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英検で共通テスト英語がみなし満点になるのか—免除と換算を分けて、募集要項で読む欄|武蔵野個別指導塾

大学入試センターの文書に、英検で共通テストの英語を免除する決まりはありません。みなし満点を決めるのは大学で、対象の級、有効な期間、換算の中身、当日の受験の要否の4つの欄を読めば、1月の英語を受けるかの答えが出ます。
英検に受かっても、共通テストの英語を免除する決まりは、大学入試センターの文書のどこにもありません。外国語で『英語』を選んだ人は原則としてリーディングとリスニングの両方を受け、センターは当日の答案から出た二つの得点を、別々に大学へ渡します。「みなし満点」は大学が英検の結果を共通テストの英語の点に置き換える扱いで、その有無も点も当日の受験の要否も、出願する選抜区分の募集要項にしか書かれていません。免除はセンターの話、換算は大学の話と分けて読めば、準1級の合格証で変わることと変わらないことの境目が見えてきます。
準1級の合格証を前にして押さえておく決まりを、令和9年度の文書から五つ抜き出しました。
| 確かめること | 決まり | 出どころ |
|---|---|---|
| 英語を選んだ人が受ける試験 | 原則としてリーディングとリスニングの両方 | 令和9年度 受験案内 |
| 英検による免除 | センターの文書に決まりが無い。リスニングの免除は、障害等による受験上の配慮(申請と審査)の場合だけ | 令和9年度 共通テスト実施要項 15・受験案内 |
| 大学に届く英語の成績 | リーディングとリスニングの別の得点と、それぞれの段階表示 | 令和9年度 共通テスト実施要項 14 |
| 英検などの結果の使い方 | 大学が決め、換算の方法などを志願者にわかる形で示す | 文部科学省 令和9年度大学入学者選抜実施要項 第6の4 |
| 登録した教科を当日やめる | 試験時間の単位でできる。0点ではなく、受験しなかった扱い | 令和9年度 受験案内 よくある質問3 |
よくあるのは、11月の面談の机に準1級の合格証が置かれ、高3が「これで、もう共通テストの英語は受けなくていいですよね」と言い出す場面です。夏に二次試験を通り、秋の模試では英語の時間が足りずに崩れた。英語に割いてきた時間を、数学と理科に回したい。気持ちの筋は通っています。けれどもその一言には、「免除」と「換算」という別々の話が混ざっています。片方はセンターの決まりで、もう片方は大学ごとの決まりです。混ぜたまま、令和9年度試験の1日目にあたる2027年1月16日(土)の午後の英語を空けると、出願の段になって埋められない穴が開くことがあります。
共通テストの英語の免除は、センターの決まりのどこにも無い
令和9年度の受験案内は、リスニングの節で、外国語に『英語』を選ぶ受験者にリーディングとリスニングの両方を受けるよう求め、そこに「原則として」の四文字を添えています。この四文字の外側に置かれているのは、英語の資格ではありません。共通テスト実施要項は、障害等のある志願者への受験上の配慮の一つにリスニングの受験の免除を挙げ、受験案内はそれを聴覚障害の区分の配慮の例として載せています。障害等の種類と程度に応じて、申請にもとづく審査を経て認められるもので、令和9年度の申請は2026年7月1日(水)から10月2日(金)までが期間でした。出願の後の事故や発病などによる申請は、別に12月10日から2027年1月12日までです。英検の級もスコアも、この配慮の対象としては出てきません。
塾で令和9年度の受験案内と共通テスト実施要項の文字を検索すると、「英検」という語は一度も出てきません。出願のときに登録したのも、受験教科、地理歴史・公民と理科の科目数、成績の閲覧を希望するかどうかなどで、英語の資格や検定の結果を入れる欄はありませんでした。センターが大学に渡す英語の成績は、実施要項の14にあるとおり、リーディングとリスニングの別の得点と、それぞれの段階表示です。英語についてセンターの手元に残るのは当日の解答用紙のマークだけで、英語を受けなければ、大学に送る英語の点そのものが生まれません。
英検を入試に使う決まりは、大学の側にあります。文部科学省の令和9年度大学入学者選抜実施要項は、評価方法の章で、英検や TOEFL のように4技能を測る資格・検定試験の結果を、大学が活用することが望ましいとしています。同じ箇所は、受検の負担が大きい志願者への配慮として、例えば、資格・検定試験の結果を使わない選抜区分を設けることと、個別テストの成績と資格・検定試験の結果の有利な方を選んで使うことを挙げます。そのうえで、活用するときの具体的なやり方を、例えば得点の換算の方法まで、志願者にわかる形で明らかにするよう求めています。国立大学協会の基本方針も、英語の民間の資格・検定試験を使うなら、使わない募集区分を設けたり個別学力検査の成績と選んで使えるようにしたりして、受験機会の公平に可能な範囲で配慮する、という立場です。
