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共通テストの漢文の勉強法—句形と重要語の数を絞り、返り点の付いた文を速く読む|武蔵野個別指導塾

令和8年度の冊子で漢文は最後の6ページ、問いは7つ。句形は紙1枚に収め、重要語句は取り違えた語だけを足し、音読の秒数と漢文に入る時刻を記録して解く順まで決めましょう
共通テストの漢文は、覚える句形と重要語の数を先に決めず、過去3年分の問題で落とした物と知らなかった物だけを足していくと、覚える時間に無駄が出ません。浮いた時間は、書き下し文を声に出して読む練習と、時間を測った過去問に回します。漢文を最後に回して時間が残らない人は、覚える量より先に、解く順と漢文に入る時刻を自分の記録から決めてください。
漢文の勉強を組む前に押さえておく決まりは、次の5つです。
| 項目 | 決まっていること | 出どころ |
|---|---|---|
| 国語の時間と配点 | 90分で200点。漢文は古典2問のうちの1問、45点 | 令和10年度 出題教科・科目の出題方法等(令和9年度も同じ) |
| 出題範囲 | 「現代の国語」と「言語文化」。漢文は古典として出る | 同上 |
| 問題の作り方 | 古文・漢文を題材にし、種類の違う文章を組み合わせた問題も検討する | 令和10年度 問題作成方針(令和9年度も同じ中身) |
| 試験の日 | 2028年1月15日(土)・16日(日)が、いまの高2の受ける令和10年度試験。いまの高3の令和9年度試験は2027年1月16日(土)・17日(日) | センターの令和10年度・令和9年度試験の頁 |
| 令和8年度の漢文 | 第5問。冊子の46〜51ページで、問いは7つ、解答は8つ | 令和8年度 本試験の問題冊子と正解 |
よくあるのは、高2の秋の模試で国語を第1問から順に解き、古文を終えて時計を見たら残りが5分、漢文の大問の数ページを前に手が止まる、という場面です。前書きと最初の傍線部だけを読み、残りの解答欄は勘で塗る。返ってきた答案を見ると、句形を一つ知っていれば取れた問いまで落としていました。原因は二つ重なっています。返り点の付いた文を読むのに時間がかかること、そして漢文に入る時刻を決めていなかったことです。
令和10年度の方針と令和8年度の冊子で決まっている漢文の形
いまの高2が受ける令和10年度試験について、大学入試センターのサイトにいま載っているのは、本試験の日付と、出題方法等の文書、問題作成方針だけです。受験案内や出願の期間はまだありません。令和10年度の二つの文書を令和9年度の物と並べると、違うのは年度の数字くらいで、国語の節の文は一字も変わっていません。漢文の勉強は、いまの高3が受ける令和9年度と同じ形を前提に組んで構いません。高1が受ける令和11年度の試験は、漢文を含めて、出題を定めた文書がまだ一つも出ていません。
配点の話は一つで足ります。国語200点のうち漢文は1つの大問で45点、古文と同じ重さです。
出題範囲の名前は「現代の国語」と「言語文化」で、漢文は古典として、全員が履修する「言語文化」の範囲から出ます。ただ、問題作成方針の総論には、新しい場面でも力を使えるかを問うために、教科書などで扱われていない資料を扱う場合があると書かれています。教科書で読んだ作品が出ると見込んで、その現代語訳を覚えておくやり方は当てになりません。
国語の節で漢文にかかわるのは三つです。古典(古文、漢文)を題材にすること。記録・要約・説明・話合いなどの言語活動を重く見ること。そして大問の作り方で、一つの大問を一つの題材で作るだけでなく、種類や分野の違う文章を組み合わせた「複数の題材による問題を含めて検討する」としています。答えは多肢選択などの形で、解答用紙にマークします。
この方針が、実際の冊子でどう形になったかも見ておきます。令和8年度の本試験の国語の冊子は51ページで、表紙の注意事項に第5問が漢文と書かれ、漢文は46ページから51ページまでの6ページでした。問いの前書きには「設問の都合で返り点・送り仮名を省いたところがある」と断りがあり、最後の問7は、本文と同じ筆者の別の文章を【資料】として示し、両方から読み取れる考えを選ばせる形でした。複数の題材を組み合わせた問題は、漢文の大問でも出ていたわけです。
