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共通テスト英語は英検何級のレベルか—問題作成方針の「CEFR A1〜B1」から読む|武蔵野個別指導塾

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英検でB1を表示しうるのは2級と準1級の受験だけ。問題作成方針のCEFR A1〜B1の目安を英検の受験級と図で重ね、2級でも過去問の点が伸びない三つの理由と、高2からの練習のつなぎ方を順に追います。

共通テストの英語のレベルを、英検の級で言い表す公式の対応はありません。大学入試センターの問題作成方針が使っている物差しは級ではなく CEFR で、問題の英文・語彙・タスクを、概ね A1〜B1 の三つの段を目安に作ると書かれています。英検協会の対応表で、その三つの段を表示しうるのは3級から準1級までの受験で、いちばん上の B1 を表示しうるのは2級と準1級の受験です。共通テストの英語は英検何級レベルか、と聞かれたら「一つの級ではなく、3級から2級までの受験で表示されうる段がすべて収まり、準1級の下の端の B1 が重なる帯の試験」と答えるのが、文書に沿った言い方です。

英検の級と共通テストの帯を結ぶ根拠は、次の5行です。

確かめたこと 決まり・数字 文書
問題のレベルの目安 CEFR の概ね A1〜B1(英文・語彙・タスクの目安) 令和9年度・令和10年度 問題作成方針
出題範囲 英語コミュニケーションⅠ・Ⅱと論理・表現Ⅰ 同上・令和10年度 出題方法等
時間と配点 リーディングは80分で100点、リスニングは解答30分を含む60分で100点。英語を選ぶ人は原則として両方を受ける 令和10年度 出題方法等
英検で B1 を表示しうる受験級 2級と準1級(A2 は準2級・準2級プラス・2級、A1 は3級・準2級・準2級プラス) 日本英語検定協会「英検CSEスコアとは」
英検の一次試験の合否 3級以上は、リーディング・リスニング・ライティングの技能別スコアの合計で判定 同上

よくあるのは、英検2級の合格を知った春、その勢いで共通テストの過去問を開いた高2が、リーディングの丸付けを終えて赤ペンを持ったまま動けなくなる、という場面です。前半の大問はほとんど丸なのに、後ろの三つの大問で点がまとまって消えている。2級に受かったのだから共通テストの英語は越えたはずだ、と思っていた分だけ、落差が大きく見えます。けれども、この落差は「英語の力が足りない」の一言では片づきません。英検と共通テストは、同じ英語を、向きの違う物差しで測っているからです。

問題作成方針が書いているのは級ではなく、A1〜B1という帯

令和9年度の問題作成方針の外国語の節は、リーディングとリスニングの問題のレベルを、出題範囲の英語コミュニケーションⅠ・Ⅱと論理・表現Ⅰの目標と内容に合わせるとしたうえで、「CEFR の概ね A1〜B1 レベルを目安として」問題の英文、使う語彙、タスクを決めると書いています。高2の人が受ける令和10年度の本試験は2028年の1月15日(土)と16日(日)で、その年度の問題作成方針もすでに公表され、年度の字のほかは同じ CEFR の文が残っています。いまの高1が受ける令和11年度の方針は、まだ出ていません。

CEFR は、外国語の熟達度を A1 から C2 までの6段階で示す枠組みです。英検協会の頁の説明では、A1 と A2 が基礎段階の使用者、B1 と B2 が自立した使用者とされ、B1 は、学校や娯楽のような身近な話題なら、標準的な話し方で要点をつかめる段階として描かれています。共通テスト英語の CEFR の目安は、基礎段階の二つと、自立した使用者の入口の B1 までの三つの段にまたがります。

一つの段ではなく帯になっている理由も、方針の同じ段落にあります。「多様な入学志願者の学力を適切に識別できるよう」に、という部分です。令和8年度の本試験でリーディングを受けた人は455,114人でした。それだけの人数が同じ冊子を解き、英語が得意な人と苦手な人の差が点に出なければ、試験の役目を果たせません。だから一冊の中に、A1 の段で答えられる問いから、B1 の段の英文を最後まで読み通さないと答えられない問いまでが並びます。決まった合格基準のスコアを越えたかどうかで級を認める英検とは、作り方の狙いが違います。

令和10年度の出題方法等を見ても、80分の読む試験と、60分のうち30分で答える聞く試験が、それぞれ100点ずつです。リーディングの英文はアメリカ英語に加えて、場面によってイギリス英語を使うこともあり、リスニングの音声は多様な話者の、現代の標準的な英語です。音声・語彙・表現・文法の知識や技能は、目的や場面に応じて読み取る・聞き取る力を問うことを通して評価する、とされています。

英検の側では、英検協会が CSE スコアから CEFR を表示しています。受けた級ごとに表示できる CEFR の範囲が決まっていて、範囲を下回ると表示されず、上回るとその級で出せる上限が表示されます。図1のように、2級の受験で表示されうるのは A2 と B1、準2級と準2級プラスは A1 と A2、準1級は B1 と B2 です。共通テストの帯に重なるのは3級から準1級までの五つの級で、どれか一つの級とぴったり重なるわけではありません。

