではなく、印として扱えるようになります。

やりがちな三つのずれ

親が良かれと思ってやることの中に、手順を崩すものが三つあります。どれも、やっている側には手応えがあるので、気づきにくいずれです。

一つ目は、漢字ドリルのページ数で量を測ることです。「今日は5ページやったね」とほめると、本人はページを埋めれば終わりだと覚えます。ページ数が増えるほど漢字に時間が寄り、読むことと書くことは0分のままです。直し方は、時間で区切ることです。漢字は5分まで、残りは手順の順に使うと決め、ほめるのはページ数ではなく、ノートの1行まとめが1行増えたことにします。

二つ目は、要約の正解を親が言ってしまうことです。1行がずれていると、つい「そこはこういう意味でしょ」と親の言葉で書き直したくなります。すると子供は親の言葉を写して終わり、どの文を選ぶかという、いちばん大事な練習が抜けます。親のまとめが正しいとも限りません。直し方は、「その文を選んだのはなぜ」だけを聞くことです。選んだ理由が言えれば、選んだ文が少しずれていても、その夜はそれでかまいません。

三つ目は、本を読ませれば国語は足りると考えることです。本を読むこと自体は、もちろん良いことです。けれど、読みっぱなしでは、段落の組み立てを追う練習にはなりません。好きな物語ばかりになって、説明文を読む機会がほとんどない、ということも起きます。直し方は、本は楽しみの枠として残したまま、家庭学習の枠では教科書の文章を使い、1行まとめを先にすることです。

図3 親がやりがちな三つのずれと、それぞれの直し方

図3のように、三つのずれは、どれも測る物を取り違えた所で起きています。ページ数、親の正解、読んだ本の冊数。直し方は、測る物をそれぞれ時間、子供が選んだ理由、教科書の1行に置き換えることです。

よくある質問

中1の古文や漢文は、家で何をすればいいですか

授業のある普段の日なら、音読だけで足ります。国の学習指導要領でも、中1の古典で挙がっているのは、古文や漢文を声に出して読み、古典らしい調子を通して古典に親しむことです。教科書の古典のページを、授業で習った区切り方と読み方で1回声に出してください。現代語の訳を覚えるより先に、昔の仮名づかいの読み方と文の切れ目に耳を慣らしておくと、次の授業で先生の説明が入りやすくなります。古典を習っている週は、手順3の音読を古典のページに置き換えます。1行まとめには、現代語の訳が付いている所か授業で訳を書いたノートを使えば、ほかの手順はそのまま回せます。

親が国語に自信がなく、まとめが合っているか判断できません

答え合わせは要りません。親が見るのは二つだけです。線を引いた文が、その段落の中にあるか。1行が、教科書の文をそのまま写したものではなく、本人の言い方に変わっているか。この二つがそろっていれば、その夜の手順は果たせています。中身が合っているかどうしても気になるときは、授業の先生に、1段落分のノートを見てもらえるかを聞いてみてください。

辞書は、スマートフォンで引いてもいいですか

引く道具は、紙でも画面でもかまいません。気をつけたいのは、画面だと最初に出た意味だけを読んで閉じてしまいやすいことです。意味が二つ以上あるときは、全部に目を通してから一つを選ぶ、と先に決めておきます。スマートフォンで引いた日は、引き終えたら画面を伏せ、それからノートに書きます。この順番にしておくと、そのまま別の画面へ移ってしまうのを防げます。

学校と相談先で確かめること

国語の先生や担任には、次のことをそのまま聞いてかまいません。答えをノートの最後のページに書いておくと、手順の材料を選ぶときに迷いません。

音読で毎回同じような所でつまずく。字を書くことをひどく嫌がる。そうした様子が続き、お子さま自身が困っているときは、やり方の工夫だけで片づけずに相談してください。学校のスクールカウンセラーのほか、武蔵野市の教育支援センターと東京都教育相談センターが、学校生活や子育ての相談を受けています。武蔵野市の外に住んでいる場合は、その市の教育委員会が受けている教育相談が入口です。目の疲れや頭痛など、体の不調が気になるときは医療機関に相談してください。

個別指導で確かめること

1対1の授業では、最初に教科書の文章を1段落読んでもらい、どの語で止まり、どこで区切りを間違えるかを聞きます。次に、その段落でいちばん大事だと思う文に線を引いてもらい、なぜその文なのかを口で説明してもらいます。

選ぶ文が段落ごとにずれるときは、小学校の説明文の段階まで戻り、段落の中の「まとめの文」と「例の文」を見分ける所から確かめます。語句は、意味を言えるかより、文に合う意味を選べるかを見ます。家で打った点と、ノートに書いた語句の組があれば、どこまで戻るかを決める手がかりになります。

まとめ

漢字ドリルの3ページは、5分の漢字、1段落の音読、1行のまとめ、三つの語、3行の文に組み替えられます。1か月たつと、ノートには段落の1行が何十行も並びます。その行の数が、ドリルのページ数では見えなかった、読む力の記録になります。

読んで終わりにするか、ここから変えるか。

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