図1のように、令和8年度の7つの問いは、語の意味、傍線部の説明、返り点の付け方と書き下し文の組み合わせ、傍線部の解釈と続き、問1から問5までは波線部や傍線部とその前後を手がかりにする形でした。問6は傍線部から後に続く筆者の発言の内容、問7は【資料】と比べる問いで、読む範囲が一気に広がります。この並びは令和8年度の一例で、令和9年度・令和10年度に同じ順で出るという決まりはありません。

正解の表では、令和8年度の第5問の解答番号は30から37までの8つでした。最後に回して残りが5分なら、1つの解答に使えるのは40秒足らずで、前書きと本文を読む時間を入れれば、それよりずっと短くなります。表紙には、問題冊子の余白などは使ってよく、どのページも切り離してはいけない、ともあります。本文に読む順の数字や主語を書き込みながら読むことは止められていません。
過去3年分の第5問と自分の答案で、覚える範囲を決める
覚える量は、誰かの一覧の長さではなく、自分が落とした問いから決めます。見る物は三つです。
一つ目は志望校の募集要項です。共通テストの国語を古典まで使うのか、近代以降の文章だけを使うのかは、共通テストの利用教科・科目の欄に書かれます。高1・高2のうちは志望校が動くこともあるので、漢文を外すかどうかを急いで決める必要はありません。出願先がほぼ固まった時期に、その年度の募集要項で読み直せば足ります。
二つ目は、令和6〜8年度の国語の問題冊子と正解です。大学入試センターのサイトの、過去3年分の問題を集めた頁にあり、本試験だけでなく追・再試験の分も載っています。漢文の大問を開き、次の4つを年度ごとにノートへ書き出してください。
- 前書きに、返り点や送り仮名を省いたという断りがあるか。
- 題材は本文だけか。【資料】や漢詩、問答のような二つ目の題材があるか。
- 問いの型。語の意味、返り点と書き下し文、傍線部の解釈、内容の説明、題材どうしの比べ、のどれが何問あるか。
- 漢文が冊子の何ページ分あるか。
ここで一つ注意があります。令和6年度の冊子は旧課程の最後の年の物で、表紙を見ると国語は80分、漢文は第4問でした。令和7年度と令和8年度は90分で、漢文は第5問です。90分を通して測る練習には令和7・8年度を使い、令和6年度は漢文の大問だけを抜き出して解く、と分けると、時間の記録がずれません。
三つ目は自分の答案です。過去問や模試の漢文で落とした問いの横に、原因を一語で書きます。印は次の5つで足ります。3回分たまったら、印ごとに数えます。
| 原因の印 | 落とし方の例 | 次に足す物 |
|---|---|---|
| 句形 | 反語の文を疑問の意味で訳した選択肢を選んだ | 句形の一覧の、その型の欄に例文を1つ |
| 語 | 熟語を今の日本語の意味で取った | 重要語の帳面に1語 |
| 返り点の順 | 書き下し文の組み合わせで、返る位置を誤った | 返り点を付ける練習を1題 |
| 内容 | 発言の主を取り違えた | 本文の余白に主語を書き込む練習 |
| 時間切れ | 本文を読まずに塗った | 解く順と漢文に入る時刻の見直し |
この表で「時間切れ」が多い人は、句形の数を増やしても点が戻りません。逆に「句形」と「語」が多い人は、時間の使い方を直す前に、覚える物の穴を埋めるのが先です。覚える範囲は、この数え上げの結果そのものです。ほかの人の一覧に載っていても、自分の答案で一度も困っていない句形は、後回しにして構いません。
共通テストの漢文対策を、今日から6つの順番で進める
図2の6つの手順は、上から順に進めます。1と2で覚える物の枠を作り、3と4で読む速さを作り、5と6で本番の動きを決めます。

1 句形を1枚に収める
句形は、型ごとに例文を1つずつ、紙1枚に収めます。型は、否定(不・無・非・未)、疑問と反語(何・安・豈)、使役(使・令)、受身(見・被・為〜所〜)、比較(不如・莫若)、限定(唯・耳)、抑揚(況〜乎)、仮定(如・苟・雖)、詠嘆(嗚呼・哉)、願望(請・願)くらいに分けます。余白には、2度読む再読文字(未・将・当・応・宜・須・猶・盍)と、読まない置き字(而・於・矣・焉)を添えます。
例文は教科書と授業のプリントから取り、白文と書き下し文を並べて書きます。たとえば使役なら「使人求之」と「人をして之を求めしむ」です。否定の欄には、「不常得」(常には得ず。いつも得られるとは限らない)と「常不得」(常に得ず。いつも得られない)のように、語順で意味が変わる組を1組入れておくと、選択肢の訳の違いが目に入りやすくなります。1枚に収まらない分は、まだ覚える段階ではない物です。