図1 英検の受験級ごとに表示されうるCEFRと、共通テストの目安の帯

図1の赤い枠の2級の列を見ると、○が A2 と B1 の二つの段に付いています。2級の受験者の技能別 CEFR は、表示されるとすれば、共通テストの帯の真ん中から上の端までのどこかに出る、ということです。級の名前だけを見て「B1 の人」と決めることはできません。

英検の成績表と過去問の答案で、自分の段を読み直す

共通テスト英語の CEFR レベルは問題の側の目安で、自分の側の段は合格証ではなく成績表に出ています。英検協会によると、2022年度以降の成績表には、技能別のスコアに基づく技能別の CEFR レベルが表示されます。まず見るのは、リーディングとリスニングの二つの欄です。共通テストの英語はリーディングとリスニングの二つの形式で行われ、書いた英文や話した英語を答案として出す試験はありません。

英検の一次試験は、3級以上ならリーディング・リスニング・ライティングの技能別スコアを足した合計で合否を決め、二次試験はスピーキングのスコアだけで決めます。英検協会の合否判定の説明では、技能ごとに問題の数は違っても、スコアは技能ごとに均等に配分されています。合計で決まる以上、ライティングでしっかり点を取った人が、リーディングやリスニングの技能別 CEFR では A2 と表示されたまま2級に受かることは、仕組みの上で起こりえます。逆に、2級の受験で B1 と表示された人の中には、それより上の力があっても、2級で出せる上限の B1 で止まっている人がいます。成績表の B1 は「ちょうど B1」とも「B1 より上」とも読めるので、その差は共通テストの過去問で測るしかありません。なお、4技能を合わせた総合の CEFR は、一次と二次の両方を受けたときにしか表示されません。

次に見るのは、共通テストの過去問の答案です。センターのサイトの過去3年分の試験問題には、令和6〜8年度の本試験の問題と正解が載っていて、リスニングの音声とスクリプトも、令和6年度から令和8年度までの3年とも、各年の本試験の頁に置かれています。令和6年度は旧課程の最後の年なので、いまの高2が最初に解くなら、新課程の令和7年度か令和8年度が合います。令和8年度の本試験の配点を前の大問から並べると、リーディングは8つで6・12・9・12・16・12・16・17点、リスニングは6つで28・12・18・12・16・14点でした。この並びは令和8年度の物で、令和10年度も同じ並びになると決まっているわけではありません。

答案で確かめるのは、大問ごとの得点と、どこで時間が尽きたかです。令和8年度のリーディングのように1つの解答が2〜4点の形では、後ろの大問を一つ読み切れないだけで十数点が動きます。令和8年度の正解表には、複数の解答が全部合っているときだけ点を与える問いが、リーディングにもリスニングにも印付きで載っています。自分で丸を付けるとき、この問いを部分点のつもりで数えていないかも見直してください。

最後に、志望校の募集要項の英語の欄を開きます。センターから大学へは、英語の点がリーディングとリスニングの二本立てで届き、その二本をどう重み付けするかは大学ごとに違います。英検などの資格・検定試験の結果を、出願の条件にするか、点に置き換えるか、使わないかも大学ごとの決まりです。文部科学省の令和9年度の大学入学者選抜実施要項は、4技能を測る資格・検定試験の結果を大学が活用することを望ましいとしていますが、それは共通テストの英語の難しさとは別の問いです。要項の英語の欄は、自分の受ける区分の行だけを読みます。

英検の勉強を共通テストの形へつなぐ5つの順番

いまの高2なら、令和10年度の本試験まで、2026年11月の時点で1年と2か月ほどあります。この時間で、英検で身に付けた語彙と文法を、共通テストの80分と30分の形に乗せ替えます。順番は図2のとおりで、3から5は何度かくり返します。

図2 英検の成績表から共通テストの過去問へ進む5つの順番

1 成績表でRとLを見る

合格証ではなく成績表を出し、リーディング(R)とリスニング(L)の技能別スコアと技能別 CEFR を、ノートの最初のページに書き写します。保護者の方は、級の名前より先に、この二つの欄をお子さまと一緒に見てください。ライティングの欄が高く、R と L が低い形なら、共通テストで点が伸びない理由の半分はもう見えています。

2 時間どおりに過去問

令和8年度の本試験のリーディングを80分で、リスニングを音声を止めずに通して解きます。途中で辞書を引かない、音声を巻き戻さない、時間を延ばさない。最初の1回は、今月か冬休みのうちに済ませます。点が低くても、この1回の答案が後の練習の地図になります。