みなし満点や得点の換算は、この大学の側の使い方の一つです。共通テストの英語の点に置き換えるのか、個別試験の英語に置き換えるのか、出願の条件にとどめるのかも、大学と選抜区分で分かれます。図1のように、英検の結果と共通テストの英語の点は、大学に届くまで別の道を通ります。英検の結果は出願書類として大学へ直接届き、共通テストの答案はセンターを通ってR・L別の得点になります。R・Lはリーディングとリスニングのことで、センターが関わるのは下の道だけです。二つの道が合わさる所の決まりは、大学の募集要項が持っています。

英検2級や準1級と共通テストの換算は、募集要項の4つの欄で読む
募集要項で開くのは、共通テストの利用教科を並べた表の外国語の行と、英語の資格・検定試験の扱いを書いた欄です。欄の名前や置き場所は大学によって違いますが、確かめる中身は次の4つにまとまります。
1つ目は、対象の試験と基準です。英検のほかにどの試験を認めるか、基準を級で書いているか、CSE スコアで書いているか、CEFR の段階で書いているかを読みます。CEFR で書かれているときは、合格証の級だけでは答えが出ません。英検協会は CSE スコアから CEFR を示していて、受けた級ごとに表示されうる CEFR に幅があります。準1級の受験で表示されうるのは B1 か B2、2級の受験なら A2 か B1 で、どちらになるかは成績表のスコアで決まり、範囲より低ければ表示されません。合格証ではなく成績表を横に置いて読むのは、そのためです。
2つ目は、有効な期間です。いつ受けた英検の結果まで認めるかを読みます。高2の春に受けた結果が入るのか、出願の時点から何年さかのぼるのかを、成績表の実施日と照らします。期間の外の結果は、級が高くても数に入らないので、記憶ではなく成績表に印字された日付で確かめます。
3つ目は、換算の中身です。共通テストの英語を満点として扱うのか、決まった点として扱うのか、当日の点と比べて高い方を使うのか。そして、その扱いがリーディングとリスニングの別に書かれているのか、英語をまとめて書いているのか。センターは二つの得点を別々に渡すので、換算の表がどちらの点に当たるのかを読み落とすと、自分の点の見積もりが崩れます。
4つ目は、共通テストの英語を受けておく必要があるかです。外国語を受験していることを出願の条件にしているか、受けていなくても英検の結果だけで扱うのか。「もう受けなくていい」の答えは、この一行にしかありません。
同じ大学でも、選抜区分が変われば中身が変わります。文部科学省の実施要項は、評価や判定の方法に違いを設けるなら募集人員を分け、区分ごとに示すよう求めています。前期で英検を使う大学が、後期でも同じ使い方をするとは限りません。私立大学の共通テスト利用の入試で英検2級を使うときも、読む欄は同じ4つです。共通テストを使う区分に出すなら、英検の証明とは別に、共通テストの成績請求情報を大学に渡す手続が要ることも、令和9年度の受験案内に書かれています。
自分の側で見るのは、共通テスト出願サイトのマイページの出願内容です。外国語を受験教科に登録しているかを確かめます。2026年12月4日(金)10時からは受験票も取れるようになり、受験教科名の欄で外国語に丸が付いているかで同じことがわかります。いまの高2が受ける令和10年度試験の入試では、4つの欄の中身は来年の募集要項に書かれるので、まだ読めません。高2のうちに受ける英検が使えるかどうかは、その年の有効な期間の欄で決まる、とだけ覚えておけば足ります。
2027年1月16日の英語を受けるかどうかは、この順に決める
決めるのを急ぐ理由はありません。受験案内のよくある質問3は、登録した教科は試験時間の単位で当日に取りやめられ、取りやめた科目は0点で採点されず、受験しなかったものとして扱うと答えています。令和9年度は、リーディングが15時20分から、リスニングが17時20分からの別の試験時間です。反対に、登録していない教科は当日に受けられず、受けても採点されません。決める材料がそろうまでは、受ける予定のまま進めておく方が、あとで選べる道が多く残ります。
手順は次の順番です。
- 今日、マイページで登録を見る。外国語に登録があるかを確かめます。令和9年度は、出願内容の訂正の期間が2026年10月16日(金)17時に終わり、ここから教科を足すことも外すこともできません。登録が無ければ、当日の英語の点が無い前提で、出願する区分を組み直します。
- 出願しうる選抜区分を全部書き出す。国公立の前期と後期、私立の共通テスト利用、一般選抜で共通テストを使う区分まで並べます。第一志望の一つだけで判断すると、併願先の一つで足をすくわれます。
- 区分ごとに4つの欄を一行に写す。募集要項は、文部科学省の実施要項で2026年12月15日(火)までに発表することになっています。11月にまだ出ていない区分は、7月末までに大学が発表した選抜の基本的な事項で当たりを付け、募集要項が出たら写し直します。
- 写した表を、図2の二つの問いに当てる。
- 英検の証明を用意する。募集要項が求める書類の種類と提出の期限を写し、成績表の実施日が有効な期間に入っているかを見ます。