2 重要語句は、取り違えた語だけを足す
共通テストの漢文の重要語句は、帳面に書く条件を一つに決めます。過去問か模試の本文・選択肢で、意味を取り違えた語だけです。「人間」は世の中、「百姓」は人民、「故人」は古くからの友人のように、今の日本語と意味がずれる語は取り違えやすく、帳面に入りやすい語です。
1語につき、出た年度と問いの番号、本文の中の一句を書いておきます。同じ語に二度目に出会ったとき、その句ごと思い出せるからです。帳面の語の数は、そのまま自分の取り違えの数です。新しい過去問を解いても帳面がほとんど増えなくなったら、語を覚える段階を抜けたしるしなので、その時間を3と4に回します。
3 書き下し文を音読する
読む速さは、書き下し文の音読で作ります。教科書か過去問の本文を一つ選び、1日10分、次の順で進めます。
- 書き下し文を声に出して3回読む。
- 返り点と送り仮名の付いた本文に戻り、指で漢字を読む順に追いながら、同じ文を声に出す。
- 2の読み終わりまでの秒数を測り、日付と一緒に書いておく。
「学而時習之」は「学びて時に之を習ふ」と読み、指は学、時、之、習と動きます。「而」は読まない置き字で、その働きは送り仮名の「て」に表れます。返り点の付いた文を速く読むコツは、この指の動きを、声より先に目でできるようにすることです。同じ本文の秒数が縮んでいけば、知らない本文でも返り点で目が止まりにくくなります。保護者の方は、お子さまの音読を1分だけ聞き、詰まった字を一つ教えてもらってください。どこで止まるのかが、本人にも見えるようになります。
4 返り点を自分で付ける
共通テストの漢文で白文、つまり返り点も送り仮名も付いていない漢字だけの文が、どの形で出るかは、出題方法等にも問題作成方針にも書かれていません。だからこそ、返り点を自分で付ける練習を一つ入れておきます。3で読んだ本文から一句を選び、返り点と送り仮名を紙で隠して自分で付け、書き下し文と照らします。
「登高山」なら「高山に登る」で、読む順は高、山、登、返り点は一二点です。1字だけ上に返るならレ点、2字以上離れて返るなら一二点、と口で言いながら付けると、返り点と書き下し文の組み合わせを選ぶ問いで、返る位置を誤っている選択肢を先に外せるようになります。週に2回、1回5句で足ります。
5 時間を測って過去問を解く
令和7・8年度の本試験と追・再試験の冊子を、90分を測って通して解きます。漢文に入った時刻と出た時刻を、漢文の最初のページの端に書いておきます。採点したら、前の節の表の印を付け、大問ごとに「得点÷使った分」で1分あたりの点を出します。
たとえば、3回の漢文の記録が18分で36点、15分で32点、12分で27点なら、合わせて45分で95点、1分あたり約2.1点です。同じ3回の古文が合わせて60分で78点なら、1分あたり1.3点です。この差が、次の手順の材料になります。
6 解く順と漢文に入る時刻を決める
5の記録が3回分そろったら、次の節の図3の分かれ道で解く順を決めます。図3で「入る時刻を決める」に進んだ人は、3回の中で一番長くかかった時間を試験の終わりから引き、その時点を漢文に入る最後の時刻にします。上の例なら最長は18分なので、開始から72分の時点です。令和9年度の時間割では国語は13時に始まるので、いまの高3なら14時12分になります。解答はじめの合図の後、この時刻を問題冊子の余白に書き、その時刻が来たら古文の途中でも漢文へ移ります。
それでも5分しか残らなかったときの動きも、前もって決めておきます。前書きと問いの文を先に読み、語の意味と句形にかかわる問いから塗ります。令和8年度の冊子なら、問1から問5に当たる型です。本文全体や二つ目の題材を読む問いは、最後に残った時間で選びます。
いまの高3は、令和9年度試験の2027年1月16日まで、11月8日から数えて69日です。1と2は11月のうちに紙1枚と帳面の形にし、3と4は毎日の10分だけ続け、5と6は令和7・8年度の本試験と追・再試験の4回分に絞ると、12月の半ばまでに解く順と入る時刻が決まります。
白文・漢詩・解く順についての思い込み