3 大問ごとに失点を記録

大問ごとに配点と得点を並べ、落とした問いに印を付けます。印は三つで、英文の語や文の意味がつかめなかったものは「語・文」、時間が足りず読めなかった・急いで選んだものは「時間」、音声を聞き取れなかったものは「音声」です。たとえば、令和8年度のリーディングで、第1問から第8問が順に 6・12・9・9・12・6・4・3点、合計61点だったとします。失った39点のうち32点が、第6問から第8問に集まっています。後ろの大問ほど点が消える形は、語の難しさより先に時間切れを疑う形です。答案に残った時刻の書き込みと照らして、印の多くが「時間」に付くなら、語彙を増やすより、量に慣れる練習が先に効きます。

4 失点の形で練習を足す

「語・文」の印が多い人は、英検の勉強で覚えた語を、過去問の本文の中で出会った所に線を引いて覚え直します。共通テストの目安は B1 までなので、準1級の語を先に増やすより、B1 までの英文で取りこぼさない方が点に近づきます。「時間」の印が多い人は、週に1回、リーディングの後ろの三つの大問だけを続けて解く日を作り、どの大問で何分かかったかを書き残します。「音声」の印が多い人は、令和9年度の受験案内で1回しか流れない第3問から第6問を、センターが公開している令和8年度の音声で、スクリプトを見ずに聞いてから答え合わせをします。英検の勉強そのものはやめません。英検で覚えた語彙と文法は、共通テストでも、読み取る・聞き取る問いの中で使われる知識だからです。

5 別の年度で測り直す

2〜3か月あけて、令和7年度の本試験で2と同じ条件の通しをもう1回行い、三つの印の数を前の表と比べます。減った印と減らない印が分かれれば、次の2〜3か月に足す練習が決まります。高3の夏までに、本試験の3年分を一巡するくらいの間隔が目安です。英検の次の級を受けるかどうかも、この表を見てから決めると、受けた結果を共通テストに引き寄せて読めます。

「2級なら大丈夫」をほどく三つの思い込み

一つめは、「2級に受かったのだから、共通テストの B1 は越えている」という思い込みです。共通テスト英語の英検レベルを2級と言い切れないのは、ここに理由があります。2級の合否は3技能の合計で決まるので、R と L の技能別 CEFR が A2 のまま受かることも、仕組みの上ではありえます。B1 と表示された人も、その表示は2級で出せる上限です。「越えているかどうか」は級の名前ではなく、成績表の R と L の欄と、共通テストの過去問の答案で読みます。

二つめは、「共通テストは英検2級より易しいから、過去問は高3の秋からで間に合う」という思い込みです。目安が B1 までというのは、一つ一つの問いの難しさの話で、80分で読む量の話ではありません。図3のように、共通テストのリーディングは80分をまるごと読むことに使い、英検2級の一次試験はリーディング・ライティング85分の中に、英文を書く時間も入っています(英検協会の2級の頁)。塾が令和8年度の問題冊子の英字を数えた概数では、設問と選択肢を含めて約5,600語あり、たとえばこれを80分で割ると、1分あたり約70語になります。令和8年度の本試験の最終の平均点は、リーディング62.81点、リスニング54.65点で、帯の上の端が B1 の試験でも、満点からは遠い所に平均があります。

図3 共通テストと英検2級の一次試験の時間の長さの比べ

三つめは、「英検のリスニングで1回読みに慣れているから、共通テストのリスニングは心配ない」という思い込みです。英検2級のリスニングは、2026年度第1回の問題冊子では、英文がすべて一度しか読まれない形でした。1回で聞くこと自体には慣れているはずです。違うのは点の出方で、共通テストではリスニングが100点の独立した得点になり、大学にもリーディングと別の数字として渡ります。英検の合否の判定では3技能の合計の中に隠れていた弱さが、共通テストではそのまま一つの数字に出ます。図3のとおり、共通テストの解答の30分と英検2級のリスニングの約25分は長さが近くても、共通テストではその30分の結果だけで100点が決まります。多様な話者の音声と、問題文を読むための音声が流れない時間がある形にも、過去問で一度は慣れておきます。

確かめる先と聞き方

英検の級を共通テストの物差しに置き直すときに開く物と、そこで読む行は次のとおりです。

個別指導で確かめること

英検の成績表の技能別の欄と、共通テストの過去問の大問ごとの得点表を机に並べ、どの大問で何分かかったか、どの印の失点が多いかを、答案の余白の書き込みと時間の記録から一緒に読み取ります。リスニングは、どの大問の何問目で手が止まったかを、マークの跡と音声の進み方を照らして確かめます。決めるのは次の2〜3か月に足す練習の中身で、受けた級の名前や、次に受ける級の名前から練習を決めることはしません。

まとめ

英検2級の合格証は、共通テストの帯の上の端、B1 に手が届くかもしれないという手がかりにすぎません。共通テストの答案用紙には級を書く欄が無く、点を決めるのは、A1 から B1 までの問いを80分と30分の中で落とさずに拾えるかどうかです。成績表の R と L の二つの欄から、測り直しを始めてください。

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