- 受けると決めたら、英語の練習を共通テストの形に戻す。英検と共通テストでは時間も分量も音声の流れ方も違い、合格証の級がそのまま当日の点になるわけではありません。
たとえば、出願を考えている区分が5つあるとします。英検の結果で共通テストの英語を満点として扱い、当日の受験を求めない区分が1つ。英検を換算した点と当日の点の高い方を使う区分が1つ。英検を使わない区分が3つ。このとき当日の英語を受けないと、5つのうち3つの区分では英語の点がまるごと無くなり、高い方を使う区分では、当日の点で換算の点を上回る道が消えます。英検だけで話が終わるのは5つのうち1つで、受けない理由は、残りの4つの前では立ちません。
図2は、この判断を二つの問いにした分かれ道です。一つ目の問いで、共通テストの英語の点を使う区分が一つでもあれば、答えは「受ける」で決まります。二つ目の問いは、英検を使う区分の中身を見るもので、当日の受験を条件にしているか、高い方で使うなら、やはり受けます。「受けない道もある」にたどり着くのは、出願する区分のどれもが英検の結果だけで扱い、受験も求めていないと、募集要項の文字で確かめられたときに限ります。

保護者の方は、お子さまが作った区分の一覧を一緒に見て、4つの欄に空欄が残っていないかだけを確かめてください。欄の中身を判断するより、空欄を見つける方が、家での確認には向いています。空欄のまま12月を越えると、募集要項を読む時間が出願の直前に押し込まれます。
「準1級なら英語は満点扱い」をめぐる三つの思い込み
一つ目は、「英検に受かれば、共通テストの英語は免除になる」という思い込みです。免除を扱った節で見たとおり、センターの決まりには英検による免除がありません。リスニングを免除できるのは障害等による受験上の配慮で、申請と審査を通ったときだけです。合格証は、センターの解答用紙の上では何の効き目も持ちません。
二つ目は、「みなし満点は、どこの大学でも同じ扱い」という思い込みです。英検をどう使うかは大学が決め、同じ大学でも選抜区分で変わります。満点として扱うのか、決まった点にするのか、高い方を使うのか、そもそも使わないのかは、区分ごとの4つの欄を読むまで決まりません。級だけを見て「準1級なら満点」と言える表は、センターにも文部科学省にもありません。
三つ目は、「当日に英語をやめると0点になる。だから出願のときに外しておけばよかった」という思い込みです。受験案内は、登録した教科を試験時間の単位で取りやめた場合、未受験の扱い、つまり受験しなかったものとして扱い、0点として採点することはないと答えています。ただし、0点が付かないということは、英語の点がそもそも無いということでもあります。英語の点を使う区分から見れば、受けなかった人の英語の欄は空いたままです。外国語を登録してあるなら外しておく必要は無く、外さなかったからこそ、試験の当日まで選べる立場にいます。
図3は、三つの思い込みを決まりと並べた表です。×が付いた二つはセンターの受験案内と実施要項で答えが出て、区分ごとと書いた一つは募集要項でしか答えが出ません。

確かめる先と聞き方
準1級の合格証がどこまで効くかは、次の6か所に一つずつ当てると答えがそろいます。
- 出願する区分の募集要項。外国語の行と、英語の資格・検定試験の欄で、対象の試験と基準、有効な期間、換算の中身、共通テストの英語を受ける必要があるかを読む。
- 大学の入試の窓口。欄を読んでもわからないときに、「英検の結果を使う区分で、共通テストの英語を受けなかった場合はどう扱われますか」と聞く。
- 英検の成績表。CSE スコア、表示された CEFR、実施日の三つを書き出し、募集要項の基準の欄と横に並べる。
- 共通テスト出願サイトのマイページ。外国語に登録があるかを見る。2026年12月4日からは受験票の受験教科名の欄でも見られる。
- 令和9年度の受験案内。英語の両方の受験を書いたリスニングの節と、当日の取りやめを書いたよくある質問3を開く。
- 高校の先生。出願する区分の一覧を見せ、英検を使う区分と使わない区分の分け方が合っているかを見てもらう。
個別指導で確かめること
塾では、出願を考えている区分を一枚の表にして、4つの欄の写しと英検の成績表のスコアを並べ、空欄や読み違いが残っていないかを一緒に確かめます。受けると決めた人とは、過去の問題冊子でリーディングとリスニングの得点を別々に記録し、換算の表がR・L別に書かれた区分があれば、その区分で効く方の点から練習の時間を割り当てます。2027年1月16日までの残りの週を、記録の数字で配分します。
まとめ
英検の合格証で軽くなるのは、募集要項がそれを換算に使うと書いた区分の英語だけで、センターで採点される共通テストの解答用紙は、合格証の存在を知りません。出願する区分の4つの欄を全部埋めるまで、2027年1月16日の午後の英語を受ける予定のまま手帳に残しておくのが、取り返しのつく側の選び方です。
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