一つ目は「漢文は冊子の最後にあるから、最後に解くもの」という思い込みです。センターの共通テスト Q&A は、古典を使わない大学を志望する人の問いに対して、国語の解答方法は受験者の判断でよく、一部の分野だけを解く場合でも試験時間は90分だと答えています。受験案内にも冊子の表紙の注意事項にも、大問を解く順を決めた行はありません。図3のように、1分あたりの点(図の点/分)で漢文が古文を上回るなら、漢文を古文より先に解く方が、時間切れで失う点が小さくなります。上回らないなら、最後に回した記録で時間が足りていたかを見ます。足りていたら最後のままでよく、足りなかったら漢文に入る時刻を決めます。

二つ目は「白文は出る」「白文は出ない」と、決まりのように言う思い込みです。公式の文書に、白文を出すかどうかの決まりはありません。令和8年度の前書きの断りは、その年の冊子に書かれていた事実です。令和6年度と令和7年度の冊子に同じ断りがあるか、返り点を省いた形の問いがあるかは、自分で開いて数えてください。友だちの「出ないらしい」を信じて返り点を付ける練習をやめると、組み合わせの問いを勘で選ぶことになります。
三つ目は「漢詩の決まりは、平仄まで全部覚えるもの」という思い込みです。先に要るのは三つです。4句なら絶句、8句なら律詩で、1句が5字か7字かで五言と七言が分かれること。押韻は偶数句の終わりで、七言は第1句の終わりも踏むのが原則であること。律詩は第3句と第4句、第5句と第6句をそれぞれ対句にするのが原則であること。空欄に入る字を選ぶ問いが出たときは、押韻と対句が手がかりになります。平仄の細かな決まりは、過去3年分の冊子で問われた形を見てから考える順番で足ります。
四つ目は「句形と重要語さえ覚えれば、漢文の点は取り切れる」という思い込みです。問題作成方針が国語で求める力の一つは、文章の内容を多面的・多角的な視点から解釈する力で、令和8年度の問7のように二つの文章を比べる問いもありました。句形と語は入口です。主語を追い、筆者が何に賛成し何に反対しているかを一文でつかむ読み方が、残りの点を決めます。
確かめる先と聞き方
漢文の覚える範囲と解く順を決めるときは、人づての話より先に、次の5か所を開いてください。
- 大学入試センターの、過去3年分の問題を載せた頁: 国語の冊子(令和6〜8年度、本試験と追・再試験)を開き、漢文の大問の前書きの断り、題材の数、問いの型、ページ数を読む。正解の表では、漢文の解答番号の数を数える。
- 問題作成方針: いまの高2は令和10年度、いまの高3は令和9年度の物を開く。国語の節では複数の題材を組み合わせる問題を検討するという一文を、総論では教科書などで扱われていない資料を扱う場合があるという一文を読む。
- 志望校の募集要項: 共通テストの国語を古典まで使うか、分野を指定しているかを、利用教科・科目の欄で読む。
- 高校の国語の先生: 「言語文化の授業で使った句形の一覧は、どの型まで扱いましたか」「返り点を自分で付けた答案を見てもらえますか」と聞く。
- 模試や過去問を解くときの問題冊子の表紙: 漢文が第何問か、ページ数、余白の使い方の注意を、解き始める前に読む。
2は公式の決まりとして使えます。1はその年度に出た問題の事実なので、3年分を並べて、毎年同じか、年によって違うかを自分で見分けます。3は大学ごとに違い、4と5は学校や模試によって違うことがあるので、確かめた答えを自分の一覧と記録表に書き足していきます。
個別指導で確かめること
塾では、漢文の答案の落とした問いに付けた原因の印と、問題冊子の端に書いた入った時刻・出た時刻を、一緒に見ます。書き下し文の音読の秒数の記録と、句形の1枚も机に出してもらい、次の週に足す句形と語を、その場で一つずつ決めます。解く順を変えた回の前と後で、1分あたりの点がどう動いたかも、同じ表で確かめます。模試の答案が返ってきた週は、表の印を数え直すところから始めます。
まとめ
漢文で落とす点は、知らなかった句形や語の分と、読む前に時間が尽きた分に分かれます。前の分は紙1枚の句形と取り違えの帳面で、後の分は音読の秒数と漢文に入る時刻で削れます。答案の漢文の欄に原因の印を一つ書き足すたびに、来週の10分を句形と時刻のどちらへ回すかが、少しずつはっきりしていきます。
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